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ILLBLEED - (2020/09/03 (木) 16:49:34) の編集履歴(バックアップ)


ILLBLEED

【いるぶりーど】

ジャンル バーチャルホラーランド
対応機種 ドリームキャスト
発売元 セガ
開発元 クレイジーゲーム
発売日 2001年3月29日
定価 5,800円
プレイ人数 1~4人
判定 バカゲー
ポイント 全編B級ホラー臭満載
DCのバカ・オブ・バカ
まさにクレイジーなゲーム


概要

お化け屋敷アトラクションを探求するホラーアドベンチャーゲーム。
そのノリはホラーコメディ的な要素を存分に含んでおり、 恐怖と笑いが同時に襲い掛かってくる超展開の数々が話題となった。

3D空間で展開されるホラーゲームといえば『BIOHAZARD?』や『SILENT HILL』を思い起こすかもしれないが、作風はそれらと大きく異なる。


ストーリー

B級ホラー映画史上、もっとも上映禁止を多発させた問題ホラー映画プロデューサーとして名高いマイケル・レイノルズが、
入場者を恐怖のドン底に叩き込む為だけに造った本格ホラー・テーマパーク「イルブリード」。
それは、全てのアトラクションをクリアすれば1億ドルという超高額の賞金が手に入るが、
失敗すれば死あるのみという、情け容赦ない恐怖の施設であった。

ハイスクールのホラー映画研究会の会長を務める18歳の少女エリコ・クリスティは、ある日、
研究会の仲間たちからイルブリードへ挑戦しようと誘われる*1
あまりの賞金の高額さを怪しんで一旦は誘いを断ったものの、
帰ってこない仲間たちの安否が気になったエリコは、単身、イルブリードへ向かう……。



ゲーム内容

イルブリードは一度入場したら最後、例え生命の危機に陥っても、全ステージをクリアするまで退場する事は出来ない。脱出か死しか道はない。
以下のルールと流れに従って全6ステージを順番に制覇し、賞金1億ドルの獲得を目指す。

ゲームの流れ

  1. 園内にて、各ステージの入り口となるアトラクションシアターに入館する
  2. 使用キャラクターを選択してゲーム開始。
  3. ホラーモニターを探し出し、トラップの警戒を行いつつ館内を探索しクリアに必須のアイテムを探す。
  4. アイテムを使ってイベントをこなす
  5. ステージ最後のボスを倒す
  6. ステージクリア&賞金獲得

上記の流れを繰り返し、6ステージ全てをクリアするとラスボスが待ち受ける最終ステージへと向かう。
ステージクリア時の賞金の入手金額はプレイ成績によって変動し、所要時間やステータス・ショックイベントの解除数が規定に満たない場合減額される。

トラップ解除・探索と戦闘

  • アトラクション内には多数のトラップが仕掛けられており、これに引っかかってしまうとショックによるダメージで各種ステータスの減少を招き、やがては死に至る。
    これを避けるべく「ホラーモニター」と呼ばれるゴーグルを使ってトラップ及び敵の出現を警戒し、トラップの解除を行いながら進んでいく。
    • トラップを警戒しても実際に発動するかどうかはランダム。そのため、計画的にアドレナリンを使っていくことが要求される。
      • また、トラップ及びアイテムの配置場所や敵の出現地点はプレイごとにランダムで変化する(ストーリー上必須のアイテムは除く)
    • ザコ敵の出現ポイントに引っかかると戦闘モードに突入し、移動可能範囲が制限され、限られたエリア*2の中で敵と戦わなければならない。
      事前に警戒していた場合は敵が後ろを向いて無防備になり先制がとれるが、警戒していなかった場合は腰抜け状態になり一定時間無防備になってしまう(Bボタン連打で立ち上がるまでの時間を短縮できる)。
      • 戦闘は敵を全滅させる、もしくはヘリポートマーク(H)の付近で救援要請(Bボタン連打)を送って脱出するまで終わらない。(場所によってはヘリポートが存在しない場合もある)
    • 戦闘用の武器は近距離用と遠距離用に分かれ、ステージ途中に落ちているものを拾って入手する。戦闘時にはその時点で所持している武器で攻撃を行う。
    • ボスキャラクターのみ画面上部に体力ゲージが表示されるが、ゲージに無限大のマーク(∞)がついている場合はダメージを与えることができず、特定のイベントを発生させる必要がある。

