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SwordQuest - (2012/12/29 (土) 10:54:15) の編集履歴(バックアップ)


SWORDQUEST

【そーどくえすと】

ジャンル 謎解きアドベンチャー
対応機種 Atari2800
発売元 ATARI
発売日 地の世界(Earthworld):1983年(1982年10月)
火の世界(Fireworld):1983年(1983年2月)
水の世界(Waterworld):国内未発売(1983年2月)
空気の世界(Airworld):未発売
ポイント 本物の宝探しゲーム
ゲーム単体ではショボイだけのミニゲームセット
漫画もついてお得と思ったら、それもゲームの一部だった


概要

  • 1982年に始まった「ソードクエストキャンペーン」のソフト。ゲームと説明書を駆使して謎を解くと最終的に作り物ではない本物のお宝が賞品として手に入るという、色々な意味でとんでもないキャンペーンのもと発売された。
    • ゲームには、漫画もついたおまけ盛りだくさんな構成。…と思ったら、漫画もゲームの一部。
  • もらえる宝はEarthworld(土の世界)ではタリスマン、Fireworld(炎の世界)では聖杯、Waterworld(水の世界)では王冠、Airworld(空気の世界)では賢者の石。それぞれ25000ドル(当時のレートで約700万円)の価値があり、さらに最終決戦にて手に入る剣は50000ドル(当時のレートで約1400万円)の価値という、今では考えられないほどのバブルっぷりである。
    • ゲームを遊んでヒントを探り、それらをアタリに送る。正解者は決勝戦のためにアタリ本社に呼ばれ、そこでカスタム調整されたソフトを一番にクリアすることで賞品が手に入る。さらに各ゲームの優勝者4名にて最終決戦が行われ、勝者には50000ドルの剣が与えられる。
    • ただし、優勝者に配られた宝はタリスマンと聖杯のみ。その後キャンペーン自体がアタリショックの影響により中止となってしまっており、残りの宝は配られずに終わっている。同時にWaterworldは数量限定販売で、Airworldは発売していない。

ストーリー

偉大な戦士ターにはトーとタルラという子供がいました。しかしトーは凶悪王ティラヌスと、その手下の魔法使いコンジュローに殺されてしまいます。トーとタルラは復讐のため、究極魔法剣を探す旅に出ました。

特徴とシステム

  • マニュアルと漫画を片手に、プレイしながらヒントを見つけ出し、最終的に実在する5万ドル相当の究極魔法剣*1を手に入れるのが目的である。まさに本物の宝探し。
  • 究極魔法剣を手に入れるまで。
    • ゲームには複数の部屋があり、それぞれが意味を持って割り当てられている。部屋には四つの道があり、そこから隣の部屋に移れる。
      • 部屋を移動していると、たまにアイテムのある部屋に入ることがある。そしてアイテムを取ったり置いたりする事ができる。このアイテムをどの部屋に置くかが鍵。アイテムには機能があり、持っていると効果を出す。これらは攻略のため持つ必要がある場合もあるので、その時は部屋に置いていくわけにはいかない。
      • また移動してるとミニゲームをやらされる事がある。クリアしても何ももらえないが、クリアしないと先に進めない。
    • 部屋とアイテムのパターンが合うと、虹色に画面が輝き、数字が提示される。この二つの数字は、実は漫画のページとコマ数であり、それが指示する場所にキーワードが隠されているのだ。今度は漫画と睨めっこである。
    • こうして10個ほどのキーワードを集め、それを一つの文章とする。しかし実はキーワードの半分程度はダミー。正しいものを選ばないといけない。そのヒントはマニュアルにある。しかも謎解きのようなヒント。今度はマニュアルと睨めっこ。
    • そして正しいと思うキーワードをメーカー、ATARIに送付。そして優秀者はATARIに呼ばれ、新規に調整された本作で決戦である。その優勝者が各ゲームの宝を手に入れられるのだ。だが究極魔法剣への道はまだ先だ。
    • やがて四つの宝の保持者が決まると、彼らで決勝戦を行う。その勝者こそが究極魔法剣を手に入れられるのだ。
      • が、シリーズはATARIの業績悪化から中止となったので、究極魔法剣を手に入れたものは誰もいなかったりする。

評価点

  • 本当に宝を手に入れられるというぶっ飛んだ企画。ゲームパッケージには宝の総計15万ドルが強くアピールされていた。
  • 各ゲームはそれぞれ神話にならった部屋の作りをしている。Earthworldは12宮星座、Fireworldは生命の樹、Waterworldはチャクラを元に作られており、芸が細かい。

問題点

  • ゲーム単体は、当時としても、ただショボイだけのミニゲームの集合体。面白みがなにもない。
    • ゲーム機本体はファミコンよりも低性能のAtari2600なので、画質もサウンドもかなりチープ。
    • ゲームのシステムは説明書がなければ全くわからない上、ゲーム中見つけたキーワードは付属のDCコミックで探さなければならない。つまり説明書とDCコミックがなければまともに遊ぶことすらできないのである。普通のゲームはソフトがあればとりあえず遊べるのに……
      • もっとも、元々ショボイゲームなので、豪華な景品のない状態でプレイする事にどれだけ意味があるのか…。
  • キャンペーンが終了しているので、今更このゲームを遊んでも何の価値もない
    • キャンペーンを途中で打ち切ったこと。会社そのものが財政難に陥ったのが原因なので、仕方ないと言えば仕方ないのだが。

総評

  • ここまで太っ腹なものは見られないキャンペーンのもと発売されたゲーム。今後本策以外にこう言った高額な商品をプレゼントするキャンペーンが行われる確立は低いと言ってもいいだろう*2
  • キャンペーンは途中で終わってしまっているものの、このソフトそのものは「宝」と呼べるほどに希少価値が高いと言えるので、アタリのオタクは今から本策を探してもいいかもしれない。特にWaterworldは数量限定販売なので、よほど運が良くない限りは入手できないと言えるだろう。
  • ゲームそのものは、ほめられたものではない。ひたすら中身の薄いゲーム。

余談

  • プレイヤーに配られなかった残り3つのお宝の行方は不明。ATARIを買収したジャック・トラミエル氏が持っているという情報があるが、真偽は定かではない。
  • AVGNことジェームズ・ロルフ氏は2010年に本作をレビュー。クソゲーは容赦なく罵倒するロルフ氏は珍しく、このゲーム(のキャンペーン)を賞賛していた。さらに「今からでもキャンペーンを再開するべきだ」とも言っている。