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AKIBA'S TRIP - (2014/03/21 (金) 10:16:32) の編集履歴(バックアップ)


注意:このページでは、『AKIBA'S TRIP』とリメイク作『AKIBA'S TRIP PLUS』を紹介する。分類はともにバカゲー。


AKIBA'S TRIP

【あきばず とりっぷ】

ジャンル アクション

対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD 1枚orダウンロードソフト
発売・開発元 アクワイア
発売日 UMD版:2011年5月19日
DL版:2011年7月6日
価格 UMD版:5,670円
DL版:4,500円
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
分類 バカゲー
ポイント アキバでストリップ
頑張れば良作になれた


概要

  • アクワイア発売・開発のソフト。当初の発売予定日は2011年4月14日だったが、諸事情により5月19日に延期になった。
  • リアルに再現された秋葉原にて、「カゲヤシ」と呼ばれる吸血鬼を 服を剥いで倒す (正確には、裸にすることで直射日光を浴びせて倒す)という、誰がどうやったら思いつくのか分からないバカゲー*1
  • タイトル名もゲーム内容も色々な意味でネタに走っており、発売前から各メディアで色々な意味で期待されていた*2作品だったのだが……。

問題点

ソフト本体の問題

  • 携帯機なのにやたらとローディングが多い。店に入ったり、エリアを移動する度に頻繁にローディングする。ローディング時間も地味に長く、酷い時にはローディング時にフリーズしてしまうことも。
    • ローディング時に表示されるキャラアイコンを動かさず広告画像を表示しないように設定することで、フリーズの発生確率を下げることはできる。が、あくまでも「下げるだけ」であり、ゼロにはならない。
  • ロード時間を減らすためのデータインストール機能には対応しているが、インストールデータは5分程度でインストールが完了するほど小さいもの*3で、ほとんど役に立っていない。インストール後もほとんど変わりがない。
  • さらにやたらと処理落ちして動きが遅くなったり、酷い時にはロードが間に合わず移動中に突然人や敵が出現することもある。

アクション性の問題

  • 最近のアクションゲームでは大抵付いているはずの、自由に攻撃対象を切り替えられるロックオン機能が無い。基本的に近くの敵に勝手に狙いを定め、攻撃を喰らったりした際にその方向に勝手に振り向く。
    • 「ロックオンできない」アクションゲームは他にも散見されるものの、本作ではそのせいで「攻撃したい相手を攻撃できない*4」「攻撃したくない相手に攻撃を当ててしまう」「逃げようとしても正面を向けない(向こうと思ってボタンを押すと敵の方向にふり返る)」などといった致命的な欠点に繋がっているため無視できない。思うようにいかず、プレイヤーにストレスを溜めてしまうのである。
  • カメラワークも最悪。Rボタンを押せば正面を向けるのだが、一部シーンでは効果がない。それどころかメチャクチャにカメラが動き回ってプレイに支障が出る事もある。
  • 攻撃を喰らった際の無敵時間など全くと言っていいほど無い(存在していない?)。そのため一度攻撃を喰らうとたちまちボコボコにされてしまう。大抵のゲームでは無敵判定が生じる起き上がりながらの攻撃も、本作では敵の攻撃を喰らうとあっさり潰されてしまうどころか倒れてる最中にも攻撃が当たってしまう。さらに酷い時には大勢の敵に身動きもできないままタコ殴りにされ、服が破けてゲームオーバー……などということもよくある。特に本作では1対複数の戦いが多い為この事象は頻繁に起こる。
  • 攻撃技も若干出しにくく、そして当てにくいものが多い。威力は高く隙が大きいガード不可能攻撃も、あまりの出しにくさと隙の大きさに1対1では間違いなく決まらない(乱戦時でも攻撃がかすった程度で呆気なく止まる)他、うっかり暴発して隙を作ってしまうこともある。代わりにボコボコにされている時に敵からこの技を正確に当てられることは多く、理不尽感が増している。
    • 習得できる特殊技も、ほとんどが実用性の低い技(隙が大きかったりリーチが短かったりなど)ばかり。ネタとして使う分には悪くないのだが。
    • このため戦闘は「弱攻撃をひたすら連打し、服が脱げかけたところでストリップアクション」にほぼ固定されてしまい、戦闘の面白みがなくなる。
  • 動きも全体的に格好悪い。特に素手による下段攻撃。下段攻撃といえば普通はローキックのようなものを想像するが、本作ではなんと「体を前に屈めて敵の足元を殴る」というもので、実際見ると結構ダサイ。さらに、攻撃を喰らって吹っ飛ぶ際も明らかに不自然な動き(空中で犬かきしながら吹っ飛ぶ、と言えば分かりやすい)である。

