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ゴジラ・ジェネレーションズ - (2016/03/02 (水) 00:40:59) の編集履歴(バックアップ)


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ゴジラ・ジェネレーションズ

【ごじら・じぇねれーしょんず】

ジャンル アクション
対応機種 ドリームキャスト
発売元 セガ・エンタープライゼス
発売日 1998年11月27日
価格 5,800円(税別)
判定 バカゲー
ポイント ゴジラなりきりゲーム
映画の再現度は歴代ソフト随一
ゲーム単体としては非常に微妙
あまりにもぶっ飛んだ最終隠し要素
ゴジラシリーズ

概要

  • ドリームキャストのローンチタイトルの1つとして発売された作品。
    • ゴジラのゲームとしては初めての3Dゲーム。
  • ゴジラをはじめとする怪獣を操作して、日本各地の都市を破壊していく。ただそれだけのゲームなのだが、カメラワークや音楽が実に凝っており、映画の中のゴジラを操作している感覚を味わえる。

究極の「怪獣ごっこ」

  • プレイヤーは、ゴジラなどの怪獣を『バイオハザード?』のようなラジコン操作で操り、リアルに再現された都市を破壊していく。
    • ステージにはそれぞれ建物を壊した量を示す「破壊率」と「制限時間」があり、制限時間が経過するか、破壊率を100%にするか、ステージ外に抜け出すと終了となり、破壊率や残り時間、残り体力などを換算して評価が下される。
    • 操作はシンプルで、スティックで移動、Aボタンで通常光線攻撃、L・Rトリガーで左右への攻撃。
    • Yボタンで怪獣が咆吼し、体力を一定量回復できる。建物に接触し続けたり自衛隊の攻撃を受けたり(後述)すると体力が減少し、0になると倒れてしまうのだが、咆吼を何回か繰り返すとすぐに全回復。無尽蔵の生命力を持つゴジラに相応しいシステムといえる。
    • その他、Bボタンでガード、Xボタンでゲージを消費して放つ強力な攻撃を使用できる。

ゴジラゲームとしての評価点

  • カメラワークが特撮映画のように変化する。
    • 『バイオハザード』シリーズと同様に、怪獣の位置によってそれを移すカメラアングルが変化するのだが、地面から怪獣を見上げるような視点から、遠くで暴れる怪獣を見つめるような引きの視点、バストアップをがっつり移す視点など、どれも大迫力。また、それらのすべてが、平成ゴジラシリーズをはじめとするゴジラ映画でのカメラワークに忠実である。
    • そのため、 実際のゴジラ映画で遊んでいるような快感 を味わえる。新宿の摩天楼を駆け回るアメリカ版GODZILLA、というような場面も再現できる。
  • リアルに再現された都市。
    • 登場する都市は、福岡・大阪・名古屋・横浜・東京の5か所で、それぞれ2~3ステージに分かれている。
    • いずれもその土地のランドマークの周辺を再現している。福岡ならば福岡ドームの存在するももち地区、大阪ならば大阪城公園、東京は芝公園周辺・新宿の摩天楼など。
    • さすがにランドマーク以外の建造物は適当に再現されているものも多いが、実際の都市で暴れまわっているような感覚を十分味わえる。
  • ドリームキャストの能力を活かして、グラフィックも細かく書き込まれている。
    • ドリームキャストの当初の売りであった高度なグラフィック処理能力が生かされており、前述の都市や怪獣のグラフィックは非常に美麗。
    • また、海外のスタジオに外注となった以降の作品と比べて、今作の怪獣のモデルは非常に実際のものに忠実。
    • 見た目だけでなく、鳴き声からモーションまで非常に忠実に再現されている。平成ゴジラと初代ゴジラの熱線のエフェクトが微妙に違うといった点まで再現。
  • BGMも映画で使用されたものを再現しており、迫力がある。最終ステージ、新宿で流れる『ゴジラ(84)』のテーマは必聴。
    • メカゴジラを使用すると、ゴジラのテーマが流れるステージのBGMがきちんと「メカゴジラ 現る」に変わる。
  • その他、破壊する怪獣に対してステージの中には自衛隊が展開しており、地上から攻撃する戦車と空中から爆撃する戦闘機の二種類がある。一発あたりのダメージは微々たるものだが、後半で登場するメーサー戦車に包囲されて一斉射撃を貰ったりすると、怪獣といえど一気に体力を削られて倒れるため、スリルがある。
    • ボスキャラとして、スーパーXシリーズが飛来して戦いを挑んでくる。
  • それぞれの怪獣を使ってクリアしていくと隠しキャラが順次解放されるが、最終隠しキャラは誰も予想の付かなかった衝撃のキャラである。
    • その名もジャイアント芹沢博士。わかる人にはわかるが、初代『ゴジラ』で活躍した悲劇の科学者であり、それがなぜか怪獣サイズに巨大化したオリジナルキャラクターである。演じたのは故・平田昭彦氏。
    • 声こそ代役だが映画第1作ラストそのまんまの格好で歩き回る、眼帯を開いて砲身を展開しそこからビームを発射、映画での名台詞を発しながらオキシジェンデストロイヤーの容器から拡散破壊光線をぶっ放す、と言った方法で日本の各大都市を蹂躙する、などとやりたい放題である。
      • しかも担当俳優の遺族公認(後述)。

