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牧場物語 ふたごの村 - (2017/07/20 (木) 11:08:58) の編集履歴(バックアップ)


牧場物語 ふたごの村

【ぼくじょうものがたり ふたごのむら】

ジャンル ほのぼの生活ゲーム
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売元 マーベラスエンターテイメント
(現: マーベラスAQL)
開発元 トーセ
発売日 2010年7月8日
定価 5040円
牧場物語シリーズリンク


概要

牧場でのんびりと農業や酪農を楽しみながら恋愛をする、『牧場物語』シリーズの第25作目。今作では、牧畜が盛んで洋風な雰囲気の「ブルーベル村」と、農業が盛んで和風・オリエンタルな雰囲気の「このはな村」の二つの村が舞台となり、主人公はどちらかの村に住み牧場を経営することになる。

ストーリー

「どこに住もうかな?」 牧場経営を夢見る主人公は、足取りも軽く、この地域へとやってきました。 動物がたくさん住んでいる自然豊かなその山の 左右のふもとには2つの村があり、 ひとつはどうぶつがたくさんいる村、 もうひとつはいろんな作物がたくさん育っている村があるところでした。
「どっちの村がいいかな?」 そう考えて歩いていると、山頂の道の真ん中で2人の住人が 大きな声でケンカをしています。 1人は長いコートと帽子をかぶった老紳士。 もう1人は赤い布地に細かいししゅうのある服を着た女性で どちらも異なる土地の住人のようです。
主人公はケンカの間に割って入って2人をとめようとします。 そして、とりあえず自分たちがここへ来たいきさつを伝え いい土地がないか聞くと、2人の村長は「自分の村に来い!」と お互いの村へ主人公を連れていきます。
村を案内されるその間もケンカしっぱなしの2人でしたが、 村の住人達は「いつもの事」と見てみぬふり。 「大昔は村同士仲がよかったのにな・・・。」 どうやら何か訳ありの様子。 主人公は自分に出来る事を探しながら、いつかは そんな村同士の関係を昔のような仲のいい関係にもどすことを 夢みるのでした。(wikipediaより)

特徴

  • ふたつの村を選択できる
    • 概要で挙げたように、主人公はふたつの村のどちらかに移住し、牧場生活を営むことになる。
    • 「ブルーベル村」では酪農が盛んなだけあり、畜舎のサイズが大きく、たくさんの牧畜を飼えるものの、耕すことのできる畑の範囲は狭い。
    • 一方「このはな村」では正反対で、畜舎はあるもののあまり数を飼えない代わりに、畑の面積が広く、農業に適した土地になっている。
    • ふたつの村は自由に行き来することができ、引越しも可能な上、条件を満たすともうひとつの牧場も使用できるようになる。
      • この酪農メインか農業メインかどちらかを選択出来たりペットが家畜の世話をしてくれる仕様は、過去にゲームボーイで発売された『牧場物語GB3 ボーイミーツガール』を彷彿とさせるシステムとして主に古参プレイヤーから歓迎されているとも言える。
  • 「おつかい」システム
    • いわゆる「クエスト」であり、住人から毎日様々な依頼が掲示される。主人公は好きな依頼を受け、期限までに指定されたアイテムを届けることができると、お礼のアイテムがもらえる。毎日の牧場生活に目的要素を足すことができ、ダレにくくなった。
  • 新しい動物の登場
    • 家畜としてアルパカ、ペットとしてフクロウが飼えるようになった。
    • アルパカは羊とほぼ同様。フクロウは、ふたつの村の真ん中である山頂から、どちらかの村へワープ移動してくれる役割を持っているのだが、後者は練り込み不足気味な点も多い(後述)。