4感センサーとステータスパラメーター

+ ...
  • 4感センサー
    • プレイ画面上部には4感センサーと呼ばれるセンサーが常時表示されており、トラップが仕掛けられている箇所に接近すると同時に、センサーが波打つ。
      • これによりトラップの存在を予め察知できるようになっているが、トラップの配置されている地点まである程度近づかないと反応しない。
        至近距離にトラップが存在する場合、接近するに連れてセンサーの波うちが高くなるため、距離をある程度推測することが可能。
        視覚 フラッシュのトラップ及びトラップ出現場所が目視できる場合に反応する
        聴覚 大音量で驚かせるタイプのトラップに反応する
        嗅覚 汚物などの臭うものから発生するトラップに反応する
        第6感 敵かアイテムが近くに存在する場合にのみ反応する
  • ステータスパラメータは以下の4つ。
    体力 文字通りキャラクターの体力。低い状態になると動きが遅くなる。
    外傷を受けることで減少し、0になると死亡。
    強化手術を受けることで上限をあげることができる。手術にはバイオボディの素が必要。
    アドレナリン 敵の察知・トラップ警戒を行うアイテム「ホラーモニター」を起動させるのに必要。0になると警戒できなくなる。
    戦闘に勝利・トラップ解除で回復。
    強化手術を受けることで上限をあげることができる。手術には人工脳みそが必要。
    心拍数 トラップによる精神的なショックや戦闘時のサイドステップ使用で増加。
    立ち止まるか大量出血により減少。上限(255)に達するか0になると死亡。
    強化手術を受けることで上がりにくくすることが出来る。手術には強化心臓が必要。
    ちなみにプレイ時は常時心臓の鼓動が鳴り響いており、心拍数の上昇と共に鼓動も速くなる
    出血量 現在の傷口からの出血量。外傷を受けるか出血量が一定値以上の時に動き回ると増加、立ち止まると減少。上限(100)に達すると死亡。
    強化手術を受けることで上がりにくくすることが出来る。手術には人工血しょうが必要。
  • 出血が一定量を超えると心拍数が下がっていくなど、各ステータスは相互に連動している。
    • また、ステータスの変動については各キャラクターに設定された「体力」「アドレナリン量」「強心度」「止血力」の4つのパラメーターが関連している*3
      • 園内ショップやアトラクション内のER(緊急救命室)にてこれらのパラメーターを強化することによりステータスの変動を抑制することが可能だが、機動力や腰抜け状態からの復帰時間などのキャラクターの本質的な特性を変えることは出来ない。
    • なお、身体強化は次の周にも引き継がれる。

救出と脱落

  • 施設内にはエリコの仲間が迷い込んでおり、一定条件を満たすことで救出でき次のステージから使用可能になる。救出に失敗した場合、脱落(死亡)扱いとなる。
    • 操作中の仲間が脱落した場合、脱落した地点の付近から別の仲間を使って再スタートが可能だが、その時点で操作可能なキャラクターがいない場合、ゲームオーバーとなる。
      • 仲間にはそれぞれ性能差が設けられており、道中の進行難度に影響する。

園内施設
園内には以下の施設が存在し、ステージクリアごとに獲得した賞金を使って各種サポートを受けることができる。

  • 共同墓地
    • 脱落したビジターが眠る墓地。ゲームのチュートリアルを行う場所。
  • 記念写真館
    • セーブポイント。
  • 緊急治療室(ER)
    • 体力を回復する回復手術、ステータスを強化する強化手術、死亡した仲間を生き返らせる蘇生手術を受けることができる。一部のアトラクション内にも存在する。
  • 脱落者管理センター
    • 脱落したビジターのデータが管理されている。救出に失敗した仲間を高額な料金と引き換えに救済することができる。
  • ドラッグストア
    • 回復アイテムがなんでもそろう店。ステージ開始前にここでアイテムを揃える事が可能。
    • ちなみに回復アイテムは次ステージへの持越しは不可能。また、戦闘中は回復アイテムの使用はできない(死亡時の自動回復アイテムのみ例外。)。

