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スペランカー - (2018/04/17 (火) 16:25:44) の編集履歴(バックアップ)




スペランカー (FC)

【すぺらんかー】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 アイレム
開発元 アイレム、トーセ
発売日 1985年12月7日
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年8月28日/500Wiiポイント
【3DS】2012年12月19日
【WiiU】2013年4月27日/上記共に500円
判定 なし
ポイント ファミコンゲームの中でも1,2を争うほどの虚弱体質な主人公
それゆえに愛されるようになった主人公
操作性は悪く激ムズだが、実は死にやすさもバランス取りの一環
佳作と呼べる出来だが、世間一般からクソゲーと見なされる悲しい現実
その知名度(?)からリメイク作まで発売
スペランカーシリーズ

概要

本作はもともと1983年に米国のマイクロ・グラフィック・イメージ社がATARI-8bitプラットホームで発売したソフトであり、日本で知られているファミコン版は、そのライセンスを取得したアイレムがリリースしたものである。*1

特徴

  • 主人公の探検家を操作して洞窟を探検する2Dアクションゲーム。
    • 洞窟の中には様々な仕掛けやカギ付き扉があり、主人公は落ちているアイテムを集めながらそれらを突破していく。
  • 十字ボタンで移動、Aボタンでジャンプ。
    • Bボタンは単体で押すと攻撃。十字ボタン上下と組み合わせることで「フラッシュ」「ダイナマイト」を使える。
      • 「フラッシュ」と「ダイナマイト」は道中に落ちているものを入手する必要がある。
      • 数には余裕があるので、仕様箇所を間違えてもある程度はリカバーできる。
  • 画面上部にエネルギーが表示されている。
    • 時間経過で減り、切らすと死ぬ。
    • 道中には「エネルギー」が設置されているので、それに触れることで満タンまで回復する。
  • 主人公が非情なまでに弱い。
    • 蝙蝠の糞を浴びただけで死亡。
    • 岩や、一部の壁を吹き飛ばすのに「ダイナマイト」を使用する必要があるが、設置後にある程度距離を取っていないと爆風に巻き込まれて死亡。*2
    • 蝙蝠への対処としては「フラッシュ」を打ち上げる必要があるが、降下してきた「フラッシュ」に接触すると死亡。
      • なお蝙蝠は、フラッシュをたいている間のみ一時的に消滅するが、倒すことはできない。「フラッシュ」が地面まで落ちて消えると、蝙蝠は復活してくる。またフラッシュ中も、蝙蝠が消滅前にばらまいていた糞は残る。
    • 「ブラスター」を乱射しすぎると、エネルギー切れで死亡。先述の「フラッシュ」と「ダイナマイト」とあわせて、自分が持ってきた装備が原因で死ぬので使いどころには注意する必要がある。
      • エネルギー切れで死んだ際はヘルメットを顔にかぶせて倒れるという特殊なグラフィックで死亡するが、たいていの場合はそれ以外の要因でお亡くなりになる為、このグラフィックを拝むのはなかなか珍しかったりする。
    • たまに出没する幽霊に触れると死亡。「ブラスター」を使う事で倒す事が出来るが、撃ち続けることで徐々に消滅させるという形式であり、まだ消滅しきっていない幽霊の残骸に触れてしまうと死亡。
      • 「ブラスター」は一定の距離範囲内にいる幽霊を倒す事が出来るが、その範囲は可視化されないので確実に使用するにはコツをつかむ必要がある。撃っている間、制限時間を兼ねたエネルギーも急速に消耗していく。
      • また、「ブラスター」の発射中は数秒間動けない為、あまりに至近距離で使うと消えゆく幽霊の残り香に当たってお亡くなりになる。
    • 自分の身長ほどの深さの穴に落ちて死亡。
      • 「落下死」を「落下して地面にぶつかった瞬間」ではなく「一定距離落下した時点」で判定する仕様になっているため、まだ落ちきっていなくても死んでしまうこともしばしば。
      • 主人公の身長はドットに換算すると16ドットであり、耐えられる高さは14ドットまで。これを1ドットでも超えたら死亡。
        つまり、下り坂でジャンプすると死亡。*3
      • 噴水リフトの降下中にジャンプしても当然死亡。
    • ロープから飛び移れずに死亡。
    • ゲームスタート直後に歩いて床の上に移動しようとすると、ゴンドラから落っこちて死亡*4
      • ちなみに「エレベーター下降中にジャンプすると落下判定で死亡する」というのはガセネタ*5
        同じように落下死亡があった他のゲーム(例えばドンキーコングは3面の下降エレベーターで実際にマリオが死ぬ)あたりとの混同か、
        「主人公が弱い」という評判だけが一人歩きした結果、いつしかゲーマーたちの間に都市伝説として定着してしまったものと思われる。
        また、先述の通り、噴水リフトが自動降下している最中に垂直ジャンプするとお亡くなりになるのでこの現象が混同された可能性もある。
  • 攻撃の判定が強め
    • 「フラッシュ」にせよ「ブラスター」にせよ、適当に発射するだけで蝙蝠や幽霊は消える。全方位への攻撃なので、射線を合わせるどころか、向きすら合っていなくていい。背中向きでも、地形越しでも攻撃できる。「フラッシュ」に至っては射程の制限すらなく、地面に落ちるまでの間は全ての蝙蝠が一斉に消える。
      • もっともブラスターが地形で遮蔽されたら幽霊を倒すのが極めて難しくなるし、壁の向こうの蝙蝠をフラッシュで消すメリットも特にないのだが。攻撃手段が優秀なことは間違いない。
      • なお特徴の項で触れた通り、「フラッシュ」自体の残骸や蝙蝠の残した糞に注意する必要があるとか、「ブラスター」の有効範囲が分かりにくいとか、いずれの装備も使える回数が限られるとかいった要素はある。
    • 「ダイナマイト」の有効範囲も広めなので、設置地点はかなりアバウトで問題ない。なまじ範囲が広いため、スぺランカー当人がしばしば自爆するわけだが。

