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Dragon's Dogma - (2017/06/13 (火) 19:01:01) の編集履歴(バックアップ)


本稿では『Dragon's Dogma』とその拡張版にあたる『Dragon's Dogma Dark Arisen』を紹介しています。判定はともに「なし」です。



Dragon's Dogma

【どらごんずどぐま】

ジャンル オープンワールドアクション


対応機種 プレイステーション3
Xbox360
発売・開発元 カプコン
発売日 2012年5月24日
定価 7,990円(税込)
プレイ人数 1人(ネットワーク機能対応)
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
廉価版 PlayStation3 the Best / プラチナコレクション
2013年2月14日/2,990円(税込)
判定 なし
ポイント 簡単アクションで派手な戦闘部分は高評価
現実と釣り合わない開発側のビッグマウス
オープンワールドと呼ぶには底が浅い
ミスマッチすぎるB'z


概要

日本では馴染み薄いオープンワールドゲームにカプコンが挑戦した作品。
同社は次世代機で『Dead Rising』等の箱庭を自由に行き来する作品は手掛けていたが、オープンワールドを全面に押し出したのは本作が初となる。
TESシリーズやFalloutシリーズ、トゥーワールドシリーズなど、MMORPGライクなオープンワールドゲームが世界的な人気と評価を得ている現状を前に、国内メーカーが初めて本格的に乗り出した、と言ってよい。

基本は剣と魔法の世界であり、全体的なデザインは悪く言えば使い古されているものの、手軽で爽快な戦闘面では独自のテイストが光る。
多人数プレイは出来ないものの、非同期なオンラインシステムを搭載している。その交流にもSNSと連動させたりするなど、プレイヤー間の交流性は強い。



基本システム

キャラクターメイキング

  • プレイヤーやポーン(後述)の見た目を変更できる。
  • 用意された形状のものを組み合わせて、顔は勿論、ガタイから身長、体重まで決めることが出来、スライダーである程度細かく調節することも出来る。
  • 完成したキャラクターはリアルタイムレンダによるムービーでも反映され、演出のひとつとして表情も映し出される。
    • また、体格によって当たり判定、攻撃のリーチ、スタミナ消費量・回復速度、所持できる重量など、ゲームにも多くの影響を及ぼす。

重量概念

  • アイテムには重量が設定されており、キャラクターメイキングで決定されたキャラクターのサイズで持てるアイテムの量が決められる。
  • 獲得限界量の上限は高く、よほど物を持ちすぎない限りアイテムが取れないことはないが、総重量がかさむにつれてスタミナ回復速度や移動速度が低下するため、戦闘で不利になる。
  • アイテムだけでなく、この重量概念は武器や防具も共有している。基本的に本作の装備品は「防御力が高い=重量も重い」なので、重装備で固めるとその分持ち運べるアイテムが少なくなり、不利になる。

戦闘

  • 同社の『モンスターハンター』と同じようにスタミナの概念があり、通常攻撃ではスタミナは消費されず、スキルと呼ばれる必殺技のようなものを使用することで初めて消費される。
  • 魔力ゲージというものが無く、魔法もスタミナを消費して行われる。ちなみに『肉体の一部を触媒にして魔法は発動され、それが重要な部分であるほど魔法は強力になる。そのため大半の魔術師は肺や心臓を触媒にしており、魔法を発動すると身体的に負荷がかかる』という設定。*1
  • 基本は攻撃ボタン2つで弱攻撃、強攻撃。ジャンプ中に攻撃すればジャンプ攻撃。ダッシュ中に攻撃すればダッシュ攻撃になるなど、非常にシンプルかつ操作しやすい。
    • ジョブランクを上げてから習得できる特定の派生技でも、「タイミングよくボタンを入力」や、「入力のタイミングを遅らせる」だけと同じくシンプル。
  • アクションがテンポ良く繋げるようになっており、展開の早い戦闘が可能。
  • 画面では表示されないが、近くの敵を自動でロックオンするため、狙った敵に自然と攻撃に向かうことが出来る。
  • 大型の敵に対してはしがみついて攻撃することが可能。しがみついた後も移動は可能で、弱点に移動して攻撃したり、飛行型の敵ならば翼を狙って飛べなくしたりすることが可能。
    • RT(R2)ボタンによる「つかみ」は敵キャラだけでなく、メインポーン、サポートポーン、NPCまで掴める。ただし、NPCに行うと好感度が下がる。
    • 一部のジョブの場合は、しがみついての攻撃が主力となることもある。

