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ドナルドランド - (2013/08/29 (木) 21:17:48) の編集履歴(バックアップ)
ドナルドランド
【どなるどらんど】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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データイースト
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発売日
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1988年1月29日
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分類
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バカゲー
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ポイント
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原作からかけ離れた非キャラゲー アクションゲームとしてはそれなり
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概要
名前から察せられる通り、本作はハンバーガーチェーン店「マクドナルド」のイメージキャラクター、「ドナルド・マクドナルド」を主人公とした横スクロールのアクションゲームである。ドナルドが、悪魔軍団グモンに支配されたドナルドランドを平和にし、捕えられたり洗脳された仲間を助け出していくという設定。全12面。
特徴
一般的な十字キー+2ボタン操作。ライフ制+残機制。各ステージ最奥にいるボスを倒す事でクリアとなる。
ドナルドはBボタンでリンゴ爆弾(?)を使用し、敵を撃破しながらステージを攻略する。
ドナルドのステータスはステージクリア後も継続し、ライフも増減しない。例として初期ライフはMAXではなく、より高いライフの状態であればそのまま次ステージへ持ち越しとなる。
ライフ制ではあるが、敵と接触すると揉み合い(殴り合い)になり、ライフが1減る代わりに敵も倒すことができるという特徴がある。このためザコ敵であれば同じ相手から二度ダメージを受ける事がない。この手のアクションゲームとしては比較的珍しいシステムを採用している。ドナルドのイメージに反して中々アグレッシブ。
リンゴ爆弾
放物線を描いて飛ぶドナルドの武器。
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投擲後、一定時間経過すると爆発する。爆発前はダメージを与えられない。
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接地または敵(の頭部)に接触すると、対象に吸着する。このため当てられれば一部例外を除き逃げられる事はない。
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移動しながらの投擲で弾道が変化し、より遠くに飛ぶようになる。キー下入力との同時押しで下方へと飛ぶ。
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爆発はドナルド自身が巻き込まれてもダメージはない。
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自身が投げたリンゴ爆弾に「乗る」事が出来る。テクニックを習熟すれば投げた瞬間にジャンプ→乗ってさらにジャンプ、でより高く遠い距離を飛ぶ事が可能。
アイテム
ステージにはパネルを模したアイテムが複数置かれている。
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ハートのパネル
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ライフを1増加する。
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リンゴ爆弾のパネル
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通常、画面上に1発までしか出せないリンゴ爆弾を2発に引き上げる、性質上攻撃力と直結しているアイテム。
取得後に一度でもダメージを受けると効果は消えてしまう。
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1UPパネル
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その名の通り残機数+1。
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ハンバーガーパネル
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通貨の役割を果たすパネル。ステージクリア毎にマクドナルドの商品を買うことができる。上限99。
商品を買うとスクラッチのようなカードめくりゲームに挑戦できる。挑戦回数は個数や種類に依存する。
カードめくりゲームは6枚の伏せられたカードの中から、3枚だけある当たりのドナルドのカードをめくり続けるというもの。3枚全部ドナルドのカードをめくるか、ハズレのハンバーグラーのカードをめくると1ゲーム終了。ドナルドのカードを3枚めくると「1UP」、2枚で「ハート」、1枚で「リンゴ爆弾」がもらえる。ドナルドを一枚も引けないと何ももらえないが、その回数分だけアイテムショップでの価格が半額になるため、運が良ければ(悪ければ?)普通に買うよりも安く済む。
難易度
アクションゲームとしての難易度は比較的高い。
ライフ制のゲームと書いたが、ステージによっては落下による一撃死が多いため操作面の習熟が求められる。