賛否両論点

  • 幽霊の存在
    • 前述したようにランダムなタイミングで出現するので、プレイする度に内容が変わるアドリブ性を生んでいる。
    • しかし足場が不安定なときなどに出現すると対処が難しく、やや理不尽に感じられることもある。

問題点

  • 操作性がシビア。
    • 死にやすいゲームであるが故に、結構辛い問題である。
    • 特に、ロープから飛ぶときにAボタンのタイミングが合わず垂直落下する姿は、もはやお約束。慣れたプレイヤーでも落下死は多い。
      • ロープにつかまっている間は数ドットだが左右に移動する事が出来、飛び移るには落っこちないギリギリのタイミングで左右を押しながらジャンプをする必要がある。操作の反応は悪くなく、ドット単位の精密な動作が求められるという事。
    • ゲーム中に主人公が高速化する隠しアイテムがあるが、これを取ってしまうと主人公が制御不能な速さで動くようになり、かえって死にやすくなる。
      • 肯定的な見方をすれば、「現実の人間に近い」と言えなくもないかもしれない。
  • 左右スクロールが画面単位
    • ロープからロープに飛び移る必要がある場面で一定時間スクロールの為に停止させられ、十字ボタンを押すタイミングが狂い、ロープをつかみ損ねて死んでしまう事が多々ある。
    • これは、FCの仕様上仕方のない部分である。全方向任意スクロールにすると、画面端で背景の書き換えをしてる様子が見えてしまうので、その対策と思われる。

評価点

  • これまで挙げてきた点を全て本作の正常な仕様と受け止め、セオリーを理解さえすれば、迂闊な行動を許さない歯応えのあるアクションゲームとして楽しめる。ゲーム設計は決して理不尽なものではなく、プレイヤーの経験・テクニックの向上に応じて攻略も進むバランスになっている。
    • 梯子からのジャンプだけは難しいが、それ以外の操作性は良く、ゲーム性と上手く噛み合っている。
  • 多少の戦略性がある
    • 「フラッシュ」を使うと楽になる箇所、「ダイナマイト」を使うと「巨大ダイア」が出る箇所などは使わなくてもクリアは出来る。
    • 「エネルギー」はジャンプでよけられるので、エネルギーに余裕があるときは残しておくことができる。
  • 隠しアイテムが多い
    • 特定の個所を爆破すると「巨大ダイア」が出てくるなどの隠された部分も多い、死にまくるバランス故見落としがちになるが、操作に慣れてきた頃に少しでも怪しいと思った場所を調べると色々な発見が出来て楽しい。
    • 周回プレイとなると特定の動作をしないと鍵が手に入らないという要素も加わる。
  • SEや音楽などが印象深い。死亡時のSEは特に耳に残りやすい。

