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メイプルストーリーDS - (2013/05/16 (木) 09:44:36) の編集履歴(バックアップ)


メイプルストーリーDS

【めいぷるすとーりーでぃーえす】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 ネクソン
開発元 NEXON Korea Corporation
発売日 (韓国)2010年4月15日
(日本)2011年11月17日
価格 3,990円(税込)
ポイント ゲーム単体の完成度は高い
明るいファンタジーの影を見る
.....orz

概要

  • MMORPG『メイプルストーリー』の世界観に基づいて製作されたアクションRPG。
  • 現在でこそ影は薄いが、基本職である「戦士」「盗賊」「弓使い」「魔法使い」の四人それぞれでゲームを進めていく。
    • 四人のデザインは、最初期の職業紹介で使用されていたイラストを元に作成された。
  • 本家で登場しているNPCも存在する。
  • 本作についてくるシリアルコードを本家メイプルストーリーで入力することで限定アイテムが貰えるタイアップが存在する。
  • 本ページでは主に、日本版について説明する。

特徴

  • 四人それぞれに独自のストーリーが用意されており、それぞれを別々に遊ぶことが出来る。
    • 「デジャヴシステム」と呼ばれ、お互いのストーリーが密接に絡みあっている。
  • 本家に比べ、アクション性がかなり強い。
    • 「戦士」「盗賊」は通常攻撃でコンボが可能、「弓使い」「魔法使い」は溜め攻撃で大ダメージを与えられる、といった具合に、操作に大幅な変更が加えられた*1
    • 本家に登場したスキルも存在するが、性能が別物だったり、他の職業のスキルだったはずのものが使えたりと、多くの面で修正が入っている。
    • 最大MPも少なく、アイテムも9個しか持てない。本家では当たり前な「メイン攻撃スキルによる物量作戦」はまず通用しない。状況に合わせたスキルを発動することが重要となる。
    • 二次転職といった概念はない。また、最大Lvも50。

評価点

  • ストーリーのボリュームはそれなりにある。
    • 各ストーリー全10話×4人+αで、しかもそれぞれで異なるストーリーが展開される。決して多くはないが、価格を考えれば妥当といったところ?
    • 前述の「デジャヴシステム」はきちんと形にはなっている。プレイヤーがそれを良いと感じるかどうかは別だが。
  • モンスターを倒すと一部情報が図鑑に載るほか、低確率で出る「モンスターカード」を習得することでそのモンスターに関する全ての情報が図鑑に載る。
  • 短めだが、特定の箇所で3DCGによるムービーが流れる。
    • 但し基本的にはいきなり出てくる上、「何でこんな所で」というようなムービーも多い。
    • タイトルの3Dムービーは何気に圧巻である。内容を考えると詐欺と思える程には
    • これ以外にも、時々一枚絵が挟まれたりする。
  • 操作性は良く、爽快感がある。
    • メイプルのキャラクターが武器をぶんぶん振り回す様は本作でしか見られないだろう。
    • デフォルトでダッシュ機能が付いているため、横移動でストレスを感じることはない。横移動では。
  • ストーリーはありがちながらも、「信頼」や「贖罪」などをテーマにした物語に収束し、本家の雰囲気が嘘のように吹き飛ぶ。
    • 決して完成度が高いとは言えないが一応は纏まっており、どこか切ないが心温まる物語に仕上がっている。
  • 装備品による着せ替えがある。
    • さすがに立ち絵は変化しない。
    • 本家に比べると着せ替えの意義は薄く、装備品の性能だけを気にしている人にとってはいらない仕様。
  • 一度クリアした話を自由に遊ぶことができる。