ジョブ

  • プレイヤーは必ずジョブと呼ばれる職に付かなければならない。
  • 片手剣と盾を使うファイターや、ダガーによる連続攻撃を行なうストライダー、魔法による攻撃を行なうメイジといった具合に多くのジョブがあり、それぞれ覚えるスキル、習得できるアビリティが違う上、レベルアップによるステータスの成長度合いも違う。
    • また、覚者のみ「ミスティックナイト」「アサシン」「マジックアーチャー」という「混合職」に就くことができる。
    • 使える武器は基本的に近接武器がメイン武器、遠距離又は防御用がサブ武器となっている(メイジ、ウォリアー、ソーサラーはサブ武器がない)。防具もジョブごとに制限があるが、前述の混合職の場合、装備できる防具の種類が多くなる傾向にある。
    • なお、ジョブごとにステータスの成長度合いは違うが、基本的にどのように育てても詰むことはないように難易度は調整されている。
  • 勿論、ゲーム中でジョブは自由に変更可能。
    • アビリティ(最大6つセットできる。常に発動するパッシブ能力)は一度習得すれば全てのジョブで使えるようになるので、色々とジョブを変えながら遊ぶ楽しさもある。たとえば「ファイター」の持てる重さの上限が増えるアビリティ「筋力」、「ウォリアー」の物理ダメージを軽減するアビリティ「鉄壁」はどのジョブでも有用な能力。
+ 簡単なジョブ解説
  • ファイター
    • 基本職。使えるのはメイン武器が片手剣、サブ武器が盾。盾を使った直前防御や、接近戦で使い勝手のいいスキルが揃っているため、近接戦闘に優れる。一方で遠距離攻撃は持たないため飛行する敵などに対しては不利。
  • ストライダー
    • 基本職。使えるのはダガーと弓。近距離戦も遠距離戦もこなせる上、二段ジャンプや回避行動なども行うことができるため機動性が高い。どちらかと言うとダガー関連のスキルが豊富なため、近接戦闘に向いている。特に空中で回転しつつ斬りつける「断頭台」というスキルは本作のスキルで屈指の高火力を誇る。
  • メイジ
    • 基本職。メイン武器は杖。様々な攻撃魔法と補助魔法を使いこなすサポート役で、すべてのジョブの中で唯一回復魔法が使える職であるため、欠かせない存在。ただ、一部の強力な攻撃魔法は使えないため火力面では後述のソーサラーに劣る。また、装備できる防具は物理防御力が低めなものが多く防御面に難があり、敵の攻撃を受けない立ち回りが重要となる。
  • ウォリアー
    • 上位強化職。メイン武器は大剣とハンマー。武器の攻撃力が高くダメージを受けてもよろめきにくいため、多少の反撃は気にせずゴリ押しで敵を倒すことができる。ただし遠距離攻撃がないのはファイターと同じで、機動性にも劣る。また、盾や回避行動などの防御手段を持たないため、強敵に対しては立ち回りを気にしなければあっという間にやられてしまう。
  • レンジャー
    • 上位強化職。メイン武器はダガー、サブ武器が大弓。大弓は攻撃力や射程がストライダーの弓より優れておりスキルも豊富な、遠距離戦に特化した職。その代わりにダガーのスキルは少なくなっているため接近戦はやや不得意となっている。
  • ソーサラー
    • 上位強化職。メイン武器は大杖。複数の隕石を降らせる「メテオフォール」、巨大な竜巻を出す「ヴォルテクスレイジ」、対象を即死させる「インスタントキリング」など、メイジより協力な魔法を使えるのが特徴。武器となる大杖も魔法攻撃力が杖より高く、高い火力を発揮できる。ただし、強力な攻撃魔法が使える一方で回復魔法は使えない上、補助魔法も種類が減っているためサポート役には向かない。また、大魔法は詠唱にかかる時間も長く、詠唱時の時間稼ぎをできるかどうかで仕事ができるかどうかが決まる。
  • アサシン
    • ストライダーとファイターの混合職。メイン武器は片手剣とダガー、サブ武器が盾と弓。豊富な武器を扱える上、それぞれ攻撃に特化したスキルが多く、「無心斬」「流し暗殺」のようなカウンター技も持つ。固有スキルが多いのも特徴。
  • ミスティックナイト
    • ファイターとメイジの混合職。メイン武器が片手剣とメイスと杖、サブ武器が魔道盾。アサシン同様使える武器が多いのが特徴。敵を追尾する弾を発射する主要スキル「魔撃砲」で近距離、中距離とカバーでき、魔道盾も各種属性エンチャントやカウンター技の「アビスアンガー」、攻撃のリーチを伸ばす「アビスペイン」と補助系のスキルが豊富で、様々な敵に対応できる万能型。
  • マジックアーチャー
    • ストライダーとメイジの混合職。メイン武器はダガーと杖、サブ武器が魔道弓。魔法の矢を発射する魔道弓に関するスキルが揃っており、「帯魔防」「帯魔剛」「魔導護身陣」で自身や味方の能力強化を行いつつ、複数の矢を撃ち出す「連魔弾」、跳弾を放つ「跳弾魔従」、物理攻撃で起爆する矢を放つ「爆散魔鋲」などで攻撃役として動くことができる万能アタッカー。公式曰く最強のジョブ。

ポーンシステム

  • 今作の大きなポイントのひとつ。主人公である「覚者」はCPUが操作するキャラクターを引き連れて冒険することが出来る。そのキャラクター達を「ポーン」と呼ぶ。
  • 連れ歩くポーンは常に自身と行動を共にする「メインポーン」と、色々な場所で雇える「サポートポーン」に分かれている。
    • メインポーンは覚者同様キャラクターメイキングで作成できる。また、プレイヤー同様ジョブの変更が可能で、更に性格や言葉遣いも変えることが出来る。
    • 性格は主に戦闘での動き方を決めるもので、「覚者の安全を優先する」「強い敵を優先的に狙う」「敵そっちのけで落ちてるアイテムを拾う」といったように様々な性格がある。この性格による動き方が非常に大きく強く出るようになっており、性格の種類も豊富なため、プレイヤーが目指す理想のポーンは比較的簡単に実現できる。
    • サポートポーンは各地に存在する「リム」と呼ばれる石で呼び出せるほか、街中やフィールドを歩いているポーンを勧誘することで仲間に加えることができる。
      • ただし、メインポーンとは違いジョブの変更はできない。また、覚者よりレベルが高いポーンは雇用する際に専用の通貨「リム」が必要になる。そのため、覚者より極端に強いポーンは雇えないようになっている。
  • ポーンは覚者と違い体力がなくなっても即死はせず、その場でダウン状態になる。蘇生には大した手間もかからず、すぐに戦闘に復帰してもらうことができる。
    • しかし、ダウン状態で長時間放置したり、奈落や水に落ちたりすると「ロスト」し、パーティーから外れてしまう。
    • ただ、仮にロストした場合でもデメリットは特になく、メインポーンならリムに触れるだけですぐに復活し、サポートポーンなら適当なポーンをすぐに雇い直せる。



オンライン

ポーン共有

  • プレイヤーが作った(育てた)ポーンをオンライン上で共有し、最大2人まで、自身のメインポーンとあわせて最大3人のポーンを引き連れて冒険に出ることが出来る。
  • 借りたポーンを介して装備やアイテムをそのポーンの主にプレゼントすることも出来、そのポーンの活躍ぶりも評価することも出来る。
  • ポーンの情報更新は宿屋に泊まることでアップロード及びダウンロードされ、借りられた先で得たクエストの知識や敵の知識の状態でメインポーンに反映される。借りられれば借りられるほど、後の攻略に役立つポーンになっていく仕組み。
  • 先述の通りポーンを借りるためには「リム」と呼ばれる石に触れなければらならないが、街では同レベル帯の他者のポーンが徘徊しており、その場で話しかければ雇い入れることが出来る。
  • なお、オフラインではこれらの機能は利用できないがゲーム内には予め大量のポーンが用意されているため、困ることはない。
    • ただし能力はオンラインのポーンに比べると微妙なものが多い。オフラインのポーンは突出した能力がない平均的な能力になっていることが多く、装備スキルやアビリティも全然役に立たないものを装備して貴重な枠を潰していることもあるため、単純に性能を求めるならオンラインのポーンを雇ったほうが便利。