ビジュアル面の問題

  • 登場キャラはみんな3Dグラフィックなのだが、非常に出来が悪い。
    • 表情は一切変化せず、画質も粗くて脱がせても色気の欠片も感じられない。さらに動作もカクカクしており、まるで一昔前のポリゲーのような出来。今の時代のPSPで誰がどうやったらこんなに酷いポリゴンが作れるのか、甚だ疑問である。
    • 特に主人公は、立ち絵は地味な青年といった感じだがゲーム内ではダルそうな顔をしたツンツンヘアーである。
  • 誰の服を剥いでも、下着はキャラモデルのままで固定。人ごとに違う下着なら良かったのに。
    • 服は自由に着替えられるんだから、下着も自由に着替えられる仕様でもよかったはずだが…。
    • 一応主人公の下着は変更可能なのだが、「主人公が下着になる=ゲームオーバー間近」なので、特に意味はない。
  • 周回プレイ時には主人公を女性にする(モデル変更で女性キャラにする)ことが出来るが、イベントや台詞は変化しないのでほとんど意味がない*5。妹は「お姉ちゃん」と呼んでくれるが、ある条件を満たすと見れる妹エンドでは「お兄ちゃん」に戻っている。さらに装備品の性能も男女差が少なく、細かいところの配慮が行き届いていない。
    • キャラモデルにはおっさんやおばさんといった使いたくないキャラも追加される。ちなみに作中ではストーリーイベントにより半強制的に女装をするところがある。まずいないと思うが、キャラモデルにおっさん系を選んでしまった時は……
    • 何故かゴンちゃんにキャラモデルを変えることは出来ない。道行くおっさんや高校生にはなれるのに何故?
      • これは妹も同様。レアな服を入手するためには便利なのだが…。
  • 吸血鬼を脱がすと恥ずかしがる事も無く、太陽の光にやられて化け物のような断末魔を上げつつ灰と化して消えていく。折角美麗なキャライラストを用意し、設定も様々だというのに、これでは萌えもクソも無い。

その他の問題

  • ゲームの重要な要素の一つであるカメラ撮影は基本的にいつでもできる。が、撮影対象に近づきすぎると何故か映らない。さらに縦にしての撮影も不可能。
    • 恐らく下着姿の相手を至近距離で撮影できないようにする為の処置だと思われる。
  • 何故かプロローグの会話だけがフルボイス。他は全てボイス無しなのに、何故ここだけフルボイスにしたのだろうか?
  • 本作はマルチエンディングなのだが、エンディングに関わる選択肢は終盤しか出ない。そのため周回プレイでも序盤から中盤は全く同じことを繰り返させることになり、段々作業ゲーじみてくる。*6
  • 「バグワイア」という悪名通り、上記のローディング時にフリーズバグ以外にも様々なバグ・不具合(ジャンプ後着地すると硬直する等)が確認されている。

評価点

  • アニメ化もされたライトノベル『ベン・トー』のアサウラ氏がシナリオ執筆という触れ込みのとおり、ストーリーは短めながらもしっかり作り込まれている。何度もプレイして明らかになる謎や登場人物の内面も多く、奥が深い。
    • 正規ルートの終盤の展開はかなり熱く、鬱展開の別ルートもあったりと、ニクい描写が揃っている。
  • 敵の服をはぎ取る「ストリップアクション」も、単純でこそあるがやり込み次第で一度に多くの敵の服をはぎ取ることができ、なかなか気持ちいい。
  • 服や武器は好きな物を持ち歩くことができる。好きなキャラの見た目を好きな風にいじるだけでもなかなか面白い。
  • 3Dキャラは不評だが、会話時に出てくるキャライラストは普通に出来が良い。
  • 秋葉原の再現度はかなり高く、ただ歩いているだけでも本当に秋葉原を歩いているような感じになれる。とらのあなのテーマソングや「カレーパンの歌」といった音楽もある。現実同様に絵画を売りつけてくる人までいる。
  • ネタ要素が非常に多く、他ゲームのパロディや魔法少女、かの「邪神モッコス」のパロディなどもあり、知っていると思わずニヤリとしてしまう。

総評

  • 「材料は良かったが、調理がうまくいかなかった」といった感じ。もう少ししっかり作り込まれていたなら、評価はもっと上がっていたと思われる。良バカゲーに成りうるだけのポテンシャルを秘めていたのに「難だらけの操作」「低レベルのポリゴン」「バグやフリーズが多い」等、色々と残念な部分が目立つ作品となってしまった。ファミ通のランキングでも1位を取った事があるだけになおさら残念である。
  • 2012年6月には本作のリメイク『AKIBA'S TRIP PLUS』が発売された。

