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Fallout 3 - (2015/04/22 (水) 13:32:38) の編集履歴(バックアップ)


本項は、Xbox360/PS3で発売された日本語ローカライズ版の内容を中心に記述する。


Fallout3

【ふぉーるあうとすりー】

ジャンル RPG

※360に追加パック単品は無し
対応機種 Xbox360
プレイステーション3
発売元 ゼニマックス アジア
開発元 Bethesda Game Studio
発売日 【Xb360】2008年12月4日
【PS3】2009年1月15日
定価 通常版:8,190円
廉価版 【PS3】PlayStation3 the Best:2009年11月26日/2,940円
※以下の商品は一部を除き2009年12月3日発売
【PS3】追加コンテンツパック単品:5,140円
【共通】Game of the Year Edition:7,140円
【Xb360】プラチナコレクション:2,940円
同・ゲームオンデマンド版:2010年10月5日/2,600円



ポイント 高い自由度・独自の世界観
バリエーション豊かなDLC
数多いバグ、フリーズ
全体的に大味なバランス
誤訳、超訳


WARNING!!!!!!!
本作はCEROからZ指定を受けている18歳以上のみ対象のゲームです。


ストーリー

2077年に起こった米中間の資源戦争を始めとする核戦争によって焦土と化した地球。
アメリカの人々は放射能から逃れるため「Vault」と呼ばれる地下シェルターの中で暮らす事を余儀なくされた。

2277年、かつてワシントンDCと呼ばれた場所にある「Vault101」で暮らしていた若者は、突然の騒動に巻き込まれる。
親友の話によると、自分の父が決して開くことのないVaultのドアを開けて地上に出て行ったというのだ。
このままでは危険と言われた若者は、襲いかかる警備員達を突破して地表へと出る。
何故父はVaultから出て行ったのか。
地表へ出た若者は、廃墟となったスプリングベールから、崩壊したワシントンDC周辺区域――
「キャピタル・ウェイストランド」へと、父を捜す旅に出かけるのであった。


概要

  • 広大な3D世界を旅するフリーローミングRPG。視点は一人称/三人称視点を切り替え可能で、戦闘はFPS/TPSの体裁を取るが、後述のV.A.T.S.システムなど、シューティングが苦手なプレイヤーにも配慮された作りになっている。
  • ゲームの目的は失踪した父親を捜し、最終的に父親の目的を達成する事だが、無視して気ままな世紀末ライフを送る事もできる。
  • 前作・前々作は2D見下ろし視点のターン制RPGでInterplayがパブリッシングを行っていたPCゲーム。Van Buren(Interplay版Fallout3)開発末期にInterplayが経営難で傘下のゲーム開発スタジオBlack Isle Studiosを解散し、スタッフを解雇したことで開発が頓挫たことがきっかけとなり、ベセスダ開発陣に熱狂的なファンが多くいたことも手伝って、版権をベセスダが購入して続編を制作するに至った。
  • 同社の『The Elder Scrolls IV: Oblivion』と同じ内製エンジンを用いており、システムを踏襲、進化させている。

