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不思議のダンジョン 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫 - (2018/12/05 (水) 22:09:11) の編集履歴(バックアップ)


注意:このページではWii用ソフト『風来のシレン3』と、その移植版であるPSP用ソフト『風来のシレン3 ポータブル』の二つについて紹介する。判定はともに「黒歴史」。


不思議のダンジョン 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫

【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんすりー からくりやしきのねむりひめ】

ジャンル ダンジョンRPG
対応機種 Wii
発売元 セガ
開発元 チュンソフト
発売日 2008年6月5日
定価 7,140円(税込)
判定 シリーズファンから不評
ポイント 新要素の失敗
ゲーム性に合わないシナリオ
テンポ・インターフェースの劣化
2008年のガッカリゲー筆頭
風来のシレンシリーズ関連作品リンク

概要

高いやりこみ度と中毒性を誇る『風来のシレン』シリーズの8年ぶりのナンバリングタイトル。
ここ数年はシレンシリーズの新作が出ておらず(リメイク除く)、多くのファンが待ち望んでいた。
レベル継続などの不安要素や3ヶ月の発売延期などがあったものの、発売前は期待の声が大きかった。
しかし発売後、以下のような部分で批判が多く出た。

問題点(賛否両論点含む)

システム関連

  • 不思議のダンジョンシリーズはほとんどの場合ダンジョンから出るとLV1に戻されるが、今回は『トルネコの大冒険3?』同様レベル継続。
    採用した理由は不明*1だが、『トルネコ3』と同じく評判は芳しくなかった。
    • 『トルネコ3』と違い、レベルアップに必要な経験値自体は過去作の『シレン』シリーズと同じくらいで、レベルリセットのダンジョンでも従来と同じくらいのスピードで成長する。その点は改善された。
    • しかし今作はトルネコ3と違い、ストーリーの途中で中ボスが複数存在するため、攻略のためにはある程度のレベルは必須になっている。
    • 本シリーズは初代作から非常に自由なプレイが可能であり、あえて敵から逃げてクリアしていくといったことも可能であった。しかし、レベル継続によってこういった逃げプレイなどをしていると、レベルが足りずボスに勝てなくなってしまうため、過去作と比べ自由度が狭められてしまっている。トルネコ3のそれとはまた違った問題点が浮上する結果となった。
  • 今作にはパーティーキャラクター(仲間)がおり、クリアまで仲間は強制的に同行することになるが、この仲間達は全員プレイヤーキャラ扱いというものであり、仲間が倒されても冒険失敗となる。
    • このため、特に逃げる場合は自分だけでなく仲間も死なないようにしなければならず、退却の際の難易度が上がってしまった。
      • 一応「復活の草」というアイテムを所持していれば、仲間もそれを消費してその場で復活できる。
    • ケンゴウ系モンスターの特技「装備品弾き飛ばし」を受けると、丹精込めて鍛えた装備品が仲間に当たって即ロスト、というプレイ意欲が大きく削がれる場面もある。
    • 人数が増える分、罠を踏む可能性も2倍3倍となり、戦力というよりむしろただのお荷物。
    • 何の前触れもなく途中交代・強制加入があるため、ストーリー後半ダンジョンを裸のまま引き連れて歩かなければならないことも。
      • ストーリー中は仲間の加入を任意で変更できない。最終的には3人で攻略しなければならないので、冒険失敗を避けるためには、3人分の武器・防具を鍛える必要がある。
    • 仲間がいるとアイテム欄が20個から30個に増えるのだが、結局は仲間用の装備がアイテム欄を圧迫するため、メリットになっているとは言い難い。
  • 仲間は「作戦」である程度動きを設定できるが、「敵に先手を取られないように動く」「ジグザグに移動して飛び道具を避ける」といったテクニックは自動的に行えない。
    また、通路に罠ができるとついてこなくなってしまう事がある。
    • そうした動きをさせたい場合は、「全員操作モード」に切り替えて操作することとなる。
      しかし、全員操作モードは1ターンに3人を動かすためテンポが非常に悪い。せいぜい使うのはボス戦の時とピンチになった時くらい。
