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SwordQuest - (2020/06/28 (日) 18:27:39) の編集履歴(バックアップ)


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SwordQuest

【そーどくえすと】

ジャンル 謎解きアドベンチャー
対応機種 Atari2800
発売元 ATARI
発売日 地の世界(Earthworld):1983年(1982年10月)
火の世界(Fireworld):1983年(1983年2月)
水の世界(Waterworld):国内未発売(1983年2月)
空気の世界(Airworld):未発売
判定 なし
ポイント 本物の宝探しゲーム
ゲーム単体ではショボイだけのミニゲームセット
漫画もついてお得と思ったら、それもゲームの一部だった


概要

  • 1982年に始まった「ソードクエストキャンペーン」のソフト。ゲームと説明書を駆使して謎を解くと最終的に作り物ではない本物のお宝が賞品として手に入るという、色々な意味でとんでもないキャンペーンのもと発売された。
    • ゲームには、コミックもついたおまけ盛りだくさんな構成。…と思いきや、コミックそのものがゲームを進めるための重要要素として機能する。
  • もらえる宝はEarthworld(土の世界)ではタリスマン、Fireworld(炎の世界)では聖杯、Waterworld(水の世界)では王冠、Airworld(空気の世界)では賢者の石。それぞれ25,000ドル(当時のレートで約700万円)の価値があり、さらに最終決戦にて手に入る剣は50,000ドル(当時のレートで約1,400万円)の価値という、今では考えられないほどのバブルっぷりである。
    • ゲームを遊んでヒントを探り、それらをアタリに送る。正解者は決勝戦のためにアタリ本社に呼ばれ、そこでカスタム調整されたソフトを一番にクリアすることで賞品が手に入る。さらに各ゲームの優勝者4名にて最終決戦が行われ、勝者には50,000ドルの剣が与えられる。
    • ただし、優勝者に配られた宝はタリスマンと聖杯のみ。その後キャンペーン自体がアタリショックの影響により中止となってしまっており、残りの宝は配られずに終わっている。同時にWaterworldは数量限定販売で、Airworldは発売していない。

ストーリー

偉大な戦士ターにはトーとタルラという子供がいた。しかしターとその妻は凶悪王ティラヌスと、その手下の魔法使いコンジュローに殺されてしまう。トーとタルラは復讐のため、究極魔法剣(Sword of Ultimate Sorcery)を探す旅に出た。

特徴とシステム

  • 付属マニュアルとコミックを片手に、プレイしながらヒントを見つけ出し、最終的に実在する5万ドル相当の究極魔法剣*1を手に入れるのが目的である。まさに本物の宝探し。
  • 究極魔法剣を手に入れるまで。
    • ゲームには複数の部屋があり、それぞれが意味を持って割り当てられている。部屋には四つの道があり、そこから隣の部屋に移れる。
      • 部屋を移動していると、たまにアイテムのある部屋に入ることがある。そしてアイテムを取ったり置いたりする事ができる。このアイテムをどの部屋に置くかが鍵。アイテムには機能があり、持っていると効果を出す。これらは攻略のため持つ必要がある場合もあるので、その時は部屋に置いていくわけにはいかない。
      • また移動してるとミニゲームをやらされる事がある。クリアしても何ももらえないが、クリアしないと先に進めない。
    • 部屋とアイテムのパターンが合うと、虹色に画面が輝き、数字が提示される。この2つの数字は、実は付属コミックのページとコマ数を示しており、それが指示する場所にキーワードが隠されている。プレイヤーは暫く画面から離れてコミックと睨めっこしなければならない。
    • こうして10個ほどのキーワードを集め、それを一つの文章とする。しかし実はキーワードの半分程度はダミーであり、正しいものを選ばないといけない。そのヒントはマニュアルにある。しかも謎解きのようなヒントであり、今度はマニュアルと睨めっこ。
    • そして正しいと思うキーワードをメーカー、ATARIに送付。そして優秀者はATARIに呼ばれ、新規に調整された本作で決戦である。その優勝者が各ゲームの宝を手に入れられるのだ。だが究極魔法剣への道はまだ先だ。
    • やがて四つの宝の保持者が決まると、彼らで決勝戦を行う。その勝者こそが究極魔法剣を手に入れられるのだ。
      • が、シリーズはATARIの業績悪化から中止となったので、究極魔法剣を手に入れたものは誰もいなかった。

評価点

  • 「ゲーム上ではなく現実に宝を手に入れられる」というぶっ飛んだ企画。あたかもゲームと現実世界の境界を飛び越えるかのような驚愕のスケール感に、当時は胸躍らせたプレイヤーも少なくなかったことだろう。
    • ゲームパッケージには総額15万ドルの宝が強くアピールされていた。
  • 各ゲームはそれぞれ神話にならった部屋の作りをしており(Earthworldは12宮星座、Fireworldは生命の樹、Waterworldはチャクラを元にしている)、世界観構築として芸が細かい。
  • 部屋に入る時のドアにズームインするアニメーションは割と滑らかで、ちょっとした迫力。

問題点

  • ゲーム単体は、当時としても、ただショボイだけのミニゲームの集合体。面白みが何もない。
    • ゲーム機本体はファミコンよりも低性能のAtari2600なので、画質もサウンドもかなりチープ。
  • 当然のことながらキャンペーンが終了しているので、今更このゲームを遊んだ所で何の価値もない
    • キャンペーンを途中で打ち切ったこと。会社そのものが財政難に陥ったのが原因なので、仕方ないと言えば仕方ないのだが。
    • 辛うじて価値を見出すならば、当時の雰囲気に思いを馳せることくらいか。

総評

良くも悪くもキャンペーンありきのゲームであり、肝心の出来そのものは褒められた物ではなく、内容もひたすら薄い。とはいえ本作以前もゲームクリアに賞金やプレゼントをかけたゲームもそれなりにあったが、ここまで太っ腹かつ壮大なプロジェクトは無かった。
現在では高額な賞金が懸かる形式としてeスポーツが定着しつつあるが、それはあくまでも既存タイトルを競技種目とみなして行われるものである。だが本作のように、ゲームの世界観それ自体を現実世界とリンクさせて本物の財宝を争奪するキャンペーンが企画されることはまず無いと思われる。
キャンペーンは途中で終わってしまっているものの、このソフトそのものが「宝」と呼べるほどの希少価値をもつので、アタリマニアを自認するなら今から本作を探してもいいかもしれない。特にWaterworldは数量限定販売なので、よほど運が良くない限りは入手できないだろう。


余談

  • プレイヤーに配られなかった残り3つのお宝の行方は不明。
    • ATARIを買収したジャック・トラミエル氏が持っているという情報があるが、真偽は定かではない。
  • ソフトと付属の書籍がひとつのゲーム性を持っているという点で言えば、2010年末にニンテンドーDSにて発売された『二ノ国 漆黒の魔導士』のご先祖様といえる。
  • 「ゲーム空間と現実世界を股にかけた壮大な宝探し」という発想はSF小説『ゲームウォーズ』のストーリーの元ネタとなり、後に『レディ・プレイヤー1』(監督:スティーブン・スピルバーグ)として映画化もされた。
  • Steamで発売された『Atari Vault』に三部作が全て収録されており、環境さえ許せばプレイ自体は容易である。ただし肝心のマニュアルとコミックがソフト内ギャラリーに収録された形式のため、プレイしながらの参照はそのままでは実質不可能なのが難点。