長所

  • 高い自由度
    • 寄り道せずストーリーを進めてもいいし、そこら辺のレイダー*1や原生生物をしばきながらキャピタル・ウェイストランドを巡る旅もできる。MAPは広いがファストトラベルというシステムで一度行って登録されたロケーションにはすぐに行ける*2
    • サブクエストや突発イベント、個性的なロケーションも豊富。ただ放浪しているだけでも、思わぬ事態に出会える。
    • 大抵のクエストは、普通にこなすか追加報酬を要求するか等の細かい部分を会話や行動によって選択できる。自分が演じるキャラクターならどれを選ぶかを考えながらプレイするという、RPG本来の楽しみがある。
      • 選択肢によっては即座に敵対状態になったり、サブクエストが受けられなくなることもある。
    • AIで行動するNPCとどう関わるかも自由。彼らの生態を眺めるだけでも面白い。彼らとどう接するかはプレイヤーの判断に委ねられ、敵対的でないNPCを攻撃して殺したり、所持品を盗むスリを仕掛けたりすることも可能。
      • デメリットは多いが、出会った人間を片っ端から殺す無差別殺人プレイすら可能。なお、メインストーリーに関わるNPCは不死属性持ちのため死なないようになっている。
      • スリのバリエーションとして、気付かれないようにアイテムを渡す「スリ渡し」も可能。地雷やグレネードを渡して爆殺したり、NPCの装備品より性能のよい装備を渡して着替えさせることもできる。
  • レベルアップの簡略化
    • 『Oblivion』に比べると、スキルは項目数が減り、能動レベルアップからレベルアップ時に得られるスキルポイントを割り振る形に変わった。また「Perks」という特殊能力を1レベルごとに一つ習得できる。
    • ちなみにステータスにはStrength、Perception、Endurance、Charisma、Intelligence、Agility、Luckの7種があり、頭文字をとって「S.P.E.C.I.A.L.」と呼称される。値は各1~10で、序盤に2回の設定ポイントがあるが、その後は基本的に固定*3
    • Perksには「火炎武器の攻撃力50%増加」「クリティカル時のダメージが50%増加」「V.A.T.S.で敵を倒すとAPが全回復する」など強力なものも多い。
  • キャラメイクが簡単に
    • 項目数が多く複雑な『Oblivion』のキャラメイクに比べると、項目数が減ってかなり簡単に。「普通に見られる」レベルの顔も『Oblivion』より作りやすくなっている。ただし、邦ゲーで好まれるような美少女、あるいは中性的な美男といった、いわゆるアニメ顔は基本的に作れない。
  • シューティングに不慣れなプレイヤーへの配慮
    • 戦闘時に時間を止め、AP(アクションポイント)を消費して敵の部位を選択して狙い撃てる「V.A.T.S.」というシステムがあり、さらに戦闘能力自体もスキルやPerksに大きく依存するので、シューティングの得手不得手はあまり問題にならないゲームデザインになっている。
      • V.A.T.S.を使えば頭部などの弱点を狙い撃つのも容易になり、スキルが上がれば敵が投げようとしているグレネードを手元で爆発させるなどの芸当も行える。
  • 練り込まれた世界観
    • 舞台となる核戦争後の未来世界は、「1950年代の人々が考えた未来」をモチーフにしている。そのため登場するメカや建物などは全て50年代風のレトロフューチャーなビジュアルで統一されており、独特の世界観となっている。
    • メインストーリーはGOTY脚本賞を受賞しており、「自己犠牲」をテーマにした展開は考えさせられるものになっている。
    • 核戦争後という荒廃した世界設定を反映して、「全てに白黒が付く訳ではなく、ハッピー・エンドを迎える訳でもない事をプレイヤーに知らしめるための」後味の悪いクエストもある。
    • 前作・前々作が持つブラックユーモアもしっかり継承されており、不謹慎ながら笑える小ネタや、苦い後味を残す展開もチラホラ。
    • 本作を象徴するブラックユーモアとして、石油枯渇の結果、核戦争前の自動車は原子炉を動力源に動いていたというものがある。そのためあちこちに放置されている自動車の残骸を攻撃すると核爆発が起こる。
    • 作中の通貨は「キャップ」。つまり瓶飲料の王冠である。消費アイテムとして「ヌカ・コーラ」という飲料があちこちで登場するが、これを飲むとキャップが1個入手できる(蓋を開けたため)という凝り様。
  • ラジオから流れる豊富な楽曲
    • 主人公の持つ携帯端末「Pip-Boy」はラジオ搭載。メインのラジオ局「ギャラクシー・ニュース・ラジオ」では、主に1950年代後期のアメリカン・オールディーズを聴くことができる。戦闘を盛り上げるアッパーなものから郷愁を誘うようなものまでバリエーションは豊富。選曲の評価は高く、ラジオ曲を集めたサントラも発売されている。
    • 軍楽やバイオリン曲を流すラジオ局もあり。
  • ほぼ全編にわたる日本語化
    • 進行に関わる主要な会話などはもちろん、テキストデータではターミナルの個人記録のような些細なもの、音声データではNPC同士の世間話、敵の戦闘ボイスといった細かいものに至るまで日本語化されている。

