「クイズマジックアカデミーV」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

クイズマジックアカデミーV - (2012/10/11 (木) 04:13:43) の編集履歴(バックアップ)


クイズマジックアカデミーV

【くいずまじっくあかでみーふぁいぶ】

ジャンル 全国オンライン対戦クイズゲーム
対応機種 アーケード
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼働日日 2008年2月26日
ポイント 検定試験と昇格試験の導入,QMAシリーズの最初の「つまずき」
クイズマジックアカデミーシリーズリンク


概要

人気シリーズクイズマジックアカデミーの第5作。
今作から初めて1人用モードである「検定試験」が導入された。 キャラクター全般の立ち絵がゲーム風のイラスト調のものからアニメ調のものに一新された。 激しく賛否の分かれた「昇格試験」が実装された最初で最後の作品。 同年9月に発売したDS版との連動要素あり。
昇格のための試練を与えに来る仮面の男・ウィーズと共に多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた。

評価点

  • 検定試験
    • 今作から導入された新モードで、ある特定のテーマに沿った問題しか出題されない一人用モード。テーマは月代わりで変わっていく。
    • 試験の得点は集計され、公式HP上でその順位が発表されていたため、QMAで初めて搭載されたスコアアタックモードという取り方もできるので、それまで対人対戦一辺倒だったQMAに新風を吹き込んだ。
    • 後述の検定問の扱いでの批判もあったが、現在稼動中の『~賢者の扉~』にも実装されており、人気のあるモードとなっている。
  • 滑らかなアニメーション
  • 前述のとおり枚数が増えたおかげで動きはなめらかになった。が、一部キャラ(特にNPCのリディア先生)など作画が残念な人もいた。
    • ちなみにこのときのアニメーションは現行稼働中の『QMA 賢者の扉』にも結構流用されている。従来のイラスト風の作画が好きな人も当然おり、復活してほしいとの声も結構聴かれるほど。
  • ペットを育成したり、購買部で受注できるクエストをクリアしたりするとアバターアイテム以外にも様々なコレクトアイテムがもらえた。
    • 上記のクエストで手に入るあるアイテムを所持し、特定の条件を満たすと全国オンライントーナメントで決勝戦のかわりにラスボスとの戦いに挑める。
      • そのボスの名前が「クイズ魔神」とあんまりだったが『VII』で再登場、同作で「魔神エニグマデウス」という名前が与えられている。再登場させるべきものとそのやり方が間違っていた。『VIII』でジャンル別の魔神として7体現れることで『VII』で聞かれた不満に対処できた。最新作の『賢者の扉』では魔龍なる亜種に取って代わられた。御役御免に?
  • その他
    • オンライントーナメントでは始めに複数あるコース(情景やBGM、出題ジャンルと形式がそれぞれ異なる)の中からルート選択ができ、投票の結果得票数が一番多いコースが選ばれた。
      • しかし、稼働当初は「アニメ&ゲーム」や「雑学」ジャンルのあるコースや「並べ替え」「スロット」といった比較的難易度の低い形式のあるコースが選ばれる傾向が強く、逆に「スポーツ」「芸能」「順番当て」「一問多答」があるコースは避けられがちだった。
      • そのような状況が続いたせいか、後のアップデートでどのコースも完全にジャンルが分からないように仕様変更された。
      • 魔法の世界を探検するという要素を疑似体験(?)できるという試みはよかったのだが、これが『VII』以降の協力プレーの原型や『賢者の扉』におけるアカデミーアドベンチャーモードの原型か。