ウルドラゴン

  • ある特定の場所では「ウルドラゴン」と呼ばれる強力なドラゴンが出現する。
    • このウルドラゴンはオンライン状態だと以前戦った他プレイヤーによってウルドラゴンの体力が決定される。
      • そのため、既に死に掛けの状態だったり、逆に全快状態だったりする。とは言うものの、オンラインによる協力を前提にしている膨大な耐久力を誇るため生半可に倒せる相手でもなく、故のオンラインの強さであると言える。
      • 戦闘では一定時間(10分)で撤退してしまうが、倒しきれなかった場合でも与えたダメージはしっかり蓄積される。ウルドラゴンにダメージを与えて討伐に貢献していれば、他の覚者が討伐した際にダメージに応じて報酬がもらえる。
      • 運良く自分が討伐できれば、ここでしか手に入らない貴重な装備が多数手に入る。
    • なお、オフラインの場合でも一定時間で撤退するが、与えたダメージはそのまま引き継がれる。オフラインでのウルドラゴンは弱い(本編のドラゴンよりは強いが)ので簡単に討伐できるが、オンラインの際に比べると報酬のグレードが下がる。



評価点

グラフィック

  • 情景は非常に綺麗で、ドラゴンなどは一瞬プリレンダにも見えるほどリアル。破壊描写も同様。
  • 作成したキャラクターも、作成画面とフィールド画面で遜色なく反映されており、砂塵や炎などはプリレンダさながらなどで、非常に迫力がある。
  • セーブ中や読み込み直後などに著しくカクつくものの、基本的には大型モンスターに4人で向かっていっても高fpsが維持されており、爽快感が損なわれることは少ない。

キャラクターメイキング

  • パーツの数はかなり多く、作れるキャラの自由度は高い。
  • DLCを購入・本編中にパーツを購入するなどすればさらにパーツを増やすことも可能。
    • ただ、せっかく手の込んだキャラを作ってもそのキャラの外見によってはムービーがアレなことになってしまうのだが。

簡単かつ派手な戦闘

  • ボタン一つで連続技から一撃必殺級の技まで繰り出すことができ、そのエフェクトも派手。
  • 技によってカメラアングルが変わり、演出面で戦闘の迫力を醸し出している。
  • キャラクターの動きも凝っており、リアルの枠組みから外れたそれは爽快感をいかんなく感じさせるようになっている。高速ダッシュからのスライディングからの攻撃など、見ているだけで爽快感がある。
  • 大型の敵にしがみつくなど、アグレッシブな戦い方も可能など、戦い方に幅がある。



賛否両論点

ポーンシステムと難易度がかみ合っていない

  • メインとサポート会わせて最大3人引き連れるポーンだが、主人公を入れた4人で敵を倒すとなると、比較的低いレベルで攻略できてしまう。ポーンシステム自体はなかなか斬新で面白いため、この調整不足は非常に痛い。
    • クリア後にステータスを引き継いで二周目を行うことも可能だが、周回しても敵の強さは変わらないため、2周目以降はやり応えが薄くなってしまう。
    • サポートポーンの数を一人か二人減らせば難易度は上がるのは言わずもがなだが、それでもレベルが上がれば普通に対応できてしまうレベル。最悪自身のメインポーンも倒して1人旅してもいいが、果たしてそれが楽しいかどうかは…。
  • ただし、「簡単」「敵が弱い」と言ったが、決して考えもなしにテキトーに突っ込んでどうにかなるようなヌルゲーではない。
    • 特に大型モンスターはしっかりと対策を立てていかないと詰む可能性もあり得る(ゴーレム・メタルゴーレムなど)。小型モンスターでも終盤に出現する「ヘルハウンド」は凶悪な強さを誇り、「ヘルハウンドのためだけに氷属性の武器を持ち歩くのが必須」と言われるぐらいである。

同じ敵にばかり会ってしまう

  • 数十種類の敵が出現するとの前情報だったが、体感としてはそこまで多く感じず同じ敵ばかり出てくるように感じてしまう。
  • 原因の一つとしては、「敵のリスポーンがほぼ固定である」ことが挙げられる。上述の通り、マップを徒歩で繰り返し移動することになるのだが、頻繁に通る場所であっても、めったに来ないダンジョンであっても、出現するモンスターは位置がほとんど固定であるため、小型だとゴブリン・ホブゴブリン・狼・盗賊、大型の場合サイクロプス・キメラなど特定のモンスターのみ遭遇頻度が上がってしまうのである。
    • 平野などの広々としたフィールドでは、通るたびに敵の群が固定位置に「湧く」のが見えるという場面も。
    • 同じ敵でも武装が異なるなど敵にもバリエーションがあるにはあるのだが、特に出会うことが多いゴブリンやサイクロプスなどには、多少武装が違っても「またこいつらか」とうんざりしてしまうこと必至。
  • ただし、敵の種類自体は少ないわけではない。特に終盤に訪れる「エヴァーフォール」はこれまで以上に多様な敵が出現するため、同じ敵ばかりと感じることはほとんどない。
    • それでも少なく感じてしまうのはやはり「よく通る場所に同じ敵ばかり配置されている」というせいである。

武器強化の手順

  • 本作の装備は最大4段階まで強化できる。
    • ただ、最終段階の4段階目までは店で強化することができない。4段階目は「竜の血を浴びることで装備が変異する」という設定となっており、要するに強化したい装備を付けた状態でドラゴン系(ドレイク、ウィルム、ワイバーン)を討伐しなければならない。
    • しかし、ドラゴン系は出現場所が限られているうえにリスポン間隔も通常の敵より長く、しかも変異率はLv3の状態で18%*2と低めで、運が悪いとなかなか強化できない。
    • すべての装備が必ず変異するドラゴンもいるが、メインクエストで一回しか戦えない本編ボスのドラゴン、狙って倒すことがほぼ不可能なオンラインのウルドラゴン*3とまずアテにならない。

