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ショックトルーパーズ セカンドスカッド - (2013/02/14 (木) 08:42:25) の編集履歴(バックアップ)


ショックトルーパーズ セカンドスカッド

【しょっくとるーぱーず せかんどすかっど】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 アーケード
メディア MVS
発売・開発元 ザウルス
稼動開始日 1998年
ポイント 舞台先を一新した続編
ボリューム縮小化ながらも正当進化
配信 【Wii】バーチャルコンソール:2012年9月18日/900Wiiポイント

概要

  • 1年前にリリースされた縦スクロールアクションシューティング『ショックトルーパーズ』の時系列上の続編。
  • 前作と同じ路線のアクションシューティングだが、本作からの新要素も幾らか取り入れている。
  • 二人同時プレイ可能。全5ステージ*1構成。

ストーリー

1999年4月、東南アジアの新興国ビルバーグにて。
それまで発展途上であったこの国は、ジャパンマネーをはじめとする海外資本の流入と先進国による経済援助によって急速な発展を遂げていた。
しかし、その発展の要となったのは戦争兵器産業の一面が大きく、平和主義者として名高い時の大統領は軍備及び兵器産業の段階的縮小政策を打ち出した。

あらゆる産業に関わる世界有数の超巨大複合企業体「ダイオ・インターナショナル・コーポレーション(DIC)」グループ。
ビルバーグの発展はこの企業による功績にあるといっても過言ではなく、政治経済界に多大な影響力を持っていた。
同年5月、DICに突然異変が起きた。国家的軍縮政策を受け入れたDIC総帥が突然謎の病死を遂げ、その実権は軍事部門最高責任者であるダイオ重工の社長だったナカトミに移される。
DICの中枢を握ったナカトミは軍縮政策を拒否し、平和主義路線を貫くビルバーグと対立した。

同年7月某日未明。謎の軍隊がビルバーグの首都ゴルドマを占拠。いくつかの都市が原因不明の大爆発により一瞬にして壊滅した。
その原因はナカトミの指示による新兵器のデモンストレーションを兼ねた、DICとその私設軍によるクーデターであった。
大統領官邸を占拠したナカトミは全世界に向けて新政府の樹立を宣言。ビルバーグはDICの暴虐に襲われ、世界的な危機に発展しつつあった。

これを重くみた政府は国連安全保障理事会を招き、国連平和維持軍の派遣を行う。
かくして、かつての凶悪テロ集団「ブラッディスコーピオン」を壊滅させた実績を持つ指揮官の元、凄腕の実力を持つ4人の傭兵「スペシャリスト」が召集された。

登場人物

  • 主人公たちスペシャリストの4人。
    • 「レオン」…アメリカ人男性。鍛えられた肉体と知的な頭脳を併せ持つ、スペシャリストのリーダー格。どう見てもジャン・レノです大変ありがとうございました。
      • 典型的パワーキャラ。攻撃判定をしばらくその場に残すスプレッドショット、高い火力と敵弾消去性能を兼ね備えながら20発までストックできる特殊兵器が使いやすく、攻撃力は随一。防御力も高い。大き目の当たり判定と、鈍足(緊急回避動作中のほうが通常歩行より早い)をカバーする立ち回りができれば強い。
    • 「エンジェル」…フランス人女性。セクシーボディの美貌に目を奪われがちだが、その戦闘力はメンバーの中でも勝るとも劣らない。三十路*2
      • バランスタイプのキャラ。しかしこれといったウリに乏しく、特殊兵器もやや使い勝手が悪い。バグに近いテクニックと相性が一番良いという隠れた利点はあるものの、総じて辛い戦いを強いられる。上級者向け。
    • 「ルル」…日系三世女性。メンバー中の最年少で戦闘経験は浅いが、確かな実力の持ち主。ボクっ娘で貧乳。
      • スピード系タイプのキャラ。射程が有限とはいえ圧倒的攻撃範囲を誇るワイドショットにより、雑魚戦時の掃討能力はピカ一。特殊兵器は10発しかストックできないものの威力は高めで、使い勝手は悪くない。彼女もバグに近いテクニックと相性が良い。火力不足に陥り易い上に防御力が低いため、ボス戦でいかにミスをしないかが大切になる。
    • 「トーイ」…アメリカ人男性。レーザー系の武器の扱いを得意とする、ファンキーな性格の青年。元は麻薬中毒者だったが、前作のビッグママに捕まって無事に更生した設定がある。
      • レーザーショットが思いの他威力に欠け、また画面上の表示弾数が少ないため、処理落ちによる弾避けが起こりにくいという、システムに恵まれない点を併せ持つ。特殊兵器も自分の周りを爆発で覆うタイプで、リーチが短い。ただし単発攻撃力は最強で、敵弾消去能力もあるため撃つべき場面を見極めれば使える。最も稼げるが、扱いは難しめのキャラ。
  • その他の人物。
    • 「レジスタンス」…海軍ルートのステージ3に登場。ダイオによる残忍な武力行使にも屈しない勇敢な戦士達。
    • 「ナカトミ」…日本人男性。ダイオ重工の社長の肩書きを持つ一方で、己の欲の為ならダイオの軍事力を用いて邪魔者を排除する独裁者でもある。本作の表面上の黒幕。
    • 「???」…国籍不明男性。ナカトミを影で操る、本作における真の黒幕。

