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たけしの戦国風雲児 - (2021/06/12 (土) 15:06:53) の編集履歴(バックアップ)


たけしの戦国風雲児

【たけしのせんごくふううんじ】

ジャンル ボードゲーム+ミニゲーム集
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 タイトー
発売日 1988年11月25日
定価 5,800円(税別)
判定 バカゲー
ポイント タレントゲー
パロディの嵐
妙にやる気の無いたけし様
無駄に女の子が可愛い
惜しい出来
ビートたけし
たけしの挑戦状/ たけしの戦国風雲児 /突撃! 風雲たけし城


概要・特徴

『たけしの挑戦状』のタイトー+ビートたけしの手になるボードゲームである(ただし、たけし自身は製作に関わっていないらしい)。
戦国時代の日本をモチーフにしており、北海道から九州まで列島縦断するゲーム、ひたすら金を溜めるゲームから、浪人から侍として功なり名遂げ、ゆくゆくは大名となって天下を統一するゲームまで幅広く遊ぶ事が出来る。
またミニゲームだけを遊ぶモードもついている。
ミニゲームの中には当時TBSで放送されていた視聴者参加型バラエティ番組「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城(以下「たけし城」)」*1を踏襲したものもある。

人物面

このゲームの登場人物は多くがたけし関係者のパロディ。ゲーム進行役が殿様に扮したビートたけしなのはもちろんのこと、プレイヤーの持ち駒がたけし軍団のダンカン、大森うたえもん、グレート義太夫に井手らっきょ*2となっている。
ゲーム中に出会うNPCも、サイコロを振る壺振り師がそのまんま東(現・東国原英夫)、港の渡し守が横山やすし師匠で、保険屋がトニー谷のギャグをかまし、大橋巨泉が鉄砲&刀鍛冶、ラッシャー板前が宿(見た目はどう見てもラブホ)のフロント、寺の住職は何故かM.C.ハマー*3etc、枚挙に暇がないとはこのことである。
また、たけし自身も「たけし城の城主」の他に「カレー屋タケちゃん」でも登場する(大名になると、メニュー上での名前が「かれーや」から「じょくじ」になる)。

ゲーム面

メインの「戦国ゲーム」は以下の5つのモードで遊べる。

  • 日本縦断ゲーム…北海道からスタートして九州の「たけし城」を目指すモード。各マスのイベントは簡略化されている。
    たけし城に着いても最後のゴルフゲームで勝てないとゴールにならないが、たまに「面倒だから」と勝ったことにしてくれる場合がある。
  • 商人ゲーム…手段は問わずに金を稼ぐモード。規定の金額まで真っ先に到達すれば勝利となる。下の仕官ゲームと同じイベントが起こるので仕官することも出来るが特にメリットはない。
  • 仕官ゲーム…以下の三つは本作のメインといえるモードである。浪人になってどこかの城にいち早く仕官することが目的。
    王道ではたけし様を訪ねて紹介状を貰い、街の剣術道場で武者修行をして侍ポイントを稼ぎ、目当ての城でつまみ枝豆似の人事担当者に食い下がるパターンである。
    全国七つの城にはランクがあり、基本的に強い城は仕官の条件が厳しい。弱い城はワイロで一発OKのこともあるがその後の展開を考えると苦労する。
    仕官に成功するとたけし様から下の大名ゲームに移行するかどうかを聞かれる。いいえと答えた場合は仕官したプレイヤーの勝利となる。
  • 大名ゲーム…どこかの城に仕える下級武士として、早く出世して大名になることが目的。殿の機嫌を取ったり命令を聞いたりして出世ポイントを稼ぎ、殿に気に入られるのが王道パターン。
    下克上で殿を倒し大名になってしまう手段も存在するが成功率は限りなく低い。
    なお大名ゲームから始めた場合、必ず弱い城からのスタートとなる。
    大名になると仕官ゲームと同様に統一ゲームに移行するかどうかを聞かれる。いいえと答えた場合は大名になったプレイヤーの勝利となる。
  • 統一ゲーム…どこかの城の大名として、全ての城を陥落させるのが目的。城との戦争は一本橋じゃんけんのようなルールで行われる。
    敵の城を攻め落とすには神社で武運長久祈願*4をしなければならず、していなかった場合必ず「惜しいところで攻め切れませんでした」と表示され勝ったことにならない。
    政略結婚で敵の城をモノにすることも可能。しかし高額の結納金+貢物と当然ながら子供が必要となる。
    全ての城(たけし城を除く7城)がプレイヤーの所有となればゲーム終了で、最も多くの城を持っているプレイヤーが最終勝利者となる。ただし七つの城を独占していなかった場合、最後にたけし様の家来*5が襲ってきて、負けるとざまあみろとバカにされてしまう。圧勝したら圧勝したで「それにしてもお前もヒマだね」と言われるが。