キャラメイクが破綻するムービー

  • 特色として事前に大々的に宣伝されたキャラクターエディットであるが、ゲームの随所に挿入されるムービーなどにおいて、全てのムービーは主人公の外見がパッケージに写っている「赤毛の若い男」という想定となっているようで、女主人公や老人でゲームを進めると要所要所で意味不明な展開に遭遇してしまう。
    • 例えば、 中年や老人が主人公であっても、村の若い娘と「幼なじみ」であるという設定は変わらない
    • 主人公が女性でも、途中で王妃と恋愛関係になる。ムービーは当然同じなのでキスシーンも普通にある。
  • せめて男女、老若の四種類でムービーの内容やNPCとの関係が変化する設定にすれば、面倒な周回プレイの励みにもなったのだが…

NPC関連

  • NPCとの会話が少なく、特に街中やフィールドをフラフラ歩いてるモブは話しかけても「調子はどうだ」「厳しいご時世だよな…」など、だいたい同じことしか言わないため、セリフに代わり映えがないと言う意見が多い。
    • しかし、全く変わり映えがしないかと言えばそうでもなく、ちゃんとしたセリフが用意されているNPCも少なくはない。クエストに絡む人物や店の主人、関所や城門など決まった場所にいる兵士なども固有のセリフが用意されていることが多く、ゲームの進行と共に頻繁に台詞も変わっている。そのため、そこまで手抜きというわけではない。
    • また、セリフ関連に関しては開発側が「話を聞いて回らないと進まないゲームにしたくなかった」と語っており、「フラグ成立を減らしてスムーズに進められるようにした」という見方もできる。実際、今作では「フラグを立てないとゲームが進まない」ということがほとんどない。
      • 例としては、「石碑に書いてある文書の解読」というクエスト。本来は各地にいるNPCから石碑の情報を集めてから目的地に向かうのだが、攻略法を知っている場合、情報収集をすっ飛ばして目的地に行くだけでクリアできる
  • NPCの好感度が上がる要素があるのだが、システムのせいで場合によっては問題が発生する。
    • この好感度、「会話をする」「何か物をあげる」「護衛クエストを行う」ことで上昇するという単純なシステムとなっている。そして、ストーリーの終盤に「好感度が一番高いキャラクターが主人公と親密な間柄であるかのようなイベントが発生する」という展開がかち合った結果、利用が集中する*4宿屋の主人アッサラームや武器屋の主人キャクストンといったおっさんの好感度がどんどん上昇し最終的にはヒロインのような扱われ方になってしまうことがある(詳しい内容は下記で説明)。
    • お目当てのキャラクターと添い遂げるためにはアッサラームに頻繁に武器を突きつけて好感度を下げ、目当ての相手に宿屋以上の回数を話しかける・プレゼントをするなどの手段を取るほかない。
      • ただ、あるサブクエストで手に入る「絆の指輪」というアイテムは「渡した相手の好感度を最大にする」という効果があるため、これを使えばお目当ての人物と添い遂げるのは簡単になる。
+ 以下ネタバレ
  • 最終決戦の際、好感度が最も高いキャラクターが生贄に選ばれ、そのキャラクターが決戦時のイベントで重要なポジションを占めるのだが、このキャラクターの選別によっては以降のプレイが面倒くさいことになる。
    • 仮にメインクエストのみを単純に進めたり、特定のキャラクターとの好感度を上げていなかった場合、この時に生贄に選ばれるメインヒロインはおそらく宿屋の主人であるアッサラームとなる。この場合、たとえプレイヤーキャラクターが男であっても、彼がヒロインのような扱いとなり、ドラゴンに挑んで彼を助けることになる。プレイヤーは唖然とするほかない。
    • また、この時生贄に選ばれたキャラクターは本来の居場所から姿を消すため、アッサラームが選ばれると領都の宿屋が使用不可能になる。面倒臭いことこの上ない。
      • 一応言っておくと、アッサラームが生贄に選ばれても領都にはもう一人宿屋の役割を果たすアルフォンソという兵士がいる。ただし、この兵士は倉庫から物を引き出す機能が使えないため、物を引き出したい場合は宿営地かカサディスまで戻らなければならない。

ウルドラゴンについて

  • オン要素の目玉のはずのウルドラゴンが作業的。
    • 「尋常ではない体力を持つウルドラゴンを、世界中のプレイヤーと協力して倒す」という疑似オンラインゲーム的な要素だが、時間制限付きで30箇所に及ぶ部位を破壊しなければならない(しかも一度破壊した部位を攻撃してもダメージは与えられない)うえ体力ゲージがミリ単位でしか減らず、「これダメージ与えてんの?」と疑念を抱きながら延々戦っていく事になる。
      • さらに改造・チート対策として「一度の戦闘におけるダメージ上限」が設けられており,この値を超えたダメージを与えるとサーバーに情報が送られず無効となる仕様が問題。計画的な育成・アイテムの活用・装備の吟味等によって上記のダメージ上限は簡単に突破できてしまう為,「尋常ではない体力を持つ強敵を、規制にひっかからないように加減しながらちくちくダメージを与えていく」という訳のわからない戦い方を強制される。

なぜかタイトル画面でB'z

  • タイトル画面でピアノの音から始まるのは、あのB'zの「さまよえる蒼い弾丸」の英語アレンジバージョン「Into Free -Dangan-」*5。しかもフルで聴ける。
    • 一応言っておくが、曲自体は名曲である。だが、『「冒頭のピアノだけが欲しかっただけ」なんじゃないだろうか…』と思わざるを得ないほどのミスマッチ感が強い。
    • しかも新曲ではなく、ゲームの発売時から見て実に14年前にリリースされた曲。『Pleasure2』ではなく、あの『Pleasure』に収録されている。

