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いただきストリートDS - (2017/10/19 (木) 21:50:29) の編集履歴(バックアップ)
いただきストリートDS
【いただきすとりーとでぃーえす】
概要
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DQとFFとのコラボにより半ば「いたスト」がキャラゲー化しつつある中、続いてコラボの対象に選ばれたのは、ご存じ『スーパーマリオブラザーズ』だった。
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タイトルのDSはハードの「ニンテンドーDS」と『Dragonquest&Supermario』のダブルミーニングとなっている。
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ボードゲーム故か、マリオ側からはデイジーやワルイージなどといったパーティーゲームで顔を出すキャラも参戦している。
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マリオは以前にもFFと共演しておりスクエニとは繋がりを持っていたが、DQと共演するのはこれが初めてである。
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基本的にこういったコラボ作品は任天堂側が招待することが多い為、このように任天堂が招待される側になる事は稀である。
特徴
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基本的なルールは「いただきストリート」と同じ。
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銀行からスタートし、サイコロを振ってマップを進む。
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マップ上のマーク(スペード、ハート、ダイヤ、クラブ)を全て集めて銀行に戻ると賞金がもらえる。
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マークマスやチャンスカードマスに止まるとチャンスカードを引くことができ、何かしらイベントが発生する。
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初期資金や賞金を元手にマップ上のお店を買っていく。自分の店に誰かが止まるとその相手から買い物料を徴収できる。
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マップにはいくつかのエリアが存在し、同一エリア内に多くの店を持っていると増資できる上限額も増え、買い物料も跳ね上がる。
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株を買ったりエリア内の店の総額が増資などによって増えたりすると株価が上がる。株を買ってから増資することで相当な利益を生み出せる。
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これを繰り返して、目標金額に到達した状態で銀行に戻ると優勝。また、総資産がなくなってしまうと破産となり、初期状態であれば誰かが破産した時点でゲーム終了、資産の多い順に順位が決まる。
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今作のプレイヤーキャラは専用のアバターキャラとなっている。
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ゲームのプレイ成績に応じて得られるコインを元手に着せ替えショップのアバターアイテムを購入することで見た目を変えることができる。その種類も豊富で、登場キャラクターの衣装から伝説級の武具まで色々。
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前作までの一人用モード「トーナメント」は本作では「ツアーモード」となっており、全部で10のツアーがある。クリアすることで新しいNPCやマップが解禁されていく。
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ツアーモードクリアで得られるアバターアイテムもある。
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「逆交渉」システムが登場。交渉を受けた時に、店と一緒に受け取る・支払う金額を変更してこちらから交渉し返す事ができる。
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対人戦は元より、交渉の機会が少ないNPC相手にも使える。
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逆に「逆交渉」を使ってくるNPCはワリオぐらいしかいない。
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低いランクのキャラは一度にできる増減額や購入できる株に限度が設定されていたり、特定のテクニックを使用してこなかったりと、システム的な制限をかけられており従来のシリーズから大幅に弱体化した。
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参戦キャラ
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出展作品はコレクションから参照
非プレイヤーキャラ
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おどるほうせき
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チャンスカードの効果で一時的に出現する。『ジュエル』という名前で、関西弁で喋る。
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高額店に止まる様に動くというボーナスキャラ。
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ホイミン
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DQ4に登場した、人間に憧れライアンの味方になったホイミスライム。チャンスカードの効果で一時的に出現する。
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ホイミンの横を通過した時に、好きなマークを1つ貰える。すべて揃っている時はどのマークの代わりにもなる「どこでもカード」を1枚貰える。
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ジュゲム
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チャンスカードの効果で一時的に出現する。ジュゲムが通った店はすべて休みになる。
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休みが解除されるタイミングの関係で、ジュゲムの直後にサイコロを振るキャラクターには一切デメリットがない。
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評価点
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システム面においては少なくとも旧作いたストシリーズの上位互換である。
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バランスは非常によく取れており、どの戦法でも普通に優勝を狙う事が出来る。
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サイコロ運に多少左右されるのは一緒。
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マリオが喋る。
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マリオ以外のキャラはともかく、ゲーム内でマリオ自身にはっきりと台詞が付けられる事はほとんどない。しかし本作ではピーチやクッパと同じぐらいペラペラと喋るマリオの姿を見ることが出来る。他にはっきりとした台詞があるのは『ルイージマンション』『マリオvs.ドンキーコング』ぐらいである。