主なルール

  • プレイヤーキャラセレクトについて。
    • ゲーム開始前に4人から使用したいキャラを選べる。
      • 各使用キャラには「メインショットの攻撃性能・移動スピード・ライフ値・特殊武器の効果、及びストック数」の性能化が図られている。
      • 二人同時プレイ時での同キャラ選択は不可。なお、前作でいうところのチームバトル(3人選択制)は本作では廃止されている。
  • ステージ構造について。
    • 本作のステージ2~3はルート選択によるステージ分岐制を採用している。
      • ステージ1クリア後に「空軍ルート」か「海軍ルート」の選択ができ、どちらを選んだかによってステージ2~3の内容が変化する。
      • ステージ3クリア後は一本道でステージ4~5のバトルとなる。ステージ1・4・5はどの様なプレイであっても内容は変化しない*3
    • 各ステージの道のりを表に示すと以下の通りとなる。
空軍ルート 海軍ルート
stage 1 第二分隊出撃せよ
stage 2 空軍基地を奪還せよ 海軍基地を奪還せよ
stage 3 機動部隊を追撃せよ レジスタンスと合流せよ
stage 4 首都占領軍を突破せよ
stage 5 ダイオの野望を粉砕せよ
  • 操作系統。
    • 本作はレバーと3ボタン(A・B・C)を使用する。下記では使用キャラ時と、乗り物搭乗時の操作系統を紹介する。
    • 使用キャラ時の操作系統。
      • レバーで使用キャラの八方向移動、兼キャラの向き方向の位置調整。
      • Aボタンでキャラが向いている方向へメインショットを放つ。
      • Aボタンを押しっぱなしながらレバーを入れると、キャラの向きを固定した状態で移動しながらのメインショットを放てる。
      • 人型の敵に接近してAボタンで接近攻撃が出せる。
      • Bボタンでジャンプ動作を行う。ジャンプ中は一切の攻撃ができないが、レバーによる移動調整は可能。この動作は完全無敵の回避行動となる反面、着地後は若干の隙が発生してしまう。
      • Cボタンでキャラが向いている方向へ特殊武器を放つ。特殊武器は使用回数に限りがあり、ストックが尽きると出せなくなる。
      • 乗り物に近づいた状態でジャンプするとその乗り物に搭乗し、それを操作できる(下記)。
    • 乗り物搭乗時の操作系統。
      • レバーで乗り物の八方向移動、兼乗り物の向き方向の位置調整。
      • Aボタンで乗り物が向いている方向へメインショットを放つ。
      • Aボタンを押しっぱなしにし、下のゲージが溜まった頃合にボタンを離すと溜め撃ちができる。
      • Bボタンで乗り物から降り、使用キャラ時に戻る事ができる。
      • A・Bボタン同時押しで乗り物を向いている方向へ「ショックアタック」を行い、強制的に使用キャラ時に戻る事ができる。但し、ショックアタック後の乗り物は大破してしまう。
  • 乗り物について。
    • ステージ内の特定場所には「乗り物」が放置されており、上記の操作を行えばそれに搭乗できる。
      • 乗り物搭乗中にダメージをもらっても、ダメージ蓄積は乗り物側の負担となり、使用キャラ側のライフに被害を及ぼす事はない。
      • 乗り物は専用のメインショットでの攻撃手段となる。また、人型の敵に触れるだけで轢殺できる効果もある。
      • 乗り物搭乗中は使用キャラ時でいうところの「方向固定・ジャンプ動作・特殊攻撃」の行動は一切行えない。
      • 乗り物という関係上、やられ判定が使用キャラ時のそれよりも大きく、敵弾が避け辛くなる。よって、長期の乗り回しはまず不可能である。
      • 「乗り物のダメージ蓄積が限界を超えてしまう」か「ショックアタックを行う」と、乗り物は大破してしまう。
        前者の場合は一定時間経過すると乗り物が爆発してしまう。その間に乗り物から降りずに放置していると、使用キャラ側がダメージをもらってしまうペナルティ。
    • 乗り物には以下の3種類がある。
      • 「ノーマル戦車」…攻撃範囲が狭いメインショットを放てる戦車。移動スピードは鈍い。溜め撃ちは貫通性能と高破壊力を誇る一方向ショットが放てる。
      • 「武装トラック」…攻撃範囲が広めのメインショットを放てるトラック。移動スピードは速い。溜め撃ちは360度方向に砲台を回転させながら撒くショットが放てる。
      • 「警備ロボット」…攻撃範囲が広いメインショットを放てるロボット。移動スピードは並。溜め撃ちは射程距離こそは短いものの超絶級の威力を誇るパンチが放てる。
  • 特殊なボーナスについて。