玉石混淆のDLC

  • 発売前から「3ヶ月連続でDLCを配信」と大々的に宣伝され、直前にアンロック式のDLCが問題になった事からも期待と不安の両方が入り交じった反応をされていた。
    • その後カプコンの海外役員が、本作にアンロック型のコンテンツが入っている事を話題に*6。やはりか、と落胆の声も上がったが、作品の寿命が伸びる事を歓迎する声もあった。
  • 発売前に出版された情報誌の付録である「メダル百枚を集めるクエスト」を10分割したDLCを配信し、さらにそのシリーズが全て配信し終わった後にPart1~10まで入ったDLCを割安価格で販売するなど、カプコンの商魂を伺わせるDLC展開も見られた。
  • ただしキャラクタークリエイトの幅が広がる新しい髪型や珍しい装備や固有NPCとおそろいの装備、肌や髪色などに使用できる色を追加にするパックなどは概ね好評。

謎の黒帯

  • プレイ中は常に画面の上下に黒い帯が配置されており、ゲーム画面を横長にしている。縦幅に対する横幅の比率がおそらく2を超えている。
    • これは16:9のディスプレイでHDMIに繋いでも起こる現象で、4:3のディスプレイでプレイすると(ハードの仕様上により)余計黒帯が広くなる。解像度対策であるとの説が有力だが、開発側から特に説明はない。
    • ちなみにこれ、予告映像などではトリミングされ、買うまで黒帯があるとはわからないようになっている。雑誌では切り取るかどうかして無理に消しているのか、スクリーンショットの比率が狂っている例も見られた。
    • 「映画みたいで格好いい!」と言う人から、「正直邪魔」「液晶が焼き付くからやめてくれ」と言う人まで様々。
    • 一応ディスプレイによっては画面設定で解消することは可能(両端が切れるが)。

全編英語音声オンリー

  • 本作品は全編英語音声で、日本語吹き替えには対応していない。世界観的にはこちらの方があっているという意見もあるが、切り替えできないこと等には否定的な意見も多く寄せられた。
    • 拡張版では、豪華声優を起用した吹き替えが用意された。



問題点

オープンワールドとは名ばかりの狭さ・世界観の薄さ

  • 言うほどワールドが広くない のが一番の問題点。数字にして約6平方kmしかない(参考としてGTAサンアンドレアスが約35平方km、オブリビオンは約40平方km)。
    • 加えて、 ワールドの風景がバリエーションに乏しく薄っぺらい のが次なる問題点。
  • 大きな町が1つしかなく、他は基本的に村・城跡・駐屯地といった作りこみの甘いものばかり。普通のRPGよりは広いが、『スカイリム』などの大作と比べるとそのボリュームの乏しさはかなりのもの。また、それらの大作と比べずとも、果たして「オープンワールド」と自信を持って言い張れる程の数か疑問なレベル。
    • 序盤のうちに拠点となる街に到着し、以降はそこを拠点に行動を進めることになる。基本的にメインクエストが一本道で、他に大きなサブクエストがない。どんなプレイスタイルであっても、この街を拠点にすることが前提になっている。
    • 好きな街に拠点を構えたりといった自由度はない。別にこの最大の街に拠点を構えなくてはいけない理由はないのだが、単にここに構えたほうがプレイが快適である。
    • 他の村や拠点に特徴的な性格がつけられていることもなく、多少の不便を乗り越えてここに拠点を構えよう、という気になるような場所が他にない。
    • 結果、街を拠点に、毎度毎度遠くまで出向いてはクエストをこなして帰る、といったプレイが大半を占めてしまうことになる。この移動が快適かと言えばこれまたそうでもない、という旨については後述。
  • では、狭いなりにワールド内のそれぞれの地域に工夫があり、バリエーション豊かなのかと言えば、逆。どこもかしこも似たような景色。
    • 雪原や砂漠といった、気の利いた風景は一切ない。気候についても、ポーンがかろうじて「気候が違いますね」と言うぐらいで、見た目はどこに行っても同じ。もちろん天候がプレイヤーのステータスや行動に影響を及ぼすなんて高度なシステムはない。
    • トロフィー、実績の中に「ロケーションを150ヶ所発見する」というものがある。数字だけ見れば立派だが、実はこれは街やダンジョンの数ではなく、街の中にある工房や店などを一軒一軒ロケーションに数えているだけというもので、水増し感は否めない。
  • 「オープンワールド」と言われた際、一般的に想像されるような、広大な地域をまるごと構築したマップではなく、“ 中程度の大きさのいくつかのエリアが細い道によって繋がっている ”といった形のマップである。ワールドマップを見れば一目瞭然である。つまり、どんなプレイでも、通らなくてはならない場所と移動経路は変わらない。
  • 遠洋に泳ぎ出せない。設定的にはヒュージブルと呼ばれる魔物のせいだということにしているが、洞窟内の水深の深い場所などでもヒュージブルに襲われ暗転、元いた場所に戻されるという、いかにもゲーム的事情に乗っ取ったような設定として浮かんでしまっている。

移動が面倒

  • 移動手段が、 徒歩か移動アイテム「刹那の飛石」の2つ しかない。
  • 徒歩での移動の場合、マップそのものはたいした広さではないのだが、上述の通り、ショートカットや近道*7ができないようなマップデザインになっており、いちいち大回りをして進まなければならない。
    • 仮に端から端まで歩いて移動すると4時間かかるという。この数字だけを見れば、オープンワールドのマップとしては中々といってよい広さだが、徒歩以外に移動手段がないのでは不便なだけである。
    • ダッシュする事も可能だが、スタミナの消費が早く、すぐに息切れしてしまうためやはりテンポは悪い。
      • 一応、ダッシュから向こうに崖にジャンプしたりといったアクションはスピーディーで爽快感があり、まるっきり移動はダルいばかりでもないのだが……。
      • また、ジョブによってスタミナの成長度合いも変わるため、スタミナが上がりやすいストライダー、レンジャーなどで進めていれば移動は快適になる。
    • ファンタジー世界ではあるものの、馬などの乗り物が一切ないというのもやや寂しい所か。
  • もう1つの移動手段である「刹那の飛石」は、いわゆるファストトラベルアイテムだが、「戻りの礎」と呼ばれる設置アイテムをフィールドに設置しない限り、移動できる場所は拠点の街である「領都グラン・ソレン」1つだけである。つまり、行きは徒歩で行き、帰りは飛石で帰るのが定石となる。
    • ちなみにこの飛石、買うには2万G必要である。このゲームでの金稼ぎはクエストや売却などがあるが、そのクエストの時点で長距離移動を余儀なくされるものが多い上、素材を売却するのもたかが知れている金額にしかならない。