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武器であるリンゴ爆弾は放物線上に飛ぶため敵に当てづらい。しゃがんだ状態でBボタンを押すと足元に、ジャンプ中に十字キー下+Bボタンで少し離れた場所に投げるというテクニックもあり、それらを駆使しなければ後半のボスが厳しいバランスとなっており、慣れていてもクリアは容易ではない。
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ドナルドのジャンプ力は高く、動き自体はかなり空中制御が利くタイプではあるのだが、クセの強い慣性がかかるため滑りやすく、微調整が難しい。足場の狭い場所では操作に苦しめられる。特にアクションな苦手なプレイヤーにとっては非常に大きな壁となる。特にライフが0になったり、ステージ外へ落下した等でミスをした場合は必ずステージの最初に戻されるため、自分なりのパターンを組まないとクリアすることは出来ない。
バカゲーとして
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リンゴ爆弾
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本作のドナルドは上述の通り、リンゴ爆弾を投げて攻撃する。ドナルドの何をどう解釈すればこういう仕様になるのだろうか。この時代はそれこそキャラクターを借りた謎仕様だらけのソフトが氾濫していたので、考え方によっては刃物や銃が使われなかっただけマシかも知れないが。
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とは言えハンバーガーを投げさせてもギャグである。「ドナルドの武器」を選定すること自体がそもそも難しくはある。
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敵キャラがキモい
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特に後半のボスは悪役らしいモンスターが多く、一つ目だったり無駄にディズニーチックな絵柄だったりする。
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ダメージを与えた際の×目などはコミカルと言えなくもないが…やはりキモい。
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無駄にカードの絵柄の完成度が高い
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前述の通り、ステージクリア後、買った商品によってカードめくりゲームが出来るのだが、その絵柄が妙にリアル。ドナルドの絵もハンバーグラーの絵も忠実に再現しているといえばその通りなのだが、はっきり言って怖い。知らない子供が見たら泣き出してしまいそうなレベルである。
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その他
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ハンバーガー、フライドポテト、マックシェイクを一緒に買う(いわゆるバリューセット)と、後で販売されるアイテムの値段が割引される。無駄に凝った仕様だがある意味こだわりを感じる。
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グラフィックは当時のレベルとしてはまずまずだが、ステージ中にある顔のついた切り株の上に乗ると、切り株の顔がニヤリと笑うなど、不気味な演出が多い。前半のステージならいかにもマクドナルドなワールドなのだが、後半の深く暗い不気味な森の中で目を見開いてニヤリと笑うのは完全にホラー。
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樹に限らず、後半ステージは恐ろしいほどに無駄にホラー演出が凝っている。敵キャラクターは基本的にはコミカルなのだが、立ち止まって暫くしていると背景の森(顔つき)の瞳が一斉に点滅し始めたり、黄土色の手が襲ってきたり、背景の目が見開いてこちらを見つめてきたりする。音楽も怖い。
評価点
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アクションゲームとしての破綻は少なく、また通常プレイの上で致命的なバグは無い。当時のアクションゲームとしては完成度も高く、難易度は高いものの絶望的という程ではない。子供向けとは言いがたい無駄にホラーな演出や、一部のバカゲー要素も、見方によっては評価点に成り得る。
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ネタにされやすいホラー演出についても、もともと絵本調のマクドナルドキャラを使うゲームで緊張感を高める手段としては、それなりに妥当な選択とも言える。暗い童話風の怖さ、不気味さであり、ゲーム美術としても、ファミコン時代なりによく作り込まれている。
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後に『メタルマックス』のBGMを手掛けることになる、酒井省吾氏によるBGMはなかなかの良曲揃い。後半のホラー要素も含め完成度も高く、ファミコン音源を上手く生かしたサウンドは地味ながら高評価。
総評
アクションゲームとしてはそれなりの出来を持っているものの、一体どんな客層を狙ったのか…トラウマを植え付けかねないデザインに中々に記憶に残るBGMなどただのクソゲーではない事は確かなのだが、万人向けとは程遠いDECOの迷作の一つである。ある意味で安心と信頼と実績のデコゲー。
重ねて言うがアクションゲームとしては破綻しておらず、手応えはある。マクドナルドに全く縁がない、或いは縁が深いプレイヤー、ひねくれ者のプレイヤーは手を出してみるのも一興だろう。
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