    • 本作は以下の行動を起こす事で、特殊なボーナス(スコアアップなど)が入る仕組みとなっている。
    • 「追い討ちボーナス」
      • 人型の敵をメインショットで撃ち込むと、すでに倒した状態であっても追い討ちができ、完全に事切れるまで撃ち込みスコアボーナスが入る。
      • また、追い討ち中に撃ち込みながら人型敵に接近し、接近攻撃でとどめを刺すというテクニックも可能。
    • 「接近攻撃ボーナス」
      • 人型の敵を接近攻撃で倒すと必ずアイテムを落とす。敵に接近しなければならない危険を伴うが、これを利用すればスコアアップやライフ回復のチャンスを図れる。
    • 「乗り物攻撃ボーナス」
      • 乗り物登搭載に溜め撃ちで敵を倒すとスコアに倍率がかかる。溜め撃ちまでの溜めが長ければ、倍率の数値がより高くなる。
    • 「逃走者救出ボーナス」
      • ステージ内には時折助けを求める「逃走者」が逃げている。これに使用キャラ(乗り物)が触れると「美女」か「ドクロ」のどちらかに変化する。
      • 逃走者が美女だった場合、そのまま画面端まで逃してあげれば特別スコアが入手できる。但し、逃走中に美女を攻撃すると殺害扱いとなり特別スコアは入手できない。
      • 逃走者がドクロだった場合、その場で自爆してしまう。これに使用キャラが触れるとダメージをもらってしまう。
      • 逃走者に触れず、そのまま画面端まで逃してあげる事もできる。この場合、一切の特別スコアやペナルティは発生しない。
    • 「プレートボーナス」
      • アイテムであるアルファベット型の「プレート」を特定数入手すると特別ボーナスが入手できる。
      • 使用キャラ、及びプレイ人数によって集めなければならないプレートのアルファベットに相違がある*4
    • 「ニュートラルボーナス」
      • しばらくニュートラル(コントローラー操作を放置した)状態後に、何かしらの行動を起こすと特別ボーナスが入手できる。
    • 「ステージクリアボーナス」
      • 各ステージをクリアすると、プレイ結果によって様々なスコアが入手できる。
  • アイテムについて。
    • 「人型敵を接近攻撃で倒す」「特定の破壊物を壊す」「使用キャラがダメージをもらう、もしくはミスをする」といった行動を起こすと、何かのアイテムが出現する。
      • 「銃アイテム」を取得すると、特殊な性能を持つメインショットを一定弾数だけ放つ事ができる(使用キャラ時のみ)。弾数が尽きると通常のメインショットに戻る。
    • 主なアイテムは以下の通り。
  • 銃アイテム系。なお、所持中に被弾すると、武器ゲージを消費するもののライフは失われない。ダメージを肩代わりさせられる。
    • 「フレイムスロウワー (F)」…敵を焼き尽くすバーナー型ショットが放てる。
    • 「ミサイルランチャー (M)」…攻撃力の高い六方向ミサイルランチャーが放てる。
    • 「ラウンドチャージャー (R)」…全方八方向のショットが放てる。溜め撃ちも可能。
    • 「ブーメランガン (B)」…貫通性能を持つブーメラン型ショットが放てる。
  • その他のアイテム。
    • 「ライフ (L)」…ライフを少量回復してくれる効果。
    • 「パワー (P)」…3つ集めるとメインショットがパワーアップする効果。
    • 「フルパワー(PPP)」…コンティニュー時限定で登場するアイテム。これ1つでパワーアップが最強になる効果。
    • 「ウエポン (W)」…特殊武器のストックが1増える効果。
    • 「エネルギー (E)」…使用している銃アイテムの弾数を回復する効果。
    • 「勲章」…スコアアップの効果。取得のタイミングによってスコアが変わる。
    • 「プレート」…様々なアルファベットが書かれたプレート。効果の詳細は上記のプレートボーナスの項を参照にされたし。
  • ミス条件について。
    • 敵の攻撃や弾に触れる事によるダメージのライフ制。それに加えて残機制の兼ねる。ミス後は途中復活となる。
      • ダメージ以外でも各ステージに定められた制限時間が0になってしまう事でもミスとなる。制限時間はボス戦まで進むか、ミスをする事によって若干量の回復ができる。
      • ミスするとペナルティとしてパワーランクが1つ下がり、入手していたPアイテムが周辺にばら撒かれてしまう。また、特殊武器のストックを初期値以上に持っていた場合は初期値まで減らされる。初期値以下の場合は弾数そのまま。
    • コンティニュー後は途中復活での再開となる。またコンティニュー時には救済処置としてPPPアイテムが必ず出現する。

