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炎の料理人 クッキングファイター好 - (2018/10/23 (火) 23:54:20) の編集履歴(バックアップ)


炎の料理人 クッキングファイター好

【ほのおのりょうりにん くっきんぐふぁいたーはお】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション
発売元 日本一ソフトウェア
発売日 1998年5月21日
定価 5,800円(税抜)
配信 ゲームアーカイブス:2015年4月30日/617円
判定 バカゲー
ポイント 有名アニメネタのパロディ満載
無駄にアツいテンション
料理を作るより奪った方が早い料理バトル


行くぞォッ!いざ、概要ォッ!

魔界戦記ディスガイア』等で有名な「日本一ソフトウェア」がまだ自社の路線を模索していた頃に作った、バカに徹底的に振り切ったゲーム。主人公であるクッキングファイター好(ハオ)の料理による(!?)戦いを描く。
物語に沿って進めるストーリーモード。CPUや他プレイヤーを相手に戦うフリー対戦モード。作中の料理やその解説を鑑賞したり自慢するアルバムモードで構成される。
ストーリーモードはフルボイスのオートイベントで進行し、各章につき1人ずつと料理対決をするのだが、このストーリーと料理対決の双方がパロディ、突っ込み所満載であり、本作をバカゲーとして強烈に印象付けている。
端的に説明すると、原作クラッシャーとして知られるアニメ監督・今川泰宏氏の作品『ミスター味っ子』*1と『機動武闘伝Gガンダム*2(以下『Gガン』)のパロディネタ満載のバカゲーである。

俺がストーリーを教えてやるぜェッ!!

料理の道を志す若き獅子たちに告ぐ。
汝、真の料理人を目指すならば、
味道求心の教えを忘れることなかれ。
料理とは己との戦い。
味とは己を映し出す鏡。
常に研鑽を怠らねば、汝、超龍厨士の資格あり。

料理の道は険しきもの。
味の真理は深遠の彼方。
この道、極めんとする者、汝、一切の望みを捨てよ。
されど、あえて修羅の道を選ぶ者あり。
汝の名はハオ。
料理は心と信ずる者。
料理は力と悟りし者。
両者相対する時、天地を揺るがす嵐を呼ぶものなり。
されば、今こそ我らは叫ばん・・・

炎の料理人 クッキングファイター好ッッッ!!!

…よく分からない人は↓こちらを

中華料理4000年の歴史の頂点に立つ男、味魔王。
その味魔王を追う一人の若き料理人がいた・・・
その男の名はハオ!
料理人の誇りをかけて、
今、命懸けのクッキングバトルが始まるッッ!!

(ゲームオープニング、及び公式サイト参照)

ゲェェーーームの流れッ!

  • 料理対決のシーンでは、フィールドをうろつく食材である鶏、豚、鯛、などを攻撃して倒し、調理する。
    • 野菜なども配置されているが、これは敵(食材)にぶつける以外に使い道は無い。
    • 食材も反撃してくる。HPがゼロになるとダウンするだけですぐに復帰するが、せっかく作った料理を1つ失う。
    • 食材もHPは尽きると気絶する。その間に必殺技を発動させて調理する。そんなバカな…。
    • 食材がフィールド上から無くなると終了。作った料理の総ポイントに応じて勝敗が来まる。
  • 必殺技は複数あり、技によって異なった料理が完成する。無論、食材によって作られる料理も違う。つまり食材×必殺技分の料理が存在し、しかも全ての料理に『味っ子』ばりの解説が用意されている
    • 一般の必殺技(基本仕上げ技)は5種類。それに操作キャラクター固有の必殺仕上げ技が1種類の合計6種類。
    • 1戦で見ることができる解説は最もポイントの高い1種のみ。
      • 登場人物の熱い解説はストーリーモードでのみ見る事が出来る。アルバムモードではストーリー、フリー対戦問わず今まで作った料理の写真と普通の解説が見られる。
    • 食材によって仕上げ技の相性があるため、好みの料理の解説が見たければ、バトル中に使う仕上げ技を統一でもしないと難しい。
    • 仕上げ技の選択は、○ボタンを押しながら方向キーを時計回りに押し、特定の角度で○ボタンを放して選択する方式のため、熟れないと好みの仕上げ技を発動するのは困難。
    • 必殺仕上げ技は「○ボタンを押しながら方向キーを二周」というご無体なコマンド。
  • ちなみに、前述の野菜等(サブ食材)、敵にぶつけると敵とサブ食材の相性によって完成した料理のポイントにボーナスが加算される。
    • ただし、相性の悪いサブ食材をぶつけるとポイントが減点される。
  • これだけ見ると、アクションと駆け引きの要素を合わせた面白いバトルのようにも思えるが、このバトルにはとんでもない仕様があり、それが対戦ツールとしての価値を著しく下げている。詳細は後述。

