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ピポサル2001 - (2013/11/22 (金) 17:19:07) の編集履歴(バックアップ)


ピポサル2001

【ぴぽさるにせんいち】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売日 2001年7月5日
定価 5,800円
廉価版 PlayStation2 the Best:2002年10月3日/3,000円
同・再廉価版:2005年3月10日/1,800円
ポイント 前作の続編を期待していた人からはガッカリゲー扱い
難易度が地味に高い
アクションとしては佳作~良作レベル
サルゲッチュシリーズリンク

概要

  • SCEのオリジナル作品の中でもトップクラスの知名度を誇る『サルゲッチュ』の続編。
    • しかし続編とはいえ一部キャラクターが共通しているだけでシステムが全くの別物であること、後に正式なナンバリング作品である『2』が発売されていることから、現在ではほぼ外伝作品として扱われている。

ストーリー

前回の大騒動で無事全てのピポサルを捕まえたハカセたち。
サルたちは処分されることもなく、ハカセの開発した広々としたサイバースペースの中でのんびりと暮らしていました。
しかし、そんな時政府から一本の電話がハカセの元に届いたのです。
衛生のため、全てのサルのパンツを洗濯してください
ハカセもこれには弱ってしまいました。パンツを洗濯するためにはサイバースペースに入り、サルのパンツを一枚ずつ集めなければなりません。
そこでハカセは研究所に遊びに来ていたカケルくんに掃除機型ガチャメカ、「ヌゲッチャー」を渡しサルのパンツ集めを依頼するのでした…。

システム

  • 今回の目標はストーリーにあるとおり「パンツを集めること」である。
    • 新型ガチャメカ「ヌゲッチャー」を用いて□ボタンでサルを吸い込むことで、パンツだけをいただくことができる。
  • 集めたパンツは洗濯機型の「パンツてんそうき」(スタート地点でもある)に戻ることで転送できる。ステージ内の全てのパンツを転送するとステージクリア。
    • 集めたパンツはカケルの後ろにストックされる。この状態ではサルが無理やり引っ張ることでバラバラになり、奪い返される可能性がある。
      • なお、パンツは10枚、50枚単位でストックされ長さが短くなる。奪われにくくなるが、万が一ばらけると一気にストックされたパンツ全てがばらけてしまう。
  • カケルのアクションは吸い込みの他、「グルグルアタック」「サルロケット」「メカディスク」がある。
    • グルグルアタックは□ボタン連打で発動。周囲一帯を攻撃できる。
    • サルロケットはサルを□ボタン押しっぱなしで手元に引き寄せチャージ、ボタンを放して一気に向いている方向に射出する大技。
      • なお、この技でパンツをはいているサルを倒すと自動的にパンツを吸い取れる。
    • メカディスクはステージ内に置いてあるアイテム。三種類あり、投げられるほかその場に置くこともできる。
      • 「バクハツメカディスク」は名前の通り爆発する。サルを一掃できるほか、パンツやサルが入ったカプセルを壊せる。
      • 「ラブラブメカディスク」はバナナ型の人形を設置してその位置にサルをおびき寄せる。
      • 「リモコンメカディスク」は広範囲に爆発することで範囲内のサルを一定時間操れるようになる。トラップなどにおびき出そう。…マインドコントロール?倫理的にヤバイ気もするが、気にしない方向で。
  • カケルの体力は今回は3点。
    • 3回攻撃を受けると残機を失ってスタート地点から。この際制限時間は回復せず、未転送のパンツはミスポイントに散らばる。
      • 体力はサルを気絶させた際に出現するライフチップを5枚集めると一つ回復する。
  • 今回は各ステージごとに制限時間が設けられている。
    • 時間切れになってもゲームオーバーではないが、体力が強制的に1になりミスするとステージの最初からになる。
      • クリア後にはタイムによりS~Fのランクが付けられる。またこの他ボーナスとして「じかんない(制限時間切れ前にクリア)」と「イッパツ(全てのパンツを一回で転送)」の2つがあり、獲得するとワンアップする。
  • ステージ内にあるアイテムは以下の通り。
    • 各種メカディスク
      • 効果は前述の通り。なお、このアイテムのみ取得しても時間経過で復活する。
    • たんちきアイテム
      • 取ると「パンツたんちき」が出現。未入手のパンツの方向を矢印で教えてくれ、全てのパンツを集めるとてんそうきの方向を示してくれる便利アイテム。
    • タイムアップ
      • 取ると制限時間が30秒増える。最初の制限時間以上には回復しないこと、時間切れ後には効果がないことに留意する必要がある。
    • Tシャツ
      • カケルの残機が1増える。
    • スター
      • 取ると無敵になれる。某超有名アクションゲームとの関連性はない。たぶん。
    • カプセル
      • 青と赤の二種類があり、青にはパンツ5枚、赤にはサル5匹が入っている。パンツはクリアに必須だが、サルはパンツを履いておらず開けるメリットは皆無。
  • ステージ上空ではスペクターがUFOで飛行している。
    • 直接的な妨害はしてこないが、気絶したサルや散らばったパンツを回収し、パンツを履かせた上で再びステージに投入してくる。ちなみにサルロケットで攻撃することもできるが…?
      • なお、各コースの最終ステージはスペクターとの直接対決となる(しかし目的はやはりパンツの回収)。

