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ミザーナフォールズ - (2013/09/21 (土) 21:51:02) の編集履歴(バックアップ)
ミザーナフォールズ
【みざーなふぉーるず】
ジャンル
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本当の意味での推理アドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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ヒューマン
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発売日
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1998年12月23日
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定価
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5800円
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ポイント
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すぐにフリーズ ノーヒントクリア不可 突っ込みどころだらけ
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概要
アメリカ・コロラド州にあるという設定の架空の田舎町で起こった事件を解決するというアドベンチャーゲーム。
ストーリー
クリスマスの朝。山沿いの田舎町「ミザーナフォールズ」の森林で、1人の女子高生が謎の急死を遂げた。
更に町長の娘が行方不明になっている事が判明し、警察は2つの事件を関連付けて捜査を開始する。
町長の娘の同級生であるマシューは独自に調査を始めるが…。
特徴
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12月25日から31日までをプレイの場とするゲームで、期間内に事件を解決できなければ町長の娘の死体が発見され、バッドエンドとなる。
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リアルタイムの約10秒ごとに、ゲーム内では1分が経過する。
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フルポリゴンで作られた町の中を実際に移動し、探索する。主人公が所有する軽自動車で移動する事も可能。
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車にはガソリンのゲージがある。ガソリンは0になっても一応移動できるが、最低のスピードしか出せなくなる。
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ガソリンは町に1店だけ存在するスタンドで満タンにできる。本作にお金という概念は存在しない為、何度でも補給できる。
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ゲーム中、犯罪者との格闘やカーチェイスなどのミニゲームが発生することがある。ミニゲームは負けるとゲームオーバーだが、ペナルティ無しで何度でもコンティニューできる。
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セーブは自室で睡眠を取ることで行う。寝る時間を1時間と3時間から選択し、その後セーブする。
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本作に体力や疲労度は存在せず、何時に寝なければならないといった制限も存在しないため、好きな時間に好きなだけ眠る事ができ、時間を飛ばすのに利用する事もできる。
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一方、時間限定イベントが発生する時間を睡眠で飛ばすと、当然そのイベントは体験できない。
問題点
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ポリゴンのレベルが低く、人の顔は泥を塗りたくった仮面にしか見えない。町の建物もベニヤ板製にしか見えず、画面を回転させると壁の中が透けて見えたりする。
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難易度が極めて高い。初日から立てておかないといけないフラグがいくつもあるので、まったくのノーヒントでクリアできる可能性は非常に低い。
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初日から町中のほぼ全ての場所に行けてしまう上、入手できる地図には一度行った場所の地名しか載らない為、まずは自分で探さなくてはならない。
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調査する上で絶対に欠かせないガソリンスタンドすら載っていない。
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そのせいもあってか攻略本は2種出ている。しかしその片方は、初日に起こる「クリアに必須のイベント」が載っていないという致命的な欠陥がある。
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BGMが突然不自然なタイミングで途切れたり、突然再び流れ始めたりする。
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バグがある。
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頻繁にフリーズする。
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車を操作していると背景にハマって動けなくなることがある(一応救済措置はあるが)。
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上に登れる台から下りようとすると、壁の中へ下りてしまい出られなくなることがある。
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イベント管理にミスがあり、後半入る事になるはずのスクラップ置き場に妙なタイミングで入れたりする。
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対戦格闘風のミニゲームの出来が非常に悪い。動きは異常に遅く、敵と同時に攻撃を出すとこちらだけ食らう。
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条件を満たすと好きな登場キャラを選んで2P対戦ができるようになるのだが、どのキャラも性能もボイスも同じで、しかも出来自体が上記の通りだからあえてやりたがる人はいないだろう。
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ストーリーは一応現実系なのだが、やたらと突っ込み所が多い。
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「頼れる味方」と紹介されている保安官事務所の所長がとにかく無能。証拠物件を勝手に人に貸し出し、初動捜査を誤り、犠牲者の学校のロッカーも調べようとせず、果ては突然自宅に引き篭もって居留守を使う。
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犯人の仲間を捕らえておきながら考え込み、まんまと逃げ出される主人公(2回も)。
評価点など
一方、「寂れた冬の田舎町」という世界観は非常によく描けており、「ゲームはクソだけどこの町には住んでみたい」という声も少なくない。
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日時によって天気や日光の当たり加減、月の満ち欠けなどが細かく変化する。他に気を使うべきことは絶対あると思うが。
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OPデモはグラフィック・BGM共に質が高く、実写映画を思わせる。
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故にゲーム本編でのポリゴンを見るとその落差に驚かされるだろうが。
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メインテーマ「エターナル」の、バッドエンドで流れるジャズバージョンは名曲である。
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実生活を営みながら事件を捜査するということで、ある意味『HEAVY RAIN』のようなサスペンスADVや『Red Seeds Profile』のようなサスペンス系フリーローミングゲームのはしり…と言えなくもない。
総評
町中を実際に歩き回れる「箱庭ゲー」であること、様々な事件・人間模様が複雑に絡み合ったシナリオと、名作になり得る可能性を持ったゲームだったかもしれない。
しかしプレイステーション1のスペックでは実現させるのに無理があったのか、それとも単に開発元の質の問題か、問題だらけのソフトとして終わってしまった。
後にプレイステーション3で、コンセプトの類似する『Red Seeds Profile』が発売された事も鑑みるに、色々な意味で「早すぎた」ソフトだったのかもしれない。