未熟者めが!これが問題点だ!

料理人のくせに料理で勝負する気が無いのか!

  • 上記のようにユニークなシステムを盛り込んでいるのだが、実は対戦相手を攻撃してダウンさせると作った料理を奪えるためそちらの方が効率が良いという無茶苦茶っぷり
    • しかもこのゲーム、「食材を倒した側に調理の優先権が発生する」という仕様ではない。つまり、相手が倒した食材を横取り調理することができてしまう。
    • のんきに必殺仕上げ技を繰り出せる状況は少ないため、料理と解説のコンプリートの高難易度化に拍車を掛けている。
    • ぶっちゃけ、まともにポイント勝負をするなら相手の料理を奪った方が効率が良いため、そこまでやりこむプレイヤーはほとんど居なかったが。
  • 敵料理人は負けると主人公の料理を食べて、上記の『味っ子』を彷彿とさせる解説をするがそれはお前から奪った料理だってのはよくあることである。
    • 敵は「これは人の作った料理なのか!」などと大袈裟な感想を言うのだが、もしそれが奪われた料理なら酷い自画自賛をしている事になる。
    • しかも敵は食材よりも主人公に優先して向かってくる事もしばしば。お前ら料理しろ
  • ストーリーモードでは、敵の面々は「料理とは力だ!」と事あるごとに主張し、主人公は「違う!料理は心だ!」と叫ぶのだが、敵の料理を奪った方が良いのだからやっぱり「料理は力」である
    • 挙げ句、勝利時の主人公の台詞は「心の料理、調理完了!」である。どの口が言うか
    • こんなシステムでありながら、本編のセリフは「おたまは人を殴る道具じゃない*3」「料理人なら料理でケリをつけたらどうだ?」「所詮、料理人は料理でしか語れない」。…え?

作画にやる気が感じられんぞ!

  • ストーリーパートは1枚絵+フルボイスの紙芝居で、たまにアニメーションする。PCエンジン時代のムービーに近い。しかしこのストーリーモードの作画がハッキリ言ってヘタ
    • キャラの顔は不安定な上にデッサンが常に狂っているし、胴体とのパースもおかしく、いやに漫画チックでありゲームの絵に向いていない。
    • その不安定さや下手さたるや80~90年代の少年漫画雑誌の期待されてもいない新人漫画家の初連載の絵のような状態であるといえば少しは伝わるだろうか?
  • 演出、アニメーションも奇怪で、明らかな手抜きシーンや、シュール過ぎてギャグにしか見えない(寧ろ、狙っているとすら思える)演出が大半を占めている。
    • 主人公やその父がラスボスに攻撃を浴びせるシーンでは、肝心の技のグラフィック自体が無く、要するに何をしたのかがさっぱりわからない
    • 主人公の母とヒロインの母の外見が殆ど同じ。髪型が違うだけのほぼ使い回しである。それもヒロインの母に会う→「母さんに似ているな」→母の事を回想と、ほぼ続けて登場するので嫌でも目についてしまう。
    • 一枚絵を複数箇所に流用している部分があるのだが、かなり強引に使い回しているケースも見られ、これもギャグにしか見えない構図に。
    • 打撃の効果音も妙に軽い。「ボスッ」と言う感じ。
      • ヒロインに襲いかかった暴漢を殴り倒すシーンなどの見せ場でもお構いなしにこんな音なので、主人公にやる気が無いように聞こえる。
      • しかもこの効果音、主人公とヒロインがじゃれ合うシーンでも使われており、こっちはこっちで本気で殴ってる音にしか聞こえない。
    • 一方、バトルパートのSDキャラグラフィックは作り込まれており、キャラごとに細かいアクションが用意されている。
      • ヒロインの「クミン」がある技を使用したときに顔グラのカットインが入るのだが、1枚絵とは別人にしか見えない萌え系のイラストになっている。作画者からして違うのだ。

ゲームとしても問題だらけだ馬鹿者!

