「メタルギアソリッド ポータブル オプス」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

メタルギアソリッド ポータブル オプス - (2013/01/07 (月) 21:49:01) の編集履歴(バックアップ)


メタルギアソリッド ポータブル オプス

【めたるぎあそりっど ぽーたぶる おぷす】

ジャンル タクティカルエスピオナージオペレーション
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 コナミデジタルエンタテインメント(小島プロダクション)
発売日 2006年12月21日
定価 4,980円
ポイント 多彩な新要素
メタルギアシリーズ関連作品リンク


概要

PSP向けタイトル第4作目にして、初めてシリーズ伝統の諜報アクションスタイルになった作品。
携帯機で諜報アクション版が出るのは、GBCの『ゴーストバベル』以来となる。
スネークイーター』と初代『メタルギア』を繋ぐ、ネイキッド・スネークの行動を描いた作品となっている。
拡張パックとして対戦や兵士集めに特化した『メタルギアソリッド ポータブル OPS +』が発売されている。本作のセーブデータを引き継いで遊ぶことも可能。

主な新要素

  • チーム制の導入
    • これまではスネークが一人で潜入し諜報/工作活動を行うのが基本だったが、今回はチームを組んでの潜入となる。
    • ストーリー中に加入するキャラやGPSレシーバーで取得する兵士もいるが、基本は後述する捕獲で仲間を確保する。
    • キャラによっては潜入時にカモフラ効果が発揮されることもあり、交代しながら進むことで円滑に任務を進められる。
    • 引き続きスタミナゲージが導入。今作では射撃精度などには影響しないが、0になると気絶してしまい、他のメンバーに交代するか、ミッションを中断しなければならなくなる。
    • ミッションに出撃せず、待機することも可能。待機をすればライフやスタミナが回復する他、諜報班からの情報入手やアイテム調達、開発などが行われる。待機をすることによって、昼→夜と時間が経過する。夜間の方が敵に見つかりにくく、潜入に向いている。
    • ミッション中でも、リトライ・中断は自由に行えるが、リトライをしてもアラート数・殺傷数はリセットされず、中断をするとその分日付が経過する。
  • サラウンドインジケーター
    • 今までの作品のレーダー的役割で、音源を察知する装置。ソリトンレーダーとは違い、フェイズに関係なく常時使用できる。アイテムとしては登場しない。
  • 敵の捕獲
    • 麻酔銃やCQCで気絶させた敵兵士をトラックまで運ぶことで、彼らを自分たちの仲間に引き込める。
    • チームを組むと、仲間が隠れているダンボールの近くまで運び、回収用の周波数に無線すると仲間に回収を依頼することができる。こちらは複数の敵をまとめて回収できる利点がある。
    • 過去作でも倒した敵兵士を物陰に運ぶことができたが、外見としてはそれに近い。
    • 戦闘力の低いキャラでも、諜報やアイテム作成などに役立ってくれる。
    • シリーズでは初となる、敵兵と非戦闘員に女性キャラが登場。シリーズお馴染みの雑誌が通用しないという特徴を持つ。
  • カムフラージュシステム
    • 前作での迷彩服やフェイスペイントによるカムフラージュは廃止。その代わり、同じ姿の兵士なら警戒されないという単純な変装システムがある。画面にカメレオンのアイコンが表示されている場合は、偽装状態になっている。
    • ただし、ストーキングやローリング、ホフク、銃を構えたり、敵兵を引きずるなど不自然な行動をすれば即座に変装は無効になる。
    • 物音を立てた場合や壁を挟んで足音を感知されると異常がないことを確かめるまで変装が無効になる。また、潜入フェイズ以外でも通用しない。
    • 前作までは怪しい行動を取ると制止され、大人しくしていれば見逃されたが、本作では即座にアラートになるため、難易度は少々上がっている。
    • 前作同様、科学者やメンテナンスクルーといった非戦闘員も登場するが、ちょっとした警戒でも即アラートになるなど厄介になっているため、非戦闘員のいるエリアでは偽装状態に持ち込んだ方が、スムーズにミッションを進められる。
    • 基本的にシステムやアクションはMGS3と同じだが、ローリングで足音を感知されないなど細かな違いもある。
  • スキル・キャリア
    • 捕獲した兵士やユニークキャラクターはそれぞれ得意分野があり、スキルが高いほど集弾率やダメージが上がる、手ブレが少なくなるといった恩恵がある。前作お馴染みのCQCもナイフスキルの値によって行えるアクションに制限がある。
    • 殆どの兵士はキャリアを持っており、移動速度が速くなる、回収したアイテムをトラックに送ることができる、といった実戦向きのものから、アイテムを開発する、マップを詳細なものにするというサポートに役立つものがある。
  • プレイヤーキャラクターの拡張
    • 上記のように捕獲した敵兵や捕虜以外にも条件を満たせばMGS3の登場キャラや今作で新たに登場するボス敵をプレイヤーキャラクターとして使用可能。他にも同じPSP作品である『MGA』『MGA2』からテリコ、ヴィナスがゲスト登場する。
    • モブキャラだけでも7種類(容姿が若干異なるものを含めればそれ以上)、ユニークキャラ*1を含めれば実に20種類以上のキャラクターを使うことができる。
    • 一般兵は戦闘力としてはスネークには劣るが、偽装効果やスネークにはないスキルを持った兵士も存在する。
  • イベントムービー
    • ムービーは漫画版MGSを手掛けたアシュレイ・ウッドの絵を動かすという、以前PSPで発売された「メタルギアソリッド バンドデシネ」に近い形になっている。バンドデシネと違いボイスはしっかりついている。