総評

本作独特の操作性を理解できない事には、理不尽ゲーもしくはクソゲーと思われても致し方ないのは事実であり、習熟する前に挫折するプレイヤーも多かった。

しかし、実は極めると遊べないこともない佳作で、その知名度からネットでは最速動画やら256周クリアやら得点カウントがオーバーフローして0点に戻る瞬間映像やらが出回っている。そういった部分から見ると、「単なるクソゲーでは片付けられない、一言では表わせない魅力も持ち合わせている隠れた名作ゲーム」ともいえる。

もっとも、現在においてはすっかりクソゲーのイメージが定着してしまっている為、多くの人がもっているであろう「スペランカーはクソゲー」という認識は、悲しいかな、覆らないだろう。

好意的に考えれば、坂道でジャンプしただけでご臨終になる姿、身長ほどの穴に落ちて死ぬ姿、必死にコウモリのウンコをかわす姿は、ある意味おバカで微笑ましい(?)。
結果的に本作の主人公は虚弱さのアイコンとして認知されてファミコン世代の定番ネタとして定着し、ゲーム以外のメディアにも進出して愛でられ続けている。


その後の展開

  • 続編に1987年FCにて発売の『スペランカーII 勇者への挑戦』がある。
    • こちらはもはや別物といった作品になっている。詳しくは該当記事を参照。
  • 2011年12月16日、スペランカーシリーズでの日本の販売権はアーケード版の『ロードランナー』や本作のFC版を手掛けた、スコット・津村氏が率いるTozai Gamesに移管された。
    • その後、後述するAC版を含む移植作品をまとめたPS3用のオムニバスソフト『スペランカーコレクション』にオリジナルのATARI-8bit版と共に移植された。なお、オリジナルとなったATARI-8bit版は
      原作者であるティム・マーティン氏のアドバイスにより1984年にブローダーバンド社から再販されたバージョン*6を収録している。
  • PS3においてオンライン対応のリメイク作品『みんなでスペランカー』がダウンロード配信されている(こちらはオンラインモードが楽しいと概ね好評である)。
    • 更にPS4/PSVで基本無料の後継作『みんなでスペランカーZ』が配信。こちらは装備が有料ガチャで手に入れる方式になっている。
    • 2017年4月20日には『みんなでスペランカーZ』をベースとした『みんなでワイワイ!スペランカー』がNintendo Switch用ソフトとして発売された。

余談

  • 「洞窟探検家」を意味する英単語の内、「caver=きちんと準備して行く本格派の人」、「spelunker=大した装備も無しにホイホイ軽はずみに潜って行くような人」といったニュアンスがある。spelunkerとは聞き慣れない英単語であるが、このゲームの本質を一言で見事に言い表していると言えよう。タイトルの意味を考えれば主人公の死に易さにも納得はいくかもしれない。
  • 「電撃(マ)王」で本作の専用コーナーが生まれた。「スペランカー=主人公が異様に虚弱体質で難しいゲーム」「クソゲーの帝王」というイメージ定着の一端を担っている。
    • 本作を「虚弱の代名詞」としてネタに使用する例は多く、例えば漫画『ハヤテのごとく!』や『銀魂』でも見られた。
  • アイレムの公式ホームページのコンテンツ「ふる里4コマ小唄」では、数回の更新毎に本作の主人公がモデルのスペランカー先生というキャラが活躍するネタが描かれていた。
    • 身体能力こそ本作ほど酷くはない(むしろその場で自分の身長ほどもジャンプできるなど人間離れした能力ともいえる)が、何かにつけて死ぬ虚弱体質ぶりは相変わらずである。
      なお、2009年に書籍化(コンテンツの書籍なのでスペランカー先生以外も掲載されている)され、2011年にはアニメDVDが販売されている。
      • アニメ版のCVはゲーム好きとしても知られる杉田智和氏、そして主題歌はセガの光吉猛修氏先生何やってるんですか。
  • Wiiのバーチャルコンソールでは、一時的にではあるが、本作が『スーパーマリオブラザーズ』を抑えてDLランキング1位になった事がある。
  • バンナムのAC作品『太鼓の達人11』に本作のBGMのメドレーが収録され、「メインテーマの開始直後に死亡ジングル」、「死亡ジングルの間だけゴーゴータイム(本来サビなど盛り上がる所に入る、得点が増える地帯)になる」、「最後も連続死亡してゲームオーバー」と、このゲームの主人公の死にやすさをネタにした曲・譜面構成となっている。
  • スポーツ選手などが故障した場合に「スペる」と呼ばれたり、頻繁に故障する選手を「スぺ体質」と呼ぶ事があるが、このゲームの貧弱さが元ネタとなっている。もはやスぺの二文字ですべてを言い表せるほど知名度が高いともいえるが
    • 関係あるのかどうかはわからないが元ロッテの諸積選手のヒッティングマーチに本作のメインBGMが使用されていた事があった。