ミニゲームは下記の7種類。

  • ゴルフゲーム…ティグランドから打ってホールインワンのみを目指すゲーム(パットやアプローチなどはない)。ゲージが伸び縮みして、パワーのみコントロールして、適切なパワーで打った場合のみカップインする可能性がある。目安は灯篭の足より少し下(弱い)ぐらい。10球トライしてカップイン1つにつき10点。
    • 戦国ゲーム中では…主に「たけしマス」や「たけちゃんカード」使用時に発生することがあり、成功すれば前者ではカードがランダムで貰え、後者なら金500が貰える。「日本縦断ゲーム」では、上記の通りゴールのたけし城に到着すると、ラストゲームで使われる。この時はいずれの場合でも一発勝負。
  • 川渡りゲーム…3列で8つの石(左に3つ、中に2つ、右に3つ)を飛んで向こう岸に渡るゲーム。「方向+A」で意思を選んでジャンプして渡る(前のみ)。真ん中の列は川岸から跳ぼうとしても距離が足らず落ちてしまう(中央奥の石から向こう岸に跳ぼうとしても同じ)ので、最低3つの石を経由する必要がある。また、左右からでも最後に斜めジャンプをすると落ちてしまう。 当時放送されていた「たけし城」の名物ゲーム「竜神池」のようにニセの石が1つ混じっており、それを踏むと池に落ちる。また「出っ歯の飛び魚」という敵キャラがおり、それに触れても落ちた扱いになる。落ちれば0点、渡れば100点。
    • 戦国ゲーム中では…「川」のマスで全くおなじことをする。突破すればカードが貰えて、落ちると持ち金が減る(大名になっている場合、兵士が減る)。
  • 戦国インベーダーゲーム…軍隊とお化けの2パターンがあるがどちらでも同じ。勿論モデルは昭和53(1978)年にタイトーが発売し、翌年一大ブームを巻き起こした『スーペースインベーダー』。
    上記ゲームと同じく敵の玉を防ぐ衝立が6枚ある。敵は最初ザコ6体が出現して、攻撃しながら左右に直線移動して端に着くと、1歩前に前進する(プレイヤーと並ばれヨコから体当りされても負け)。その6体を全滅させれば、次またザコ6体が出るのだが同時にボス(最上段の空間を左右どちらかから現れ一直線に横切る)が出現する。
    ボスを倒されなければ何の意味もなく、逃してしまったら再度ザコ6体を一掃しなければ次のチャンスは来ない。またザコ、ボスとも次のグループに更新されるたびにスピードが増す。得点はボスのみ20点(ザコは単にボスへのチャンスを獲得するだけで何体倒しても0点)。ボスを5体倒すかプレイヤーがやられるまで続く。
    • 戦国ゲーム中では…大名時は主に山賊や民家での一揆時、それ以外では山賊になっている時に軍隊と戦う時や墓場などで幽霊が出た時に発生する。この場合はボスは5体出ることはなく1体倒せばクリア。大名時に負けた場合は兵士が減ってしまう。また自身が山賊でいる時に負けると山賊は解散になってしまう。勝つことで侍(出世)ポイントが微増。
      更に最初のボスで決めることができるとボーナス満載で非常においしいのでこれをマスターしているとゲーム自体の難易度がまるで変わってくる。
+ 美味しすぎるボーナスの数々
  • ①最初のボスで決める(下記②③④条件のいずれにも当てはまらない場合)。 → 金300貰える(この時、「いかさまカード」の使い方を教えてもらえる)。
    • これが一番最低で、これだけは大したボーナスではない。
  • ②衝立を一枚を破られず最初のボスで決める(下記③④条件のいずれにも当てはまらない場合)。 → クリアのキーアイテム「いかさまカード」を5枚もらえる。
    • 地味臭く思えるだろうが正攻法でこれだけ集めるのは結構手間がかかる。
  • ③発射数10発(8発や9発ではダメ)でクリア(この場合衝立が破られていても問題ない)。 → 金3000に加えて「インドの魔法カード」が5枚もらえる。
    • 大金はもちろんのこと「インドの魔法カード」は一定範囲内好きなところに止まれる(今いる場所に再度止まることもできる)ので非常に便利。これも正攻法ではなかなか入手しにくい。
  • ④発射数7発(ハズレなしの最低限の発射数)でクリア(この場合衝立が破られていても問題ない)。 → 一気に大名になれる(既に大名になっている場合は空いている城をランダムで1つ貰える。)
  • 大名になるまでにかかる膨大な手間をカットできるのは非常に大きい。
    • ただデメリットもゼロではない。
      兵士が0からスタート(普通の手順で大名になった場合は500から)するので、その手間が増えること。
