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鈴木爆発 - (2014/11/16 (日) 16:40:47) の編集履歴(バックアップ)


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鈴木爆発

【すずきばくはつ】

ジャンル 爆弾を解体するゲーム
対応機種 プレイステーション
発売元 エニックス
開発元 ソル
発売日 2000年7月6日
定価 5,800円
分類 バカゲー
ポイント 鈴木さん

概要

主人公の鈴木さんの目の前にあらわれるさまざまな時限爆弾を解体していくゲーム。
エニックス(現・スクウェア・エニックス)がPS円熟期に発売した、いかにもプレステのゲームらしい怪作である。

特徴

ゲームは分岐のあるステージ制で、各ステージは「実写パート」と「解体パート」に分かれている。

実写パート

鈴木さんが爆弾に出会うまでの経緯が実写の静止画で説明されるのだが、その説明というのが

  • 宅配業者がみかんを差し出してきたと思ったら爆弾だった
  • アイスコーヒーを頼んだら爆弾だった
  • 春一番(アントニオ猪木のモノマネで知られる芸人)の公演を見に行ったら舞台上に車のエンジンが置いてあって爆弾だった といった不条理なものばかり。この不条理な世界観とハウス&ラウンジミュージックで評価の高いFantastic Plastic Machineの音楽、リリー・フランキー、水木一郎、YOUなどの選考基準のよく分からない出演者が相乗効果となって、独特のシュールな雰囲気が醸し出されている。
    + ...

    水木アニキ熱唱、ガンダーのテーマ

    監督役でちょっとだけ出るリリー・フランキー
    登場する爆弾の種類も豊富で、「みかん」「エンジン」はまだしも、「アイスコーヒー」「海」「影」といったとても爆弾になるとは思えないものが登場したり、「こたつ」の中が宇宙空間になっている、「カワイ リカ」(ゲーム中の歌番組に登場するアイドル)が浮世絵が描かれた立方体として登場するなど、爆弾そのものが不条理であったりする。最終ステージでは「私を解体して」と迫られ、「伊藤さん」を解体することになる。
    + ...

    鈴木さんを襲う様々なシチュエーション

    爆弾「海」オープニング

    最後の爆弾「伊藤さん」

    伊藤攻略のヒントが実は「携帯電話」にある

解体パート

  • ドライバー、ニッパー、スパナ、六角レンチ、セロハンテープなどの道具を駆使して制限時間内に爆弾を解体していく。爆弾にはさまざまなトラップが仕掛けられており、トラップの仕掛けに合わせてねじを回す、緊急起爆装置のタイマーが作動する前に素早く止めるといったアクション性が要求される場面も多い。

評価点

  • 爆弾解体の緊張感はそこそこにある。
    • 前述のトラップや緊急起爆装置、制限時間間際のBGM等焦りを誘う演出は良くできている。
  • 爆弾を爆発させた時(ゲームオーバーになった時)に流れるムービーも極端に規模が出かかったりするので笑える要素ではある。
  • 解体パートの鈴木さんは事あるごとにしゃべり、その内容も「おう?」「わあー」といった一言から、「ちょっと待って、シャツ脱ぐ」と突然言い出したり、生々しい交友関係のグチをねちねち言ったり、脳内マージャンを始めたり、笑いっぱなしになったりとさまざま。
  • それぞれのステージには遊び心のある演出が多数含まれている。例えば「エンジン」ステージでは制限時間が残り40秒になるとアントニオ猪木引退時のスピーチが流れ出す、「1、2、3、ダァー!!」で爆発するなど。
    + ...

    極悪ステージ「エンジン」

    ステージ成否に関わらず「ダァー!」で爆発

残念な点

  • ボリュームがやや少ない
    • 以上のように、ゲームのコンセプトや雰囲気は抜群なのだが、ゲームそのものの進行は単調であり、爆弾のトラップのバリエーションが少ないため飽きるのが早い。
    • ステージ数は19と少なく、1ステージあたりのプレイ時間は1~10分ほど。難易度による変更も制限時間の変動と緊急起爆スイッチの設置程度しかないため、ボリューム不足は否めない。
    • 反射神経を要する複雑なトラップが連続する「エンジン」に対して、起爆装置への移動とコードを切るだけで終わる「携帯電話」「アイスコーヒー」があるなど、ステージごとの難易度に両極端なところがある。このほとんど解体をしないステージの数が意外と多く、やはりボリューム不足感を出してしまっている。
  • シュールで説明不足なストーリー展開
    • 間違ったルートやダミーのトラップを外すと、そこに爆弾魔と思しき人物からのメッセージが書かれていることがあり、鈴木さんへの偏執性が感じられるのだが、犯人の正体についてはゲーム中ではまったく触れられないし、解決されない。
    • 何故爆弾が仕掛けられているか等も語られないので釈然としないままゲームを進める事となる。
  • セーブ・ロードの方法が画面の奥から迫ってくる2つの標識のうち「SAVE/LOAD」と書かれた方を選ばなければならないという非常に面倒な仕様になっている。コツをつかめば正解を選ぶのは難しくないが、標識の移動速度が速いので、油断をするとどちらも選べずにセーブを失敗してしまうことがある。

総評

爆弾解体の緊張感はそこそこにあり、実写で紡がれるアホらしいプロットと悪ふざけとも思える不条理ギャグ、
鈴木さんを演じた緒沢凛のかわいらしさもあってコアなファンの多い作品だが、肝心のゲーム性はあまり奥深いものではない。
良くも悪くも「一発ネタ」のゲームだが、メーカーがはじめからバカゲーのつもりで作り、それがスベらずにプレイヤーに受け入れられた稀有な作品である。

余談

  • 極楽とんぼの加藤浩次はこのゲームがきっかけで緒沢凛のファンになり、後に結婚している。
  • 本作のプロデューサーは後に、iPhone用RPGのケイオスリングスシリーズを生み出している。