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センチメンタルグラフティ2 - (2014/11/08 (土) 22:10:58) の編集履歴(バックアップ)


センチメンタルグラフティ2

【せんちめんたるぐらふてぃつー】

ジャンル 恋愛シミュレーション
対応機種 ドリームキャスト
発売 NECインターチャネル
開発 スタック
発売日 2000年7月27日
定価 6,800円
分類 黒歴史
ポイント OPでいきなり前作主人公死亡!
ヒロイン全員が中古
誰も攻略したくない、全員そっとしとこう


概要

  • センチメンタルグラフティ』の2年後を舞台にした続編。
  • キャラクターの入れ替わりや新規投入は行われず、前作の12人がそのまま成長した姿で登場する。声優陣もほぼそのままだが唯一、結婚出産のため休業中だった岡田純子氏に代わって、有島モユ氏が安達妙子役を勤めた。
  • 前作はともかくとして、アニメ版『センチメンタルジャーニー』は好評価を得ていたこともあって、次世代機での続編発表の際はそこそこ期待が集まった。
  • 2000年1月27日とアナウンスされていた当初の発売予定は遅れに遅れ、ちょうど半年後の7月27日にようやく発売となった。
  • 専門誌の1つである『ドリームキャストプレス』が、最終号で山本るりかのセミヌードを表紙に起用し、ユーザーを仰天させた。

評価点

  • 全国各地を旅しながら12人を相手に恋愛をするという異様な設定が笑いのネタとなった前作と違い、東京を舞台に心に傷を負ったヒロインと交流、恋愛するという、正統派の恋愛アドベンチャーに回帰している。
  • プラットフォームがドリームキャストに移ったことにより、前作で非難轟々を呼んだグラフィック面が格段に向上し、甲斐智久ファンを納得させた。また発売延期の間にVGA対応に仕様がグレードアップした。
    • 初回版には甲斐智久のデジタル画集『サードウィンドウ』が付属する。
  • ハッピーエンドのためには日本全国に散らばった12人全員をまたにかけざるをえず、純愛派ゲーマーから大いに顰蹙を買った前作と違い、本作では特定のヒロインに一途に接することも可能になった。
    • また舞台を東京に集約したことで、ヒロイン達の横のつながりが出来、ストーリーに絡むようになった。前作ではほとんど主人公1人としか関わっていなかったヒロイン達の描写がより奥深いものとなった。
  • 後にライトノベル『迷い猫オーバーラン!』『パパのいうことを聞きなさい!』シリーズをヒットさせる松智洋氏がシナリオ監督を担当。最後までプレイした人の間では、感動的なストーリーを評価する声も多い。
    • 逆に前作のライターであり、本作を「正統な続編でない」と非難した大倉らいた氏は、一時的にファンの支持を得たものの、現在は廃業状態となっている。

問題点

  • 前作主人公の葬式から始まるという、前作を切り捨てるかのごとき、せつなさ炸裂のオープニングとなっている。何故か葬式がやたらと豪勢で参加人数が多かったり、ヒロイン全員が制服で葬儀に参加していたりと、早くも突っ込みどころ満載。
    • 前作主人公はデートに向かう最中に横転したトラックに轢かれてしまったようなのだが、誰のデートなのかは明示されていないため(まぁ仕方ないことなのだが)、12人と同時デートしようとして事故死したように見えてしまう。いろんなヒロインが待ちぼうけを食っている様があるのでなおさらそう見える。
    • 学生が葬式の際制服で出席するのは常識としては間違ってないが、ギャルゲーの制服は派手なので葬式の場には全くそぐわず、OPからあまりにも場違いな印象を受けさせられる。
    • また、たった1枚の手紙の為に野宿も辞さず全国12都市を駆け回るという、超人的なバイタリティを持っていた前作の主人公に対するファンも、セガBBSなど極一部にではあるが存在した。
      • とはいえ彼らファン達は偶像の死に憤るどころか、大いにネタにしまくっていた。
  • ゲーム本編の設定はOPから2年後。ヒロイン全員が前作の主人公と付き合っていたという設定は残ったため、見方によっては全員が中古という状況が生まれた。
    • 心に傷を負ったという設定から、ヒロイン達はそのほとんどが暗く無愛想*1。前作では序盤から全員とラブラブだったのと対照的に、今作では序盤は誰からも相手にされない展開となり、前作を攻略したファンを落胆させた。
      • しかもヒロイン達は情緒不安定なのか、物語の展開において唐突に怒ったり泣いたりする。
      • ドリマガの女性レビュアーには「『誰も攻略したくない、全員そっとしとこう』と思った恋愛アドベンチャーって初めて」と評された。
      • ただしエンディングに関してはバッドエンドは存在せず、Happy/Better/Goodの3種類のどれかに必ず行き着くようになっている辺り、全く救いがないという訳ではない。
  • ゲームとしては街中のどこかを散策してはヒロインとエンカウントする古典的システムだが、これは当時としても時代遅れの仕様で、気軽にプレイすると何処で何をすればいいか迷う場面が多い。通常イベントの進め方を間違えることによって重要イベントの存在が消去され、シナリオの進行が不可能になる事もあるので、単純にストーリーを楽しみたいなら攻略チャートが必須である。
    • またヒロインの的を絞れることによって、12人つまみ食いの不自然さが薄れた反面、同じヒロインの同じイベントを繰り返し見るケースが増えた。

総評

  • 恐らくは大風呂敷を広げすぎて失敗した前作の反省から、今作は手堅い古典的なギャルゲーの範疇に収めてきており、決してクソゲーとまでは言えない出来ではある。しかし、アニメ版までの無邪気で明るいヒロイン像が大きく歪められてしまった事により、特定ファンにとっては黒歴史といえる内容となった。
    • 実際、「『センチ2』は本当の続編ではない*2」として一部ファンの間では発売前から不買運動も起きていた。
      • それでも『サクラ大戦2(DC移植版)』ですら初週6万本というギャルゲーバブル崩壊のさ中にあって初週5万本というなかなかの売り上げを記録してはおり、最終的には約8万本を売り上げた。しかし前作の売り上げ(約23万本)から発売元が想定したであろう皮算用よりはかなり下回ったようで、出荷過多となった本作はD2などと並ぶワゴンの主となった。

その後の展開

  • さらなる続編として『センチメンタルグラフティ~約束~』『センチメンタルプレリュード』の2作が発売された。
    • 前者はかつて角川スニーカー文庫で出たプレノベルのビジュアルノベル化であり、後者は『センチ1』のシナリオライター・大倉氏を復帰させたものの発表から発売まで4年もの間を開けてしまい、どちらも大きな話題になる事はなくシリーズの終焉を迎えた。
    • 一時期はポスト『ときめきメモリアル』を嘱望された作品ではあったが、やはり『センチ1』が発売される直前までのムーブメントであった?といえよう。
  • この作品に深く関与した制作会社・マーカスは『センチ2』発売後に捲土重来の夢叶わず、倒産した。
    • ちなみにマーカス勤務だった窪田正義氏は、その後「六月十三」のペンネーム*3で、夫人と共にワンダーファームを設立したものの、目ぼしい功績は『おとぎストーリー天使のしっぽ』で平野綾氏*4をデビューさせたこと位である。