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ドラえもん3 魔界のダンジョン - (2019/02/15 (金) 00:07:33) の編集履歴(バックアップ)
ドラえもん3 魔界のダンジョン
【どらえもんすりー まかいのだんじょん】
ジャンル
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ローグライク
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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エポック社
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開発元
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カンズ イートレックジャパン
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発売日
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2000年12月14日
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定価
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5,800円
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廉価版
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復刻版:2002年4月4日/2,800円
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判定
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なし
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ドラえもんゲームリンク
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ストーリー
学校では先生に叱られ、スネ夫やジャイアンには馬鹿にされ、しずかちゃんは出来杉君と出かけ、家でもママに怒られる。
「こんな生活は嫌だ!自分だけの世界が欲しい!」と、(いつものように)のび太は嘆きます。
そこでドラえもんは、地下にある自然にできた空洞を見つける道具『どこでもホール』を使い、いつもの空き地の地下に大きな空洞を見つけました。
ここを自分だけの秘密基地にしようと張り切るのび太でしたが、空洞の奥には謎の古ぼけた祭壇が。
ドラえもんに祭壇を修復してもらい、なんとなしに流行っていたカードゲームの召喚呪文を唱えると、祭壇が光り輝き、謎の生物「ピット」が出現。
ピットには敵意がなく、のび太はすぐに仲良しになりました。
その後、空洞ではのび太が誘ったしずかちゃんとなんやかんやで見つかってしまったスネ夫とジャイアンも含めたいつもの5人で、ドラえもんの道具を使って冒険ごっこをして遊んでいました。
しかし、先行していたドラえもん達4人の目の前に出した覚えのない魔物が出現。更に謎の声が響きます。
「ここにも祭壇は無いようね」
「ヒャヒャ!地球人達よ、このまま帰すわけにはいかねぇなぁ!ヒャヒャ!」
遅れて到着したのび太。しかし、4人は目の前で地面に吸い込まれてしまいました・・・
概要
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国民的アニメ『ドラえもん』を原作に据えたローグライクゲーム。
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今回の敵は本作オリジナルの「クレタ人」という異人種。
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タイトルには「魔界」と付くが、1984年公開の映画『ドラえもん のび太の魔界大冒険』とはあまり関係無く、ザコ敵が数種類出演している程度。
特徴
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ダンジョンは合計7+1。加えてクリア前のダンジョン全てにボス的存在がいるため、なかなかのボリュームがある。
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ダンジョンごとに落ちているアイテムに特色があり、例えば「薬系アイテムが多く出現する」「お店の出現率が高い上にお金も多く落ちているが、それ以外のアイテムはあまりよくない」といった感じ。
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「ひみつ基地に敵が襲撃してくる」というものもあるため、それも入れればさらに+1か。
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アイテムは全てひみつ道具。ひみつ道具の効果をリスペクトした結果、他では見られないような効果のアイテムも数多い。例を挙げると
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攻撃力は高いが、攻撃した相手の反撃が自分の攻撃力と同じになってしまう『あいこグローブ』
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一時的に所持金を増やす『たぬきサイフ』
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次の階に店を呼び出す『出前電話』
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使用した次の階には誰も居なくなってしまう『無人境ドリンク』などなど。
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ストーリーが進むと、ひみつ基地の1フロアに街のような施設ができる。壁を掘って担当スペースを広くすることが可能で、広くすればするほど商品が増えたり、アイテムを預けられる量が増えたりする。
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のび太はアイテム倉庫、しずかちゃんは薬・たまご屋、ジャイアンは武器工房、スネ夫は銀行を担当。ドラえもんの担当は破損した道具の修理屋。
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特に、ジャイアン担当の武器工房のスペースを広く取ると、お金を払って武具を強化することができるようになる。ただし・・・
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限定的ながら、のび太たちの街を巡ることができる。キャラによってはサブイベントが発生し、そこでしか手に入らないアイテムがもらえることもある。
問題点
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ダンジョン内でのキャラ差がほとんどない。
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例外は、ジャイアンだけが「カラオケマイク」を使える点と、ポケットステーションを挿した状態でドラえもんを使っているとドラミちゃんからの支援が受けられる事の2点のみ。
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ローグライクという観点からすれば、あればいいというものでもないかもしれないが、5人もいるということで、一人ひとり個性は欲しかった。例えばのび太は射撃命中率100%とか…。
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序盤から操作出来るキャラクターが限られている。
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基本的にドラえもん達5人の中から誰か1人を選んでプレイすることになるが、最初はのび太しか使うことが出来ない。しずか・ジャイアン・スネ夫は序盤のダンジョンをクリアすれば使用可能となるが、ドラえもんはなんと中盤のダンジョンをクリアするまで一切使用することが出来ない。
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特にドラえもんは主人公でありながら使用可能となるのは最後なので、人によっては早く使いたいのに序盤のダンジョンで手詰まりとなってしまい、ずっと使えないままという煩わしさを感じてしまう。
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声が入っているが、フルボイス部分があったりそうでないところがあったりとなぜか中途半端。