個性豊かなNPC

+ 敵味方を問わず、NPCたちはいずれも強い個性を持つ。

友好的なNPC

  • ジェームズ
    • 主人公の父親。ウェイストランドの再生を賭けた研究に取り組む科学者だったが、主人公の誕生時に妻を亡くし、我が子を守り育てるために研究を捨ててVault101の住人となった。主人公の成長を見届けたある日、かつての研究を再開するためにVaultの扉を開け、ウェイストランドへと旅立った。彼の足跡を追うことが前半の目標になる。
    • ゲーム中、一時的に荒野横断の旅を共にすることができる。装備や戦闘スキルは貧弱だが、キーパーソンであるため不死属性を持ち、我が子を守らんがためか非常に好戦的。銃器で武装した悪党、あるいは狂暴な野獣を前にしても臆することなくバットで殴り掛かる姿は、プレイヤーの笑いと感動を誘う。
    • 主人公のキャラメイクに合わせて人種が変化する。ちなみに英語版での声優は、『スター・ウォーズ エピソード1』のクワイ=ガン・ジン役などで知られるリーアム・ニーソンが担当している。
  • スリードッグ
    • 本作の代名詞とも言えるラジオ局「ギャラクシー・ニュース・ラジオ」のDJ兼パーソナリティ。バンダナとサングラスで決めた黒人男性。
    • メインクエスト前半で対面し、父親の情報を得るために彼の依頼を受けることとなる。その後は主人公の動向を追っているようで、恐るべき地獄耳によりクエストの結果などがラジオ報道される。善行を続けていると褒め讃えられるが、悪行に走っていると容赦なく罵倒される。
  • モイラ・ブラウン
    • メガトンにて雑貨屋を営む白人女性。厳しい世界を生き抜くためサバイバルガイドの執筆を企画しており、完成のためプレイヤーにあれこれ依頼をしてくる。
    • しかし、その内容の大半は「地雷原となったゴーストタウンに行って地雷を持ち帰れ*4」「HPを半分にして来い、そして体のどこかに重傷も負ってこい」「重度の放射線障害に掛かってこい」「ミレルーク(後述)がウジャウジャいる下水に測定器を仕掛けてこい、ただし不殺で」といった鬼畜なものばかり。
    • これらの依頼は悪意に基づくものでは決してなく、そのためにメガトンの住民からは「アタマがおかしい」と言われている。
    • 彼女の依頼をすべてクリアする頃には、Vault出身のヒヨッ子もいっぱしの冒険者に。デンジャラスながら愛嬌のあるキャラクターも相まって、プレイヤー人気の高いNPCでもある。
  • サラ・リオンズ
    • 戦前文明の収集と研究を目的とし、主人公と共闘することになる集団「ブラザーフッド・オブ・スティール」の一員。無骨なパワーアーマーから端正な容貌と金髪を覗かせる白人女性。スティールの長オーウェン・リオンズの娘。
    • 上級職「センチネル」に就いており、士官クラスの精鋭「パラディン」を率いる戦闘指揮官でもある。
    • エンディング直前の最終局面では、彼女と主人公に大きな選択がのしかかる。
  • ジョン・ヘンリー・エデン大統領
    • 文明復興を掲げながら、その裏では崩壊した世界の支配を目論む集団「エンクレイヴ」の長。ラジオチャンネルの1つ「エンクレイヴ・ラジオ」で、牧歌的な軍楽に乗せたプロパガンダ放送を行う。ストーリー上最大の敵であり、メインクエスト終盤で対面を果たすことになるが、攻撃は仕掛けてこずに、ある提案を持ち掛けてくる。
    • 英語版の声優は、『時計仕掛けのオレンジ』の主演で知られる性格俳優マルコム・マクダウェル。濃厚なうさん臭さとフロックコート時代の大統領たちを彷彿とさせる叙情性を併せ持つ語りはさすがの名演。
    • 日本語版では誤訳の犠牲となり、稀代の珍言大統領となってしまっている。
  • ユーロジー・ジョーンズ
    • 奴隷商人の街パラダイス・フォールズの元締め。赤いスーツに身を包んだ黒人男性。
    • 善悪度を表すカルマの設定は最低値の「凶悪」だが、プレイヤーへの対応は友好的。連れている女奴隷をコンパニオンとして買い取ることも可能なら、子供を拉致する「ビジネス」を持ち掛けることも可能。
    • 極悪人でも倒すべき敵とは限らず、時には有益ですらあるという、Fallout世界に込められたシニカルな価値観を体現するような人物。
  • 守護天使
    • 特定のPerkを取得すると、V.A.T.S.で敵を倒し損ねた際に一定確率で出現するようになる謎の人物。Perk説明文では「守護天使」と呼ばれているが、姿はトレンチコートにソフト帽というダンディな出で立ちの白人男性。
    • .44マグナム弾を満載したリボルバーを片手に颯爽と登場し、恐るべき戦闘力で敵を撃破してくれる。ちなみに攻撃力はなんと9000*5ただし、彼が登場する確率は10%しかなく、リボルバーの命中精度もあまり高くないのが欠点。

コンパニオン
条件を満たすことで仲間として連れ歩ける特殊なNPC。

  • フォークス
    • 本作の ヒロイン *6コンパニオンの一人。人類の脅威であるスーパーミュータントの一員だが、他の同族とは違って理性を持ち、主人公の選択次第で仲間になる。強力な武器であるガトリングレーザーを装備しており、作中の仲間キャラでは屈指の戦闘能力を誇る。最高難度でも死ぬ心配をしてやる必要がないほど耐久力が高い。
    • 恐ろしい姿をしているが、外見に反して知的で義理堅い好人物。彼を同行させるには主人公のカルマが善でなければならない。
  • ドッグミート
    • 「犬の肉」という名を持つ犬。
    • 戦闘だけでなくアイテム探索能力も持ち、他のコンパニオン1名と同時に連れ歩ける。ただし耐久力が低く、すぐに死ぬ。
    • ちなみにDLC「Broken Steel」を入れると主人公とレベルが連動し、HPが跳ね上がって恐ろしいほど硬くなる。小型核弾頭の直撃に耐えるくらいに。
  • RL3軍曹
    • Mr.ガッツィと呼ばれるタイプの多脚型浮遊戦闘ロボット。
    • 火炎放射器とプラズマガンを搭載しているものの、耐久力が低いためすぐに壊れる。歩くついでに自衛するコンテナと考えた方がよい。
    • Fallout世界を焼き尽くした米中戦争期に開発されたロボットで、戦闘時は「皆殺しにしろ!裁きは神に任せりゃいい!」「アメリカ製の弾丸をくらえ!」等の、戦争大国アメリカを戯画化したような台詞を吐く。その印象的な台詞に弱さが相まって、プレイヤー人気は高い。
    • こちらもDLC「Broken Steel」導入により、ドッグミートほどではないものの小型核弾頭の直撃に耐えるぐらいには硬くなる。合わせて戦闘能力も大幅に向上し、鬼軍曹と呼ぶに相応しい性能になる。
  • カロン
    • 放射線の影響により、腐乱死体のような外見と長命を得た人間「グール」の一員。長身をレザーアーマーに包み、ユニークショットガンを携えた腕利きの傭兵。
    • 同じくグールである雇用者アズクハルから契約書を買い取ると、コンパニオンとして連れ歩ける。契約に逆らえないように一種の洗脳を施されており、契約書を買い取るまでは、話しかけても頑なに「アズクハルに聞け」と繰り返すばかり。主がプレイヤーに変わると、積年の遺恨が窺える方法でアズクハルに別れを告げる。
    • 戦闘を好み、同行させた状態で放っておくとブツブツ文句を言う。
  • ブッチ・デロリア
    • 主人公と同じVault101育ちの白人青年。幼少時から悪ガキであり、少年期のイベントでは何かと主人公に絡む。19歳の時点では革ジャン姿の不良となって、チーム「トンネルスネーク」の頭に収まっている。
    • Vault101へ戻って揉め事を解決するサブクエストの結果によっては、ウェイストランドに連れ出せるようになる。ワルぶっているが芯までの悪人にもなり切れない彼のキャラクターが反映され、同行させるには主人公のカルマを中立にしておく必要がある。
    • 戦闘面では小火器スキルが高く、立ち回りもなかなか巧み。また、Valutの(デタラメな)職業適性試験で「理髪師向き」と診断されるが、意外にもマジメに腕を磨いたらしく、再会後は主人公の髪形変更を頼める。