スペランカー (AC)

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
発売元 アイレム
稼動開始日 1986年
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント 虚弱体質が改善され、バリバリと敵を倒す先生
FC版をベースにしているが変更箇所が多い
スペランカーシリーズ

概要(AC)

ファミコン版の翌年にアーケード版がリリース。しかし、そちらと比べ知名度はかなり低い。

FC版と同様に残機制の即死アクションゲームだが、ゲーム性に大きな変更が加えられた。
鍵と宝を集めつつ、どんどんと洞窟の深部に進んでいくといった基本部分と同様だが、虚弱体質だった先生が、高い段差から落ちてもダメージを受けるだけで即死にはならず、大幅なドーピング(?)が施された。
一部プレイヤーからはこの強化に対し、「こんなの先生の皮をかぶった何かだ!」と突っ込まれている。
しかしながら、何もしなくてもライフがどんどん減少していくという副作用(?)があり*7、ファミコン版以上に急ぎプレイが要求される作りとなっている。

ファミコン版からの変更点(AC)

  • ファミコン版では15ドットの高さから飛び降りるだけで死んでいたが、先述の通り、飛び降りている間は制御が出来ずに着地時に一定時間気絶するだけで死亡しない。
    • どれほど強化されたかというと、ステージ1の一番上の階層から一番下まで飛び降りてもピンピンしていると言えるほどの強化ぶりである。1.5メートルの坂道で死んでいた人が500メートル飛び降りてもちょっと気絶する程度で済むという超人的な肉体を手に入れた。
      • 深度を現すパラメーターが追加されており、現在何メートルまで下りているかがわかるようになっている。
      • ダメージ自体は着地時に入るのではなく、判定そのものはFC版同様に「一定高度以上落下するとその場で落下判定となる」。一度落下判定になると、着地までダメージが入り続けるので、あまりに高い場所から落下すると死亡しないまでも瀕死にはなる。
  • 開始時にゴンドラに引っかかって死亡する事も当然なくなり、見た目通りに歩いて降りられるようになっている。先述の強化も相まって、アクションのミスによる死亡がほぼなくなった。
    • FC版では問題となっていたロープからの飛び移りも改善されており、ロープにつかまっている最中に左右にキーを入れると、(一定時間なら)飛び下りずに固定される為、安全にジャンプできるようになった、しかし、キーを入れない場合は徐々に下がるといった変更点も見られる。
  • 幽霊以外にはさっぱり役に立たなかった「ブラスター」は「エネルギーを消費せず」に直接弾を発射して敵を攻撃する形になり、幽霊以外の敵でも一定時間怯ませるか、直接倒せるといった超強化が施されている。
    • このため、AC版のスペランカーはFC版に比べて異様に逞しくなってしまい、FC版を知る人からは寂しく映ってしまう事になってしまった。
      • また、FC版に存在していた「フラッシュ」はカットされた。
  • スペランカーの外見も赤鼻で口ひげを生やしておりイメージが変わっている他、BGMや効果音もすべてFC版から変更されており、面影はあまり残っていない。
  • 死ににくくはなったものの、敵やトラップに接触したり、自分の設置したダイナマイトに巻き込まれると一発死してしまう。
    • 敵のバリエーションや行動パターンはFC版に比べて非常に豊かになっており、蝙蝠は糞を発射せずに急降下によってスペランカーの命を奪うといった変更も見られる。このように敵が何もしなくてもプレイヤーが勝手に死んでいたFC版とは違って、本気でスペランカーを殺しにかかってくるような動きをしてくる。
      • 主なゲーム性は時間経過で徐々に減っていくエネルギーを各所においてある回復アイテムで補充しつつ敵の攻撃をかわして先に進むというオーソドックスなアクションゲームになった。

評価点(AC)

  • グラフィックの大幅パワーアップ
    • やはりアーケード版であるのでFC版とはスペックが違い、洞窟の背景などのグラフィックが描き込まれている
    • 主人公や敵のグラフィックもかなり大きめに描かれており、表情などの細部がわかるようになった。
      • 主人公が壁やゴンドラにぶつかって跳ね返されたり、気絶するなどお茶目なアクションも追加されている。
      • エンディングもAC版の独特のものに変更されており、その際のグラフィックも描き込まれている。
  • システムの変更によってハードルが下がった
    • 先述の通り、先生の強化やロープアクションの改善によってFC版ほどシビアな操作をしなくともよくなった。
      • 「ブラスター」もFC版では射程が分かりづらかったが、AC版では直接弾をあてる形に変わったので見た目にもわかりやすい。
  • 謎解き要素
    • 特定の地点を通る事で隠し通路やロープが出現し、ルートが分岐する場所が多い。一見すると取れなさそうな宝箱も特定の地点を通過するなどで取れるようになる、ショートカットが出来る等の抜け道が多数用意されている。
      • ショートカットにより、すべての鍵を集める必要がなくなり、いくつかの鍵をスルーできるようになる。これによって通らなくて済む難所がある。

