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ファザナドゥ - (2013/12/14 (土) 09:01:39) の編集履歴(バックアップ)


ファザナドゥ

【ふぁざなどぅ】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 ハドソン
発売日 1987年11月16日
ポイント ドラスレファンにはガッカリゲー
ザナドゥの名前が足枷に
単体で見れば佳作
配信 Wiiバーチャルコンソール:2010年10月5日/500Wiiポイント
ドラゴンスレイヤーシリーズリンク
ハドソン マル超シリーズ
ボンバーキング / ファザナドゥ / 桃太郎伝説

ストーリー

世界樹を中心とした世界のお話。
エルフ族とドワーフ族が共に仲良く暮らしていた。ところがある日のこと、流星が世界樹にぶつかり、そのバランスが崩れることとなる。エルフ族とドワーフ族は戦い、麓の都エオリスも水が枯れてしまった。
そんな中、ある1人の男が自分の生まれ故郷エオリスに戻ってきたところから物語は始まる。再び平和を取り戻すには、狂ったモンスターたちがあちこちで暴れ出している巨大な世界樹の中をつき進み、魔界丘に棲む悪の魔王を倒さなければならない。人々の期待を背負い、一人の勇士が今、旅に出る。

概要

ハドソンがパソコンゲーム史に残るヒット作となったアクションRPG『ザナドゥ』のライセンスをファルコムからを受けて製作した*1ファミコンソフト。(「ファ」ミコンの「ザナドゥ」で「ファザナドゥ」である。)
一応は「移植版」としての製作だが、ユーザー層等を考慮して作成された結果、パズル要素などは排除されたアクション重視の作品となっている。
その結果ザナドゥとは全くの別物となっており、原作ファンからはそっぽを向かれてしまったが、ハドソンが製作しただけあってゲーム自体はそれなりにまとまった出来になっている。

特徴

RPGのように武具の買い物による強化や、パスワードを使用した継続プレイが可能になっている。

装備品やアイテム

  • 装備品の強化が本作唯一の主人公強化方法である。
    • レベルが上がって称号が変わってもパラメータの変化は無く、武具を良くする事でのみ主人公を強化できる。
  • 食品店と病院はどちらも回復所で、食品店は安いが回復量が少なく、病院は割高だが全回復できる。
    • ただし、食品店で全快する方が割安の事が多かったりする。

パスワード

  • 基本的にアクションメインのゲームであるが、パスワードを使用してRPGのように継続したプレイが可能。
    • 当時のFCのアクションゲームは遊んだ日の内に最後までプレイするものが多く、こういう仕様は珍しかった。
    • パスワードでは全てのデータが保存されるわけではなく、保存されるのは、称号、所持品、セーブした教会の場所、ゲーム進行状況のみ。
      • 詳しくは下記『称号』項目で記載するが、経験値と所持金は保存されない。

『称号』

  • レベル表示の代わりであり、経験値が溜まると次の称号へ変化する。
  • ただし称号による影響があるのは『再開時の所持金』『再開時の経験値』『ダッシュまでの助走時間』『ウイングブーツの効果時間』のみ。
    • 称号が上がる毎に再開時の所持金が増え、助走距離も短くなるが、称号が上がる毎にウイングブーツの効果時間は減ってしまう。
    • 経験値はその称号の初期値になる。
      • その為、称号が変わる前にパスワードを聞くと経験値が無駄になってしまう。
      • 反面、パスワードを聞く前に所持金を使い切って買い物をするのは得。

評価点

世界観

  • 巨大な世界樹の中に広がるという世界観は評価が高い。
    • 外観となる場所では明るく空が見える一方、内部には霧の深い場所等もあり、探索する楽しみがある。

ゲームバランス

  • ハドソン製だけあってアクションゲームとしてのバランスは良い。

RPG要素による継続プレイ

  • 時間をかけた探索型RPGとして作られており、RPG的な強化とアクションゲームとしての両立が出来ている。

不満点

中途半端なザナドゥ要素

  • 本作最大の不満点として真っ先に上がるのがこれ。
  • 称号や武具の名称にザナドゥの名残はあるものの、横視点の探索型アクションゲームとなっており、原作のようなパズル要素などは皆無。

RPG要素が全体的に中途半端

  • あくまでメインはアクションであり、武具購入による強化は出来ても一般的なRPGのようにレベルアップによりステータス強化が出来ない。
    • その為クリアに躓いた際にレベルアップによるごり押し等は出来ない。
      • またレベルアップによる助走の短縮は便利だが、ウイングブーツの効果時間短縮はゲームの難易度を上げてしまっており、場合によっては詰まったからレベルアップしたのにゲーム難易度が上がるといった事態に陥ってしまう。

総評

一言で言うならば『ザナドゥを期待するとガッカリゲー、単独で見るなら佳作』である。
『ザナドゥ』を意識した結果、一部のシステムがちぐはぐになってしまっており、いっそ原作要素は排除した方が良かったのかもしれない。
実際、別タイトルで出した方が良かったんじゃ?という話もよく聞かれるし、『ザナドゥ』ファンにとっては『ザナドゥ』の名前を冠したばかりに落胆が酷かった。
(その為、本作をクソゲーと言う人間には原作ファンが多い。)

中途半端な要素が散見されるものの、独自のゲームであることをきちんと踏まえれば、難易度やボリューム、背景世界の設定やシナリオ、フォントが大きく見やすいメッセージウィンドウ等、当時としてはかなり高いレベルでまとめられた良作ではある。
ただ、やや難解な部分が多く、本作品のターゲット層を考えると成功しているとは言い難い。

高橋名人によると「ファミコンなんだからもっとアクションを」という上の声に応えていく内に、どんどんオリジナルから乖離していったらしい。
せっかくファルコムから許諾を得たからには原作要素を上手く残したかったのかもしれないが、結果的には『ザナドゥ』の名前が悲劇を生んでしまった。
本作の仕上がりにはファルコムの人が激怒したらしく、その後『イースI・II』の移植許可を得るための交渉はかなり難航したという。