ステージと登場するサル

本作は3種(サルなみ、ヒトなみ、ハカセなみ)+?のコースで構成されている。それぞれのコースは以下の5種のランドの組み合わせで成り立っている。

  • ほのぼのランド
    • 全体に平坦で特にこれと言って目立った仕掛けのないステージ。背景の風車が印象的。
      • 登場するのは黄色パンツのピポサル。バナナを投げたり、ひっかいて攻撃して来たりオーソドックスな行動パターン。
  • ぴちゃぴちゃランド
    • 水場の非常に多いステージ。水中ではヌゲッチャーが使えないことに注意。排水スイッチで水位を下げながら攻略することになる。
      • 登場するのは水色パンツのスキューバサル。水中では非常に素早いが、地上での動きは遅い。時折ウニを投げてくることも。
  • あちあちランド
    • 炎天下の砂漠のステージ。随所にある鉄板は長時間乗っていると火傷する。そして常に裸足のピポサルは一瞬で火傷する。
      • 登場するのは青色パンツのサボテンサル。非常に憶病でサボテンに擬態している間はパンツを奪い取れない。
  • ぞくぞくランド
    • お化け屋敷風のホラーチックなステージ。スイッチを押して明かりを灯さないとアイテムが回収できないほど薄暗い。
      • 登場するのは緑色パンツのカンオケサル。棺桶に入って瞬時に地中を移動できる。
  • つるつるランド
    • 常に真冬のクリスマスムードなステージ。つるつる滑って動きにくい。随所にあるかまくらは入ると高速ダッシュができる。
      • 登場するのは黒色パンツのスケートサル。とにかく動きが速く非常に追いかけにくい。一種類だけパンツに黄色のラインが入っているオシャレさん。

この他に隠しステージもある。

評価点

  • アクションゲームとしての完成度の高さ。
    • とにかくタイムアタックが熱い。一秒を削り最高タイムを更新する楽しさがある。
      • Sランクの取得数に応じてコースクリア後に見られるオマケ、「サルおんせん」に登場するサルの数が増えていくやりこみ要素がある。一匹一匹のコメントがあり、なかなか面白い。
    • 各ステージごとのギミックや構造も凝っており、最短ルートを探すのも一興。
    • イッパツボーナスという要素もなかなか面白い。
      • コンプリートを狙うなら取得は必須なので出来る限り狙っていきたいが、パンツを大量に抱えるのはリスクが高く、かといっていちいちてんそうきに戻るのは時間的な意味でも難しく…と頭を使わせられる。
  • 本作に登場するサルの総数はタイトル通り2001匹。一つのステージだけで何十匹も現れ、大量のサルを追い詰めていく爽快感がある。
  • 前作に比べて一つ一つのステージの攻略時間は短く、テンポはいい。

