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KulaQuest - (2014/08/24 (日) 17:08:30) の編集履歴(バックアップ)
KulaQuest
【くーらくえすと】
ジャンル
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アクションパズル
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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ソニー・コンピュータエンタテインメント
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開発元
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Game Design Sweden AB
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発売日
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1995年5月27日
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定価
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5,040円
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配信
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ゲームアーカイブス:2009年2月10日/600円
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分類
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怪作
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ポイント
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唯一無二の奇怪な世界観 ゲーム性は良好
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概要
ようこそ知恵の迷宮へ。
「クーラクエスト」は、北欧スウェーデン生まれの新しいアクションパズルゲームです。
“クーラ”とは“球”、“クエスト”とは“探し物”を意味します。
プレイヤーはクーラを転がし、制限時間内にカギを見つけて出口を目指します。
操作もカンタンで方向キーとジャンプのみ。
爽快な風景で繰り広げられるクーラワールドのステージは150以上!
新感覚3Dアクションパズルゲーム、これが「クーラクエスト」です。(ゲームアーカイブス商品紹介より転載)
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SCEがプレイステーション向けに送り出した世にも奇怪なパズルゲーム。パズルなのかアクションなのか判断に困るが、一応アクションパズルということにしておく。
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上の概要にもある通り、「Kula」なる聞きなれない単語は「球」という意味のスウェーデン語。冷房機器などとは全く関係ない。
システム
簡単に言うとよくある迷路ゲーム。しかし、その世界観が尋常ではない。
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まず、本作の迷路は地上とは一切接していない。どことも知れない空中にポッカリと浮遊している。
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地上には砂漠のようなものが見える。しかし、これが何を意味しているのかは不明。
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そして迷路の構造も異常の一言に尽きる。無数のブロックが重力を無視してくっついており、あらゆる方向に枝を伸ばしたような形になっている。
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知っている人には『ドラクエVII』の「風の迷宮」のような形、と言えば伝わるだろうか。
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自分が操作するのはボール。外見上何の変哲もないカラフルなボールである。
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そしてこのボールが自らの意思を持ち、砂漠の上空に浮かんだ迷宮を探索していく様はシュールとしか言いようがない。
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プレイヤーキャラに限らず、敵キャラを含めて本作に登場するオブジェクトは徹底して無機的。動物めいたキャラクターは一切登場しない。
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迷路の構造だけでなく、本作では「重力」の概念が我々の一般常識とは大きく異なる。
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簡単に言うと、「常にプレイヤーの真下に向かって重力が働く」とでも言えばいいか。迷路の端に行き、壁面を上ると壁の部分が床になりさっきまでいた場所が壁になる。
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柱のような形をした部分ならば、その先端からあらゆる方向に移動可能。多くのステージで重要なテクニックである。
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「常にプレイヤーの真下に重力が働く」という関係上、背景の地面が画面の上に来ることもある。そして操作を誤ると自機は天空に向かって落下していく。…コメントしようがない。
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もちろん状況によっては地平線の方に落ちることもある。「上に落ちるゲーム」はそれなりに例があるが、地平線に向かって落ちるゲームは珍しい。
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操作は非常に簡単。カメラの操作を除くと方向キーによる移動と○×△□ボタン(効果は全て同じ)によるジャンプのみ。
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ステージ内の目標は「鍵を全て集めてゴールに向かうだけ」とこれまたシンプル。
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ただし、ボーナスアイテムの「フルーツ」や得点アイテムの「コイン」「宝石」もあり、これらの回収も目的の一つになる。
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フルーツは各ステージに一つあり、5種類集めるとボーナスステージに行ける。このステージはミスしてもペナルティがなく、全てのブロックを通過することでクリアとなる。
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ミス要件は「落下」「障害物に当たる」「敵に捕まる」「時間切れ」など。
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本作は残機制ではなく、ミスする度に得点が減り、ゼロになるとゲームオーバー、という形になっている。
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5ステージごとに進行状況をセーブ可能。
評価点
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パズルゲームとしての完成度の高さ。
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進路を慎重に選び、アイテムの回収ルートを見極め…という迷路ゲームとしては当たり前の作業も、この斬新すぎる構造でやらされると新しい常識を構築せざるを得なくなり、頭をひねる必要がある。
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一見取れないような位置にあるアイテムも視点を変えれば「そこから行けたか!」と納得できる。
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全く新しいシステムを採用しているのに150以上のステージ数を持ち、ボリュームはかなりのもの。
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BGMはなかなかよい。どちらかといえば環境音のような印象だが、世界観には合っている。
問題点
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ジャンプの目的地が読みにくい。
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真下にある通路にむけて飛び降りようとして、行きすぎる、あるいは届かない、といった事故が慣れないうちは多発する。パズルゲームなので、特定の地点からジャンプすれば必ず到達地点は同じになるのが救いだが…。
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ステージ進行は一本道で、分岐などは一切ない。
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このためどうしても解けないステージがあるとそこで完全に詰んでしまう。
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メニューから選べるチュートリアルが全くチュートリアルの役割を果たしていない。
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ゲーム中に登場するギミックのほとんどを一つのステージに雑多に詰め込んでおり、解説などは一切無し。初心者がいきなりプレイするとほぼ間違いなくなにもわからず死ぬ。
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ゲームにかなり慣れなければクリアは困難。スタッフにチュートリアルの意味を問いただしたくなる。
賛否両論点
奇怪な世界観。
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本作における最大の賛否両論点。とにかくシュール、かつサイケデリック。
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ボールのくせにフルーツを獲得すると「シャムシャム」と咀嚼(?)する。
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マイナスアイテム「カプセル」を取ると画面がグニャグニャに歪み、操作がしにくくなる。一体なんの薬なんだ!?
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ボーナスステージは通常ステージに輪をかけてカラフルでサイケデリック。目がチカチカするかも。
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一定のステージをクリアするごとにボールの柄と色を選べる機能がある。もちろん全く意味はない。
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RGBバーでの選択であり、選べる色パターンは無駄に豊富。
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ミスするとミス要因により「落ちた」「捕まった」「刺さった」など異なる言葉が表示される。口調が妙にシュール。
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もちろんストーリーなどは一切ない。なぜボールが自らの意思を持ちこんなところを探検しているのか、地上に見える遺跡のようなものはなにか、敵性存在のトゲトゲした物体はなんなのか、そもそもここはどこなのか、語られることはない。
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その独特の観点もあり、難易度はあらゆるパズルゲームの中でも相当に高い方。一部では「クリア不能」説もささやかれるほど。
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それだけにクリア時の爽快感は高い。また実際には完全クリア動画がアップされているなど、絶対に不可能というわけでもない。
総評
他に類を見ない独特なパズルゲームであることは事実。テンポもよくハマれる人はどっぷり浸れるゲームであることも確か。
しかし頭を抱えたくなるようなシュールすぎる世界観は人を選ぶ。合わない人にはとことん合わないであろう。
今ならPSPでもお手軽にプレイできる。合わなかったとしても最悪600円の損害で済むと思えば、遊ぶ価値は十分にある作品である。