  • そもそもストーリーモードはプレイするシーンは少なく、プレイ時間の大半はイベントシーンを見せられる。
    • バトルパートでも頻繁にイベントが挟まる。それもアクションゲームやRPGのような挟まり方ではなく、いちいちバトルパートを中断してイベント画面に切り替わるので、テンポが損なわれるどころの話ではない。最初から最後までの一貫した勝負と言うのがなかなか出来ないのはどういう事か…。
    • 一度だけ主人公ハオではなくヒロインのクミンを操作して勝負をするシーンがあるのだが、食材1匹を調理した瞬間に終了。いくらなんでも短過ぎる…。
      • 余談だが、クミンの武器はおたま。おたまは人を(ry
    • つまるところ、バトルに関しては対戦モードで存分に楽しんでね、と言う事らしい。
  • ある人物との初戦では相手が一切動かず静観する中、主人公だけが料理をする事になる。未熟な主人公相手に本気を出すまでもない、という余裕の表れであり、相手の強大さを表現するイベントバトルの演出としては良い。
    • 何が問題かと言うと、相手に無敵処理がされていない事である。その為、こちらから斬りかかる事も出来るし、動かないものだからほっとくと食材(スッポン)にタコ殴りにされている事も。余裕をかましておきながら、スッポンに攻撃されて悲鳴を上げる様は非常にカッコ悪い。
  • 一番盛り上がるクライマックスも、ゲームとしては問題。
    • ネタバレになるが、最後の対戦相手は主人公の父親・味魔王。決着後、ラスボスである巨大な怪物*4が出現し、最後の戦いが始まる。兄やライバル達と共に最凶の敵に立ち向かい、死闘の末にヒロインを救い出し、勝利する。クライマックスらしく盛り上がるシーンである。
    • ……が、なんとその一連の流れは全てイベントで済まされる。要するに前哨戦だけ操作して、最終決戦は見てるだけなのである。
      • 最終章以前にもラスボスの一部との闘いがあるのだが、やはりそちらも盛り上げるだけ盛り上げておいて全てイベントで終了。
      • このラスボス、「奴の身体こそが食材。料理こそが奴を葬り去る唯一の方法」だの、ラスボスに融合させられているヒロインにラスボスの一部を調理した料理を食わせろだの、とんでもない対処法が飛び出して来るのだが結局プレイヤーは何もさせてもらえない。
      • ご丁寧にラスボスを前にして主人公は「これが最後の、クッキングバトルだぁぁーー!!」と叫ぶのだが、実際はただ見るだけなのでは拍子抜けもいい所である。
      • 本記事では便宜上「ラスボス」と表記しているが、ぶっちゃけた話ラスボスどころかボスですらないただのイベントキャラなのである。大仰なビジュアル、設定の割にはゲームとしての役割は何も無い。対人戦以外をゲーム化するという選択肢は無かったようだ。
  • 上述したが、料理の熱い解説はストーリーモードでしか見る事が出来ない。
    • アルバムモードでは普通の解説を読む事しか出来ないので、熱く解説してもらいたければいちいちストーリーを見なければならない。料理の数も多い為、熱い解説を見て回るのは非常に面倒であるし、また同じ解説を観賞したい場合でもまたストーリーモードのバトルで料理の調整をする必要がある。
    • 解説者は固定なので、キャラを選べるフリー対戦モードで流すのは難しいだろうが、せっかく凝った解説をフルボイスで収録しているのだから、アルバムモードで自由に観賞出来れば良かったのだが。

違う!このゲームはバカゲーだッ!!

パロディ、突っ込み所で塗れているッ!!

