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ソニック ワールドアドベンチャー - (2016/08/26 (金) 15:24:47) の編集履歴(バックアップ)




ソニック ワールドアドベンチャー

【そにっく わーるどあどべんちゃー】

ジャンル アクション

対応機種 プレイステーション3
Xbox360
発売・開発元 セガ
発売日 2009年2月19日
定価 7,140円
備考 ゲームオンデマンド版:2000マイクロソフトポイント
判定 なし
ソニックシリーズリンク

概要

HDソニックシリーズの2作目。ソニックアドベンチャーシリーズの3作目に位置づけられている。
頻繁で長いロードという問題を抱えていた前作から大幅に遊びやすく、爽快感をアップさせた作品である。
今作では昼と夜の2つのパートを切り替えながらゲームを進めることになり、その中の昼パートは後の3Dソニックシリーズの新たな礎を築いた。

ストーリー

毎度のごとく悪事を働こうとしていたエッグマン。
そこに現れたソニックはカオスエメラルドの力も駆使してエッグマンのメカを破壊するが、隙を突かれて捕まってしまった。
エッグマンが機械を操作すると、カオスエメラルドから色が失われると同時にソニックの姿も変貌を遂げてしまう。

そのカオスエメラルドの力を使ったエッグマンの攻撃によって、なんと地球が7つに割れてしまった!
ソニックは地上で出会った記憶喪失の妖精少年チップと共に、地球を元に戻すため世界中を冒険する。

2つのパート

昼パート

  • いつも通りのステージを猛スピードで駆け抜けるパート。
    • 基本的に奥へ向かって進む3Dアクションだが、今回からは途中で横スクロール2.5Dにシームレスで切り替わる場面もある。特定の場面ではこれまで同様、カメラワークを使った演出も入る。
  • 今作では新たに「ソニックブースト」というアクションが追加された。
    • リングを回収したり加速パネルに乗るとブーストゲージが溜まり、このゲージを消費しながら超高速で敵をぶっ飛ばしながら走ることができる。
    • ブーストはステージクリア後のレベルアップで強化することが出来、ブースト時間もスピードも伸びていく。
  • これまでのシリーズで培われたアクションも一部分引き継がれている他、レースゲームのようなドリフトも使えるようになった。
    • ストンピングやエアブーストなどは特定のステージで習得することになる。
  • ステージは基本的に一本道だが、その中でも分岐ルートがいくつかある。どのルートを通るかはプレイヤー次第。
    • ルートによって長さが違うのはもちろん、走破難易度も出せるスピードも違ったりする。

夜パート

  • 本作では夜になるとソニックが「ウェアホッグ」に変身する。
    • 昼パートほどのスピードが出なくなるが、伸びる腕を使った攻撃アクションが可能となる。
    • 昼パート以上にステータスが多く、成長させるごとに使える技やコンボが増えていく。
  • こちらではステージ中のスイッチを探したり、敵を全滅させながら進む謎解きアクションとなる。
    • 昼パートがタイミングが重要なのに対して、夜パートは慎重さと正確さが求められる。
  • なお、昼と夜の切り替えはある箇所まで進行すると、ワールドマップ上で任意に行うことが可能。また、ステージを選択するエントランスでも昼夜逆転のオブジェクトで切り替えることが出来る。

評価点

  • ソニックブーストはとんでもない速度が出せるため、これまでのシリーズを超えるスピード・爽快感を味わうことが出来る。
    • そのスピードを活かすためにはステージを覚えて適切なタイミングでアクションを繰り出す必要がありなかなか難しい。
    • ただブーストすればいいというものではなく、急カーブではあえてブーストを切って(スピードを緩めて)ドリフトしたりと、操作のメリハリもついた。
    • しかし慣れれば最初から最後までブーストした状態で駆け抜けられるステージもある。使いこなせるほどに一気に爽快感が増す硬派アクションらしさも持つ。
  • 世界中のショップで販売されている食べ物やおみやげ、ステージのどこかにあるコレクションアイテム集めとやりこみ要素も豊富。
    • ステージでもRTAやSランク取得の他に、各地のホットドッグ屋で受けられるホットドッグミッションが用意されている。
    • 他にも街の人々の悩みを解決するサブイベントも豊富。中には通常より条件の厳しくなったステージを攻略する必要もありやりごたえがある。
  • グラフィックも美麗。各ステージも個性的な特色があり、タイトル通り世界中を回っている雰囲気をうまく演出している。
    • 特に爽やかな町並みと大時計台が特徴の「オレンジルーフス(act1)」は非常に人気が高く、『ジェネレーションズ』でも選抜された。
    • カメラワークもこれまでの反省から大幅な改善が行われている。
  • BGMも良い出来。主題歌の「Endless Possibility」も人気が高い。