批評点

  • 前作のシステムを踏襲しつつも、新たな要素も導入されている。
    • 基本的な操作系統は前作とさほど変わっておらず、前作プレイヤーならばすんなり入り込める内容である。
      • 「八方向に移動し、様々な角度から襲ってくる敵共を破壊する」というプレイスタイルは前作と全く同じである。
      • ただひたすらに撃ちまくるのもよし、接近攻撃でアイテムゲットを狙うもよし、スコア稼ぎに特化した上級プレイを目指すもよし、と様々な楽しみ方を持っている。
    • その一方で前作から変更されたシステムも幾つかある。
      • 回避動作がジャンプに変更された影響で、前作の前転とは違い「その場から動かない状態」での回避が可能となっている。
        また、「ジャンプ中にレバーで使用キャラの位置を調整し、危険な着地を避けていく」というテクニックも必至となってくる。
      • 前作以上にスコアラー向けの稼ぎボーナスが加えられ、「危険を冒してでも稼ぎを目指す」楽しみが増している。
    • メタルスラッグシリーズ』の影響を受けた要素もちらほらと…。
      • 「乗り物に搭乗し、重量感溢れる動きで敵共を倒していく様」はまさにメタスラのノリである。また、ショックアタックはあちらでいうところのメタスラアタックと同じ攻撃手段となっている。
      • 逃走者救出ボーナスはあちらでいうところの捕虜救出と似た様な要素であるが、本作は「彼女(逃走者)を巻き添えで攻撃すると死んでしまう」という相違がある。
  • 前作よりも難易度が高い傾向にある。
    • 敵の攻撃パターンが前作よりも増えており、ダメージをもらう機会に遭遇しやすい。
      • 道中戦では「人型敵の出現数が増え、弾を高速でばら撒いてくる」「耐久度の高い機械敵の出現回数が増えた」といった要因により、前作以上に気が抜けない戦況となっている。
      • ボス戦に関しても「耐久度と攻撃バリエーションの大幅強化」により、苦戦する環境が増している。
        特にラスボス戦は前作のそれが可愛らしく思える程に凶悪であり、相当な慣れとパターン把握を駆使しないとノーコンティニュークリアは極めて困難である。
      • 攻撃力の高い男性陣はラスボス本体以外の攻撃パーツを1個ずつ壊していく戦法が取れるが、女性陣は制限時間の関係で全攻撃パーツからの弾幕を回避しつつラスボス本体を狙い撃たないといけない。
      • 前作にはなかった残機制が追加された反面、使用キャラのダメージ耐久力がかなり低くなっている。最高の耐久力を誇るレオンを使用していても、3~4回も被弾すればミスになってしまう。
        ステージクリア後のライフ回復ボーナスが存在しない上に、追い討ちをかけるかの如く本作のLアイテムの出現率が大分低く、大ダメージ状態の回復は極めて難しい。
  • 前作よりもボリュームダウンながらも作り込み重視となった。
    • ボリューム面の縮小傾向化。
      • 本作は「総7ステージ・全5ステージ構成・使用キャラ4人」であり、前作の「総17ステージ・全6~7ステージ構成・使用キャラ8人」に比べると、明らかにボリュームダウンしている。
      • 本作のルート分岐は「ステージ2~3が2ルートに変化する」だけに留まり、ルート分岐の多彩化に関しても前作より劣っている。