シナリオが説明不足

  • 散々引っ張ってようやく登場したドラゴンの存在が、終盤非常に小さいものとして描かれてしまっており、そのドラゴンをちっぽけなものにしてしまう存在が新たに出てきて、ドタバタして終幕…という、打ち切り漫画を彷彿させるかのような急いで片付けた展開。
    • キャラクターに説明を任せてしまっている。さまざまな書物を拾得して読むことで世界観が明らかになっていったり、あるいは演出に盛り込まれていたりは一切せず、キャラクターがいちいち普通に説明する。それ以上の深みがこの世界にはない。
    • しかも抽象的な概念を抽象的な言葉で説明するので、結局訳が分からない結末を迎える。
      • あまりに唐突な展開が多いので、せっかくの美麗なムービー中の主人公ですらポカーンとした顔で呆然とする事がほとんどという有様。
  • ラストの展開は蛇足だったと言う人が多い。
    • あるサブクエストをやっていないと全く意味不明な展開で、正直やっていても良くわからない。

アイテム管理が不便

  • メニュー画面のUIの使い勝手があまりよくない。アイテム移動などの動作が遅く、時間がかかってしまう。
  • また、夜の探索の必需品「ランタン」は、水に濡れると消えてしまうため頻繁に着脱や点火を行う事になるが、これには「メニューを開いてランタンを外す→キャラがランタンを外す→メニューを開いてランタンを装備→キャラがランタン装備」という手順を踏まなければならないため、面倒臭い。

状態異常が分かりづらい

  • アクションゲームとしての側面を強化するためか本作には多数の状態異常が用意されているが、画面中には小さく見分けづらいアイコンが表示されるだけで何の状態なのかわからない事も多い。さらに不親切な事に、 ゲームの説明書に状態異常アイコンに関する説明はない。
    • 個性を打ち出そうとしたのか、状態異常のアイコンが「本作独自のもの」であることも分かりにくさに拍車をかけている。
    • 一応、ステータス画面を見ることで確認することができるようにはなっているが。



総評

オープンワールドを前面に出したものの、実際はオープンワールドを謳うには非常に苦しい作品であることは否めない。
どちらかというと 寄り道要素が非常に多い一本道RPG 、といったほうが適切だろう。
オープンワールド云々を抜きにしてもゲームバランス・移動・演出などユーザビリティに欠ける要素が多い。

ただ、簡単操作で様々な敵と爽快かつ達成感のある戦闘を繰り広げる感覚は、オープンワールドゲームの中では頭一つ抜きん出た要素といえる。
この戦闘面の魅力やノウハウは後述の『Dark Arisen』や『ONLINE』に受け継がれていくこととなる。



その後の展開

  • 海外のゲームレビューサイトでは「今世代で最もがっかりしたゲーム10選」に選出された。
    • 発売時期の失敗や開発会社の倒産を理由にノミネートされる作品が多い中、「探索する価値のないオープンワールドを用意されても正直困る」と作品そのものに対して手厳しい評価を下されている。
    • とはいえ、「粗だらけでも何か一つ光るところがあればよし」な洋ゲー気質に本作のアンバランスさがマッチしたのか、総評は案外好意的だったりもする。
  • メーカーの強気な発言とは裏腹にオープンワールドとしての完成度は今ひとつだったが、日本国内ではPS3版が初週30万本を超えるヒットを記録した。
    • 国内メーカーの開発であるゆえに細かい部分で日本人の嗜好と合ったのか、あるいは大規模な宣伝が功を奏したか、ともあれ日本国内でのこの売り上げは、メーカーの当初の予想を上回るものだったという。
    • が、一方で既にこのジャンルに馴染みの深い海外ユーザーの眼鏡には適わなかったのか、はたまた他社の大作ゲームの発売のスケジュールに真っ向からぶつけた強気な発売スケジュールのせいか、海外での売り上げはメーカーの期待を下回る結果に終わってしまった。
    • しかし、最終的には累計100万本を超えるというヒットを記録。メーカー的にも、新規タイトルにしてこの数値は手ごたえのあるものであったらしく、早々に拡張版の発表がなされた。
    • ただし、この「100万本」と言う数字はあくまでもカプコンからの「出荷本数が100万本を突破した」という話であり、実販売数に関してはこの限りではない。
  • 2015年8月31日からは本作の世界観を継承した『Dragon's Dogma ONLINE』がPS4/PS3/PCでサービス開始された。
  • 2016年1月15日には海外でWindows版がSteamで配信された。内容は後述の「~Dark Arisen」のタイトルで配信されているため、最初から完全版となっている。
    • 字幕・インターフェイスは日本語に対応しているもののライセンスの都合により日本語音声は未収録。また日本のSteamストアからは購入することは出来ない。但し、現時点では外部サイトでのSteamキー購入や認証は特に制限がかかっていない模様*8



余談

  • 三浦建太郎氏の人気漫画「ベルセルク」と公式でコラボしており、作中にガッツとグリフィスの武器防具が用意されている他、ストーリーも参考にしていると思われる箇所が見られる。
  • そもそも開発に至る経緯がいいかげんな物であった。
    • 「経験値をためる行為が面倒だったからドラクエを投げたというプロデューサーのRPG経験」→「最近のRPGはなってないからアクションに強い自分たちがRPGを作る」

Dragon's Dogma Dark Arisen

【どらごんずどぐま だーくありずん】

ジャンル オープンワールドアクション


対応機種 プレイステーション3
Xbox360
発売・開発元 カプコン
発売日 2013年4月25日
定価 パッケージ版:4,990円(税込)
ダウンロード版:【PS3/360】3,990円(税込) / 【360】2,720MSP
プレイ人数 1人(ネットワーク機能対応)
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
ポイント 操作のレスポンスの上昇及びプレイ時の快適さの向上
新エリア「黒呪島」と数種の武具追加
日本語ボイス追加
根本的な問題点は未改善
かなりの難易度を誇る「黒呪島」