      即座に大名になるので自分用の刀を用意する、または強い刀に買い替える猶予がない*6
    • また「士官ゲーム」や「大名ゲーム」といったそれぞれのゲームでの勝利判定はされない(必然的に統一ゲームに強制移行される形になる)。
    • 大名になっていて「空き城を獲得する」場合に、これで最後の空き城を得た場合は勝利判定に移行されない。勝利判定に移行させるには一度プレイヤー間で戦争や政略結婚により城の領有権を移行させる必要がある。
      更にその空き城がない状態でこのボーナスを得るとフリーズしてしまう。
  • 地獄門ゲーム…金山と城門の2パターンがあるが、これもまたどちらでも同じ。「たけし城」の名物ゲーム「自由への壁」に似たゲームで、3枚の壁のうち1つが通れなくなっており、それにぶつかると失敗となる。また道中にはカラスが飛んでおり、これにぶつかっても失敗となる。壁を1枚抜けるごとに20点で5枚抜ければゴール。
    --戦国ゲーム中では…佐渡の金山マスに止まった場合や、城や寺の土蔵に忍び込む場合に発生。クリアするために抜ける壁の枚数は3枚~5枚でランダム。
    金山の場合、成功すると200~300程度の金が貰え、失敗すると体力が減る。
    忍び込む場合、成功すれば寺なら金が、城なら密書が手に入る。失敗すると3回も休みになる。
  • 戦場ゲーム…戦っている戦場を横切るゲーム。左右に兵士が並んでおりランダムで弾を撃ってくるので、それをかわしながら一直線に進む。抜け切るとゴールとなり100点、道中で被弾すると到達距離で10点単位の得点となる。
    --戦国ゲーム中では…大名になっていない*7状態で「戦場マス」(基本的にうしろう城と、よしもと城の間にあるが「?」でもランダムに発生)に着くと発生。無事通り抜けられれば「いかさまカード」が1枚貰え、やられると体力が大幅ダウン。
  • 剣術ゲーム(プレイヤー対戦可)…文字通り1対1で剣術の決闘をする。このゲームは非常にステージのパターンが多い。Aボタンで刀を振り、時折ジャンケンが発生する(左でパー、上でチョキ、右でグー)。
    与えるダメージは持っている刀によって変わり、何もないなら1、「たけみつ」が2「こしひかり」が3、「まさむね」が4、「ぞーりんけん」が5となる。ジャンケンで勝った場合は一律で1ダメージ。勝てば100点、負ければ0点。
    対コンピュータ戦では、絶対勝てない敵が登場。そうでないならただ連打していればまず勝てる(ただしジャンケンが発生するので多少運が絡む場合も)。
    絶対勝てない敵も「いかさまカード」を使うと動きが止められるので、その方法で勝てる。
    • 戦国ゲーム中では…剣の稽古や、大名になっていない状態で戦いになると発生。大体対コンピュータが多い(プレイヤー同士は無印マスで重なった場合のみ)ので上記の通り、敵が「絶対勝てない敵になるか否か」が9割9分を占めると言っても過言ではないので実質運ゲー。
  • ジャンケンゲーム(プレイヤー対戦可)…小学生などが直線の縁石や平均台などを使って行う俗に言う「ドンジャンケン」で、何らかのボタンを押すと1歩進むので、ひたすら連打して走り、相手とぶつかったらジャンケンをして(剣術と同じ)、負けた方はスタートに戻って走り直し、ゴール(相手側のスタート)に着けば勝利。ステージは短距離・中距離(短距離の約1.25倍)・長距離(短距離の約1.5倍)3パターンがある。 他に累計で規定回数負けても負けとなる(ミニゲームモードでは一律50回なので、これで勝敗が決するケースはほとんどない)。その回数は、画面中央に表示されており、その数が5回を切ると「5」「4」「3」「2」「1」と数字になる(6回以上ある場合は「M」)。勝てば100点、負ければ0点。
  • 戦国ゲーム中では…主に城攻めで発生。他には大名になっているプレイヤーが両者が同じ無印マスで重なった場合や、関所や戦場マス城攻めでも発生。他に士官した後に下剋上を敢行してもこれになる。
    規定回数は「兵士の数/100(余りは切り捨て)」(例・733人なら7回)となるが、5000人以上の場合、何人いようが50回。*8
    下剋上の場合は、プレイヤーは「2」しかない(つまり2回負けると終わり)に対して、相手は50なのでガンガン連勝して一気に決めない限り勝ち目がない。
  • 「パーティゲーム」(ミニゲーム専用モード)では最大100点。-
  • 得点はゲーム終了後に発表される。0点の表記が2通りあり、0点か100点のゲームでは「0てん」(れーてん)、部分点があるゲームでは「00てん」(れーれーてん)となる。