その他の評価点

  • 一部抜けている作品があるものの、『vsデストロイア』までのゴジラ映画の予告編が収録されている「ジェネレーションズシアター」がある。
    • ネットでの動画共有などがなかった当時としては、予告編を集めた唯一のメディアであった。

問題点

  • ゲームとしての楽しさは微妙。
    • 前述のとおり、ゴジラ映画に憧れたプレイヤーにとっては、「怪獣ごっこ」を楽しませてくれる作品として今作は良質であるといえるが、それ以外の層のプレイヤーにとってどうであるかといえば、正直なところ難点の多い作品である。
    • そもそも、前述の「怪獣ごっこ」は、それらに興味のない人間からすれば、ただ緩慢に怪獣を動かして建造物を壊すだけの単調極まるゲームである。
    • ゴジラの歩行速度なども映画(かなり緩慢だった平成ゴジラシリーズに近い)に忠実に再現してあるため、テンポよく建造物を壊していく爽快感はあまりない。
      • ステージを回る都合上「回転して向きを変える」動きが必須となるが挙動が非常に遅いためにテンポが悪い。
    • 建造物の破壊にしても、ダメージが若干ずつ減っていくのを覚悟で、体当たりしていった方が気楽。減った体力は咆哮で回復するからである。残存建造物の位置が表示されるマップを見ながら、ただマップの中で怪獣をしらみつぶしに這い回らせるだけのゲームになってしまうといってもいい。破壊率が90%を越えるとどこに壊されていない建造物があるかも判別しづらいため、30%を越したあたりでちゃっちゃとエリアを離脱する方が一定の評価をもらえる。
      • 視認が困難な非常に小さい樹木や民家も破壊対象になっているので、破壊率100%を目指そうとするとちっちゃな木をせっせと踏みつぶしていくゴジラという何とも言えない図になってしまう。
      • ビルやドームなどの大きな建物を壊すと瓦礫がステージ上に残るが、樹木などよりも巨大なため紛らわしい。
      • 後半のステージはエリア外に建造物が存在するものが多いので尚更。
    • 攻撃コマンドの使い勝手がどれもすこぶる悪い。
      • 熱線は数秒吐いただけでゲージがスッカラカンになる上射程が短く、ゴジラの首を動かして制御するので真下や真横に来る自衛隊に熱線が届かないというお間抜けな光景に。カメラワークによっては遠くまで届いていない熱線の端っこを真正面から見ることができてしまう。
      • 尻尾は振り回すというより引きずるだけで、映画のように持ち上げて振り回すことはできない。
      • 各キャラ毎に設定されている必殺攻撃もわざわざゲージを消費して使う機会がいまいち存在しない(敵がいないため)。歩いて回る方がよほど効率的である。
      • 初代ゴジラは必殺攻撃を持たず身長・リーチ共々短いため単なる平成ゴジラの下位互換になってしまっている。尤もスペックを忠実に再現した結果なのだが。
      • メカゴジラに至っては熱線が両目からのスペースビーム、尻尾攻撃が指ミサイルになっているので膝下の位置への攻撃が非常に困難。戦車に対しては踏みつぶすしか有効な攻撃手段がない。
      • 一方アメリカ版GODZILLAは原作同様高速で走り回るため非常に動きが俊敏であり、上記の問題点をほぼ克服した性能である。その身軽さが当時ゴジラファンに批判の的となったポイントでもあるのだが…。
    • 通常ステージよりも短い時間でどれだけ建造物を破壊できるかというタイムアタックモードもあるにはあるが、やることは同じ。クリア目的が同じなので、やることに変わりが無いというわけである。
    • 怪獣ごっことしても正直町を破壊するだけでは面白いとはいえない。各ステージボスとして他の怪獣と戦うなどの、メリハリのきいた要素がないからである。ひたすら建物を破壊するだけでは怪獣ごっこというより理由のない破壊衝動であり、飽きるのが早い。ストーリーも勿論ない。
      • 唯一敵として出てくる自衛隊などの兵器も、敵というよりは攻撃してくるオブジェクトの域を出ないし、そもそも狙いをつけることができないので攻撃力が高くなってくるとイライラして建物破壊どころじゃない。どうせならスーパーXくらい映画のようにバトルを展開してもよかったのではないだろうか?
    • 映画の怪獣たちは都市を破壊したいから破壊しているのではないので、このゲームが都市破壊を目的としているのは目的を見失っているも同然。何が目的で町を破壊しているのか、いくら怪獣とはいえ目的もなしに人間の町へ踏み込むはずがないので、理由も目的もなく町を破壊して回れ、では怪獣ファンも意味がわからない。もう少しゲームの目的自体もしっかりすべきだった。
  • 登場する怪獣が変な面子。
    • 平成ゴジラ・初代ゴジラ・昭和メカゴジラ・アメリカ版GODZILLA*1・ミニラの5体(ジャイアント芹沢博士を含めると6体)。少ないといえば少ない。
    • ゴジラ2体と、当時話題になっていたアメリカ版GODZILLAは良いにしても、平成ゴジラシリーズが完結した後に発売されたのに、なぜ昭和メカゴジラやミニラが登場するのかはわからない。特に建造物を破壊的な怪獣ではないミニラで破壊する理由がわからない*2。一応顔ぶれはゴジラ縛りのようだが。
    • もちろんどの怪獣に価値を感じるかは人それぞれだが、平成メカゴジラやモスラは都市破壊にむいてないとしても、キングギドラやラドンのような平成シリーズに登場した著名な怪獣はいるわけだし、実際の顔ぶれからゴジラ縛りだとしても、スペースゴジラを登場させなかったことについては疑問が残る*3
      • いっそリアルに破壊できる都市で怪獣が戦いあう対戦ゲームの方が面白かったかもしれない。
    • ジャイアント芹沢博士はサプライズキャラとしてはこれ以上無い程のインパクトを持っているが、ここまでくるともはや一般層には全く意味が分からない。
    • そもそも芹沢博士は自分の兵器開発が軍事利用されることを嫌って苦悩するという至極真面目な役割の人物であり、それをこのような無茶苦茶なネタにされて怪獣ファンが皆喜べるかと言われると疑問が残る。ぶっちゃけ不謹慎と言われてもおかしくはない。
  • 自衛隊との戦いが面倒くさい。
    • 怪獣ファンと一般層の見方の違いという以前に、システム上、足元の戦車や、飛来する戦闘機・スーパーXに狙いがつけづらい。敵キャラとの戦いは想定していなかったのか、ロックオンのように狙いをつけるシステムそのものがなく、後述のカメラワークとあわせて敵キャラを倒すのが難しい。
    • 飛行機体については熱線が届かない高さと方向から飛来する*4ので、ゴジラの正面に飛んでくるか勝手に突っ込んで自爆するかを待ってやり過ごすしかない。
    • カメラワークの都合上、建造物に隠れて、怪獣の前にいるはずの戦車が見えないときがある。序盤のステージならばマップを見ながら踏みつぶせばいいのだが、自衛隊側の攻撃力が上がってくる後半になると、それもできなくなる。
      • そもそもステージによっては怪獣の姿がまるまる見えなくなるアングルも存在する。

