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エターナルメロディ - (2012/02/13 (月) 11:27:12) の編集履歴(バックアップ)


エターナルメロディ

【えたーなるめろでぃ】

ジャンル 育成+恋愛SLG
対応機種 セガサターン、プレイステーション
発売元 メディアワークス
開発元 シグナルライト
発売日 【SS】1996年10月4日
【PS】1996年11月22日
価格 5,800円
ポイント メディアワークスのゲーム本格参戦

概要

1995年に『ときめきメモリアル』がPSに発売(移植)され、ギャルゲーという新ジャンルの巨大な波がユーザーに直撃した。
各社はこぞってギャルゲーを出し始めるようになるが、このエターナルメロディ(略称:エタメロ)もその1つである。

盛り上がり始めていたPSと共に突っ走っていた雑誌『電撃プレイステーション』のメディアワークス(現:アスキー・メディアワークス)は、以後も様々なギャルゲーを出していくことになる。
当時の電撃プレイステーション誌上では自社作品ということもあってか強烈なプッシュをしており、雑誌自体も元々オタク受けを狙っているものであったため、オリジナルのギャルゲーにしては売れ行きも上々だったようだ。

シナリオ概要

ごく普通の青年である主人公は、通りかかった工事現場で鉄骨の落下事故に遭遇する。死を覚悟した主人公だが、気がつくと見知らぬ異世界の地に。あまりの事態に途方に暮れる主人公だったが、この世界の住人である吟遊詩人のロクサーヌから、何でも願いを叶える「魔宝(まほう)」の存在を教えられ、その魔宝の力で元の世界に戻ろうと考える。しかし、世界征服を狙う魔族カイル、マリエーナ王国第3王女レミットもまた魔宝の力を狙っており、3者は自らの目的のために仲間を集め、魔宝を探す旅をすることになる。果たして、主人公は無事元の世界に戻ることができるのだろうか?

システム

プレイヤーはまずヒロイン9人の中からパーティーメンバーを3人加えることになる。選ばなかったメンバーはライバルキャラのパーティーに加わる。
旅をしながら訓練をしていくことになるが、各メンバーには得意とする訓練と苦手とする訓練がある。訓練にかける費用も設定できて、お金を多くかけると成功率は高まる。
ただし、成功ばかりしているとステータス異常の「自信過剰」に、失敗ばかりしていると「自信喪失」になり、育成がスムーズにいかなくなる。

仲間たちはそれぞれに好感度が設定されていて、主人公とヒロインだけではなく、ヒロイン同士の横の関係もある。
同じ訓練をして成功すればお互いの友好が上昇していき、さらに成功率が高まる。逆に失敗がかさむと険悪になってしまい、最悪の場合はケンカが発生する。

訓練するのにもお金がかかるため、道中立ち寄った町でアルバイトが出来る。ヒロインと職種によって得意不得意があるが、成功すれば能力をアップさせられる上にお金ももらえて良いことずくめ。
お金に余裕がある時は、町のデート施設に誘って好感度を高めてもいいだろう。

訓練をしつつ、旅の目的である「魔宝」のあるダンジョンまで辿り着くと、今度はスゴロク形式で他チームと競い合う。敵チームの育成はかなりレベルが高いため、こちらの育成が下手だとあっさりやられてしまう。
ちなみに、魔宝を得られなくても特にゲームオーバーになったりすることは無い*1が、最終戦だけは敵チームに負けるとバッドエンドになるので要注意。

評価点

  • キャラクター 『ウィザーズハーモニー』で知名度を高めた村瀬将人こと「moo」氏がキャラクターデザインを務めており、キャラクターたちは可愛らしく描かれている。
    声優に関しては、当時はまだ声優ブームも本格到来していなかったため知名度の面ではそれほど高くなかったが、山崎和佳奈、永島由子、住友優子(敬称略)など後日ギャルゲーで多く起用されることになるメンバーも。
    他に特筆すると、往年の名優を使っていることだろう。特に『ルパン三世カリオストロの城』のクラリスなどで有名な島本須美さんの起用にはユーザーも驚愕。澄んだ美声でユーザーを魅了してくれたことは言うまでもない。他にも『ちびまる子ちゃん』の「たまちゃん」役の渡辺菜生子さんの起用など、キャスティングは中々面白いセンスをしていると言えるのではないだろうか。
  • 音楽 SS版ではOP/EDソングに、今をときめく人気シンガーソングライターの「畑亜貴」さんを起用している。
    今となってはマニアであれば誰もが知るレベルのビッグネームであるが、当時はまだ知名度の低い存在であった。
    ただし、この頃から既に彼女独特の個性は如何なく発揮されている。
    スタッフが気に入ったのか、この後同じメーカーから出た悠久幻想曲シリーズでも畑亜貴さんが歌っている作品が多い。
    余談ではあるが、まだマイナーだった畑亜貴さんを応援していた当作品のファンたちは、彼女の大出世を大喜びしたり、遠いところまで駆け上がっていったことを寂しがったりと悲喜こもごもである。
    ちなみに、PS版のOP/EDは伊藤真澄さん。こちらも今となってはマニアなら知っていても不思議ではないシンガーソングライター・作曲家である。

難点

  • ライバルたちがやたらに強い+嫌がらせ ライバルたちのパーティは理論上最良に近い育成をしてくるため、こちらの育成が滞ると手も足も出ないほど差をつけられることが多い。
    主人公のパーティーは魔法を使って消費したMPを回復させないといけないが、ライバルたちはお構いなし。強烈な全体攻撃魔法も回復魔法も容赦なく使ってくる。

すごろくで特定の条件をクリアしないと本来通れない近道を、なんの制限もなく通っていく。イベントが発生して1回休みになるようなコマに止まっても無視(元々1回休みのコマでは流石に止まるが)。
サイコロにあたるルーレットの狙いもやたらと上手く、5や6をガンガン出してこちらを突き放そうとしてくる。

これらの嫌がらせは戦闘を避けるようにすれば対処は出来るが、 町でのアルバイトやデートにも乱入して潰してくる など、総じてプレイヤーへの嫌がらせは激しい。

  • 機種別の違い SS版とPS版では、同じゲームなのに色々と違うところがある。
    まずジャケットイラストが違う。だがこれはさほど問題では無い。
    一番大きいのは一部の小イベントの音声がPS版にしか入っていない事だろう。まあ、PS版の方が後に出たからこそというのもあるだろうが。
    また、そのせいかごく僅かではあるがPS版の方がセーブ・ロード時の読み込み時間が長くなっている(と言っても殆ど気にならないレベルの差ではあるが)。
    他にも戦闘バランスの調整やOP/EDソングも違っている。ゲームバランスはPS版が好きなのに、歌はSS版の方が好きといったユーザーは色々と泣ける。 この機種別の違いは後継作品の『悠久幻想曲』にも受け継がれており、これは賛否両論であった。

総評

ゲームとしては荒い部分もあるが、面白い部分や見所も多いギャルゲーである。
この作品を基にして、あのスマッシュヒットしたシリーズ『悠久幻想曲』へと繋がっていくことになる。