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ちなみに説明書や公式サイトを含めたら『スーパーマリオランド2 6つの金貨』や『マリオゴルフGB』など、少数ながらも存在する。
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ただしその内容はやや賛否両論気味。(後述)
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何気にキャラクターの再現性は高い。
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ゲーム中でのキャラクターの説明はそれなりに凝っている。
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特定の状況専用の台詞が一生かかっても発掘しきれないほど無尽蔵に用意されている。
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ただし狙ってやらないと出せないほど条件がキツイものも。
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ワープマスがDQマップでは旅の扉、マリオマップでは土管といった具合に、それぞれの世界観の住み分けはハッキリ出来ている。
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チャンスカードで、歴代DQ・マリオシリーズのゲーム画面が表示される。しかも100種類全部違う。本家ファンには嬉しい仕様である。
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なお、種類は少ないがカジノでもDQやマリオに沿ったイベントが出現したりする。
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音楽は原曲に忠実だったりアレンジだったりするが、いずれも元が名曲なので概ね好評である。
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『New スーパーマリオブラザーズ』のお城BGMのように気付きにくいアレンジもある。
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ちなみにDQ・マリオ両者ともBGMは16曲ずつ。ツアーモードを全てクリアするとBGMコレクションで聴けるようになる。
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BGMの著作権が厳しいとされるドラクエシリーズの楽曲が自由に聞けるのは珍しい。後に発売された音ゲー『シアトリズム ドラゴンクエスト』でもこのようなモードは搭載されていない。
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テンポは良い。
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悪い点はほとんどなく、強いて言えばレベルアップの演出が飛ばせない事ぐらい。
賛否両論点
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従来のいたストからの新規要素は、ゲーム部分においては逆交渉ぐらいしかない。
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従って、小さいマップや、短期決戦であるほど運要素が強くなると言ういたストのあまり良くない伝統を引き継いでしまっている。
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上手い人ほど、目標金額が低いツアー序盤でコテンパンにのされる事もある。「頭で勝負するゲーム」と銘打っておきながら運で敗北するのはいかがなものか。
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元々完成度が高いゲームなので、下手に増やせばバランスを悪くすることになるが。
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着せ替えアイテムはほとんどがコスプレ。
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カジュアルな服もあるが種類は圧倒的に少ない。
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特定のコスプレをしたり、手にアイテムを持ったりしていると、NPCがいろいろ感想を言ってくる。
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プレイヤーと異なる性別用の服も一様に着れる。男が女物の服を着るとNPCからキツイ一言が・・・
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サイコロを振る前に中断セーブができるが、振った後に電源を切ってロードしてやり直すとサイコロの出目が変化する。
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これを利用すれば、買い物料が高い店を回避するまでやり直したり、賞金稼ぎなど好き放題できる(当然COM戦のみ)。
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もちろん使わなければいいだけの話だが、この技は『いただきストリート2』などの他のいたストシリーズでは使えないため、余計目立つ。
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普段喋ることのないマリオキャラの言動に違和感を覚えるプレイヤーは少なくない。
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一例
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マリオ
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台詞に「ハッハー!」や「ヒア ウィ ゴー!」など、任天堂マリオで使っていたボイスをカタカナ語にして混ぜている。ちょっとしたエセ外国人のような感じに。(ちなみにルイージの喋り方は普通)
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時々「マリオマス」や「マリオ伝説」などのかなりアレな単語を発したり、関所を「マリオだから」タダで通ろうとする事もある。自己顕示欲が強いのだろうか・・・
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一応、前述のマリオゴルフGBのサイトを見るとそれに近いナルシストな台詞を放っている。単にプレイヤーにとっては馴染みが無いというだけで、本作の性格は公式設定に近い…と言えなくもない。
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ヨッシーアイランドでの赤ん坊時代の冒険を「全然覚えていない」と全否定する。(確かに赤ん坊だったから覚えていないかもしれないとはいえ)そりゃないですよマリオさん。
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ピーチ姫
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口調が「~ですわ」と露骨にお嬢様口調になり、かなり天然ボケな性格になっている。一見成立しそうだが、実は本家マリオでこのような性格だったことは一度もない。
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ゲーム内文章では「芯の強い女性」と紹介されているが、実際のプレイではそれらしい印象をあまり受けないのが問題。
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マリオRPGシリーズなどをやれば分かるだろうが、本来は本作のような捉えどころのない発言はしないキャラである。
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ピーチとクッパが対戦相手にいる時、女プレイヤーで目標金額に到達すると、ピーチがクッパにプレイヤーをさらってしまうよう命令する。ここまで腹黒いキャラだったか!?