敵対NPC

  • レイダー
    • 某世紀末漫画のモヒカンを彷彿とさせる野盗集団。食人癖があり、プレイヤーを見つけると「新鮮な肉だ!」と喜びつつ襲ってくる。趣味は拷問と殺人で、暇つぶしにそこら辺のウェイストランド人に爆弾を縛り付けて遊んでいることも。
    • 上記のセリフ以外にも「殺人タイムだ!」「医者を呼べ、流血患者だ!」などハイなセリフが多く、印象に残りやすい敵キャラ。
    • 人間タイプの敵では最弱の敵であり、返り討ちにされて身ぐるみ引っペがされたり、新鮮な肉にされたり、小遣い稼ぎ用に奴隷にされて売り飛ばされたりする。愛されるザコ敵といえる。しかし、中にはミサイルランチャーや火炎放射器で武装した強者も存在するため油断はできない。
    • 対象を朦朧とさせるエネルギー武器「メスメトロン」を使用すると敵対NPCを中立化することも可能で、レイダーや下記のタロン社傭兵と同居するプレイヤーも存在する*7
  • タロン社傭兵
    • プレイヤーのカルマが「善」に近いと、「タロン社だぁ!」の雄叫びと共に襲撃してくる傭兵集団。戦闘時のセリフの一つである「頭ねじ切ってオモチャにしてやるぜ!」は本作屈指の名台詞。
    • レイダーと並んで愛される敵キャラ。ただし専用コンバットアーマーやレーザーライフルなど高性能の装備で武装しているため戦闘能力は高く、装備が整っていない序盤に出会うと非常に危険な存在。
  • スーパーミュータント
    • 筋肉質の巨体と黄色い肌、無毛の頭部を持つ人型クリーチャー。銃火器と片言の人語を操る程度の知能も持っている。人間を見れば無差別に襲い掛かるため、全ウェイストランド人の脅威となっている。
    • 下位種は耐久力が低く武装も貧弱だが、上位種になると耐久力が伸び武装もグレードアップする。感覚が鈍くスニークで不意を突きやすいが、それを補うための番犬として、醜怪なミュータント「ケンタウロス」を連れていることがある。
    • ウェイストランドでは近年急激に数が増加しているが、出自や本拠地が不明であり、ブラザーフッド・オブ・スティールが解明に取り組んでいる。人間を殺すだけでなく拉致することもあり、その目的もやはり不明。プレイヤーはメインシナリオで彼らの秘密が眠る場所を訪れることになる。
  • ゲイリー軍団
    • とあるVaultに巣食うNPC群。極めて陰惨な出自を持つが、特徴的な言動と容姿でプレイヤーには親しまれている。
    • 「ははっ! ゲイリー!」「ゲイリー……お前なのか?」「ゲイリー!ゲイリー!」
  • ラッドローチ
    • 中型犬ほどのサイズにまで巨大化したあの虫。主に廃墟や地下道に生息している。
    • 攻撃性・攻撃力・HPのいずれも低いためさほど危険ではないが、非常にリアルな造形でプレイヤーにメンタルダメージを与える。倒すと身体が四散し、生かしておいた方がマシだったという事態を招くことも。また、拳具タイプの格闘武器か素手のV.A.T.S.で倒すと、嬉しくない専用フィニッシュの踏み潰しが発生する。
    • 大型化したためか、死骸からは肉が取れる。万年食料不足のウェイストランド人は、これを店頭や食卓に並べることも辞さない。
  • ミレルーク
    • 人間サイズに巨大化し、直立歩行能力を得た蟹のミュータント。淡水・海水を問わず、水辺に多く見られる。
    • 接近して格闘攻撃を繰り出してくるだけの単純な敵だが、甲殻に覆われており実弾ダメージへの耐性が高い。甲殻を持たない顔面への攻撃や、エネルギー武器・爆発物による攻撃が有効。
    • 死骸から取れる肉はウェイストランド人のご馳走であり、市場価格もHP回復量も食料アイテムの中では高い。ミレルーク狩りで一儲けを目論んだものの、返り討ちで全滅した一団の噂なども聞ける。
    • より人型に近い、一見すると半魚人のような「ミレルーク・キング」というクリーチャーもいるが、そちらはワニガメのミュータント。「ミレルーク」は生物種としての名ではなく、「沼地(mire)に潜む(lurk)もの」の意*8
  • ヤオ・グアイ
    • 主に荒野に生息する黒熊のミュータント。ほぼ原形を残しているが、毛皮と表皮は緑がかって爛れたような状態になっている。名は中国語であり、漢字で表記すると「妖怪」。
    • 足が速くHPと攻撃力も高いため、これがスポーンするレベルになると荒野の旅の危険度が増す。しかし哺乳類を非敵対化するPerk「Animal friend」が有効で、近くに敵を誘導すれば高い戦闘力で加勢してくれる上、死骸から取れる肉にはなぜか攻撃力アップの効果もあるため、取得していれば益獣に変わる。
  • デスクロー
    • 革状の皮膚に二本の角、尖った尾、長大な両手のカギ爪という悪魔のような姿をしたクリーチャー。DLCで追加される敵を除けば本作屈指の強敵。速い足、高いHP、広い攻撃範囲に加え、どれほど重装備でも3発喰らえば瀕死に追い込まれるほどの攻撃力を誇る。
    • 特定エリアに生息しているほか、主人公のレベルが高くなるとフィールドにもスポーンする。「ジャクソンカメレオンを遺伝子改良した生物兵器」という設定があり、Animal friendも無効。足への部位ダメージで動きを鈍らせる、高火力の武器で一気に殺し切るなど、何らかの対策を持っておかないと出くわすたびに甚大な被害を受ける。
    • あまりの強さから、一部のユーザーからは「デス様」「デスクロー先生」などの敬称まで付けられた。 この他、大量の巨大ゴキブリを引き連れる精神異常者小さな集落で大統領を自称する誇大妄想者巨大アリを小さくしようとして火吹きアリを誕生させた狂科学者歴史上の人物を名乗って重要書類を守るロボットなど、一度会ったら忘れないレベルのNPCが大量に待ち構えている。