賛否両論点

  • 夜パートは賛否両論。やや不評意見が目立つ。
    • 「初っ端から落ちたら即ミスになるようなアスレチック要素が大量にある」「ステージの途中で湧いてくるナイトメア軍団やエッグファイターを全滅させたり、決められた場所に鍵を持っていかない限り先に進めない」等、全体的にストレスが溜まりやすいステージ構成なのが原因か。
    • さらに後半になると空中を浮遊する、仲間のナイトメアを援護したりソニックの行動を妨害したりする等厄介なタイプの敵が多数登場したり、ナイトメア達がこぞってガードを習得し、ウェアホッグの基本であるゴリ押しが効かなくなるのも理不尽な難しさに拍車をかけている。
      • 特に不評なのが細い橋を渡る場面。序盤は側面にしがみつきながら渡る事でやり過ごせるが後半になると橋の左右にトゲが配置されたり上を歩くと崩れたりする橋もあるため正規の方法で渡る事を強いられる上、渡るのを急かされバランスを崩したりちょっとズレただけでトゲに当たり落下ミスとなってしまう等、殊更に時間を長くかけることを強いられる理不尽気味な難易度である。
    • 昼パートのカメラワークは改善された一方、こちらは練りこみ不足な部分が目立つ。
      • ウェアホッグの基本的なアクションを覚えるステージであるはずのアポトス夜act1ですら、このカメラワークの悪さのせいで棒を掴み損ね何度も落下しミスする初心者プレイヤーが後を絶たなかった。

問題点

  • 最終ステージとなるエッグマンランドの長さが尋常ではない。
    • 全体的に長めの構成である本作ステージだが、それでもほとんどは長くても初見15~30分もあればクリア出来た。しかしこのエッグマンランドだけは初見1時間をゆうに越えるとまで言われる長丁場になる。
    • 道中で昼パートと夜パートを交互に途切れなくプレイして進むうえ、ラストステージらしく難易度が高いのも原因のひとつ。
    • 何度もプレイすれば約30分まで短縮できるようになるが、そこまで行くのは至難の業。
  • ゲームを進めるためには各ステージに隠されている「太陽のメダル」と「月のメダル」集めが必要になり、作業的という声も。
  • 一部フレーム落ちがある。スピードが重要な作品なのでフレームは安定して欲しかったところ。
  • 前作のようなステージ途中でのロードこそなくなったが、ロード時間の長さは未だに問題視されている。
  • 題名通り世界規模のストーリーなのにも関わらず、レギュラーキャラの登場はソニック、テイルス、エミー、エッグマンの4人だけ。
    • 特にカオスエメラルドが物語に関わっているのにナックルズが登場しない件については一部ファンから不満の声が挙がっている。
      • しかしソニックカラーズ(Wii版)ではエミーすらも登場しなくなるため、今作はまだ登場キャラは多い方と言える。
    • この作品から「ソニックメインのゲーム性を重視する」という趣旨のインタビュー通り、ソニックだけに焦点をあてたゲームが主流となっていき、それ以外のキャラクターは長きにわたってスポットが当たらなくなっていった。

総評

新ソニでの失敗を活かし、システムを全面的に見なおして生まれ変わった、ソニックシリーズの新たなスタンダードの一つ。 ハイスピードアクションを強調した昼パートが評価される一方、同様に夜パートで評判を落としてしまった不運の作品でもある。
昼パートにおけるソニックブーストなどの新アクションは、後に発売された『ソニックカラーズ?』『ソニックジェネレーションズ?』でも基礎となるほど完成度の高いシステムであった。