  • 冒頭で触れた通り、本作は今川泰宏監督作品『ミスター味っ子』『機動武闘伝Gガンダム』のパロディに塗れている。以下はその一例。
    • 主人公ハオは『Gガン』の主人公ドモン・カッシュに、その父親の味魔王はドモンの師匠のマスターアジアにそっくり。
      • ハオのCVは檜山修之氏。登場当初のクールな振る舞いから、全編を通して上げ続ける熱い叫びまで見事に演じ切っており、本作の熱苦しさは氏の熱演による所が大きい。ドモン役の関智一氏を起用しなかったのは最後の良心なのか。
      • そして味魔王のCVは『味っ子』の味皇を演じた藤本譲氏である。料理解説のシーンは正に味皇そのもの。
    • 主人公が本気を出すと金色のオーラを発する*5
    • 父親と主人公が会うと、いきなり殴り合いを始める*6
    • 上記のストーリー的な意味でのラスボスにヒロインが取り込まれる。そしてラスボスは最期は主人公とヒロインの「愛の力」で消し飛ばされる*7
    • 主人公の兄は敵側の人間でありながら忍者に変装し、正体を隠して主人公を導く*8
    • 主人公のライバル的ポジションのキャラが登場早々「アタシの料理が美味いだって?そんな事は当たり前!当たり前!当たり前ーっ!!」と自画自賛する*9
  • 『北斗の拳』『ジョジョの奇妙な冒険』『中華一番!』といった人気漫画のネタも多々登場する。
  • パロディを抜きにしてもストーリーは突っ込み所満載。と言うより突っ込み所しか無い。やたらと暑苦しい登場人物達がいちいち無駄に熱いやりとりを交わし、他作品ではギャグにしかならないようなシーンでさえ大真面目に(そして熱く)ぶつかって行く為、前述の酷い作画や演出も却って相乗効果となり、全編を通してバカゲー色に塗れたストーリーが展開する。明らかにスタッフは確信犯である。
    • 料理対決をしているはずなのに、「血祭りに上げてやるぜエ!」だの「その拳で私にトドメを刺すんだ!」だの言った台詞が普通に出てくる。そりゃ確かに料理を奪う為に斬り合うゲームですけど…
    • 薬膳料理を食べただけで「風邪が治ったァー!」と叫ぶ、主人公が兄と和解するシーンではピンクの水玉模様の背景で抱き合う、ヒロインが祈りのポーズを取る度にいちいち脱ぐなど、最早真面目に突っ込んだら負けなレベル。
    • 中には「これは美味い!う・ま・い・ぞォォォーーーッッッ!!!」と絶叫した直後に、何事も無かったかのように「ダメだな、この料理はなっちゃいない」と冷静に発言する*10と言う、電波に片足突っ込んだような台詞も。
      • 愛のエナジー100%」「あたしの料理が不味いなんて物理的にあり得ない」など、深く考えなくても目眩がするような台詞も多数。
    • 謎めいた主人公が颯爽と活躍する冒頭を始め、ライバルとの出会い、ヒロインとの交流、トラウマを克服してのパワーアップ、激闘を経ての敵との和解など、この手の作品のツボは押さえており、ストーリーの骨組みはしっかりしている。その中でツッコミ所満載の暑苦しいやりとりが絶え間なく続く訳なので、波長が合う人は大いに燃えながら笑える事だろう。
      • リニューアル版公式サイトでは「熱量無限大の演出ゥッッ!!!」「超熱血感動激闘エンターテイメント!」「胸を滾らせろォォォオオオオオ!!!」などと表現されている。暑苦しいわ!
    • 挙句、ゲーム開始時には「この物語をすべての料理人に捧げる」と表示される。捧げられても全ての料理人が困る事間違い無しッ!
  • ゲームを起動すると「この作品はフィクションです。実在の人物・団体・料理とはいっさい関係ありません。」と表示される。料理も関係ないのかッ!

ボイス周りも無駄に豪華だァッ!!