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声がないよりはましと見るか、中途半端で居心地が悪いと見るかだろうか。どうでもいいがゲーム内のカードゲーム「デュエルサマナーズ」だけ、なぜかやたら発音される。
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サブイベントで手に入るアイテムはお目にかかりにくいだけで、効果がなかったり他のアイテムと同じ効果だったりなので役に立たない。
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「壺」に相当するアイテム、特に「ほぞんの壺」の代替品がない。
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アイテム所持数は40と多めだが、備えは多ければ多いほどいいし、なにより全てのダンジョンに持ち込み制限がある。
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アイテム欄圧縮の代替品として「たまご」があるが、割らないと中身が取り出せないのと、パックするための機械がダンジョン中にあんまり出てこないためアテにならないのが現状。
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装備品関係
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ジャイアンの武器工房がバランスブレイカー
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本家の鍛冶屋にある「1回鍛えたらダンジョンから脱出しないと次をやってもらえない」という制限がないので、金さえあればいくらでも鍛えられてしまう。
前述した通りお金が出やすいダンジョンもあるので・・・
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武具を鍛えるようにするためにはひみつ基地の大半を使わなければならない。が、スペースを戻す事は簡単。
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能力合成が存在しない。更に(数値は見えないが)強化限界も存在する。
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前者は雰囲気重視、後者は前述の通り装備品の強化が簡単なのでバランスを取るためという擁護はできなくもない。
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いわゆる「もっと不思議」に相当するダンジョンでは「どこでもドア」が未識別。迂闊にアイテム使用による鑑定が出来ない。
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シンボルは珍しいものなので、拾う際に気をつければある程度回避できるが、拾った事を忘れてたり、道具の効果などで拾う以外の手段で入手した場合は危険。
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幸い、持ち込みは可能なダンジョンのため、どこでもドアを持ち込んでおけば大丈夫。
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ポケットステーションなしでは入手できないアイテムがある。このため、アイテムコンプなどのやりこみにはポケットステーションが必須となる。
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いるのか? という強制イベントやイベントマップ移動がやや多く、若干のテンポの悪さを感じる事もある。
評価点
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原作リスペクト
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キャラゲーとしてなかなかの完成度を持つ。特に大長編の雰囲気を意識しており、チュートリアル後のオープニングや皆が集まって基地を作るというストーリーなど、大長編を意識させる演出が多い。
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ちょっと毒舌なドラえもんやジャイアンの独特の口調など、キャラ再現もしっかりできている。ダンジョンに入るとアニメ風の題字が流れたりもする。
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フィールドは秘密基地やダンジョンだけでなく、空き地や裏山、学校や各キャラの家などにも行ける。イベントパートではイベントが起きている場所に行くことでストーリーを進める。
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変わった効果のものもあるとはいえ、不思議のダンジョンに必要そうなものは一通り揃っており、またひみつ道具自体の効果からしても無理のない配役をされている。
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雑魚敵にも長編に出てきたキャラが一部出てくる。『魔界大冒険』のメジューサ、『夢幻三剣士』のジャンボス、『日本誕生』のツチダマなど。
地味なところでは『宇宙漂流記』に出てきた「幻惑の星」にいたあの木みたいな生物も出てくる(ゲーム中では「あやしい木」「あぶない木」という名前)。
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それらのキャラと素手でやり合う光景はなかなかにシュール。
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また、一度手に入れたアイテムが載る「ひみつ道具図鑑」というモードがあるため、アイテム収集の楽しみがある。
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難易度
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不思議のダンジョンそのものとしては粗がなく、キャラゲーではあるが完成度はそこそこ高い。
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持ち込みなしダンジョンがないので本格派の人たちには物足りないかもしれないが、キャラゲーをやる層にとってはとっつきやすく、しかし簡単ではない良バランス。ローグライク入門にぴったりだと言える。
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上で触れられている壺や装備周りの仕様など、本家とは異なる部分もあるが、ゲームバランスはまとめられている。
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全体的にローグライク未経験者向けの難易度で物足りないという本格派の人たちは、隠しダンジョンを持ち込みなしでプレイなど縛りを入れてみよう。
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ちなみにこの縛りを入れると、敵の攻撃力が延々と上がり深層の敵が一撃でHPの1/4を削ってくるようになるが、これがかなり絶妙なバランスになっている。もっと厳しくしたいマゾプレイヤーは石ころ帽子やひらりマントの使用禁止、果ては半分こ刀+猛獣吸い寄せマント固定装備なんていう苦行もある。
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強烈なインパクトがあるわけではないが、ゲーム内BGMも意外に良い曲が揃っている。
総評
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本家と比較してしまうと劣る点も目立つが、丁寧な作りでドラえもんのキャラゲーとして、ローグライク入門として、また独自色のあるローグライクとしても及第点の出来。また分かりやすい縛りで絶妙な高難度になるので、偶然の産物なのだろうが初心者から上級者までカバーしていると言える。
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キャラゲーである故にゲームアーカイブスでの配信が困難なのは残念か。
余談
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劇場版作品「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」の公式サイトにおいて、本作のパッケージとよく似た画像が使用されている。もう1枚のイラストは『ファミコン版ドラえもん』のエンディングに似ている。