概要

追加・改善要素を加えてほぼ一年後に発売された完全版と言える作品。
前作からデータの引継ぎが可能で、引き継ぎ特典*10も用意されている。



黒呪島

  • 本作最大の目玉要素である「黒呪島」と呼ばれる高難度ダンジョン。
    • 難易度は本編よりも圧倒的に高く、本編クリア後にある程度装備を整えて臨む必要がある。
    • ガルム、カースドラゴン、リビングアーマーといった黒呪島でしか戦えない新たな敵が多数登場する。
    • もちろん本編に登場した敵も出現するが、攻防共に強化されており、習性や見た目の異なる上位亜種のような存在も出現する。
  • 本編とは違い、倒した敵の死体はグロい状態で残る。そして、その死体の数が増えると、突然エリア内に新たな敵が現れる。これを「乱入」と呼ぶ。
    • 死体はマップを移動してもゲーム内で一定時間が経過するまではそのまま残る。そのため、帰り道で他の敵がその死体に釣られて現れていることも珍しくない。
  • このダンジョンで手に入るアイテムの中には、そのままでは正体不明な「黒呪品」「黒呪装備」「黒呪武器」「黒呪防具」がある。
    • これはある人物にリムを消費して解呪してもらうことで正体がわかるが、どういったアイテムとなるかは基本的にランダム。
    • これら黒呪を関するアイテムにはそれぞれLv1~3が設定されており、Lvが高いほど上質なアイテムや装備になるが、その分入手は困難。
  • 強力な装備が多数追加され、アップグレードも拡張された。
    • 本編のエヴァーフォール限定の装備やウルドラゴン討伐時の装備を軽く上回る強さの装備も割と早めに手に入る。
    • また、Lv4までだった装備の強化がLv6まで行えるようになっている。特にLv6の能力強化は凄まじく、物によっては攻撃力が2倍近くになる。
      • ただしLv5以上に強化するためにはLv4にする必要が有り、Lv5以降の強化は金ではなくリムが必要で、黒呪島でしか入手できないアイテムを多数要求されるため簡単には強化できない。



無印からの改善点

  • メニューのレスポンスが良くなり、プレイに関する支障は小さくはなった。
    • 具体的に挙げると、倉庫でのアイテムの移動や調合が速くなる・倉庫で直接装備変更が可能・メニューを開く際の演出の高速化といった具合。
  • 移動の面倒さがある程度改善された。
    • 「刹那の秘石」の値段が2000Gと大幅に下がったため、気軽に使えるようになっている。
    • 飛石で戻れる場所が、領都だけではなくカサディスにも戻れるようになった。
    • また、「戻りの礎」が一度のプレイで4つ入手できるようになったため、設置場所に悩む事が少なくなった。
  • 難易度選択がデフォルトで可能になった。
    • ノーマルモードとイージーモードの変更はオプション画面でいつでも行えるため、よりライトユーザー向けになったと言える。
  • 前作での「アッサラームが生贄に選ばれることで終盤に宿屋が使えない」の対策のためか、アッサラームのみ会話で好感度が上がらないようになった。
    • そのため、プレゼントや護衛クエストを行わない限りアッサラームが生贄に選ばれることはなくなっている。
  • 前作で非常に強力だったアビリティ「修羅」「孤高」が下方修正された。
    • それぞれの効果は前者が「夜だと攻撃力1.7倍、防御力+30」、後者は「自分一人の状態だと攻撃力1.7倍、防御力+30」であり効果の高いアビリティだったが、どちらも「攻撃力1.2倍、防御力+20」と大幅に下げられた。
  • 新たな髪形の追加や各種キャラクターエディットのカラーの追加など、エディット部分での追加部分が多い。
    • 純粋にキャラクターメイキングの幅が広がっており、評価する声が多い。
    • ただし、それらはオリジナル版でも配信されたDLCのものであり、そちらでDLCを購入済みのプレイヤーにとっては目新しさはない。
  • 英語のみだった前作と違い、日本語吹き替えが用意された。声優も非常に豪華で手は抜いていない。
    • もちろん、英語との切り替えも可能。
      • ただ、折角の日本語音声も種類は多いが同一声にピッチを変更しただけのものも一部散見されるという手抜きな印象を受けざる得ないものになっている。
  • 新武器や防具が多数追加された。
    • 黒呪島でのみ手に入る装備も多く、装備のバリエーションがさらに増えた。
    • しかし、オリジナルでもあった武器の色違い版というものは相変わらず存在している。
  • 前作のDLCで使えるようになったモードや装備、DLCクエストは最初から全て収録されている。
    • タイムアタックモード・ハードモードは最初から選べるようになっているが、それ以外の要素はある程度ゲームを進めなければ受注できない・入手できない物が多い。
      • タイムアタックモードはその名の通りゲームクリアまでの時間を競うモード。難易度はノーマルで固定、途中セーブ不可となっており、入手した経験値や金は一切手に入らない。
      • ハードモードは難易度をさらに上げたモード。被ダメージ・消費スタミナが増える代わりに手に入る金が多くなる。タイムアタックとは違い必ず最初から始めることになり、途中の難易度変更は不可と言う厳しいモード。
      • どちらのモードもクリア特典が用意されており、やり込み要素としては悪くない。
  • 前作で問題だった「ランタンの点火が面倒くさい」という点が、新たに追加されたアイテム「撥水のリング*11」を装備することで改善された。
    • ただし、このアイテムは黒呪島をある程度進めなければ入手できない。
  • タイトルのBGMが「さまよえる蒼い弾丸」の英語アレンジバージョン「Into Free -Dangan-」から、本作のメインテーマのボーカル版に変更された。



評価点 (DA)

