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1999 ~ほれ、みたことか!世紀末~ - (2021/04/13 (火) 20:32:21) の編集履歴(バックアップ)


1999 ~ほれ、みたことか!世紀末~

【いちきゅうきゅうきゅう ほれ みたことか せいきまつ】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 3MbitROMカートリッジ
発売元 ココナッツジャパンエンターテイメント
発売日 1992年9月18日
定価 7,300円
判定 バカゲー
ポイント SFバカゲー
(バカ)異星人に蹂躙される地球


物語

1995年。「ピンキー星人」は「ノーム星人」が地球侵略を開始したことを警告するため地球へと飛び立った。
しかし宇宙船は地球上空で燃料切れを起こし、呑気な大学生四人がキャンプに興じている所に不時着してしまう。
「ノーム星人が地球を狙っているが、落ちたときのショックで科学力が使えなくなってしまった。しかしきみたちだけでも助けたいから、1999年までに出来るだけ多くの『宇宙パワー』を集めるのだ」
それが世紀末の始まりだった……。

概要

ココナッツジャパンエンターテイメントが『爆笑!愛の劇場』に続いて発売したボードゲーム。おそらく同じ開発チームの作品と思われる。
四人のプレイヤーが双六形式でマップを進み、「宇宙パワー」を集めていく。最終的に最も多くのパワーを集めたものが勝利。

  • 「宇宙パワー」とは人が快感を得たりすることで発生するらしく、主に得をするイベントが起きると増える。
  • マップ各所に存在する「核シェルター」を購入しておき、そのシェルターを通過したりピッタリ止まったりすることでも宇宙パワーが増加する。所有者でない者が止まっても意味はない。
  • 双六といってもゴールに辿り着けば終わりではない。マップは一種類のみで、一人がゴールすると全員がまたスタート地点に 戻って周回をする(トップになると宇宙パワーが少し増える)。ゲームはこれの繰り返し。
  • 1周すると、ゲーム中の時間で半年が経過する。時間が進む程ノーム星人の侵略(社会進出)と異常気象が進んで地球の危機は深刻になっていく。
  • ゲームは「1995年1月」の周から開始され、「1999年7月」の周が終わると終了となる。つまり10周すると終了となる。

変な点(笑いとばせるなら評価点)

  • ゲームを始めるとまずプレイヤーを作成するのだが、この時点ですでにバカゲー。
    • 最初に名前を入れる際、どんな名前を入れてもランダムで「かわいいなまえだね」「ふざけたなまえだね」と言われる。
    • 次にルーレットで顔を上下半分ずつ選ぶ。若禿げになったり鼻の穴が大きくなったりする。
    • 最後に職業もルーレットで決めるが、医者・ビジネスマン・芸能人等に混じって対象年齢をどう捉えているのか「ホスト」がある。
      • ちなみに「フリーター」も存在。これになると(なってしまうと)定職に就くまでマップ開始時の給料が貰えない。
  • 最初は無難なゲーム中のマスも、周回が進む毎にどんどんマイナス傾向のものが多くなっていく。
    • 地球は砂漠化の後事故の影響による氷河期を迎えるため、それに該当する「砂漠」マスと「氷河」マスが存在。最初の2年間は職業に関するイベントのマス(成功すると儲かる)が多く存在するが、3年目の砂漠化になると一気に減少し、4年目以降の氷河期になると殆ど無くなり、5年目になると全てなくなってしまう。
    • また、マップ上の背景も、周回が進む毎にどんどん荒廃していく。
      • 内容も「朝起きたら車が砂に埋もれていた」「突然地面の氷河が割れて股が裂ける」「つららが頭に落ちてきて入院」といったバカイベントだらけ。
    • 特筆すべきは「ノーム教」のマス。前作に続き(?)今作でも「ノーム、ノーム」と唱える某尊師に酷似した教祖が登場する。
      • 起こるイベントも「『特製爪の垢ドリンク』を買わされる」「恥ずかしい歌を歌わされる」といったマイナスイベントが大半。
      • ただしミニゲームで脱退出来るイベントも発生。成功するとパワーが増える以上にプレイヤーの気分がいい。
    • それ以外のノーム星人は「プレイヤーがナンパしていた美女に化けていて金を巻き上げる」「ボッタクリバーさながらの客引きでプレイヤーを釣る」などやけにセコい手段で地球人を苦しめてくる。
    • また「おやかた」とかいう関取のような姿の怪獣(ちなみに文字通り人を食うらしい)による競馬(?)の胴元もやっていて、プレイヤーが参加して当たればそれなりに儲かる。
  • プレイヤーたちも奇態な行動を取る。以下は一例。
    • 「神社の境内で昼寝していて神隠しにあう→母ちゃんがテレビの人捜しコーナーに出て恥ずかしいのでさらに逃げる」
    • 「鼻毛が凍結して鼻の穴が塞がる→口で呼吸すればいいのについ口を突っ張ってしまい呼吸困難になる」
  • SF要素があるためか、「吸血サボテンに血を吸われる」「雪男に殴られ金を奪われる」といった怪生物イベントも発生する。
  • 作曲者がくにおくんシリーズと同じ澤和雄氏であるため、ゲーム中の音楽はくにおくんシリーズの曲に似たものが多い。
+ そしてエンディング