  • 上述の檜山・藤本両氏の他、ヒロイン・クミン役の田村ゆかり女史をはじめ、三石琴乃女史や先述した鈴置洋孝氏、二又一成氏などやたら豪華な声優陣が声を当てている。
    • しかもストーリー・料理バトルパート共にフルボイスという大盤振る舞い。キャラボイスがないシーンは1つもない。
    • 声優陣の演技は非常に良く、モブキャラにすら棒読みは一切無い。よってストーリーモードの変な作画と合わさって絵はおかしいのに声は一流というカオスなことになっている。
    • 流石にマスターアジア役の秋元羊介氏や『味っ子』の主人公・味吉陽一役の高山みなみ女史などは出演していないのでそこは期待しないように
  • アドリブなのかテキストを表示させないだけなのか、ボイスと文章が一致しない部分がある。例えば冒頭の客Aの台詞。 「いやいや。オヤジさんのこの鳥料理は最高だよ。なんてったって、このタレが
    + ……ペラペラ…ペラペラ…」(←表示される文章) 絶品だぁな!濃過ぎず…辛過ぎず…、それにこの、香ばしさぁ…、
    こいつがその、ふんわり蒸し上がった鶏肉にねっとりと絡んで…ハハハッ、なぁ?」(←実際に流れる音声)
    • 最初の敵は主人公の料理を食べた際に泣きながらトランス状態(!?)に陥る。文章は「ブツブツ……ブツブツ……」としか表示されないが、よく聞いてみると「走る…!走るぞ…!」だの「俺の頭がぁ…」だの呟いている。一体何を食わせたんだ…主人公*11
      • 余談だが主人公はこの後、飲食店の親父に「俺の作った料理を(病気で寝込んでいる)奥さんに食わせてやりな。少しは楽になるだろう」などとのたまう。 絶対「楽になる」の意味が違う…。
    • 料理の解説に至っては『味っ子』ばりの解説をしておきながら、表示されるテキストは「○○○(料理名)解説中」だけである。
  • セーブ&ロード時には檜山氏の「セェーブッ中ッッ!!」「ロォードッ中ッッ!!」という熱いボイスが入る。うるせぇ

まだまだ評価点はあるぜッ!!

  • 料理シーンはグラフィック、演出などがよく作られており、システムもユニークで光るものがあった。
    • 料理シーンのドット絵は、マール王国にも負けないくらい細かく良く動く。
    • 一話のモブキャラ「オヤジ」と一話の雑魚キャラ「ザコ」が、フリー対戦モードでプレイアブルキャラとして操作できるのも爆笑物*12
    • 上述のとおり、料理シーン最大の問題は「対戦相手を攻撃することでダメージを与えることができかつ料理を横取りできる」の一点だけで、この仕様さえなければポイントの駆け引きも熱く対戦ツールとして使えるものになったと思えるのだが。
  • BGMは熱い曲が揃っており、暑苦しい物語を更に熱く盛り上げている。…ギャグなのかシリアスなのかは別にして。

これがッ!!このゲームの総評だァァッッ!!!

 ゲームとしては操作する機会が少ない、システムに難がある、ビジュアルが悪いなど、問題点だらけではあるが、それすらネタの一環とすら思える日本一ソフトウェア渾身のバカゲーである。むしろ、ゲーム性よりもバカゲーっぷりを楽しむことの方にあえて主眼を置いてるといっても過言ではない程である。
 失笑・爆笑・腰砕け・どん引きのパロディネタてんこもりの作風は同メーカーの魔界戦記ディスガイアシリーズに受け継がれていくこととなる。しかしこの無駄に熱さと、おバカなやり取りに大真面目にぶつかっていく思い切りの良さはディスガイアにさえも受け継がれていない。継がれなくて正解だが。
 ゲームアーカイブス版が配信されている今、この熱量無限大のおバカさに胸を滾らせてみたくなった奇特な方は、この暑苦しいクッキングファイトの世界に身を投じてみるのもいいかもしれない。但し、自己責任で