  • 演出が改善されたことで、ファンタジー作品としての全体の雰囲気が大きく向上した。
    • タイトルで流れる本作のメインテーマから始まり、黒呪島最終戦の演出など女性ボーカル曲が効果的に使われている。
    • 作品全体として物悲しくも壮大な印象付けがなされており、少なくとも『Dark Arisen』から入ったプレイヤーには好評。
    • 特に前述の黒呪島最終戦において、メインテーマ『Coils Of Light』の穏やかな導入から戦闘に移行する怒涛の演出やヒロインの語りが挿入される演出は非常に評価が高い。
  • 黒呪島のマップ設計上、無印の大きな魅力である戦闘を存分に楽しむことが出来る。
    • 無印の問題点である移動の煩わしさが排除されているのが大きい。乱入システムも敵の出現位置が決まっていて緊張感に欠けた無印の欠点をある程度補完している。
    • 本編では数回しか戦えなかった敵とも何回も戦うことが出来る。



賛否両論点 (DA)

新たに追加された「黒呪島」の難易度について

  • やり込み要素ではあるものの、難易度がかなり高めに設定されている。
    • 全体的に敵の攻撃力がインフレしており、同時に防御力も上がっているため弱点部分以外のダメージが通りづらい傾向があるため、ジョブによって攻略難度の偏りが強くなってしまっている。3周目だと一発食らっただけでそのまま追撃されてお陀仏になることも。
      • 敵の体力も多めに設定されているためジリ貧になりやすく、かつ敵の攻撃は苛烈なため、効率重視な戦闘になりがち。最も、高難易度のアクションゲームでは効率的な戦闘が求められるものだが。
  • 2周目までならそれなりのLvと装備さえあれば普通に突破できる難易度となっているのだが、真の悪夢は3周目から。
    • 3周目は出現する敵のパターンは2周目と同じなのだが、ただでさえ高い敵のステータスに補正がかかってさらに強くなる。ドレイク凶種、エリミネーター、カースドラゴンといった元々の防御力が高い敵は、半端な攻撃力では弱点部位を攻撃しても体力ゲージが全く減らないことすら有り得る。攻撃力の方も通常の2倍以上とやりすぎなほどに強化され、どんな相手だろうと一瞬たりとも油断できなくなる。
      • 特に敵の魔法攻撃が恐ろしく強力で、「ウィルム凶種のサンダーレイン一発で1200ほどのダメージ」「リビングアーマーの魔石柱で2500近く」「汚染ソーサラーのロックビート一発で3500ほど」「ダークビショップのヴォルテクスレイジで何もできないまま死亡」と言った高威力の魔法攻撃が普通に飛んでくる。
      • かと言って通常攻撃はほどほどかと言うとそうでもなく、「そこらの雑魚に小突かれただけで200~300ダメージ」「発狂エルダーオーガの殴りやリビングアーマーの斬撃で1000近く」「カースドラゴンの噛み付き一発で1500越え」「ガルムの突き上げでダウン→他のガルムにダウン拘束からの引き摺り→噛み付きのコンボで脱出が間に合わず食い殺される」といったこともよくある話。
    • ただし、最強クラスの装備さえ整えれば決して戦えないレベルではない。大型モンスター相手では2、3発(ステータスや装備次第では1発)食らったらアウトという中でいかに敵の猛攻を掻い潜り弱点を付いて大ダメージを与えるかという、緊張感のある戦いが味わえる。
  • 乱入によるモンスターの登場タイミングもランダムなため、状況次第では「リビングアーマー+エルダーオーガ」「ドレイク凶種+カースドラゴン」のような恐ろしい配置となることも。
    • とはいえ、黒呪島では基本的に逃げることができない場面はない(ラスボスのみ例外)ため、不利だと感じたらさっさと逃げることも可能。
  • 追加された敵キャラの「デス」による攻撃は問答無用で一撃死する代わりに攻撃速度が遅く避けやすいという特徴があるが、ポーンがこの攻撃を受けると、その場で行動不能になるのではなく一発でロスト扱いとなる。そのため、デスと対峙するとポーンを失う可能性が非常に高い。当然、デスによる攻撃で強制的に返却されたポーンが、知識や報酬を持ってくることはない。
    • ポーンはデスの知識も学習するのだが、ポーンは知識最大の状態でもなぜかデスの攻撃に関してはロクに避けようとしない*12のもポーンを失いやすい原因。
    • なお、デスを討伐するクエストがあるのだが、デスは「乱入でのみ登場、さらに一定時間経過または一定ダメージを受けると撤退する(ウルドラゴンと同様にダメージは蓄積される)」という性質があるため討伐が非常に困難。「レンジャーでいくさ神のお守り*13を4重掛けし、強心薬*14を使用して爆裂の矢*15を綴れ撃ち*16)で死ぬまで撃ち込み続ける*17」という攻略法はあるが…。
  • マップは広いものの、基本的に同じ部屋のデザインを変えて使いまわしているマップが多い。
    • 構造がやればやるほど把握しやすいというメリットもあるが、飽きやすいという意見もある。
  • 強力な装備は「黒呪武器Lv3」「黒呪防具Lv3」から入手できるのだが、この二つのアイテムは出現率が極端に低く、普通に島を探索していてもまず入手できない。
    • これらのアイテムが高確率で入手できる方法は「2周目以降のラスボスを倒す」であり、まともな装備が揃っていない状態ではハードルが高すぎる。
    • 僅かだがこれらが出現する宝箱があるため、「宝箱の前でセーブ→宝箱開ける→黒呪アイテムが出なかったらタイトルに戻りロード(もしくは自殺してコンティニュー)して出るまで粘る」という方法もある。
  • 黒呪島の黒呪アイテムで手に入る装備はいずれも強力なものばかりなのだが、そのせいで本編で手に入る装備の多くが産廃となっている問題もある(特に武器)。
    • 参考までに言うと、ダガーの場合、本編最強の「クリスナーガアーテリー」の攻撃力は1009、黒呪島で手に入る「デーモンフラメア」の攻撃力は1429となっている(どちらもLv6の数値)。



問題点 (DA)

  • 基本的には無印に追加要素を施した拡張版であるため、無印の欄で述べた根本的な問題点はそのままとなっている。



総評 (DA)

無印版の問題点が多数改善されており、今から遊ぶならよほどの理由がない限りこちらを購入することをお勧めする。
目玉要素である「黒呪島」の高難易には賛否が分かれるものの、3周以上に渡ってやり込もうとしない限りは「歯ごたえのある難易度」として楽しめるだろう。



余談 (DA)

  • 発売を前倒しする為に要素を削った」という。とんでもない開発環境があったものである。