その他

  • マルチエンディング制となっている。
    • 1人でも仲間が死んでいるとクリアしてもバッドエンドとなり、全員生存の上でクリアするとグッドエンドとなり2周目が始まる。
    • 2周目において条件を満たした上でラストステージに進むと真のラスボスが出現し、倒すことによりトゥルーエンドとなる。

ステージ&キャラクター紹介

ステージはマイケル・レイノルズが製作したホラー映画をモチーフとした6つのアトラクション・シアターで構成されている。

+ ステージ概要
  • Stage1 MINNESOTA HELL CINEMA 『死を呼ぶホームラン』(原題:THE HOMERUN OF DEATH)
    • 事故で焼け死んだ少年の父親が巻き起こす復讐劇を、怨念たっぷりに描く人気ステージ。
      時速150キロで爆走する部屋は、スリル満点。主役キャラ・バンブローも人気急上昇中。

  • Stage2 CINEPANIC 『女王ミミズの復讐』(原題:THE REVENGE OF QUEEN WORM)
    • 地中を這い回る巨大ミミズがウジャウジャ! 絶叫確実。
      スリリングなシーンの連続であなたの心臓を確実にストップさせます。
      • 冒頭でホラーモニターを奪われるという設定でショックイベントが敵との戦闘を除いて一切発生しないため、トラップ解除数がクリア成績に影響しない。

  • Stage3 BOOGIE'S FUN MOVIES 『材木人間』(原題:WOODPUPPETS)
    • 北米に伝わる「ウドポックル伝説」にもとづいた、極めつけ恐怖の館。
      舞台の製材工場では、チェーンソーや電気ノコギリがバンバン飛び回る!
      • 進行途中で自キャラが「材木人間」に変えられる展開となる。この際はジャンプができなくなるが、戦闘で特殊なアクションが行える。

  • Stage4 SHOCK SHOCK THEATER 『殺人デパートの恐怖』(原題:KILLER DEPARTMENT STORE)
    • びっくりイベントの品揃えが豊富な「殺人デパート」ってなんだ!?
      お菓子、お肉、オモチャ……いろいろな商品が、生命と財布の中身を襲う!
      • 予め満額用意された金額がトラップ解除の失敗ごとに減額されていくという変則ルールで進行する。

  • Stage5 HALL OF RESENTMENT 『キラーマン』(原題:KILLERMAN)
    • 謎の男キラーマンとは? 走る、襲う……それがキラーマンだ!
      そして、キラーマンの謎を解くのだ!
      • 導入部の映画館からバックステージに迷い込んでしまうという特殊な設定。事件の犯人を推理し、正解すると特別ボーナスが賞金に加算される。

  • Stage6 CHILD PALACE 『トイハンター インダくん地獄へ行く』(原題:TOY HUNTER INDA GOES TO HELL)
    • 人気キャラクター「トイハンター」ことインダくんの物語。
      恐るべき事件に巻き込まれたインダくんが、いままでになくひどい目に遭います。
      • 『インダくんとなってシリーズ最新作のストーリーを体験する』という趣向の元、ゲーム開始直後からクリアまで自キャラがインダくんとなる。
        通常トラップに紛れた『STORYトラップ』にわざと引っ掛かりながら進むという特殊ルールで進行する。