余談

続編である「2」における本作の扱いは、「そういう設定のラノベが発売していた」というフィクション上のフィクションである。



AKIBA'S TRIP PLUS

【あきばずとりっぷ ぷらす】

ジャンル アクションアドベンチャーゲーム
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 アクワイア
発売日 2012年6月14日
価格 UMD版:3,990円
DL版:3,200円
分類 バカゲー
ポイント 大分良くなったが……

概要(PLUS)

  • 色々と不満点・残念な点が多く評価を落とした前作(無印版)のリメイク作で、様々な追加要素がある他、無印版のセーブデータをそのまま引き継ぐ事が出来る。そして引き継げば特典も入手可能。

変更点・改善点

  • 前作では音声付きのイベントはプロローグのみだったが、本作ではメインストーリーを全編に渡ってフルボイス化されている。
    • また、ストリップアクションを決めた際に脱がされた対象キャラが「恥じらいボイス」を発するようになった。
  • 全てのキャラクターの3Dグラフィックがリファインされ、原画に近いデザインになった。また、キャラクターが喋っているときによく見ると口が動いている。
  • 発売時の2012年の秋葉原を再現。それに伴い一部施設が変更されている。
    • 洋服屋「再建」は別の場所になり、代わりにUFOキャッチャー(後述)がプレイできるゲームセンターになっている。
  • ロード時間が短縮され、それに伴いローディング中のフリーズも発生しにくくなった。
  • 新アイテム及びサブミッションの追加。
  • 衣装の大幅追加。
  • ダブプリのライブがアニメーションになった。
  • 開発者もサジを投げるという凶悪難易度「ホリックモード」が追加。

批判点

  • 相変わらずキャラクターの動きはぎこちない。前作で難のあった操作方法や戦闘はほとんど改善されていない。
    • ロックオンが相変わらず出来ないのも辛い。新たに追加されたミッションには大量の敵を相手にするものもあるので、通常版以上の苦行を強いられる場合も。
    • アクションは改善されないまま、追加されたホリックモードは看板通りの凶悪難易度。しかも、追加隠し要素解禁に各ルートクリアする必要がある。
      • 只、ホリッククリアの解禁内容が、何故かメインキャラの2Pカラー的な物なので、魅力に乏しいのが救いと言えば救いか。
  • フルボイス化されているものの、誰も主人公の名前は呼んでくれない。
    • 自由に変更できる主人公の名前を呼ぶのは難しいので、例外*7はあれど一般的にはそれが普通である。しかし本作の場合は主人公の名前の部分だけが無言になるので、例えば「私は(主人公の名前)と一緒に」という台詞であれば「私は……と一緒に」というボイスになってしまっている。台詞の最初に主人公の名前が来ようものならその部分だけをすっ飛ばして発声するのでひたすらおかしい台詞になってしまう。せめて「君」「お前」「彼」などと呼ぶようにできなかったのだろうか。
  • パッと見は良くなったキャラクター像。しかしモブキャラクターは近づいてみると前作同様におかしい。特に店員はほとんど変わってない。
  • 新たに追加されたUFOキャッチャーがあまりにも鬼畜。立体型のUFOキャッチャーなのだが、信じられないことに照準として使えるUFOの影が無い
    • そのため目当ての景品を狙いたくても奥行きが掴みにくい。何度もプレイして覚えるしかないのである。そしてUFOキャッチャーのお約束として、ちょっとでもずれてると落としてしまう
      • 実は見た目とは全くずれた位置に重心があり、景品毎に異なるその"見えない"重心を記憶する必要がある。むしろあえてずらした方がとれるという謎仕様。
    • さらに言うならあるアクセサリーの入手条件がこの鬼畜なキャッチャーで一回のミスもせずに全ての商品を入手すること。単なるオマケ要素なのがせめてもの救いか。
  • 前作ほどではないものの、相変わらずバグやフリーズもある。
  • 追加ストーリーは無し。

総評(PLUS)

  • 前作にあった不満点は大分改良されているものの、相変わらず出来が粗い部分も多い。改善されたかどうかで言えば間違いなく「された」と言える出来にはなっているのが救いか。
  • 改悪点は皆無なので、新規でプレイするなら『PLUS』の一択だろう。値段も手頃である。
  • 同年7月25日にアップデートデータの配信が始まった。上記に挙げた大きな問題点は変わらないものの、バグや細かい不具合の改善、ちょっとした新機能(妹の部屋で図鑑情報が得られる、主人公以外のモデルでも移動スピードが落ちない、など)が追加される為、本作をプレイする場合は忘れず利用しよう。