賛否両論点

  • 『Oblivion』からのシステム変化
    • 装備の自力修理が『Oblivion』の「修理用アイテムを使う」から「同じ装備を消費して修理する(つまりニコイチ)」に変更されている。修理できる上限は主人公のRepairスキルで決まる。
      • 同一のものを複数入手できない(ニコイチ修理ができない)ユニーク装備などは、修理手段に悩まされて存分に使えないこともありうる。
      • また、同じ装備でなくても修理できるケースがあり、ユニーク装備を修理素材にできてしまう危険な組み合わせもある。
      • 修理技能を持つNPC(主に商人)に依頼すればキャップを払うだけで修理してくれるが、NPCにはそれぞれ修理スキルが設定されており、100%にまで修理できるNPCは本編には登場せず、DLC「Mothership Zeta」に1人存在するのみ*9。他のNPCはたいてい50~60%までしか修理できない。本編で修理スキルが最も優秀な行商人クレイジー・ウルフギャングでも85%まで。
      • また、多少の投資が必要だが他のNPCに比べ高い修理スキルを持つクレイジー・ウルフギャング、クロウ、ラッキー・ハリス、Dr.ホフの4人はウェイストランドを巡る行商人であり、フィールドで敵に襲われて死ぬことがある。主人公のLvが上がって巨大ラッドスコルピオンやデスクローなどの強敵が現れるようになると、いつの間にか死んでいたということも多く、修理手段に悩まされる原因となっている*10
      • どうでもいいが、バット同士でニコイチする光景は不自然。
    • アイテムの売買の際、取引相手にも所持金額が設定されており、その金額を超えて売却した分はタダで譲り渡すことになる。状態のいいエネルギー武器などは高値で売れるが、充分な買い取り資金を持っている商人がいないという状態に陥ることもままある。
    • ハッキングやピッキングといったアンロックスキルを要するオブジェクトには、対応スキルが条件を満たしていないと、アンロックを試みること自体が不可能になっている。
  • 激しいゴア表現
    • CEROレーティングはZ。人間以外の敵やNPCが死ぬと、首や四肢が千切れるなどの強烈なゴア表現がある。とあるPerkを取るとさらにエスカレートし、原型を留めない肉片と化して弾け飛ぶ。
      • 北米版ではゴア規制がなく人間も弾け飛ぶが、日本ローカライズ版ではカットされている。この人体欠損規制は他のゲームでも多く見られ、人に依って評価の分かれるところではある。
    • 他にも食人Perk*11があったり、バラバラ死体を詰め込んだアイテムボックス「ゴアバッグ」というド直球なものもある。
    • 嫌いな人はとことん嫌う巨大ゴキブリ「ラッドローチ」が序盤から出てくる。
    • 一部ではよくこれが日本のCEROを通せたなと日本販売元の高橋徹氏をねぎらう声すらある。
      • 核戦争と言うテーマやブラックジョークが多い為、日本での発売は不可能だと思われていた。
  • 全体的に大味なバランス
    • 本編の舞台であるキャピタル・ウェイストランドは、どこも廃墟と荒野でやや単調。慣れてくると似たような景色に似たような場所ばかりで飽きてしまう。
      • 『Oblivion』が草原・森林・雪原など多種多様な景色を持っていたため、この点を気にする人は特に多い模様。ついでに馬に相当する乗り物もない。ちなみに森林地帯はちょっとだけ存在する。
    • 序盤は物資や資金不足で苦労するが、プレイヤーキャラをまともに育てさえすれば、じきに探索や戦利品での供給が消費を上回るようになる。並行して買い物の必要性も薄れ、やがて大幅なモノ余り・カネ余りの状態になる。
    • 序盤のプレイヤーキャラは極端に弱く、慎重に行動しなければあっという間に死んでしまうが、ある程度レベルが上がって適切なスキル振りを行い、重要Perksをあらかた取得した後はほぼ無敵化するなど、戦闘バランスもやや大味。
      • ただし、オプション画面で自由に難易度を選択できる為、歯応えを求めるなら最大難易度で挑めばよい。最大難易度のシビアさは別のゲームとも。もちろん難しいと感じるなら低難易度にすることも可能だが、難易度を下げると取得経験値も下がるデメリットがある。
      • 初心者が最も苦労するであろう序盤では主要スキルが不足しているためV.A.T.S.はほんの数回しか使えず、武器の質も悪いため敵への命中率がとても低く、大抵の場合は金属パイプなどの近接武器で殴るか、V.A.T.S.を使わず直に撃った方が早い。
      • DLC「Broken Steel」を導入すると高レベルで強力クリーチャーが出現するが、それらはケタ違いのHPや攻撃力を持つため正攻法では厳しいレベルと、また大味なバランス。ただし、それらも特定のPerksや対処法であっさり転がせるなど、さらに大味な攻略法があったりする*12

