「オーバーライド」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
オーバーライド - (2022/07/20 (水) 20:31:26) の編集履歴(バックアップ)
オーバーライド
【おーばーらいど】
ジャンル
|
シューティング
|
|
対応機種
|
PCエンジン
|
メディア
|
2MbitHuカード
|
発売元
|
データイースト
|
開発元
|
スティング
|
発売日
|
1991年1月8日
|
定価
|
6,500円
|
プレイ人数
|
1人
|
配信
|
バーチャルコンソール 【Wii】2007年9月4日/600Wiiポイント(配信終了) プロジェクトEGG 【Win】2015年5月16日/990円(税10%込)
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
破壊の爽快感 溜めて放出プールショット エクシデンドしすぎ 変化に乏しい周回プレイ
|
概要
変ゲーメーカーの代表格(?)のデータイーストがPCエンジンに放った縦シューティング。開発は後に『バロック 歪んだ妄想』や『Riviera ~約束の地リヴィエラ~』などで有名となるスティングが担当。
このスティングという会社は何を隠そうコンパイルから離脱したメンバーが立ち上げた会社であり、このゲームを一言で言うと「DECOの皮を被ったコンパイルシュー」である。
ゲーム中のタイトル画面には「Mission Code -Override-」というサブタイトル表記がある。
一人プレイ専用、全6ステージ構成、周回あり。
+
|
画像
|
1面
|
2面
|
3面
|
4面
|
5面
|
6面
|
|
|
|
|
|
|
1面/惑星ウラノス上空…広大な森林地帯を抜け、火口から惑星内部へと侵入する。 2面/火山地帯…火口内部の前線基地。高速誘導レーザーを放つ戦車が厄介。 3面/バイパスウェイ…擬似的に縦2重スクロールする面。後ろから表れる巨大輸送戦艦は非常に硬い。 4面/地下空間施設…至るところにある砲台が難敵。発射された弾は横軸が合うと直角に曲がり自機を襲う。 5面/地下巨大要塞…敵の兵器工場。侵入者を迎撃する誘導レーザーは地形を無視して飛んでくる。 6面/データポート…バイオコンピュータ「フレイア」を守る最終関門。これまで撃破してきたボスが中ボスとして登場。
|
|
主なルール
-
十字キーにて自機移動、使用ボタンはショットボタンとスピード調整ボタンの2つ。
-
ショットボタンはボタン押しっぱなしで撃てる、家庭用ゲームでは特に珍しくもないオート式である。
-
スピード調整ボタンはその名の通りの自機スピードを変化させる効果があり、3段階の調整が可能。また、ボタンを押すとスピード調整と同時に自機後方にてバックファイヤーが放出される。これには攻撃判定があり、それを利用して敵を倒すというテクニックができる。
-
ボタンを全く押さないでいると、自機が溜めのモーションに入り光り出す。その状態でショットボタンを押すと一撃必殺の「プールショット」を放つ事が可能。プールショットは画面のほぼすべてを覆い尽くす程の攻撃範囲と高い攻撃力を持つ上に、すべての敵弾をかき消す事が可能。いわば溜めボンバーのような性能といったところ。
-
プールショットの使用制限はなく何度でも出せるが、溜めきらないままショットボタンを押したり、溜め中に敵のダメージを食らうかスピード調整をしてしまうと溜めが無効となってしまう。それ故に溜め中には大きなリスクを伴う事になる。
-
アイテムキャリアーを破壊するとアイテムを落とす。アイテムの効果は主に「メインショットのパワーアップ」「オプションパワーアップ」「ライフ回復」の3種類が存在する。以下その詳細。オプションアイテムに関しては、時間経過で色が変化する形式となっている。
-
「P」…メインショット側のパワーを最大4段階までパワーアップさせる。
-
「E」…ライフを1回復する。他のアイテムと比べ、あまり出現頻度は高くない。
-
オプション…これを取得すれば自機に2つの補助オプションが装備され、メインショットと一緒に専属の攻撃をしてくれる。なおオプション本体には敵弾を消したり、敵機に接触させダメージを与えるなどの効果は無い。「P」とは別で最大4段階までのパワーアップ効果があり、使用しているオプションと同色のアイテムを取得すれば1段階ずつ性能が上がる。
+
|
画像
|
赤 ブレイジング・ファイヤー
|
黄土 リバース
|
緑 トルネーザー
|
青 フォローウィング
|
紫 サイドウエポン
|
|
|
|
|
|
赤…斜め前方に固定オプションがつき、斜めにショットを放つ。パワー最強時はホーミング性能が追加される。 黄土…自機左右にオプションがつき、レバーと反対方向にショットを放つ。 緑…自機周囲を回転移動するオプションがつき、前方にショットを放つ。 青…自機の動きをトレースするオプションがつき、前方に貫通性能のあるショットを放つ。 紫…左右に固定オプションがつき、左右にショットを放つ。