評価点

  • 桃鉄シリーズに先駆けてカードの概念を導入している。サイコロを振る代わりに使用することで特別な効果を発揮できる。
    • 矢が飛び交う戦場を突っ切ったり、街の賭場でバニーガールとサイコロ勝負をしたり、道場で剣術の稽古をしたり……と、イベントや出来ることはなかなか豊富に用意されている。またミニイベントが結構アホくさくて笑いが漏れる。
      • 例えば体力回復に訪れるカレー屋の最高性能の商品が「うんこかれー」で低確率で腹を下したり、グルーチョ・マルクス似の仕事屋で「やばい仕事」として暗殺を依頼されて失敗すると町方に捕まり牢に入れられる、関所でSM系の格好をした谷隼人似の役人に「そこのお前、怪しい奴だ、取り調べをするぞ」と言われる、などといった感じ。
  • ミニゲームが7種類と多く、バラエティにも富んでいる。
    • この時代のボードゲームにしては非常に豊富なミニゲームがあるので単調さを感じない。
    • アクションやシューティングなど、その内容も豊富で被る要素がほとんどない。
    • しかも上記の通り、これができるか否かで非常にその難易度が変わってくる。
      • クセが強いものが多いが(特にゴルフや戦国インベーダー)、ちゃんとそれを練習できるモードがある。
  • 日本縦断ゲームは気軽に遊ぶ双六ゲームとしてそれなりの出来
    • ルールがシンプルでFCのメイン層である子供にも分かりやすい。
    • 適度にイベントが起きて、ボードゲームとして丁度良いプレイ時間のため気軽に遊べる。
  • グラフィックは出来が良い
    • たけし軍団を元にした各地のキャラクターはそれとわかるキャラ付けで上手く2D絵に落とされており、グラフィックもFCであることを考えれば十分の出来。
    • 神社や茶店、賭場などの女の子のグラフィックはモデルの居ないタイトーオリジナルのキャラだがけっこう可愛い。
  • 日本全土にまんべんなく配置され地域ごとに異なるイベント「たけしマス」は、テキストのみながら(たまにゴルフゲーム)ちゃんと地域ならではの個性を演出するイベントに分けられている*9