評価点

  • 美麗なグラフィック
    • 発売が06年末とかなり前ではあるが、ぱっと見では前作のMGS3と比較しても見劣りしないグラフィック。キャラクターの顔がアップになってもジャギなどはない。
    • 目立った処理落ちも特にない。強いて言えば、ロケットランチャーをタクティカルリロードで連続使用した時ぐらい。
  • BGM
    • 短めの曲が多いが、ストーリーのクライマックスで流れるメインテーマ「Show time」や戦闘系のBGMを始め、どれも素晴らしい出来。
  • シナリオ
    • 若き日のロイ・キャンベルをはじめとして、作中のミッシングリンクを埋めるような部分が多い。
    • 他にも今作の事件の主導者ジーンなど、敵キャラクターも魅力的かつインパクトのある面々が揃っている。
  • チーム潜入
    • 4人のチームを組んで潜入するというのは今作独自の面白さに繋がっている。
    • スネーク以外のキャラも使用でき、それぞれの得意武器やスキルの違いでさまざまな潜入を楽しめる。
    • 移動手段は主にトラックで、拠点に潜入することになる。ミッション中は1つの地点しか移動できないが、マップ自体は比較的広め。
  • オンライン対戦の導入
    • ストーリーで集めてきた兵士たちと組んだチームで対戦可能。
    • wifiアクセスポイントがあれば手軽にオンライン対戦が可能であった(ただ後述の問題も生まれた。)

賛否両論点

  • シナリオ面
    • 全般的にシリアスな展開で「小ネタ」が少なく、シリーズファンにはちょっと気になる部分。
    • 携帯機ということもあり、ストーリーは短め。最高難易度EXも比較的簡単。
    • 前作までの醍醐味だった無線はバリエーションが少なくボイスもついていない。その割に、強制無線が多く、読み込み時間も長め。
    • 本作は時系列としては『MGS3』の続編となるが、小島秀夫氏が脚本を担当していない(脚本は小説家の三雲岳斗氏が担当。ただし、物語の大筋は小島監督が考えたもの)ため、正式な「メタルギアサーガ」とは言えない点もある。
  • ユニークキャラ関連
    • ジョナサン*2
      • 分類上はユニークキャラ扱いだが、外見は他のソ連兵と全く同じという特殊な立ち位置のキャラクターであり、シナリオ上必ず死亡するので周回毎に捕獲する必要がある。
      • ステータスはそこそこ優秀、レスキュー隊(引きずり速度が上がる)のキャリア持ち、ソ連兵のいるエリアで偽装可能、と1周目での仲間確保に役立つが、周回毎に能力値がリセットされるために育てるメリットが薄い。しかも周回をやり直す際に人数が限界の場合、彼の為に空きを作っておく必要がある。
    • エルザウルスラ
      • キャラクターの設定上どちらか一人しか仲間にできない。MPO+では両方加えることができるようになった。
    • MGS3の登場人物達
      • 全員加入方法がノーヒント*3、特にゼロはMGSBDのデータが必要でパラメディックは期間限定、エヴァはフラグが厳しく情報抜きで加入させるのは困難。*4
        -操作性
    • PS2に比べてボタン数が減っているため、工夫されているとはいえ、少々操作性に難あり。
    • デフォルトではアナログパッドで移動、方向キーでカメラ操作となっているため、慣れないと移動しながらのカメラ操作が難しい。
    • ただし、ストーキングと走りをボタンで切り替えられることや、構えと発砲ボタンが別になった点は好評。
  • 武器について
    • 非殺傷武器がMK22のみであったり、狙撃武器が非常に使いにくかったりするのが不満となる。
      • 主観射撃も存在するが、PSPの仕様上微調整が難しい。主観視点でも移動が行えるようになったが、ヘッドショットを狙うよりも、ロック(オートエイム)で体に撃つ→ローリングorCQCの方が楽。
    • 本作でもサプレッサーは消耗品だが、自由に着脱が行えず、30発撃つと使用不可能になるというミッションごとに使い切りのアイテムとなっている。
    • グレネードやクレイモアは爆発すると即危険フェイズというMGS2以前の仕様に戻っており、使い勝手が悪くなった。
      • TNTやドラム缶の爆発は前作同様、警戒フェイズになるのみ。
  • 携行品が少ない
    • 武器・アイテムあわせて一人4つまで。イベント用のアイテムもあるので、出来れば一つ空けておきたいが…。
    • また、本作では武器ごとの所持上限を超えた場合には「弾薬」そのものをアイテムとして持ち歩くことができ、使用すれば弾薬の補充も行える。
    • もっとも、ボスが出なければ徒手空拳でも問題なく進行可能。
      • ただし警告や事前情報はないので目的地にたどり着いたがボス戦用の装備がないために泣く泣くリトライといったことも起こりうる。
    • 一部ユニークキャラは外すことのできない固有装備を持っているため、ただでさえ少ない枠が強制的に1つ埋まってしまう。
  • チート対策の不徹底
    • 数値データが暗号化なしでそのまま使われており、容易に可変サーチ可能。また、兵士の名前もアスキーコードをそのまま使っているためサーチしやすい。
    • シングルプレイでチートを使うのは個人の自由だが、同じ方法でオンライン対戦でのチートが可能。「何発撃っても死なない兵士」「ヘッドショットを無効化する兵士」などに当たって涙を呑んだプレイヤーもいるはず。
    • 兵士データを書き換える専用ツールまで作成され、チートユーザーが闊歩することとなってしまった。

総評

メタルギアシリーズの中でも毛色の違う作品だが、完成度は高く纏まっており、プレイすれば楽しめる一本。
携帯機になったとはいえ質は落ちておらず、シリーズ作品の価値を感じる作品。
チート問題に閉口したプレイヤーもいるだろうが、現在はオンライン対戦サービスは終了している。