|
|
-
ライフ&残機制、1機あたりの初期/最大ライフは3ゲージだが、ミスまでのダメージ数は4回である(ライフ0になってもミスではなく、0状態でダメージを受けるとミスとなる為)。また壁とスクロ-ルに挟まれてしまうと一撃でミスとなるが、壁に触れただけではダメージは一切ない。ミス後はその場復活となり、残機、ライフ共になくなるとゲームオーバーである。
-
ミスすると復活時はすべてのパワーアップがリセットされ、初期状態に戻ってしまうペナルティがある。また、ステージクリアをしても、消費したライフは回復されない。
評価点
-
PCエンジンシューティング屈指の、敵を破壊する事に重点を置いたゲーム性で、ばんばん撃ちまくるのが非常に爽快。とにかく撃っているだけでガンガン破壊できる程。
-
プールショットを限界まで溜めて一気に放出するのが気持ちいい。豪快な効果音と共に敵どもを一斉にジェノサイドする破壊のカタルシス。
-
当時のPCエンジンのゲームとしてグラフィックの描き込みがしっかりとしていて、他のゲームと見劣りはしない外見を持つ。
-
多少ループまでの演奏時間は短いものの、BGMのクオリティも普通に高く、そして熱い。また、裏技でサウンドテストが可能。
賛否両論点
-
スコアによるエクステンド(1UP)の頻度が他シューティングに比べ多く、残機数が溜まりやすい。ライフ制も兼ねている事も相まって、ゲームオーバーまでの許容ダメージ数をかなり多くしている。
-
また、このゲームにおいて、道中、ボス戦共にアイテムキャリアー登場率が過剰なまでに高い為に、多くアイテムを入手しやすくなっている。よって、それを利用すればよりダメージをもらう機会はさらに減る事となる。
-
ただし、上記問題点でも述べた通り、ダメージ中の無敵時間の短さ故にライフが余っていてもミスする機会が多い上に、敵の猛攻はやや厳しくダメージを受けやすいので、結果的に1UP、及びアイテムの多さでゲームバランスの調和が保たれているという意見もある。
-
しかし、やっぱりゲームに慣れてしまうとヌルゲー化する恐れもある訳で、この過剰1UPの件に関しては賛否が分かれるかもしれない。
-
自機や敵の大きさが他の同期のシューティングと比べ大きめに描かれている影響で、やや画面構成が窮屈と感じるところもある。但し、ゲームに悪影響を及ぼす程のものではない。
-
自機の移動速度が速すぎる。最低速度にしても、自分から敵や敵弾に突っ込んでしまう事もしばしば。
問題点
-
ミスするとすべてのパワーが落ちてしまい、連鎖ミスを引き起こしやすい。
-
1残機毎にライフはあるものの、自機のやられ判定が大きい上に、ダメージをもらった時点の無敵時間がほとんど無く、連続ダメージをもらい1ミスという状況が普通にあり得る。その為、敵ラッシュ時にミスするとどうしようもない状況に陥る事もある。
-
ミスした場所によっては、障害物に阻まれ移動ができず、続けてミスする以外の選択肢がないケースもありえる。
-
しかし、下記の賛否の件があり、復活から立ち直る機会は意外と多い。
-
全体的にボスの攻撃パターンがやや単調。また、多くのボスは、敵攻撃を回避してプールショットの繰り返しというチキン戦法が通用してしまい、緊張感の薄いバトルになりやすい(逆にいえば、初心者に優しいともいえるが)。
-
全ステージクリアするとスタッフロールの後に周回プレイが始まるのだが、前周とさほど難易度が変わっていない。それ故に周回ならではの新鮮味がほとんど無く、同じゲームの繰り返しとなってしまう。
総評
とにかく敵を破壊する快感を味わうという意味では非常に優秀なシューティング。小難しい事抜きで撃ちまくりたい人にとっては非常にオススメ。
しかし、ゲームとしてはやや大味だと思われる。死にやすい機体性能をごまかす為にアイテムや1UPを過剰放出している印象もある。
余談
-
エンディングに該当するものは特に無い。一応は自機がズームアップする絵が表示されるが。
-
もっとも、この時期のゲームではそう珍しいことでもないので、あまり大っぴらに非難するのはお門違いであろう。
-
何気に当時のファミコン通信(現:ファミ通)のクロスレビューで総計30点(今でいえばシルバー殿堂入り)を果たしている。各レビュアーの主な評価としては、やはり破壊する事の爽快を主に挙げている。
-
『ラストバタリオン』というタイトルで完全版がX68000にて発売されている。
-
PCE版との相違点としては、ステージ描写の大幅変更、難易度設定追加、パイロットキャラのビジュアルシーンの導入、パワーアップ内容の一部変更が挙げられる。
-
ちなみにスティングが下請けとしてではなく、自社ブランドで初めて発売した記念碑的作品となっている。