振り下ろす余談にも愛を込めて…

  • 実は本作の脚本、及び料理解説は『久遠の絆』を生み出した加藤直樹氏と小林且典氏の両名によるものだったりする。何やってんですか
  • 後の日本一作品にも、本作にまつわるネタが度々登場している。
    • 魔界戦記ディスガイア』ではウソ次回予告の1つに本作を元にしたものがあり、本作の料理が取り上げられている。また、ハオと味影もドットキャラとしてちゃっかり登場している。
    • また『ファントム・キングダム』では魔界厨師、『魔界戦記ディスガイア3』では家諦科凶師チャンプルという、どう見ても本作の料理人を元にしたキャラが登場している。
    • さらに『ソウルクレイドル』では作中でハオの名前が登場し、とあるキャラのEDに本人が登場している。
    • ディスガイア インフィニット』ではラハールがプリンの美味さのあまり『味っ子』並のオーバーリアクションをするシーンがあるが、よもやこのゲームの影響ではなかろうか。
    • マール王国の人形姫』でオアシス村のアイテム屋の掲示板を調べると「『クッキングフ…』」という本作を意識したメッセージが書かれている。
  • 近年になって本作の制作秘話などが語られている。
    • 社長曰く、本作は元々は『ダブルキャスト』などの「やるドラシリーズ」のようなゲームを目指していたが、予算、スケジュール等の関係で到底不可能だった為、それを埋める為に様々な要素を取り入れた結果、このようなゲームになったと言う。どうしてこうなった
      • ゲームの大半がイベントシーンなのはその名残とも言えるかもしれない。
    • また、本作の数か月後には同社からあの『マール王国の人形姫』が発売されている。当時は『マール王国』が売れなければ会社が潰れるかもしれないほどの危機的状況だったらしく、その『マール王国』の前に会社として目立ちたいと言う意図も本作にはあったとの事。数々のぶっ飛んだバカゲー要素はその産物であると言う。
    • しかし制作側にとってもやり過ぎた感があったらしく、半ば黒歴史化されていた。少なくとも2012~2013年頃までは「伝説は伝説のままでいい」と、ゲームアーカイブス化は考えていなかったらしい。

語り尽くせぬその後の展開がそこにある…

  • 上記のようなメーカー側の印象もあり、長らくこの作品は新たな展開も話題に挙げられることもなく、廉価版やゲームアーカイブス化などで再び発売される機会にも恵まれなかったが、2015年4月1日に行われた企画「過去タイトル投票キャンペーン」の結果により、アーカイブス配信が発表された。
    • 過去タイトル投票キャンペーンでは何故か『好』のタイトルに早い段階から80,000,000,000,000票も入っていた。不正はなかった*13
      • メーカーの告知によると、普通に投票を行ったところで『ディスガイア』や『流行り神』が票を集めるのは分かりきっているので、知名度や人気などを考慮してあらかじめタイトルごとに、ある程度の票を入れてバランス調整したとの事である。どう考えても最初からアーカイブス化が決定していた訳だが
    • また、何を思ったか「ゲームアーカイブス配信記念」としてカスタムテーマまで無料配信された。なんで20年近くも前のタイトルをそこまでプッシュする…
    • 尚、この配信は8,000,000,000秒間*14の期間限定である欲しい人は配信終了前に忘れずにダウンロードしておこう
  • 八百長事件過去タイトル投票キャンペーンから一年後の2016年4月1日、あろうことか公式サイトが18年ぶりに更新された
    • ユーザー側も何を血迷ったか、1週間でアクセス数が1万を突破し、その記念としてPS4用アバターパックまで配信されてしまった*15だからなんで20年近くも前のタイトルをs(ry
    • サイト自体、チャーハン CV:なしなどもはやツッコミ待ちのレベル。そもそもチャーハンにボイスがあってたまるか。
    • この際に「炎の料理人クッキングファイター好」レビューバトル☆キャンペーン!なるイベントが開催され、200以上もの熱いレビューが投稿された。いや、だからなんでで20年近くもm(ry
      • 魂さえこもっていれば嘘でも未プレイでもOKというのもまた爆笑ものである。そして優秀作品への賞品は8,000,000ハオ*16相当の肉だった。しかもわざわざ調理の様子を動画で上げている。
      • ファンもファンで熱いもの、嘘塗れのネタに走ったもの、ただ肉の感想を述べただけのものなど、実に魂のこもったレビューを投稿していた。訓練されたファンは判ってるぜッ!!
    • 「魂のギャラリー」として当時のラフイラストも公開されている。ラフを見る限りだとそんなにおかしくないのに、何故ゲームではあんな絵になったのか。