挑戦するホラー研部員も一癖も二癖もある人物ばかり。以下の紹介を見ていただければ分かる通り、万遍なくネタ・パロディが散りばめられている。

+ 登場人物
  • エリコ・クリスティ(18)
    • 本作の主人公。ホラー研究会部長で、生徒会長も務めている。
      移動お化け屋敷「ホラーキャラバン」を経営する父親に様々な仕掛けの実験台にされてきた上、1歳の頃からホラー映画だけを見せられて育った筋金入りのホラー娘。
      昨年、全米ネットワーク「カルトクイズ・アワー」のホラー映画部門に出場、豊富な知識と天性の驚異的集中力により、全問正解で優勝。
      また、ホラー映画「キラーマンVII ~キラーマン日本へ行く~」に出演し、女優への第一歩を踏み出した。
      「ILLBREED」制覇者に与えられる金額の高額さを怪しんで参加を拒否していたが、仲間たちの身を案じて自らも参加することを決意する。
    • 育ちゆえのトラウマから恐怖という感情が欠落しているため、不意の敵の出現で腰を抜かしてもすぐに立ち直ることができる。また、心拍数の上がりにくさが初期段階で最大になっている。
    • 曲者揃いのメンバーの中でも特に異質な設定の持ち主だが、その出自は本作の物語にも深く関わっている。
  • ケヴィン・カーツマン(17)
    • ハマーン・プロの「ドラキュラ・シリーズ」に傾倒、クリストリー・ファーを尊敬する「古典ホラー映画おたく」。
      80年代以降の、いわゆる「スプラッター・ホラー」を徹底的にバカにしている。
      冷静沈着な判断には定評があり、「K・C・ハマーン」の異名をとる。
      特に中世ヨーロッパの伝説に造詣が深く、そのため歴史の成績が良いなど、ホラー映画を学問にも役立てている。
    • ステータスは万能型でジャンプ力や機動力も高いが、腰抜け状態からの復帰が非常に長い。
  • ミシェル・ウォーターズ(17)
    • 生まれつき霊感が強く、そのすぐれた実力は、アメリカ霊能力協会から表彰されたこともある。
      悪霊、死霊モノのホラー映画に関心をもち、舞台となった町を訪れるなど、フィールドワークを採り入れた本格的研究をすすめている。
      特に「エクソシスター」に強い影響を受け、将来は悪魔祓いに就職しようと考えているが、
      とりあえずボランティア活動として、奇病に苦しむ子供たちから悪霊を追い払い、好評を博している。
    • アドレナリン量の初期値が全キャラ中最大だが体力が低く、トラップ解除時の硬直時間も長い。
  • ランディ・フェアバンクス(16)
    • 最近、ラグビー部からホラー研に移籍。
      「12日は木曜日」などのスプラッター・ホラーを、ポップコーンを食いながら見る、典型的アメリカ人ホラー・マニア。
      作品の出来に興味は無く、半裸美女の惨殺シーンさえ映れば満足。
      自宅は、ジェインソやプレディなどの殺人鬼ヒーローのフィギュア・コレクションの山。
      最近「あくまでいけにえ」で実際に使用されたチェーンソーを1万ドル(ローン)で購入、宝にしている。
    • 体力が全キャラ中最も高くジャンプ力・機動力にも優れる反面、アドレナリン量が極端に少ない。なお、彼を救出する際にあるアイテムを入手し忘れると…。
  • ヨーグ・S・ベイカー(21)
    • 殺人お化け屋敷の噂を聞いてイルブリードを訪れた雑誌記者。
    • ケヴィン並みの体力とミシェル並みのアドレナリンを持つが、仲間になるタイミングが遅いためステージ6とラスボス戦でしか使用できない。
    • モデルとなったのは本作開発中にクレイジーゲーム社を取材に訪れた外国人記者。