賛否両論点

  • ストーリーについて。
    • 前作の「バカっぽく見せかけて深いテーマがあった」というものに比べると徹頭徹尾ふざけた感があり、前作よりも子供向けっぽく感じられる。
      • 使われる文字もほぼひらがなオンリー。対象年齢ははっきり言ってかなり低く見える。
      • 「パンツを集めて洗濯しよう」という目的では真面目になりようもないが。一応スペクターの演説などそれっぽい要素はないでもない。
    • また、起伏のある展開でもなく、ただステージをクリアしていく淡白なものである。
      • カケルの親友であり前作では洗脳されてライバルキャラとして度々対決したヒロキは影も形も出ず、ステージ前にノルマを解説したり時にはカケルをサポートしたチャルはハードモードにチラっと姿を見せるのみで台詞も無い。そして後の作品で登場するウッキーVやピポトロンのような個性的な敵がいる訳でもない。
      • 下記の問題点にザコ敵が一切登場しないとあるが、それに加えて登場キャラ自体少なく、これでは盛り上がる展開は望むべくもない。
  • 難易度の高さ。
    • 子供向けに見えるストーリーに対して難易度はかなり高い。ステージの構造を正確に把握しないとSランクはおろか、時間内クリアも難しい。
      • 特に隠しステージの難易度はかなりのもの。さらに全ステージクリア後に解放されるエクストラモードともなると…。

問題点

  • ロード時間がやたら長い。
    • ステージ開始前だけでなく、ステージクリア後にも挟まれるなど頻度も多い。
      • さらに厄介なことに本作にはリトライの項目がなく、失敗が確定して再プレイしたい時には「ステージ脱出→ロード→ステージ選択→ロード→ステージ開始」とやたらロードに会う羽目になる。
  • ステージ内にザコが一切登場しない。
    • 前作のような雑魚敵は本作に一匹もおらず、全ての敵はピポサルで統一されている。さらに一つのステージ内には前述の通り一種類のピポサルしか登場しないので、冗談抜きに一種類しか敵がいない
  • ピポサルのバリエーションの少なさ。
    • 総数2001匹とは言っても結局のところ5種類(+α)しかおらず、種類ごとの行動パターンも固定。このため数十匹のピポサルが一糸乱れず全く同じ行動を取る、という奇妙な光景がしばしば見られる。
      • 登場するサル全てに個性が付けられており、強烈な印象を残すサルも多数いた前作とは大違いである。
  • グラフィックは前作に比べて大きく進化しているとはいいがたい。
    • 背景の書き込みなども前作の方が断然詳細で上回っている。正直このグラフィックで何をロードしているのか気になる。
      • 一応擁護しておくと劣悪なわけではなく、時代相応の悪くない出来である。この辺に関してはあくまで前作がPS1のゲームとしては規格外すぎただけ、とも言える。
  • カケルのアクションのバリエーションが減った。
    • 前作では多数のガチャメカをステージに合わせて使い分けていく楽しさがあったが、今作ではヌゲッチャー以外のガチャメカは一切存在しない。
      • アドベンチャー的要素を多く持っていた前作よりも、アクション方面に特化させて操作を絞った結果と思われる。もちろんこちらはこちらで限られたアクションでステージを攻略していく楽しさがあるので、どちらが良いとは一概には言えないが…。
      • なお、前作ではミズメカなしでは水中に入れず、酸素にも限界があったカケル君だが、今回は水中でもヌゲッチャーが使えない以外地上とほぼ同じ行動ができる。しかし水中でも地上と同じように動けるのは違和感があり、正直手抜きに見える。
  • 前作同様、条件を満たすと真のエンディングに到達できるが、通常エンドと代わり映えしない。ラスボス戦の展開に若干の変化があるだけで、エンディングムービーも通常エンディングの使い回しである。

総評

はっきりいって「サルゲッチュの看板が重すぎた」というのが正直な所。
単体のアクションゲームとしては十分な完成度であり、ボリュームも十分。しかし純粋にサルゲッチュの続編として見ると前作のファンを満足させた出来とは言い難い。
概要にもあるとおり、後に正式なナンバリング作品が出たこともあり、本作の立ち位置は現在ではほぼ外伝作品となっている。

余談

  • なんだかんだでそれなりに人気もあったのか、廉価版が2回も出ている。しかも2回目は最初の発売日の4年後
    • しかしWikipediaではいまだに単独記事が作成されていない。なぜだ。
  • ハンバーガーチェーン店のマクドナルドで配布された非売品ソフト、『マクドナルドオリジナルハッピーディスク』に『パラッパラッパー2』と共に体験版が収録された。
    • いくつかのステージを遊ぶことができる。基本的に内容に違いはないが、アイテムがハンバーガーやポテトに変更されていたり、背景の看板に「マクドナルド」の文字が書かれていたりする。