賛否両論点

  • 敵キャラクターのおおまかな強さが、原作とかけ離れている。
    • 本家では(超)強敵の「ホーンテイル」「ジャクム」などが、ストーリーの関係で(それでも結構強いが)途中のボスとして扱われている。
    • 本家も本家でアップデートを繰り返しており、強さはその度にまちまちだったりするが・・・。
  • スキルを使用できるようになるためには、敵から「スキルブック」を入手しないといけない。
    • 一部のスキルはボスキャラが必ず落とすのでそのうち習得できるが、それ以外はザコ敵のドロップである。
    • しかも、それぞれのスキルを落とす敵は一種類のみであり、モンスターカードを入手しておかないとどの敵が落とすのかも分からない。
  • 正直、本家未プレイ者には分からない。
    • 本家プレイヤーぐらいしか買わないゲームとはいえ、再現度はそれなりに高いので原作をぶち壊しにしている訳ではない。
    • 「メイプルアイランド」「地球防衛軍」など、本家をプレイしていれば分かるネタも知らない人から見れば意味不明*2
    • 本作のストーリーは、「ポータル」というマップ間の移動手段に異常が発生した、というもの。ポータルってシステム上の演出だったのでは?
  • 最終ダンジョンが長い上に地形の構造が複雑で、なかなか進めない。
    • 問題なのは、ラスト故にこのダンジョンを四人全員が通る羽目になる事である。
    • 本作は四人それぞれに個別のストーリーが用意されている為、それぞれが等しくこのダンジョンをクリアしなければならない。
  • 黒い。
    • 本家ではところどころ存在するも目立たなかったメイプルの黒い部分が、本作ではかなり強く露呈している。
    • そもそも本作の中心となる事件が「ポータルの異常」であり、それによって迷路と化した世界を探検する事になる。この時点でプレイヤーに閉塞感と言う名の恐怖を植え付けてくる。
    • 最もキツいのが魔法使いパート。
      • 人工生命体「パピュラトス」*3の悲劇を描いたストーリーという、既にこの時点でかなり重苦しい設定がのしかかる。
      • 最初は友達として可愛く描かれるパピュラトスだが、ゲームが進むとパピュラトスの失敗作が出現したり、肝心の本物もキモい化け物に変化して「コロス」と罵ってきたりと、低年齢層のプレイヤーにトラウマを植え付ける展開が目白押し。
      • ある種の毒電波を発信する歪んだ空間が登場する。主のいないオモチャが作りだした心の迷宮という設定のようだが。
      • さっきまで会話していた街の人が帰ってきたら謎のオモチャ軍団によって殺戮されていたという衝撃のシーンはあまりにも生々しい。しかも、その事件を間接的ではあるが誘発したのは主人公(魔法使い)である。
    • このドス黒い内容で全年齢対象である。CERO仕事しろ。

問題点

  • 自由度は皆無。
    • 本家にあったステータス振り分けや武器の強化などはカット。ある意味シンプルで良いとも言えるが。
    • 寄り道クエストといった類の者は一切無く、それどころかストーリーをなぞるだけでマップすらまともに行き来できない完全な一方通行である。本家と同じ感覚でプレイするのはよした方がいい。
      • 純粋なアクションゲームとしても難易度が低いせいで余計に浮き彫りになっている。
  • 戦闘部分の難易度が低い。その分、地形が凶悪。
    • 本家をプレイした人に分かる用語で言うと、「忍耐クエスト」をやっているような気分になる地形が多い。
  • ストーリーの細かい部分が・・・
    • 仮にも海外製のゲームなので多少の温度差は仕方ないが、そうでなくとも幼稚で、ところどころ無理のある展開や人間描写が見られる。
    • ギャグが全体的に時代遅れ。
    • 主人公(戦士)の父親が何故ルビアンを持っていたのかなど、最後まで明かされない謎が多い。
  • ストーリー部分で使用される効果音の使い方が変。
    • ある登場人物が大声による魔法(?)を使う時に、「ガーーーン」というピアノ不協和音が鳴る。その状況でそれは変ではないか?
    • これに限らず、効果音自体が全体的に粗い。
  • 画面上にモンスターが多数存在してスキル使うと処理落ちが起きる。
    • プレイに大幅に支障をきたすものではないが、かなり気になるレベル。
  • 中ボスでも何でもないのに登場箇所・個体数が極端に少ないモンスターがいる。図鑑コンプの妨げ以外の何物でもない。
    • 本家におけるマスコットキャラのメイプルキノコもその一つである
    • モンスターカードは取っても大した意味がないが、もしカードを取得したいのならばロードやり直しが必然となるモンスターがいる。

総評

 「あの」メイプルストーリーのDS参入と言う事でそれなりに期待を集めた本作であったが、中身が予見されていたものと異なっていた事もあり、日本では言うほど知名度は高くない。しかしゲーム部分の完成度は高く、単一の作品として見れば少なくとも凡作以上に入る部類である。
 メイプルストーリーの世界観が好きであれば、一応お勧めできると思う。


余談

  • 当初、このゲームは韓国のみで発売される予定だった作品であり、日本での発売は視野に入れられていなかった。
  • 同じくメイプルストーリーを題材とした3DS用ソフトの製作が発表された。やはり韓国独占の予定だが、同じような経緯で日本や韓国以外の海外での発売も行われる可能性はある。
  • 本作はそれなりに出来はいいが、本家オンラインゲーム版のメイプルは低年齢層の多さ、運営の対応の悪さなどが相まって決して良い出来とは言えない。プレイの際は注意すること。