批判点

  • 膨大なバグ
    • クエストが進行できなくなる、自宅に保管していたアイテムが消える、ポリゴンの隙間に落ちてNPCが失踪する、地形にハマる、ダンジョンから出られなくなる、バグで一部Perksが機能しない、NPCや死体が異常行動を取る、エネルギー兵器で殺した敵の残骸(灰や粘液)が消えずセーブデータを肥大化させる等々。
    • 一方で、有利なバグも多い。NPCの修理スキルを限界を超えて強化できる(通称スカベン法)、頭部用装備を複数装備できる*13、アイテムを増殖させる、5mm弾を空中に置いて足場にできる、ユニーク武器を無限に入手できる、コンパニオンに重量制限を無視して荷物を持たせられる、スピーチチャレンジを無限に行える、特定の敵にしか効果がないPerksが全ての敵に有効になっている等々。
    • 突然空からモブキャラの死体が降ってくるというとんでもないバグまである。
    • また、コンシューマー版独自・ハード独自のバグもある。パッチで修正されているのは僅か。
  • 頻発するフリーズ
    • フリーズ頻度は高め。また、あらゆる進行状態を記録するためセーブデータが肥大し続ける仕様で、同じデータで長くプレイするほどフリーズ発生率が高まる。DLC導入もデータを肥大化させる原因。
      • セーブは常時可能で、ボタン1つのクイックセーブ、フィールド切り替え時などに実行されるオートセーブも用意されている。オートセーブの効かないシームレスの屋外フィールド移動時などは、フリーズ対策として小まめなセーブが重要。
      • ちなみにこのオートセーブ自体も異常の原因だったりする。オプションでエリア移動時のオートセーブをしないよう設定することが推奨されている。
      • さらにはV.A.T.S.もフリーズの種。データ容量が大きくなったら多用は禁物。
    • 最強の敵はフリーズ」という言葉はFallout3をやり込んだ人間にとっての共通の見解。その上PS3版は360版以上にフリーズが発生する可能性が高いと言われている*14
  • ローカライズによる一部クエストでの選択肢の削除
    • 対象となったクエストは「The Power of the Atom」で、選択肢の内容は「核爆弾で街を一つ吹き飛ばす手伝いをした上で、プレイヤーが起爆のスイッチを押す」というもの。
      • この影響で、自宅として利用できるクエスト報酬の部屋が使えなくなっている*15。また、この選択肢を提供するNPCが抹消されたため、DLC「Point Lookout」でのとある演出の元ネタが分からなくなっている*16
      • CEROによると、「プレイヤーが大量破壊を決定付ける行為」に問題があるらしい*17。余談だが、高橋氏はNPCの人体欠損だけやめれば発売できると考えていた。
      • ちなみに360の日本版では起爆する方法はあると言えばある。ギリギリで消したようでちゃんとその後の展開も翻訳されて入っている。
    • なお、「You Gotta Shoot Em in the Head」では「4人のターゲットの頭を吹き飛ばして(頭を部位破壊して)殺せ」と指示されるのだが、ローカライズ版では人間の部位破壊が不可能になっているため達成不可能となった。
      • ただし、こちらのクエストは指示に従わなくてもクリアは可能なので特に影響は出ていない。
  • レベル上限が低い
    • 上限は20。レベルアップ自体も早く、キャピタル・ウェイストランドを回り尽くすより遥かに早くカンストする。キャラに伸びしろがなくなった状態でのプレイは味気ないという声が多い。
      • これを嫌って敢えて取得経験値が下がる低難易度でプレイするプレイヤーもいる。ただし、その場合は敵が弱いため、また別の味気なさはある。
      • DLCで30まで上げられるようになるが、それでもすぐに上がってしまい、360ならわざわざ800MSP(1200円相当)を払わないといけない。
      • PS3版では当時Z指定のゲームのDLCが配信できなかったので、追加コンテンツパックを買う必要がある。しかも追加パックを使うとフリーズ増加の危険があるので、ユーザーは難しい選択を迫られる。
  • レベルアップ時に獲得できるスキルポイントが「Intelligence」の値に依存しすぎている
    • 初期値(5)で進めた場合と、MAX(10)で進めた場合では、獲得できるスキルポイントに2倍近い差が出る。ステータスよりスキルの値が重要な本作では、例えば戦闘面でも、Endurance(HPに影響)やAgility(V.A.T.S使用回数に影響)よりIntelligenceを高くした方が有利になる。このため、ステータスで個性を表現するロールプレイではなく、単純にキャラ性能を重視するプレイでは、似たり寄ったりのステータス配分になりがち。
    • 続編New Vegasでは調整された。
  • 武器や敵の種類が少ない
    • これらはDLCの導入である程度は解消できる。
  • 誤訳がそれなりに多い*18
    • 誤訳の種類としては単純な直訳が殆どで、「爆発するミグへ向かわせる?」様なストーリーやクエストの理解を妨げる程の物は無いのが幸い。
    • よく取りざたされるのが先述の「タロン社」。原語では「Taron Company」。
      • 「Company」は「同じ目的を持つ人の集団」ほどの広い意味を持ち、タロンは軍事組織と営利組織の性質を併せ持つため、「タロン社」と訳すより「タロンカンパニー」とした方が適切。海外Wikiでも単純に「会社」ではないと書かれている*19
    • ゲーム中で聴けるラジオのチャンネルの一つ「エンクレイヴラジオ」は特に誤訳が多い。
      • 「灰とヒッコリーのバット」を持って戦いを挑んでくる「首都の国会議員」』がよく上げられる。正しくは「トネリコとヒッコリーのバット」と「ワシントン・セネタース」。他にも「心を震わせる引用」を「霊的な引用」と直訳していたりする。
      • 一応ストーリー上の悪役のプロパガンダ放送なのに、声優の熱演と誤訳が相まって妙に和む物になっている。
      • 余談だが、吹き替え声優の秋元羊介氏が「首都の国会議員だ」と言う前に少し口籠る。流石におかしいと思ったのかもしれない。
    • 本作究極の誤訳が「至高のオーバーロード・ジャブスコ」
      • これは、バニスター砦にいるタロン社傭兵の司令「Commander Jabsco」の誤訳*20。いくらか重装備なだけで一般タロン社傭兵と大差ない本人のキャラクターに、突き抜けた誤訳・超訳っぷりが相まって愛されていた。
      • この誤訳のみ、DLCによって「ジャブスコ司令」と修正されたが、他の誤訳は殆ど修正されていない。
  • 『Oblivion』に比べ相当改善されたが字幕が小さい。テレビの環境によってはボケも加わる為より見づらくなる。
  • 人間の死体が変に伸びたり壁やドアを貫通する時がある。
    • 物理エンジンであるhavokの面白挙動の一つ。大抵害は無いが、その面白挙動で一部クエストが進行不可になったりアイテムが取れなくなったりする。
    • ちなみに、この面白挙動が起こった際にはネタで『ハヴォック神様が現れたぞ!』なんて言われる事も。