ただし本作の成功によりハイスピードアクションが極まるところまで行きすぎてしまった結果、プロデューサーらに懸念を生むキッカケにもなったと言える。
いずれにせよソニックのターニングポイントとなったことは間違いなく、シリーズの歴史を大きく変えた優秀なゲームである。


ソニック ワールドアドベンチャー(Wii・PS2版)

【そにっく わーるどあどべんちゃー】

ジャンル アクション
対応機種 Wii
プレイステーション2(海外のみ)
発売元 セガ
開発元 ディンプス
発売日 2008年12月18日
定価 6,090円
判定 なし

通称SD版、Wii(海外のみPS2も)でリリースされたもの。発売は日米ともにHD版より少し早い。
ステージやシステムの簡略化や削減(昼ステージのレベルアップがそのステージ限りなど)がされている。
グラフィックはPS3や360には劣るもののクオリティは高く*1、音楽はHD版と変わらない*2
評価サイトでは、夜ステージが適度に簡略化されたSD版の方が評価が高くなるという珍事が発生した。
同じタイトルを冠しているが中身は別物と言って良いレベルであり、ステージ構成はモチーフ以外全て異なっている。

SDハード用ゲームではあるが、グラフィックの良さはかなりのもの。
ソニックと暗黒の騎士などといったWii専用ゲームよりもソニックのモデリングはかなり良い出来。
また、Wii版と海外のPS2版を比較すればわかるが、ソニックの彩度がまるで違う。Wiiのスペックをギリギリまで使っているといえよう。ただリトライ時のロードは長い。 ムービーは明度において大幅に後れを取っているものの、それでもなお綺麗に映るので見られないほどではない。
ただし彩度が低いせいで暗い場面では少々見づらくなる。

上述のようにウェアホッグパートが非常に簡略化されていることも捨てがたい評価点である。
経験値を溜めていくことでアクションが増えていくのは同じだが、こちらは階段式に習得していくため非常に楽。
攻撃アクションの操作も簡略化していて、適当にコンボしていけば大体は倒せる。
ただ通常のアクション面ではHD版以上に制御が難しい。
こちらのウェアホッグはスパイクを履いているのにも関わらず何故か滑りやすくなっており、細かい足場を乗り継いだり、スピードを出した後の停止がやや難しい。

ただし、HD版に比べてステージはなんと二つも削られている。その一つのマズーリは一応存在こそするものの、ボスパートのみ。エンパイアシティは完全になし。
昼パートのACT1以外は簡潔なミッションステージとなっている。既存ステージの使い回しもあるがなんとミッション用のステージもある。
正直それを使えばもう1ACT出来そうなほど異なるところもある。
それに対して夜パートはACT3まであるため、いくら簡略化されたとはいえかなり億劫である。

HD版に比べて、一部のボスパートはヌルくなったり演出が微妙になっている。
特にラストに戦うことになるエッグドラグーンはガトリングの出が悪く、ショボイ。デザインに反してこれでは威厳がない。
ラスボスであるダークガイアとの戦闘も、HD版と比べれば面倒さは減っているが、演出面はかなり弱められているのが欠点。


総評

HD版と比べても優劣付けがたい作品であり、○○の方が良い、などと断言は出来ない。
ルート構築が大変豊富であり、タイムアタックにおいてはHD版と違った楽しみを見いだせる作品である。
一方で、ブーストアクションには若干の癖があるほか、ステージ数が削られたことなど、残念なところも目立つ。
せっかくのハイスピードアクションステージも、ACT1しか素直に楽しめないなど痒いところに手が届かない要素は多い。

ウェアホッグパートは簡略化されているとはいえ、やはり面倒なパートであり、HD版同様にこのパートの存在自体を評価する声は少ない。
しかし様々な面が簡略化されており、アクションゲームとしては出来ることが減った反面わかりやすい内容には落とし込まれている。


余談

  • 本作のCGを使用したCGアニメ「ソニック&チップ 恐怖の館」が無償で配信されている。こちらもなかなか面白いので、ぜひダウンロードして視聴していただきたい。