評価点

  • ネタっぷりではDCどころかこれまでのゲーム史を通じても圧倒的な充実振り。
    • B級ホラー映画全般のディープな小ネタやお約束が各所に仕込まれている他、動くおもちゃ達を描いた某3Dアニメ映画やソ○ックを暗示する黒いパロディネタも満載。
      • 特にステージ3で、身体の一部を失った仲間の暴走っぷりが見もの。あぷぷーぷりぷりー
      • ステージ4では回復アイテムとして取った肉が襲ってくる、足が生えた一つ目のデコレーションケーキが語りかけてくる*4など、目眩のするような展開が多数。
      • ステージ5はイルブリードの施設内で起きた殺人事件を解決すると言う展開に。最早、アトラクションじゃない…。
      • ステージ6は完全にギャグである。ネタはかなりブラックだが、もう自分が何のゲームをやっているのか分からなくなる可能性高し。
    • 2周目以降はある条件を満たすとエリコの服がどんどん破けていって最終的には全裸に近い状態になってしまう。
    • テーマパークである事を活かした自由過ぎる演出、楽屋オチまで完備。
      • 上述の通り直接戦っても絶対勝てないボスが一部存在するが、そういうボスに限って操作している従業員を倒して止めるコントローラーを奪って自分から壁に突進させて壊す、などの斜め上の倒し方が用意されている。最早、営業妨害である。 いや、でも絶対クリア出来ないアトラクションを用意する運営側もどうなのか…*5
    • また、登場する敵は設定上、その大半が機械仕掛けだが、中には従業員が着ぐるみを着て演技しているものも混じっている。クリア失敗すれば死亡の命がけのゲームだけに主人公たちも容赦ないため、従業員にとってもまさに命がけ。
    • アイテムもおバカなテイストのものが多数。
      • 体力最大回復アイテムが「懐石料理(仲居さんのサービス付)」だったり心拍数を下げるアイテムに「深呼吸」があったり……。
        更に「月間エロル」なるアイテムも存在するが、説明書でもアイテム欄の解説でも何故か「読むとドキドキする」としか書かれておらず、使用すると文字通り心拍数が上昇してしまう。早い話が「エロ本」である*6
    • 戦闘から逃げる際はヘリに救援を頼むので屋外が舞台となるところでしか通用しないと思いきや、屋内でもはしごが普通に下りてくる様が失笑もの。
  • B級ホラー映画的演出の完成度が非常に高い。
    • 鮮やかな画面の色調とキャラクターのアクション性がイタリアン・ホラーのような明るさを醸し出し、残酷さを軽減しているのも大きい。
    • また、やり過ぎともいえる程のみずみずしい効果音を伴う大量の出血表現(色も蛍光ペンキのように鮮やか)が逆に現実離れ感を助長しており、慣れてくるとある種の快感すら感じられてくる。
    • イベントやトラップも怖いだけのものだけでなくネタ臭あふれるものも非常に多いので、いろいろと突っ込みを入れつつプレイするのも一興である。
      • ちなみに、これだけ洋モノテイストあふれる作品ではあるが、製作スタッフはほぼ日本人である。
  • ホラー感を煽るBGMや音響
    • 、不穏な雰囲気や不安を煽る曲調のアトラクション内BGMや、反面やたらとノリノリでファンキーな園内のBGM、
      出血時の瑞々しい効果音や攻撃時の生々しい音など、特徴ある音楽と音響がホラーらしさを演出している。