総評

  • 核戦争後という重い世界観の中で繰り広げられる「生き残るための戦い」に、参加するもしないもあなた次第……こうした高い自由度が受けて、本作は世界で470万本を売り上げた。
    ゲームそのものは間違いなく良作である。世界観や設定も魅力的で、荒廃した広い世界を冒険するのも面白い。GOTY大賞と脚本賞を得した質の良さを確認できることだろう。
  • ただ、過激なゴア表現など遊び手を大いに選ぶ作品である事も確かであり、また大量のバグに頻繁なフリーズ、システムの物足りなさは減点対象になる。
    • 海外と日本での評価の分かれ目はシステムの不安定さもあるが、カルト的人気を誇っていたものの制作会社が倒産の憂き目に会ったFalloutシリーズを、その世界観やシステムをしっかりと踏襲してベセスダソフトワークスが世に送り出した為、海外(特に北米)のファンはもちろん、その独特な世界観から新規層の評判も良いという結果になった。
      • ただし家庭用のバグは海外でもよく起こる為、これさえなければ……という声も多い。

DLC

Operation: Anchorage

  • DLC第一弾。B.O.S.アウトキャスト*21の信号を受信して前哨基地を訪れた主人公はマクグロウ護民官の依頼を受け、ヴァーチャルリアリティ装置で200年前の核戦争の発端となった「アンカレッジ解放作戦」をシミュレーターで追体験する事となる。
    • 本編ではほとんど触れられないB.O.S.アウトキャストにスポットを当てている。
  • 内容としては、一般的なFPSのキャンペンモードに近い。ほぼ一本道で自由度が殆どなく、ボリュームも少ないのが難点。
    • 本編と違う点としては、HPの回復と弾薬の補給は特定のオブジェクトを調べることで行う、敵や味方の死体から装備を奪えない、装備が劣化しないという点がある。
  • しかし、それらの欠点を補って余りあるのが、シミュレーションクリア後に入手できる防具「中国軍ステルスアーマー」の存在。本作ではしゃがむと隠密行動の状態になり敵に発見されづらくなるが、この防具はその際に姿を透明化させて隠密性を大幅に高めるというもの。隠密行動の熟練度であるSneakスキルの値によっては、街中で堂々とスリや逆スリを行ったり、敵の正面からスニークアタックを決めることも可能になる。
    • ステルスアーマー以外にも「ガウスライフル」「冬用T-51bパワーアーマー」など優秀な装備が手に入る。
  • ボリュームは小さいが、上記の追加アイテムなどにより、プレイヤーからは好評であった。
  • メインになる敵の中国兵の吹き替えが何故かエセ中国人風。「アイヤー!」「シネーアメリカヤロー!」「コロセー!ヒトリノコラズコロセー!」等の愉快な吹き替えとなっている。

