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るいは智を呼ぶ - (2012/03/17 (土) 18:42:46) の編集履歴(バックアップ)


るいは智を呼ぶ

【るいはともをよぶ】

ジャンル 新美少女エンタメADV


対応機種 Windows XP/Vista
メディア DVD-ROM 1枚
発売・開発元 暁WORKS
発売日 通常版:2008年6月26日
FVE:2010年9月23日
定価 通常版:9,240円
FVE:8,190円
プレイ人数 1人
ディスクレス起動 可能
レーティング 映像倫:18歳未満禁止
ポイント 特異な女装男子作品
洗練された設定とシナリオ
実は異能バトル物
個性的すぎる各キャラ

※FVE=フルボイスエディション


WARNING!!!!!!!
このページで紹介しているゲームは18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。


概要

暁WARKSより発売された作品。従来の「女装男子」とは一線を画す作風が注目され、ヒットした。
世界観も設定も中々異端であり、エンタメというよりは サスペンスとホラーを融合させた ジャンルである。
また、主要人物は学生ではあるが、学園要素はほとんどない。


あらすじ

私立南聡学園に通う美少女、和久津智には〝痣〟があった。呪いの痣。痣を持つ者に〝あるひとつの行動〟を禁じる呪われた徴。
ある日、智の許に一通の手紙が届く。それは、死んだはずの母からの手紙。そこに記されていた母からの命――。
『皆元さんを頼りなさい』
件の人物、皆本信吾の一人娘、皆本るいの許を訪れる智。そこで出会った少女、るいは家なき娘だった。
たてつづけに起こるトラブル。火事、都市伝説との遭遇、轢殺未遂、裏社会に追われる少女。その中で出会った6人の少女達。
〝腹ぺこ娘〟皆元るい。〝レズビアン〟花城花鶏。〝ロリスケーター〟鳴滝こより。〝毒舌陶器〟茅場茜子。〝キングオブ空気読めない〟白鞘伊代。
そして智は知る。運命に導かれるように出会った6人の少女。彼女たちには智と同じ〝呪いの痣〟があった。
一心同体から程遠いバラバラの6人は、〝呪われた世界〟をやっつけるため、『同盟』を結ぶ。
〝呪われた世界〟と闘い続ける6人の少女は、やがて『同盟』から『仲間』へと変わっていく……。
しかし智には、誰も知らない、仲間にも言えない、〝ある秘密〟があった。
彼女は…………。

用語

  • 『呪い』
    • ヒロインおよび重要人物が持っている、行なってはいけない体質のようなもの。呪いを踏むと、骸骨のような『ノロイ』に命を奪われるという。
    • 呪い持ちが一様に持っているもの。模様は同じだが、ついている箇所が異なる。
  • 『才能』
    • 呪いとは相反する、一種の特殊能力。一部のキャラは、酷使すると反動で腹が減ったり眠気に襲われたりする。

尚、呪いと才能についてはキャラクター紹介内で記述しているため、当該項目を参照のこと。

  • ノロイ
    • 呪いを踏むことで襲ってくるという畏怖されし存在。それは黒い影だったり、骸骨だったりと姿は定着していない。また、一般人にもノロイは伝染する。

キャラクター紹介

+ クリックで展開

和久津智(わくつとも)
本作の主人公。優秀な女学園で優等生を演じている、正真正銘の。見た目は黒髪ロングの似合う美少女。
最初から女性として生活しているため、女装行為に関しての葛藤や努力等は少ない。たまに苦悩するシーンはあるが。
『演じて』いるということで、実は非常に姑息で卑怯な性分を持つ。策略家でもあり、同盟の中では智謀という存在。
あくまで性分であるため、性格はどこか人情臭かったり、世話好きな面があり、まともである。

皆元るい(みなもと-)
一応(後述)メインヒロイン。非常に人情が強く、疑うことを知らない。それにより、花鶏とは犬猿の仲で常に揉めに揉める。
あまり生かされなかった設定だが、ベースの演奏が得意。家なき娘なため、これで生活費を捻出している。
タイトルにもあるように、智の良きパートナーで、お楽しみシーン数は全キャラでダントツ。

花城花鶏(はなぐすくあとり)
一見して読めた人は凄い名前。ロシア系クォーター。本作における 色々な面での問題キャラ
ヒロイン中最狂の変態。最初は百合好きな少女だが、実際は真性レズ。
言動もほとんど18禁を横行しているため、コンシュマー化が絶望視されている要因。
お気に入りのヒロインには名前で呼ぶが、アウトオブ眼中のキャラは苗字で呼び捨てである。
その割にはかなり薄情な面が多く、基本的にはアンニュイなイメージが強い。そのため、るいとは仲が悪い。

鳴滝こより(なるたき-)
貴重なまとも系キャラ。○学生っぽい描写はあるが、18歳以上なのは間違いない。
スケートを靴同様に使っており、機動性に優れる演出が多い。
まともではあるが、序盤においては幼い故に問題行動をよく起こしている。