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ワルイージ
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サイコロを振る度に一々すっ転ぶ。どちらかというと間抜けなのはワリオであり、ワルイージは狡猾と言う印象が強い為、この異様に間抜けな動きが鼻につく。
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全ツアー制覇時、唯一プレイヤーの偉業達成を喜ばないキャラクター。かなり浮いている。
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余談だがキャラ説明で手足が長いことをやたら強調されている。シュールすぎる・・・
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たしかにコロコロコミックで出ていた時に、ワルイージが出てくる度にアゴに「長っ!」とか書いてあったが…
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…等々。
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Aランクまでは堅実な戦法を取る者が多いが、Sランクになると相乗りも積極的でさらに10株売りなど嫌らしい戦法が目立ってくる。その割に自力で稼ぐ方はそこまで上手くない。
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どちらかというと相手の足を引っ張るより、綿密な計画を立てて強固なプレイをするAIにしてほしかったと言う声はある。
問題点
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折角マリオがまともに会話できる作品でコラボしたにも関わらず、DQキャラとマリオキャラの直接的な会話や掛け合いがほとんど見られない。
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一応、それぞれのキャラに対してそれなりに思うところはあるらしく、店に止まったり目標達成時等に特定の台詞を言ったりはする。
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逆に、DQ同士、マリオ同士の会話はやたらパターンが多く充実している。そのため、作品内での掛け合いを見たい人にはお勧め。
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DQキャラはシリーズ全般から登場している為、「どのキャラとどのキャラの掛け合いが存在するか」という予測はかなり付きにくい。
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要するに、両者の住み分けがハッキリしすぎていてコラボと言う印象をまるで受けない。
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DQキャラやマリオキャラはCPU専用であり、プレイヤーの駒にすることは出来ない。
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ただでさえNPCがペラペラ喋るので、掛け合いによるキャラ崩壊を防ぐと言う意味もあるだろうが・・・
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キャラごとにポリゴンの動きが設定されているが、どの動きも同じ動きをループするタイプの為、「驚いて(何度も)杖を落とす」「悲しんで(何度も)頭を抱える」など違和感を感じる部分が多い。
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DQの人間キャラのポリゴンが全体的に雑。特にアリーナやハッサンなどの動きが多いキャラを見れば分かりやすい。
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対してマリオキャラのポリゴンは(本家マリオ並に)出来がいいので、技術不足という訳ではなさそうだが。
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着せ替えショップの問題点。
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普通にプレイして、優勝することで得られるコインが100~150枚程度なのに対し、一部アイテムが500~1000コイン、物によっては1500以上という異様な額に設定されている。しかもアイテムはランダムに日替わりである。
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一回のプレイだけでも相当な時間を費やし、さらにゲームの仕様上CPU相手に確実に優勝できるとも限らないのにこれである。
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アイテムを売ってコインに変えることもできる。ただし買い取り価格は半額どころか3分の1である。
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安いアイテムもあり、一部アイテムはツアーモードクリアの報酬としてもらえるものの、なにしろアイテム総数は180種と多い為、コンプリートに必要なプレイ回数は100をゆうに超える。
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着せ替えはおまけ要素に過ぎず、コンプリートを視野に入れなければいいだけの話なのだが・・・
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Sランクキャラのゼシカ・ピーチの思考ルーチンに致命的なミスがある。
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具体的に説明すれば、このゲームでは10株以上同時に売ると株価が下がるので、現金と合わせて9株だけ売ればいいように増資額を調整する必要がある。
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が、この二人のAIでは9株が14株になっており、「増資して株価を上げて」「株を売って株価下げて」「また株上げて」「株下げて」・・・と、珍妙な行動を取り続ける。
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ちなみにりゅうおうは常に限界増資なのでこういうことはしない。
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DQ7のキャラがいない。
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この当時はDQ7がすごく冷遇されており、こういった派生・外伝作品ではプレイヤーキャラや作品固有モンスターがことごとくハブられていたのが事実である。
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さすがにSpecial及びポータブルのFFシリーズほど偏ってはいない。
総評
マリオとのコラボにより、いたストというブランドをよりキャラゲーとして印象付けた作品である。
しかしその実、内容は「ただマリオが来ただけ」であり、マリオと言うブランドを利用していたストの宣伝活動を行った様に見えなくもない。前作Specialほど細かな原作ネタを拾っている訳でもなくキャラゲーとしては並の出来といったところ。
ただ、DSで普通のいたストができるという点は大きく、完成度も高い。入門編としてはちょうど良いだろう。
余談
その後、再びマリオとDQのコラボによる『いただきストリートWii』が製作された。