問題点

昇格試験

  • 今作で初登場となった上位階級に昇格するための関門。試験状態になるとトーナメント参加者発表の表示で「ただいま昇格試験中!」と表示された。
    • これが導入された背景には『IV』時代、上位階級への昇格に関する条件や制限がなくあまりにも多くの宝石賢者が量産され階級と実力が釣り合わない事例が多く発生し、そのことへの反省があると言われている。
  • しかし一度昇格試験が発生すると試験に合格するまでは魔法石が一切支給されないカンスト状態になった。
    • 昇格試験中にもらえたはずの魔法石は一切プールされておらず、試験に合格しても試験中にもらえたはずの魔法石は全て失われてしまうため、それへの不満の声があがった。
  • ならばさっさと合格してしまえばいいのだが、事はそううまく運ばない。まずすぐ下にある昇格試験の条件一覧を見て欲しい。
+ 昇格試験の条件一覧
階級(昇格対象) 合格条件 組条件 備考
見習い魔術師 予習に合格 なし
初球魔術師 2回戦進出
中級魔術師 3回戦進出
上級魔術師 決勝進出 ミノタウルス組以上 初期は違う条件だった。詳しくは後述
魔術師
大魔術師 優勝
賢者 フェニックス組以上
大賢者 10人抜き ドラゴン組のみ COMはカウントしない。
試験中にフェニックスへ落ちてもカウントはリセットされない
青銅賢者 区間賞*1獲得 予選は全て2位以下であっても決勝で優勝すればOK
白銀賢者 決勝進出
黄金賢者 優勝 決勝は全員HUMでなければならない。
予選はCOMが混じっていてもOK
白金賢者 2回優勝
宝石賢者 グランドスラム 予選1回戦から3回戦までで全て1位を獲得しかつ優勝
  • 組の序列としては下位からフェアリー→ユニコーン(HUMは最大で8人まで)→ガーゴイル(HUMは最大で12人まで、これ以上の組はCOM枠なし)→ミノタウルス→フェニックス→ドラゴンとなる。
    • 各組の強さについては必要な部分については後述するが、他は割愛する。詳しく知りたい人はQMAWikiに行くとよいだろう。
  • なお当時は学問系ジャンルが少なかった上、QMA6以降と違い予選が前半と後半の合計10問という形ではなく5問づつ違うジャンルが出題され1回戦、2回戦、3回戦、決勝というかたちだった。そのため苦手ジャンルが飛んできて問題の見当すら付かないのでどうすることもできず5問で即死というパターンや、0点の者が複数出た場合は経験値が少ない順から優遇され最後にCOMという扱いであったため、0回で予選通過なども見られた。
  • QMAの経験がある人ならわかると思うが、大賢者以降はかなりきつい条件である。ライトユーザーならば賢者のフェニックス組優勝も大きな壁となる。
    • まず第一にドラゴン組に滞在し続けるということ自体がきつい。
      • 出題される問題の難度もさることながら所属プレイヤーの強さが青天井状態であり、一つ下の組であるフェニックスとのレベル差は非常に大きなものである。
      • 加えて今作では3戦での平均成績での昇降格システムだったため、ランカークラスの廃人であってもわずかなミスでフェニックスに落ちることもあり*2、まさに修羅の国といっても差し支えない環境であり、ドラゴン組に滞在し続けること自体がひとつのステータスとなっていた。
    • 大賢者の10人抜きならドラゴン組を維持すればなんとかなるものの、ドラゴン組で優勝できるプレイヤーともなればQMAプレイヤー内でもごく少数であり、グランドスラムに至っては…。
    • フェニックス組もドラゴン組と比べれば格が落ちるとはいえ、相手になるのは上級者、加えて事故で落ちてくるドラゴン組のプレイヤー。下手な腕では優勝はおろか維持も難しく、フェニック組を維持できるだけでもそこそこの強者である。そのためミドル以上のプレイヤーでないとこのゲームのひとつの目標である賢者すら到達は難しい。
    • このあたりはコナミが上位組に対する認識の甘さがあると言わざるを得ない。昇格条件の組を下に1つずつずらすだけでも難易度は大きく変わったはずである。
  • 所属組によって条件を変えなかったために上位組にいるプレイヤーが不利になってしまった。
    • 賢者の昇格条件であるフェニックス組で優勝というのはミドルユーザーでもがんばればなんとかなる範囲ではあるものの、それに失敗し続けていたらドラゴン組へと昇格してしまい実質的に難易度が上昇するといったことも。*3
    • 初期の上級魔術師の昇格条件は「ガーゴイル組以上で区間賞を最低1回取る」というものだが、これがドラゴン組所属の場合だと青銅賢者の昇格条件と同じになるのである。ただしさすがにこれは問題だったのか、早々に上記の条件に修正された。
    • 加えて当時配信されていたクエストで「トーナメント優勝」が条件となるものは1つを除いて「フェニックスかドラゴン」、「ドラゴン限定」だったためそれにかち合うと譲ってもらうことすら望み薄だった。
  • そしてそれらに対する救済策というものは一切存在していなかった。
    • 特に同点で所謂フレッシュ差*4で順位判定がなされる場合、今作から獲得魔法石が同じだった場合はプレイ回数の少ないほうが優先されるようになったため、短期でクリアしないとフレッシュ差での判定になったとき不利になったのである。
    • 昇格試験状態になると先述した獲得できた魔法石が消滅することに加え、昇格試験中に組が上下すると上がれば地獄、下がれば条件を満たせないという難儀な状況になる。
    • フレッシュ差になったら試験中のプレイヤーを最優先にする、試験中の獲得魔法石をストックしておき合格したら一気に獲得できるようにしておく、試験中は組の変動をなくし必ず該当組だけでのマッチングにするなど救済策はあったはずである。
  • とどめに「校長の慈悲」と呼ばれるバグが発覚し、昇格試験に対するイメージを悪化させた。
    • これはドラゴン組での優勝が必要となる黄金、白銀賢者の試験で多用されたバグなのだが方法は至って簡単。黄金(白銀)への昇格試験中に検定試験でSランクを取り、次のプレーをする。これだけである。
    • だが、これを半年以上放置したために大量の慈悲昇格者を生んだ結果、バグ修正後に試験にぶち当たったプレイヤーに不公平感を生み出したのである。
  • 結果、ミドル・ライト層のドロップアウト、試験突破のできない中間、上位プレイヤーのサブカ量産とそれに伴う下位クラスを荒らしにより環境が荒んでいった。
  • 余談になるが、この昇格試験突破のために朝や深夜といった過疎時間帯を狙ってプレイするプレイヤーが増えた結果、ゲーセンのインカム的にはホクホクだったらしい。