        なお、どのルートで進もうがルート通過後のステージ変化はないが、エンディングはラスボス戦を撃破するか、制限時間が0になった状態でも倒せなかったで分岐する様になった。
      • プレイヤーセレクト時のチームバトル廃止に関しては、使用キャラ数縮小、及び前作からしてチームバトルの意義が薄かった事情もあり、あまり批判材料にはなっていない。
    • しかし、個々の作り込みという意味では前作以上の強化がされている。
      • 前作の使用キャラのメインショットは攻撃力の差異だけの性能差だったが、本作はショット性能そのものが完全差別化され、各キャラ毎に個性あるショットを撃ちまくる楽しみが増している。
      • 使い回し素材が多かった前作と比べて敵のバリエーションがある程度増えた。ボス戦に至っては各ステージすべてに専属のボスが配置されている。
  • 相変わらずグラフィック・BGM周りの評価は高い。
    • 前作以上にグラフィックの書き込みが繊細化している。。
      • 使用キャラや敵などのアニメーションパターンがより滑らかになっている。また、機械敵のパーツの多さと動きの細かさも見所の一つである。
      • 既にハードスペック的な限界に達しつつあったMVS製ながらも、レンタリング加工によるなめらかな質感で表現された背景グラフィックはかなり頑張っている。
    • 演出面の凝り様も前作以上。
      • 「ぬめぬめと動きながら戦陣を組み襲い掛かる人型敵」「ボス戦前のアラートキャッチ」といった前作にはなかった演出面の強化がされている。
      • その反面、前作よりもグロテスク表現が微小にマイルド化し、人型敵の死にバリエーションは少し減ってしまった。前作がやりすぎだったとスタッフが判断したからこうなったのかもしれない。
    • 本作のBGMはテクノ・レイブ調の楽曲がメインとなっている。
      • 前作のロックメイン楽曲も熱かったが、こっちはこっちで負けず劣らずの熱さである。特に最終ステージのメインBGMのハイテンションレイブ曲はアドレナリン大放出レベルのかっこよさ。
      • スタッフロールはクラブで流れていても違和感がなさそうなハウス調楽曲というオサレっぷり。もちろん、これもかっこいい良曲である。
  • 前作よりもキャラクター描写が強くなった。
    • 前作ではいまいち使用キャラの性格が見えにくかった反省からか、本作はキャラの会話のやり取りが増強されている。
      • 「各ステージ開始前」「ボス戦前」「ボス撃破後」には必ず使用キャラによる会話キャッチが挟まれる。
        キャラ分の会話の差異はもちろん、ボス撃破時の残ライフ量による差異や二人同時プレイ時でも違う会話が用意されているというこだわり様である。
  • 前作と比べ、スト-リー描写は若干オミットされてしまった節がある。
    • 前作はステージクリア後に悪役側の視線によるイベントが挟まれたが、本作では一切発生しなくなった。
      • これにより「どういう環境でストーリーが進んでいるのか」という描写が薄くなり、やや事務的なステージ進行になってしまった。