評価点

  • 快適になった農業
    • 今までの牧場物語では、畑に水をやる範囲はジョウロの性能に左右されていたが、今作では、耕す際に畝(うね)を作ることができる。畝で畑を繋げると、その範囲内に一度で全て水をやることができ、水やりの効率がアップした。
      • その代わりなのか、本作でのジョウロの強化は水の容量程度になっているのが少々残念か。
    • 関連して、前作より水やりが1日に2度行えるようになる仕様が続投している事で、作物の栽培に関しては携帯機シリーズの中でも最も快適とも言えるだろう。
  • 「馬車」の存在
    • また、「馬車」を引いて馬に乗ることもできるようになった。馬車はいわゆる「倉庫」にあたり、それぞれ容量や品質保持能力が異なる他、「馬車」は基本的にどこでも持って行ける上にお金こそ掛かるもののページ数も増設出来る為が、本作では持ち物の所持数制限に左右される事が少ないと言える。
      • 加えて、乗馬中は馬車と馬の相性によっては移動速度もダッシュ並に増加する為、Lダッシュが採用されている本作においては多くのプレイヤーの助けになるだろう。
  • 山遊びが楽しい
    • シリーズでもおなじみの山だが、今作はマップがかなり広い。
    • いくつかの遊びの要素がある他、虫や魚、キノコや野草など様々なアイテムを収集できる。
    • また、野生動物も住んでいて、仲良くなることも可能。
    • 四季の移ろいと共に景色を変えていく山のグラフィックは美麗。
  • BGMは良好
    • 季節ごとのBGMや各村ごとのBGMは雰囲気も良く、クオリティが高い。
  • 恋愛関連
    • 結婚候補達とデートイベントができるようになった。キャラごとにできる曜日・時間が決まっていて、条件が合うと、キャラを誘って出かけることができる。行先にもキャラの好みがあり、それぞれ好感度が増減する。
      • ただし、イベント自体が一言二言程度の会話で終わってしまう淡白なのが難か。
    • 他、過去のDS作品『キミと育つ島』及び『キラキラ太陽となかまたち』で登場し正当派ヒロインという事もあってか人気を博していたものの、結婚が出来ずイベント止まりだったキャラクター「アリエラ」も本作で復活した他、特定の条件を満たす事によって結婚が可能になったのも、彼女との結婚を待ち望んでいたファンから歓迎される事になった。
  • バグらしいバグが存在しない
    • 一時期、牧場物語シリーズを乱発していた頃は、どの作品にも大きめなバグが存在していた。しかし本作発売の頃は、一本の作品を丁寧に完成させる事にシフトしており、通常プレイしていてバグに遭遇することは少ない。
    • ただし皆無という訳ではなく、アイテムが消失してしまうバグが本作にも存在している為、発生条件を事前に確認しておくことを推奨する。
    • ただ、このアイテム消失バグは不要アイテムを削除するような使用方法もでき、他にもアイテムを増殖させることができるバグもあるなど、有用な面も多少はある。

問題点

  • 料理対決
    • メインシナリオを進行する為には、毎週の料理大会に参加することが必要になる。観戦か参加を選ぶことができ、参加し勝利すると村同士の好感度が上昇し、一定値を超えるとシナリオ進行フラグが立つ。
    • 問題は、毎週同じ料理対決をする事になる点。お題目のジャンルが違う程度で、やることは料理を作って持っていくだけ。品質が高いほど有利になるが、3人のチーム戦な為、結局は他のメンバーによる部分も大きく、勝利は確定されない。
  • Lボタンダッシュの仕様
    • 移動の際、ダッシュはLボタンを押し続ける必要がある。押しにくく、指が疲れる上、Lボタンの不良も懸念される。
    • ただ、本作ではLボタンを使わずにダッシュと同様の速度で移動出来る乗馬が存在している事から、移動不可能なエリアこそ存在するが、そこまでLダッシュに頼る必要が無いのが救いか。
  • スローライフの強制
    • メインシナリオである、「ふたつの村の対立の解決」は、毎週のイベントである料理対決を行うことで進行する。
    • ある程度料理対決をこなすと、イベントが次の段階に進行するのだが、進行させる為には「毎月1日に掲示される、特別なおつかい」を受注しクリアする必要がある。
    • どんなに急いで効率的にプレイしても、このおつかいを受注しクリアしないとシナリオが進行しない。
    • その他、家や牧場の増改築、道具の改造等、生活の幅を広げる要素も、この「毎月1日のおつかい」にて掲示される上、目的のおつかいが出てこない月もある。条件の厳しくクリアできないおつかいが出てきてしまい、欲しかったおつかいが出て来なかった場合、1ヶ月を待つ必要があり、非常に冗長。
    • ユーザーペースの進行スピードに制限が課せられているため、「強制的スローライフ」になってしまっている。
    • また、本作は「実時間1秒=ゲーム内時間1分」であり、メニュー等でも基本的に時間は止まらない為、ゲーム内での12時間が実時間の12分程度に相当する。
  • お店の定休日が多い
    • 通常の場合でも週に2~3回の定休日がある上、イベントの日はお店が開いていない。
    • 更に「午前・午後の両方とも雨が降る日」も定休日になってしまう。
  • 村の間の移動が手間
    • 山のマップが広いことが裏目に出ていて、ふたつの村を移動する場合、すぐに移動することができない。
    • ショートカット要素が解禁されるのはエンディング後であり、物語の決着が付くまではどうあがいても山のマップを通過しなければならない。
      • ただ、ゲームのクリア自体は最短でも1年弱程度と比較的短期間で決着が付く為、ある意味本作は某国民的RPGのような「クリアしてからが本番」という、シリーズでも珍しいポジションの作品とも言えるかも知れない。
    • また、ペットのフクロウを使用する場合でも、山の中腹まで徒歩で移動する必要があるのだが、本作のウリの馬車との併用が仕様上不可である事から利用価値が薄く、ショートカット解禁後はその必要もなくなる事から、フクロウの存在について疑問に問うプレイヤーも少なくは無い。
      • この為か、次作以降の作品ではフクロウ自体がリストラされてしまい、本作限りの存在になってしまったのは否めない。
  • 会話パターンが多くはない
    • 場所場所によって違うセリフを言うので最初は結構なセリフ量と思うかもしれないが、種類は少ないため、プレイしていると似たようなセリフを聞くことが多くなる。
    • シリーズ大半においては共通する問題点だが、一応前作よりは増えているものの、完全に改善されてはいない。
  • 「鮮度」と「品質」
    • 食料アイテムは「鮮度」と「品質」、その他アイテムには「品質」のみが存在する。品質は0.5~5.0までの10段階ある上、食料品は日に日に鮮度が減少していく。
    • これらが異なると、スタックされるアイテム枠も別になってしまうため、倉庫の中を同じアイテムが複数枠取ってしまうことが多々ある。
    • 次回作では、平均の値になる代わりにアイテムをまとめることができるようになり、一応の改善はされた。