DS版と連動させる手間

  • 前述のとおり稼動して半月ほどで発売されたDS版との連動は常に便利な物だったのだが、それを利用するのが面倒。わざわざe-AMUSEMENT SPOTを設置している数少ないゲームセンターまで出向かなければならない。四国と山陰、沖縄には前述のe-AMUSEMENT SPOTを設置している店舗が存在しない為に地域間格差が生まれた。
    • もっともこのe-AMUSEMENT SPOT対応のゲームが他にMFCなど数えるほどしかなく、もう何年も対応のゲームがリリースされていないため黒歴史として扱うべき項目であるように思える。

検定問の扱い

  • 検定試験モードで出題される問題は元々全国トーナメントでも配信されていたものを流用した問題と検定のために新規作成された問題の二種類が混在しているのだが、検定の配信直後・集計終了に全国トーナメントに放出された。
    • 特に今作の検定問は難問が非常に多かったため、検定をやるやらないで全国トーナメントの成績が大きく割れ、ゲームバランスを大きく破綻させた。
    • 検定自体テーマとなった分野が好きな人しかプレーしないことを前提とした専門問題が多く、そうした問題をトーナメントに放出すれば解けるプレイヤーとそうでないプレイヤーがはっきりわかれることは予見可能だったと思うのだが…。
  • ちなみに検定が復活した『VII』以降ではそういった専門問題とともに大量の易問も放出することでバランスを保っている。

総評

『IV』まで順調にシリーズ展開していたQMAシリーズにおいて最初のつまずきであり、これから長く続く低迷の始まりとも言われている。
検定は次作の『VI』では廃止されたものの『VII』において復活し、現在の『~賢者の扉~』でも人気のあるモードとなっている。
それだけに今作においては全国トーナメントとの兼ね合い面での調整が足らなかったのが痛いところ。
昇格試験についても階級をプレイヤーの強さを計る目安として機能させようとした部分は評価できるものの、明らかな調整不足による難易度の高騰に加え、正規の救済策を用意しなかったことと校長の慈悲による不公平感などで余計に評価を落としてしまった。
そして『VI』において再起を図ろうとしたのだが、ここで取り返しの付かないことをKONAMIは強行してしまう。

余談

  • 後に行われたKAC2011の決勝ラウンド開催中にTwitter上で行われたアンケート「QMAで笑えたこと・泣けたこと」で「泣けたこと」に『VII』のおけるキャラの再編騒動とともに今作の昇格試験を挙げたプレイヤーが多く、その辛さを物語っている。
  • 今作で検定試験担当として初登場したエリーザ先生は『VI』以降でジャンル分割によって増設された「社会」を担当している。また『VII』以降で「理系学問」を担当するウィーズも今作が初出。ただし今作での彼はとある人物の変装である。
  • QMAを意識して本作稼動の半年ほど前に稼動したSEGAのAnswer×Answerでは「必ず3戦遊べる」という触れ込みを行っていた。かつ、ボタンの付いた早押しクイズなので無回答が続出しないよう問題の難易度調整、より細かくわけられたジャンルわけなどをしていた。もちろんプレイヤーキャラとなるキャラクターにあえて名前をつけないなどそっち方面での差別化もしていたが。
    • が、あちらも厳しすぎるプロアンサー昇格までの道*5および最上位リーグではないと受験すらさせてもらえないプロアンサーライセンステストと、それに合格できたとしても直後に3~4回ほど連続で予選落ち(4名中2名が予選落ちする)するだけでプロアンサーライセンス剥奪をされたためプロアンサーの階級の維持のハードルがかなり高かった。
      • 失敗すると経験値の没収が行われまたためなおして最上位リーグで受講を目指すという大変シビアなものだった。
    • 結果としてサブカードの蔓延やGPのカンスト及び誤答によるペナルティのきつさ*6、解答権妨害行為に当たる遅答(これも4人対戦になることで対策がとられた)など両者とも似たような問題がうまれていたことも付記しておこう。