問題点(AC)

  • ハマり要素がある
    • ゴンドラから飛び降りて最下層まで落ちてしまった時など、戻る事が不可能になってしまい鍵が手に入らない事によって先に進めずに詰みとなる。
    • FC版同様、死亡後の復活ポイントは最後にアイテムを取った場所となる為、落下後にアイテムを取ってしまった場合は戻れない。コンティニューは可能だが、潔く一度ゲームオーバーになって最初からやり直すハメになる。
  • 難易度が高い
    • 敵のロジックがかなり嫌らしく、最初のステージから攻撃射程範囲に入った瞬間に避けられない速度で火を吹いてこちらを瞬殺してくるような敵が出現する
      • どの敵も全体的に、殺せると判断したタイミングで即座に攻撃に入り、ほぼ確実にこちらの命を奪ってくる。対処法を知らなければあっという間に屍を重ねる事になる。
    • また、エネルギーの減少速度はかなり早いのでゆっくりと敵の様子を窺ったりマップを探索する事は出来ない。
      • 周回を重ねると更に早くなる。ちなみに、5周ほどでスコアカウンターが1周し(カンストはせず0点に戻る)、その直前に無限エクステンドが入るのでよほど運が悪くなければ終わらなくなる。
  • BGM、SEの総差し替え
    • FC版での印象的なメインテーマ、幽霊出現のBGM、死んだ時の音等の全てが差し替えられてしまったので同名の関連作品でありながらほぼ別物になってしまった。
      • クオリティそのものが悪いわけではないのだが「スペランカーといえばこの音」と言えるものが変更されてしまったのでらしさが消えてしまった。
      • マップやルールはFC版をベースにしている為に面影が残っており、全くの別物と割り切る事が出来ないのももどかしい点でもある。

総評(AC)

全体的に見れば完成度が低いわけではなく、当時のアーケードゲームでも標準的なアクションゲームだが、やはりスペランカーの最大の特徴である虚弱体質な死にゲーという部分が変えられてしまったために印象が薄くなってしまった感は否めない。

ただ、この部分に関しては開発者による解説によると、「100円を投入してもらい、いかに最低3分間は楽しんで頂くかを考えた」「コンソール版のシビアな判定のままでは、人によっては100円が5秒で無くなってしまう」とのことでコンセプトの違いによる物である*8
実際にこの変更により、いきなりわけもわからずにアクションで死んでつまづくという事はほとんどなくなり、敵の凶悪な攻撃に対処しつつ洞窟を探検するという楽しみ方が出来るようになった。

しかし、変更部分があまりにも多いためにFC版を知る人からは受け入れられない人も一定数おり、アクションゲームとしても傑出した出来とはいかない為、FC版と比べてマイナーな存在になってしまった。


余談(AC)

  • この時期のたいていのゲームはアーケード版が発売された後にコンシューマー版に移植されるという形が多く、その際にインカムの都合上、アーケード版では難しくしていた部分をプレイしやすいように調整して遊びやすくなるのが常だった。
    だがこのゲームは、アーケードのほうがファミコン版からの移植だという珍しいケースである。もっとも、本作の難易度そのものはFC版と同様に高いのだが。
    • 「家庭用ゲームは操作が難しいが習熟すれば遊びやすくなる」「アーケードゲームは操作は比較的シンプルないしは直感的だが、ガチでプレイヤーを殺しに来る」というバランス関係は本作でも維持されている。
  • FC版同様に本作の続編に『スペランカーII 23の鍵』が存在。システム面は本作と同様だが、「スケボーで滑る」や「泳ぐ」等アクションの追加や仕掛けの増加等により、全体的に前作よりも難易度は上昇している。
  • 近年まで移植もされず、AC版は半ばレアな存在となっていたが、PS3にてスペランカーの各種移植版をまとめたオムニバスソフト『スペランカーコレクション』に続編と併せて移植されたことで再び日の目を見ることとなった。