The Pitt

  • DLC第二弾。主人公はピットから逃げて来たワーナーという人物から奴隷の解放、そして治療薬の入手を依頼され、レイダーと奴隷の町「ピット」へ潜入する。プレイヤーの判断が、住民の未来を決定付ける。
  • ボリュームはそれなりにあるものの、追加アイテムの有用性は前述の「Operation Anchorage」に比べると見劣りする。また、OA程ではないが自由度はあまりない。
  • 最大の評価点はそのストーリー。依頼により奴隷解放のためピットに潜入するのだが、物語を進めるにつれて、奴隷解放を依頼するワーナー(虐げられる側のトップ)の思考が悪に近く、ピットの支配者であるアッシャー(虐げる側のトップ)の思考が善に近い事が判明する。
    • もちろん虐げられる側を救うという行為自体は正義なのだが、その為にはある大罪を犯さなければならない。虐げられる側を救うために大罪を犯すか、それとも・・・という、本作の特徴の一つである『割り切れない善と悪』が最も顕著な内容となっている。

Broken Steel

  • DLC第三弾。浄化装置を起動した際に大量の放射能を浴びて昏睡状態に陥った主人公だが、奇跡的に回復。B.O.S.と共にエンクレイヴの殲滅を目指す。要望の多かった本編の後日談であり、エンクレイヴとの決戦や、復興の兆しが見え始めたキャピタルウェイストランドを楽しむ事ができる。
  • 通常はメインの最終ミッションをクリアするとエンディングを迎えてゲームが終わるが、これを導入することで、エンディング後にそれまでの状況を引き継いでゲームが再開される。Broken Steelの最終ミッションをクリアしてもゲームは終わらない。
  • また、ゲームそのものにも大きな修正が加えられる。レベル上限が30になる他、多数の新しいクリーチャーや武器が追加される。
    • これらの追加要素は本編をクリアせずとも反映される。

Point Lookout

  • DLC第四弾。プレイヤーはフェリーに乗り、新たな舞台となる沿岸の町、「ポイントルックアウト」へと向かう。
  • 全DLCの中で最も自由度と冒険に重きが置かれており、本編程ではないとは言え広大な土地を冒険する事が可能。醜悪で危険な土着民やカルト教団が登場し、全編にクトゥルー神話を彷彿とさせる陰鬱な雰囲気が漂う。
  • 出現する敵はいずれも強敵揃い。防御力無視の追加ダメージを与える特性がついている敵が多いため難易度は高め。
  • 追加アイテムは数は少ないものの「ダブルバレルショットガン」「レバーアクションライフル」など強力な武器が多め。
  • メインクエスト・サブクエスト・ミニクエスト共に充実しており、ロケーションも本編と全く違うため新鮮な感覚で楽しむ事ができる。

Mothership Zeta

  • DLC第五弾。奇妙な信号を追ってウェイストランドのとある場所を訪れた主人公が、突然エイリアンに誘拐され、捕えられた個性豊かなNPCと協力して脱出を目指す。中には日本語を話す鎧武者まで登場する(原語版でも日本語のまま)。
  • 主な敵は昔ながらのグレイ型宇宙人。NPCも個性的なキャラが多くコメディ色が強いが、その一方でストーリーやバックストーリーはきっちりと作り込まれており評価は高い。コメディ一色かと思いきや、『X-FILE』や『エイリアン』に通じるSFホラー的な要素もふんだんに盛り込まれている。
  • 強力な武器を多数入手する事ができるが、その反面か難易度は最高峰。非常に慎重な行動を要求される。

問題点

  • 内容が充実している分コンテンツ一つ一つの価格がかなり高い。全て揃えるなら6000円ともう一本ソフトが購入できてしまう。
    • PS3版はPSNの購入ができない代わりに全DLCを同封した追加コンテンツパックが発売されているが、5,040円と高額。
  • バグとフリーズの増加。バグは先述の通り有益なものもあれば、再現性100%で後に修正版を配信した程のものまである。
    • また、DLCを入れれば入れるほどフリーズする可能性が高まる。特に終盤でTPやPLを開始すると相当な頻度でフリーズに見舞われる。
  • 難易度
    • BS・PL・MZで追加される敵が尋常じゃないほど強い。
    • 防御力無視の追加ダメージを与えてきたり、HPがデスクローの数倍だったり、こちらの攻撃を50%カットしたりという凶悪な特殊能力をもった敵が配置される。あまりの強さに悲鳴を上げるプレイヤーが後を絶たなかった。
    • 特にBSの追加モンスターは、キャラバンと出会えば瞬く間に殺害し、バグで集落の近くに出現しようものなら住民全員を皆殺しにしてしまう。

余談

  • PS3のGOTY版はディスクが一枚で、全DLCが導入済み。ゲームバランスを変えるものも最初から導入ずみで始まるので自分好みのタイミングで導入は不可能。「ゲームの購入方法にまで」選択肢が設けられている。
  • amazon等で購入できる海外向けのPC版では、ゲーム内容を変更するMODを導入可能。MOD作成ツールはベセスダHPで提供されている。プレイヤーによるMOD作成は盛んで、上記の不満点やバグ・フリーズを解消するMODが多数リリースされている。もちろん自作したMODでゲームにカスタマイズを施すことも可能。
    • あくまでもMOD自体は非公式なファンメイドなので導入は自己責任。
    • 購入の際はスペック確認を忘れずに。
    • PC版は海外版のみで、日本語には対応していない。日本語で遊びたいなら非公式の日本語化MODを導入するといいだろう。
  • 「Operation: Anchorage」では、シミュレーション内でしか使えない装備を現実世界へ持ち帰れる、通称「ゲイリー法」という有名なバグが存在する。