賛否両論点

  • チートじみたCPUプレイヤー(後述の特殊な方法が必要)。
    • 侍状態ならプレイヤーだと「絶対勝てない相手」が5回中1回は出てくるため成功しにくい「道場破り」をモリモリ成功させてくる(しかも大阪だとそれで侍ポイントが150も増える。)。
    • 大名になれば武運長久祈願で「おふだカード」さえ持っていれば、城攻めで必ず勝ってしまうし、自分の城に戻って徴兵すれば一気に兵力が5000になる。
    • こんな具合にクリアに必要なポイントが猛スピードで溜めてくるので、初心者がそれを出し抜いて勝つのは至難の業だったりする。
      • 逆に言えば、このCPUプレイヤー相手に互角以上に渡り合えるようになった者はかなりのエキスパートと言える。そんな者同士がプレイヤー対戦すれば、かなりエキサイティングした戦いになる。

問題点

  • 仕官系のゲームのルールが分かりづらい
    • クリアを目指す場合、やり方がわからないと途方にくれるばかりで、解法を見つけても作業の要素が強く、仮に天下統一クリアをしてもやり方が拙いと、上の通り不毛な結末を迎えてしまう。
  • 移動は十字ボタンで押した方向に進めるだけ一気に進む形式なので桃鉄や一般的なスゴロクの感覚でいると戸惑いやすい。また後戻りができない。
  • 遊ぶ相手がいない場合にコンピュータを対戦相手にすることもできるが、公開されていない。
    • まるで裏技のようなやり方のややこしい隠しコマンドを入力する必要がある。
  • カードが10枚以上になった場合、捨てるカードを選ばなければならないのだが、それがみんな裏向きの中で選ばなければならない。
    • ちゃんと把握していないと「おふだ」「ぞーりんけん」「美人奥様」といった大事なものを捨ててしまうハメになる。
  • パスワードもバックアップもないので、仕官から天下統一までの通しプレイにはひたすら時間がかかりまくるのが痛い。
  • 仕官ゲーム内の「剣術ゲーム」が開始時点で勝負の決まる運ゲー
    • 仕官ゲームにおいて最も重要なミニゲームなのだが、一見普通の剣術勝負に見えるが実際は開始時点で普通の勝負かどうやっても勝てないかの2パターンに分かれ、後者の場合は普通にやってはどう操作しても勝つ事が出来ない。
      • その為、仕官する為には通常の勝負パターンになるまで挑戦を繰り返さねばならない。
      • 一応、絶対に負けるパターンでも勝つ方法自体は存在するが、「いかさまカード」を所持した上で隠しコマンドを入力しなければならず、普通にやっていては気づけない。

総評

ゲームの目的は分かりやすく見所も多く、題材も太閤立志伝の先取りで良い。
メインとなる士官、大名、統一ゲームは、士官や出世の手段の分かり辛く、初心者向けに提示された正攻法では作業感の大きいゲームになっている。
ただし、手慣れた者同士で対戦するなら非常に盛り上がる要素が多い。士官、大名、統一ゲームだけでなく商人ゲームも、数多い手段をいかに有効に使うかもカギとなり、更にそれも運も絡むため予定調和な展開にもなりにくい。
片や初心者同士では、実力が拮抗していても、かなり作業感の強い対戦になりがちになる。初心者向けの日本縦断ゲームはイマイチ単調すぎる点が拭えない。
ミニゲームのコツをマスターした上でノーリスクでコツコツ行くもよし、準備を入念して勝負もあり、逆転を狙ったイチかバチかの一発賭けに出るもよしといった、多彩な戦略を知ってこそ熱い対戦が楽しめるゲームと言えるだろう。


余談

  • 完全クリアを迎えた上である条件を満たすと出て来る一枚絵がファミコンの割りにはエロい。任天堂チェックをどう通ったのか? またおそらく本作制作時の経験を活かし後の「爆笑!人生劇場シリーズ」が作られたのだと思われる。
  • 「たけしマス」に着いても、たけしが現れないことがあり*10「たけしさん きょうはおやすみです さんちゃんいわく なんやまたかいな」というメッセージボックスが出て終わる。これは『オレたちひょうきん族』*11で、この番組の収録をサボってばかりいた当時のたけしを「さんちゃん」こと明石家さんまがディスったネタ。この頃はTBSの「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」に完全に人気を奪われていた末期で視聴率も10%を切ることが珍しくないほど極度に低迷していたこともあって、元ネタを知らないという人も多い。