賛否両論点

  • キャラクターボイスの廃止
    • 前作では登場キャラクターの多くに声優によるキャラクターボイスが追加されたが、本作では廃止されてしまい残念がるプレイヤーも少なくは無かった。
  • ライバルイベントの消滅
    • 今までのシリーズでは、ヒロインがライバルと結婚してしまうイベントが存在したが、本作では主人公が結婚する以外、他のキャラは進行上誰も結婚しない。
    • 一応、結婚相手となるキャラと恋愛のライバルと思わしきキャラの恋愛描写自体は存在するが、ライバルイベント自体が廃止された為、単なる仲の良い友達止まりになってしまったのは残念だろう。
  • リアル系に転向したキャラクターデザイン
    • 前作「風のバザール」がかなりのデフォルメ系な絵柄だったのに対し、本作では頭身が上がり、リアルな体型に近づいた。
    • 本シリーズでは大抵デフォルメ系のデザインだった事に対し、頭身が高いキャラを苦手に思う人もいる。
    • リアル系のデザインは次回作「はじまりの大地」まで続き、更なる次作の『つながる新天地』ではデフォルメ系のデザインに戻った事から、やはりキャラデザに拒絶感を抱いたプレイヤーも少なくはなかった様である。
      • もっとも、派生作である『ルーンファクトリー』で既にリアル系のデザインが採用されていたのだが。
    • 本作のキャラクターデザインについては『つながる新天地』のインタビューでプロデューサーのはしもと氏が言及しており、「それまでは子供ウケを狙ってデフォルメの絵柄にしていたが、逆に子供からは『絵が子供っぽい』と言われ不評だったから」と説明している。

総評

雰囲気こそ良いものの、非常にプレイに時間がかかる仕様が多いため、ガツガツとゲームを進行させたいユーザーには不向きである。 ゲーム側での進行制限を気にせず、ゆったりとしたペースで遊び続けることができるか、になるが、すると今度は単調さを感じる場合があり、一概にオススメはしにくい作品である。 毎日少しずつ、ゲームの世界観を満喫しつつ進行できれば、十分に楽しむことができるだろう。

余談

  • 本作の公式ガイドブックでは恒例の映画のパロディ満載かつ暴走気味なギャグが特徴の漫画が掲載されているが、マンネリ回避の為か次回作『はじまりの大地』以降は自重傾向で、古参ファンから残念がられているとか。