総評

映画の再現への拘りは半端無く、特撮ファンならば一度は遊んでみるべき傑作といってよいかもしれない。
だが、一般層から見た、一つのゲームとしては非常に難点が多い。
いっそのこと、「怪獣ごっこシミュレーション」として売り出せば評価も違ったのだろうが、ローンチタイトルとして広く売り出されたために、当時の海外サイトなどでは「筋金入りのゴジラファンにとって価値はあるが、他の誰にも価値が無い」などと酷評を浴びた。
しかしそんな問題点がどうでもよくなるほどジャイアント芹沢博士のインパクトが大きい。彼の存在にどこまで価値を見いだせるかが本作を評価するポイントといえよう。
芹沢博士抜きでも、普段取り上げられない初代ゴジラや後発作品で不遇が続いているアメリカ版GODZILLAの勇姿を拝みたいという人には十分価値が存在するだろう。

  • ちなみに、それなりに手ごたえはあったのか、怪獣との戦いを前面に押し出した続編『ゴジラ・ジェネレーションズ マキシマム・インパクト』が製作されている。
    ただしこちらはゲームジャンルをシューティングに変更し、本作でこだわりを見せた原作再現を完全に撤廃しているために評判はよろしくない。

余談

ジャイアント芹沢博士の登場に関しては流石に無許可じゃ不味いと思ったのか、スタッフは登場許可をもらうために遺族と交渉した。
ちなみに交渉の際、実際にジャイアント芹沢博士が動き回る映像を見て大受けした遺族が大喜びで快諾した、と言う逸話もある。