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SIMPLE2000シリーズ アルティメット Vol.3 最速!族車キング ~仏恥義理伝説~
【しんぷるにせんしりーずあるてぃめっとぼりゅーむさん さいそく!ぞくしゃきんぐ ~ぶっちぎりでんせつ~】
ジャンル
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レーシング
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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D3パブリッシャー
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開発元
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タムソフト
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発売日
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2002年9月26日
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定価
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2,000円(税別)
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分類
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バカゲー
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ポイント
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仏恥義理で夜露死苦! レースとしては意外に地味
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SIMPLEシリーズリンク
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概要じゃぁ!読んどけ、ゴルァ!
現在では概ねバカゲーメーカーとして世に知られているD3パブリッシャーが、SIMPLE2000シリーズ アルティメットの3作目として送り出した作品。
およそ現在では絶滅危惧種と思われる伝統的な暴走族の世界観でレースゲームが出来るという、ありそうでなかった作品である。
タイトルのインパクトと2,000円という手ごろな価格もあってか、かなりのジワ売れを果たし後にシリーズ化もされた。
評価点も夜露死苦!
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ゲーム全体から漂うバカゲー臭。
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まずタイトルからしてインパクト抜群である。というか初見ではまず読めないであろう。
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ゲームを始めてすぐのメインメニューの名称がなかなかイカ
れた
したセンスをしている。
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全国制覇…一人用のメインモード。「集会」からはコンピューターと1対1の勝負を行う「タイマン」といわゆるタイムアタックの「最速伝説」が遊べ、勝負で稼いだ「KP(根性ポイント)」を消費してマシンを改造する「鬼チューン」もできる。
さらに鬼チューンにはレース中の性能に関わる「バリバリチューン」と、それとは全く関係ないドレスアップ用の「イカすチューン」の2種類がある。ちなみにイカすチューン用のアイテムは爆安。
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俺様日記…ただのセーブ。それ以下でもそれ以上でもない。文句あっか?アァン?
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喧嘩上等…いわゆるバーサスモード。対人戦でライバルを仏恥義るのが目標。
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武勇伝…最速伝説の記録を見ることができる。過去の自分を乗り越えるんだよォ!
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俺様仕様…オプション。自分の好みも貫き通せねぇ奴は漢とは呼べなぇなぁ…。
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各種システムメッセージのセンスもぶっ飛んでいる。
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ロード中は「ロード中じゃ!コラァ!」と気合(?)を入れられる。
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勝利すると「ブッチぎった」敗北すると「ブッチぎられた…」。
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「鬼チューン」におけるパーツ解説がおそろしく適当。「~じゃねぇの?」「よくわかんねぇけど~」などの普通のゲームではまず使われないであろう表現が頻繁に飛び出す。
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レース中の演出について。
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自作した車には、同乗者(男1名、女3名から選択可能)を設定できレース中ことあるごとに喋ってくれる。
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セレクトボタンでBGMを自由に変更可能。いずれのBGMも極端に良質ではないが、族っぽさはなかなかあり雰囲気はよい。
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レースゲームとしては意外にも真っ当で十分遊べる出来。
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特にこれと言って奇をてらったシステムはなく、純粋にテクニックだけを競うタイマンのガチンコ勝負となっている。
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対戦ツールとしては機能していると言えるだろう。しかしこの真っ当っぷりが別の問題に繋がっている(後述)。
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グラフィックもそこそこ良い。
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流石にフルプライス作品には見劣りするが、2,000円という値段を考えれば許容範囲であろう。
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「タイマン」ではそのCPUごとに過去三戦の勝敗を確認することができる。
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意外にこういったシステムを搭載している作品は少なく、希少価値がある。負けまくっている相手に再戦を挑み続けるのも漢の生き様であろう。
問題点?ンナもん叩き潰してやるよ!
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ストーリー性皆無でひたすらレースを繰り返すだけの超シンプル仕様。
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敵キャラクターにもきちんと個性が付けられているのだが、レース中それを確認することはない。
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難易度設定もなく、CPUごとに戦うコースは完全固定なので、弱い相手にしか勝てない慣れないうちは、同じコースで同じ相手に同じ勝負をひたすら挑む単調な展開になる。
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説明書もシンプル。というか5ページしかない。正確には四つ折り両面8ページ。ただし、表紙、ソフトの取り扱いについての注意事項、広告(なぜかSIMPLEシリーズとは関係ないこれ)が含まれるので実際のゲーム説明は5ページということになる。
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簡単な操作説明と簡単なモード説明と簡単な人物紹介しかなく、基本的なテクニックすら解説されていない。漢ならそれぐらい体当たりで覚えろ、ということだろうか。
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各項目の説明は「魂斗露羅の操作方法」「迎夢の始め方」などかっとんでいるのだが、説明文はです・ます調の淡々としたものなのでむしろ浮いてる。
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真っ当すぎて逆に地味なレース展開。
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それこそ『グランツーリスモ』のようなリアルを謳っているレースゲームならともかく、本作のタイトルでそんなレースを期待して購入する層がどれだけいるのかは謎。
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例えば「気合を入れていきなりスピードアップ」「パトカーとのカーチェイス」などそれっぽい要素を入れる余地はあったはず。
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一度差をつけられると逆転は難しい。さらに本作は一周がやや長めなので負けが確定したたるいレースを延々と続けることになりやすい。漢の道からは外れるが早々にリタイアしたほうがいいことも…。
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車が異様にスリップしやすく、操作を誤るとあっさり反対方向を向く。
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一度ひっくり返ると再び正しい方向に戻るのが結構難しい。もちろん元に戻る方法は説明書に書かれていない。
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対人戦が一番盛り上がらない。
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レースゲームとしてはある意味致命的な問題点。
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評価点で取り上げた「同乗者のボイス」や「BGMセレクト」が強制的にオフになる。
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さらに処理能力の問題なのか、視点が主観視点のみになり頑張ってイカすチューンの車を仕上げても、自車のグラフィックは相手を追い越すか追い越された時しか見えない理不尽仕様。
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つまり対人戦では本作の魅力は大幅に減じてしまう。純粋にレースゲームを楽しみたいなら他を当たった方がいいかもしれない。
総評も仏恥義理だぜぇ!
健全な男子ならば誰もが一度は憧れ、そして憧れのままになる暴走族の世界を追体験できる、というその意味では非常に貴重なソフト。
ゲームとしての作りもきちんとしており、これで2,000円ならば十分「当たり」の部類に入る一作であろう。
しかしレースゲームとしてはその無難さがむしろ足を引っ張っており、全体の印象を地味なものにしている。
なんだかんだでシリーズ化されているあたりSIMPLEシリーズの中でも愛されている作品である。
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『THE ALL★STAR格闘祭』に、本作を意識したと思しきハイウェイを舞台にした「族車」という名前のステージが登場する。
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本作のパッケージに描かれている紫のマシンが背景を走り抜けるという演出がある。