問題点

  • 操作性や難易度設定はあまり褒められたものではない。
    • 全体的に操作がもっさりしており、カメラワークもやや微妙。特にDCコントローラーのアナログキーは反応が悪いため、ストレスが溜まりやすい。
    • 難易度的にはステージ1からいきなり難しいが、ステージ2はショックイベントがない分、難易度が落ちているなどややちぐはぐ。
  • イベントや敵配置のランダム要素
    • 配置がランダムゆえに暗記は通用しないため、緊張感がある一方、ゲームオーバー後のやり直しの際に煩わしい。
  • 仲間の存在意義の薄さ
    • 救出した仲間は次のステージから利用可能になるが、参入可能になるステージ内ではあまり役に立つとはいえない。
      • ステージ2は雑魚敵とのエンカウントを警戒できないため腰抜け状態からの復帰までの時間が非常に長いケヴィンは不利。
      • ステージ3はダメージトラップが多いため体力の低いミシェルでは不利。
      • ステージ4はショックイベントが多くそれに伴う所持金へのペナルティも厳しいためトラップ感知に必要なアドレナリンの上限が低いランディでは不利になりがち。
      • 初期能力がかなり高いヨーグは例外だが、参入可能ステージが2つしかないため物足りない。更にステージ6は操作キャラが「インダくん」に変えられてしまう為、本来の姿でプレイ出来るのは実質ラスボス戦のみである。
    • そもそもエリコの「腰抜けから即座に復帰可能」特性が主人公のそれとしては強力過ぎであり、腰抜け状態が長い他の仲間達はなかなか役に立てないのが実情。
      • 一応、身体強化については次の周回に引継ぎされるが、それでもキャラの本質的な性能は変えられないためやはりエリコが使いやすいことには変わりがなく、縛りプレイでもしない限りはまずエリコ一択である。
        イベントシーンの台詞や音声、一部モーション、脳を無くしたランディなど、性能面以外でもキャラ毎に用意された要素はしっかり存在するので非常にもったいない。
+ 更に真エンドルートでは…※ネタバレ注意
  • 本作の真エンドの条件は、2周目以降で仲間を誰も助けずエリコ一人でラスボスまで到達する事である。
    • グッドエンドでは「エリコが仲間を残し、再び単独でイルブリードに向かう」という形で終わる。その後始まる2周目にて、誰も救出せずラスボスまで到達すると「1周目のED後にエリコが一人でイルブリードをクリアした」という事になり、真エンドルートに入る。
    • そのため、真エンドを目指す場合は前の周で強化した仲間を存分に使う事も適わない。シナリオ上の都合とは言え、ここでも仲間の存在意義が薄れているのは勿体ない。
      • 真エンドルートに進まなければ、強化した仲間で周回プレイをする事は可能。
  • ネタのブラックさが相当に強烈なため、どうしても人を選ぶ。
    また、いくら残酷さを軽減しているとはいえ、流血やグロ表現、下ネタが当たり前のように出てくるので、苦手な人にはまず勧められない。
  • 「ショックイベントに引っかかると恐怖のあまりダメージを受け死亡してゲームオーバー」という仕様は、怖がらせてなんぼのホラーゲームの仕様としては破綻している。
    • トラップに極力引っかからないようにすればスムーズに進めるが醍醐味であるホラーイベントは味わえず、あえてイベントを楽しもうとすればゲームオーバーになりテンポが削がれる…と、本末転倒な図式になってしまう。舞台がお化け屋敷なのでトラップ解除の緊張感もゲーム性の内とはいえるのだが。
      • 「ライフ減少の仕様が3Dアドベンチャーとしては煩雑(体力以外に無数のステータスが存在する)でシビアなところもこの点を助長している」という意見もある。
    • トラップの解除もややゲームのテンポを落としている。
  • ホラーモニターは自前で落ちているのを見つけねばならず、見つけない限りトラップの解除が出来ない。
    • 見つけるのが遅れると不利な状況でスタートしなければならない場合もある。



総評

DC末期の作品としては相当にインパクトの強い作品で、その筋では絶大な人気を誇る。
単純にゲームとして見ると、システムの粗やバランスの悪さが目につくものの、それを補って余りあるB級ホラー映画テイストをこれでもかとばかりに盛り込んだ演出は今でも人気が高く、ホラー映画マニアにもオススメできる。
これほどのバカゲーが楽しめるのがDCだけというのがもったいないくらいである。

余談

  • 本作はXboxに移植予定があったものの、残念ながら発売中止となってしまった。
  • 海外版がジャレコから発売されている(レーティングはMATURE(残虐表現・性的表現・暴力表現))。国内版とほぼ同じ内容ではあるが、一部の日本語依存のアイテム名や謎解きが変更されている。
  • キャラクターデザインは『バジリスク ~甲賀忍法帖~』などで知られる漫画家のせがわまさき氏。過去には『時の継承者 ファンタシースターIII』のキャラクターデザインなども担当していた。
  • ステージ3の材木加工工場では、同社がクライマックス・グラフィックス社名義で開発・発売したブルースティンガーのキャラの一人であるドッグスが死体となって登場している。
    • ちなみに、開発元の会社名は元々「クライマックス・グラフィックス」だったのだが、本作の発売に合わせて社名変更を行い「クレイジーゲーム」となのるようになった。 ……まさにクレイジー。