      • また、前作では簡素とはいえ使用キャラによる個別エンディングが用意されていたが、本作ではそれが廃され全キャラ共通のエンディングである*5
  • 前作からボイス面も強化された。
    • 棒読みだらけだった前作のボイスから一転、本作は凝ったセリフ回しによるボイス収録となっている。
      • 前作同様にボイス数自体はあまり多いとはいえないが、少なくとも前作に比べると苦笑を誘う安っぽい声質からは脱却している。
      • その反面、倒された人型敵の断末魔は前作の痛々しい悲鳴から一変し、何故か棒読みボイスと化している。「おぅ↓ おぅ↓ おぅ↓ おぅ↓ おおぅ↓」
  • 前作から雰囲気の変わったデザインセンス。
    • 近未来色の強いステージ舞台。
      • 前作は「ワイルドな戦場劇」といった趣旨の舞台だったが、本作においては「サイバーな戦場劇」といった舞台になっている。
      • よって、本作は近未来を意識したステージ構造が主流となり、前作の様な自然に囲まれた場面で戦う状況がほとんどない。
    • キャラクターデザインの変更点。
      • 前作に比べるとキャラクターの等身が少し低くなり、ややコミカル色の強い外観となっている。この辺もメタスラ寄りのデザインに近づいたといえる。
      • また、前作のキャラは濃い目のデザインだったが、本作はそういう濃さが控えめとなり万人向けのデザインとなっている。
        良くいえば「デザインのクセが抑えられた」といえるし、悪くいえば「プレイヤーに媚びたデザインと化した」と解釈できる。
  • いまいち存在感の薄い黒幕達。
    • 本作の黒幕であるナカトミと、彼を影で操る真の黒幕の存在感がどうも薄い。
      • ナカトミはステージ4のボス戦前で初登場し、ラスボス戦前までは余裕を見せるが、その後はあっさりと退場してしまい、どうも存在が中途半端になっている気がする。
      • 真の黒幕に関してもラスボス戦前に初登場するが、本当に何の前触れもなく登場するので、一見では「あんた誰?」みたいな存在にしか見えない。
      • ステージ序盤から悪事を働き、その強烈なビジュアルで嫌でも忘れられない風貌を見せ付けた前作の黒幕に比べると、どうしても彼らの悪役としての存在感は見劣りしてしまう。
      • ナカトミ・真の黒幕共にその容姿は非常にかっこよく、外見上では悪のカリスマになれる素質は持っているはずなのだが…。

総評

  • すべてにおいて進化したとはいえないものの、前作の問題点が幾らか改善された続編であり、前作同様に無難に遊べる内容となっている模様。
  • 複数のシリーズ化がなされる事になる『メタルスラッグシリーズ』とは対照的に、ショックトルーパーズ関連は計2作品しかリリースされていないのが悲しい次第である。

家庭用移殖

  • ネオジオROM版(1998年6月24日発売、ザウルス)
    • 前作とは違い、本作はちゃんと家庭用移殖がされている。なお、ネオジオCD版や他機種による移殖はされなかった。
    • 流石にネオジオROM版だけあって、移殖度はほぼ完璧である。しかし、ネオジオROM全般の例に漏れず、定価が30,000円とかなり高額設定で購入のハードルが高すぎる難点がある。
    • バーチャルコンソール版はこのネオジオROM版基準での配信となっている。