どうやってもバッドエンド(?)である

  • 上記の通りノーム星人の地球侵略はどんどん進み、これを防ぐ手立ては無い。
  • そして1999年7月を迎えると期限が終わってエンディングとなり、集めた宇宙パワーを使って地球脱出ロケットに乗るのだが……。
    • 四位の者は点火役として地球に残留し、三位の者は途中でロケットを切り離され地球に不時着し消息不明。二位の者も同じくして宇宙を浮遊する羽目になる。
    • 一位の者だけがピンキー星に到着して歓迎されるが、そこには大量の白骨死体が……。
    • 「変な異星人の甘言に乗って一人だけ脱出して同胞を見捨てたものに未来はない」とでも言いたいのかどうか・・・。
    • ちなみに今回もスタッフロールは無い。

問題点

  • 殆どが運ゲーでありボードゲームとしては駆け引きや盛り上がりに欠ける。
    • サイコロ代わりのカードを引く際に妨害カードを得られることがあるが、その場で使わなければならない上に相手が仕掛けたマスに止まらないと意味がない。
    • イベントでのパワーの増減も幅が小さく一発逆転要素が無いため、大差が付くとほとんど跳ね返せない。
  • パーティーゲームなのにエンディングの後味が悪い。
    • 危機が迫っているのに対し数年かけてやる事が、自分だけ助かるために立ち回ってその挙句がいずれもバッドエンドでは本当にどうしようもないと言われるのも仕方のないところである。合わない人には徹底的に合わないゲームと言える。
  • フォント
    • なぜかカタカナ語が、カタカナだったり平仮名だったり統一されていない。

評価点

  • ネタは豊富
    • イベントは色々と用意されており、他にも「そうです うわたすが 放火魔です」といったパロディイベントをはじめとしてバカイベントには事欠かない。
  • BGMはかなり曲数が多く、1ループが短いものが多いものの、旋律が良く妙な中毒性があるものが多い。

総評

テンポはそこそこ早いので苛つきはしないが、ゲーム性はあまり高くない。前作同様に多人数でプレイしてバカイベントを笑いとばせれば、それなりに盛り上がれるゲームである。

余談

  • ノーム教教祖のモデルはどう見てもオウム真理教の麻原彰晃。
    • 発売当時のオウムは「変なおじさんが率いるおもしろ集団」程度の認識しか無く、バラエティ番組でも芸能人が面白がって持て囃していたほどであった。
    • 本作発売の3年後、地下鉄サリン事件を皮切りにオウムが最悪のカルト教団である事が露わになり、今ではとても笑えないネタになってしまった。