白鞘伊代(しらさやいよ)
貴重なまとも系キャラその2。トークが下手なのと、空気が読めない*1のを除けば。
巨乳メガネキャラで、委員長キャラ。しかし実際に委員長なのかは名言されていない。
ダイエットには多大な熱を入れ込んでいる。FVEでは中の人が交代した。

茅場茜子(かやばあかねこ)
花鶏に次ぐ超個性派キャラ。猫っぽいイメージが強いゴスロリ少女。
人のことを蔑称*2で呼ぶのがデフォルトで、自分のことはさん付けで呼ぶ。
珍妙な立ち絵でとんちきな事を言い、伊代に突っ込まれるのが様式美。
大のらーめん好き。猫に名前をつけているが、何故か仰々しい横文字ばかり。

以下は非攻略メインキャラ

才野原惠(さいのはらめぐむ)
見た目はスラッとした男子校生だが、実は女。茜子よりは胸がある。
言動が謎めいており、はぐらかすような言葉が多い。
女性でありながらも体術は得意で、特に剣術は秀でている。
智に一目惚れしたような節があるが、固定ルートに入るとその面はなくなっていく。

尹央輝(ゆんいぇんふぇい)
ドスの利いた声とそれに見合った凄みのある少女。というかロリ。
スリーサイズは全キャラダントツのボトム。AAサイズ。胸に関しては彼女の態度も激変する。
裏の社会に精通しており、容姿も魔女のようなコスプレに見える。


+ 各キャラの呪い一覧。ネタバレのため要展開
自分のほんとうの性別を知られてはいけない
るい 約束を交わしてはいけない
花鶏 助けを求めてはいけない
こより 通ったことのない扉を開けてはいけない
伊代 固有名詞(名前等)を呼んではいけない
茜子 地肌で触れてはいけない
自分に関する真実を語ってはいけない
央輝 直接太陽の光を浴びてはいけない

+ 各キャラの才能一覧。重要なネタバレのため要展開
望んだ未来を引き寄せる。ただし有り得ない未来は不可
るい とてつもない怪力を発する。スクーターを難なく放り投げたりなど
花鶏 思考を加速させ、常人の3秒を15秒ほどで感じ取る
こより 一度見た動きをそっくりそのまま射影して行動できる
伊代 あらゆる機器を使いこなす。PC等のパスワードも瞬時に解読する
茜子 相手の心を読み取る。ただし、嘘をついているかいないかの判断程度
致命傷レベルの致傷を数時間で完治させる
央輝 相手を奴隷にさせる視線を合わせた相手の感情を増幅させる


好みが分かれる点

  • 花鶏について
    • 好きなキャラとそうでないキャラとの態度の違いがはっきりしており、シリアスなシーンでは呪いのせいもあってか、ある意味伊代以上のKYさを見せる。
      中の人の演技も抑揚が少なく、喘ぎ声や激高するシーンを除いては棒読みに聞こえる。また、花鶏ルートの結末はやや後味の悪いものとなっている。
  • 日常シーンについて
    • 会話の中心である智の話し方が、惠同等にはぐらかしたものが多く、会話のイシューが定まらずテンポが悪い。
      固定ルートに入れば改善されるため、この点は割り切りが出来るかで評価が変わる。
  • お楽しみシーンの少なさ
    • るいでも3で、他のキャラは2つか1つ。しかも本番シーンは1つしかない。しかし、シナリオ重視ということもあり、気にしない人もいる。
      というか、歩くセクハラ的な存在である花鶏のシーンも少ないため、これに残念がった人も多い。
  • るいの扱い
    • タイトルやシーン数のおかげで優遇されてはいるが、最終ルート(固定)の存在により、攻略を進めていくほどるいの存在感が薄まってしまう。
      るいの才能を生かすシーンも徐々に減っていくため、るいがメインヒロインなのか疑問が生じる。
+ わかりにくい方へ。要ネタバレ

初週はるいルートで固定。その後は花鶏、こより、伊代の選択で、最後に茜子のルート(真ルートともいえるシナリオ)が開放される。
つまり、本作の重点はるいよりも茜子のほうに向いていると言っても過言ではない。
また、デレた時の茜子は智のことをちゃんと名前で呼んだりする等評価が高いため、最終的にるいの印象が希薄になる。
るい自体も人気はあるのだが…。

  • 南総里見八犬伝との類似点
    • 痣を始めとして、相応に共通点が多い。何分歴史的書物のためパクリという指摘は皆無だが、原作を知っている人はそう感じてもおかしくない。
  • シナリオについて
    • 評価されている要素だが、重要人物があっけなく死んだり、非常に陰鬱な展開も多いため、ジャンルやジャケ買いした人にとっては不意打ちに思える。

総評

女装男子というジャンルに一石を投じた意欲作であり、成功を収めた。シナリオに重きを置いているため抜くための需要は少ない。
かといってコンシュマー化するには花鶏の言動の修正が必要*3であるため、この点についてはFD(FVEと同時発売済)で楽しんだ方が良いだろう。