    • 仲間キャラクターは「その場で待機」する作戦にしておいて連れ歩かない方が難易度が下がったりする。
  • 「心得」の項目で仲間がアイテムを自動的に使うように設定できるが、背中の壺をちからの回復にだけ使ってしまったりと、痒いところに手が届かない。
    • アイテムは使うべき状況と使うべきでない状況があり、特定の状況なら必ず使うということはありえない。アイテムを勝手に使用されてしまうと非常に困るので、この項目も使わないプレイヤーが大半。
  • 本作ではゲームの開始前に、イージーとノーマルの二種類の難易度を選べる。が、本作は仕様上、イージーモードでのプレイが推奨される。
    • イージーではダンジョンで死亡しても、リセットすればダンジョンに突入する前の状態に戻れる。すなわち、倒れて失ったアイテムを任意で取り戻す事が可能。
      • 『PS版トルネコ2』・『トルネコ3』では当たり前のルールだが、このルールが搭載された『風来のシレンシリーズ』は意外にも今作が初。
      • ゲーム内では言及されないが、最初の冒険で復活の草が3個支給されるというオマケもある。
    • ノーマルは従来通りダンジョンに入った時とダンジョンで死亡したときにセーブされ、全てのアイテムを失う。従来のシリーズと同じ。
    • ちなみに『風来のシレンGB1』にも難易度を選択するシステムはあったが、そちらでは難易度によってダンジョンの出現アイテム・モンスターが変わるシステムだった。今作とは似て非なるものなので注意。
  • もしノーマルを選んでしまうと、ストーリーダンジョンで倒れてアイテムを失った場合に面倒な事になる。
    • 今作は通常のRPGのように前のダンジョンをクリアした時のアイテムを持ち込み、継続使用することが前提のバランスであり、途中からは持ち込みなしクリアがほぼ不可能なダンジョンが増えてくる。
    • 序盤はまだいいが、後半で一度でも死んだ場合、序盤のダンジョンへ行って幾らかアイテムを集めて来なければならず、リトライに時間がかかる。
      • 終盤ではそのステージをクリアしないと前のダンジョンに戻れなくなる時がある。そんな時にクリアに失敗してアイテムを失ってしまうと、いわゆる「詰み」に近くなってしまう。
    • ワールドマップのメニューからなら「どこでもダンジョン」というストーリー進行に応じて階層が増えるダンジョンもあり、そこで収集することもできる。前のダンジョンに戻れなくなった時の救済措置とも取れなくはない。
      • しかし、どこでもダンジョンの低層は落ちているアイテムが貧弱で、このダンジョンですら持ち込みなしで挑むと10Fに辿りつくのすら難しい。
    • ただ、中盤以降は竜脈という武器やアイテムをお供えして強化・増殖させるシステムがダンジョン内にあるため、これを利用すれば装備の修正値と必要最小限のアイテムの入手、強化は簡単にできる。
  • ノーマルを選んだ際のメリットが特にない(セーブデータのアイコンが変わる程度)上に、ゲーム開始後に難易度を変更することもできない。
    • そのため、よほど「死んだらゼロに戻る」にこだわるプレイヤーでもない限りはイージーを選ぶ事を推奨されている。
  • 今作は後述するシナリオ主導型となったことやレベル継続で、全体的なバランスがRPGに近くなってしまっており、ここにローグライクの要素を無理に詰め込んだことがミスマッチの原因であるといえる。
    • もともと死んだらすべて失うという仕様は「極限状態で全ての手段を惜しまず使用させる」という意図の仕様、それは従来のストーリーダンジョンのように素潜り前提で持ち込みが救済といったバランスで出来ている場合に意味があるものである。このバランス崩壊は、継続前提のバランスに対して全アイテムロストとというルールを押し込んだ結果の産物であると言える。
  • 過去作と比べてテンポが悪い。
    • 例として、通常移動、ウィンドウの表示(開閉するたびに演出が入る)、メッセージの表示(メッセージが表示しきれないとウィンドウを表示できない)、
      敵味方の攻撃モーション、喰らいモーション、ザコ敵死亡の消滅時に入るようになった死亡モーションが遅い(特に鈴なり童系*2モンスター)、ストーリーダンジョンで死亡するとすぐ再スタートできずタイトルに戻される。
    • 特に攻撃モーションの遅さは『トルネコ3』でも指摘されており、素振りによる罠確認が面倒。旧作と同じだと思って行うと、慣れない内は罠を確認できたのに先に進んで罠を踏んでしまうことも。
    • ローグライクゲームや不思議のダンジョンシリーズの面白さはテンポの良さに集約されていると言っても過言ではないため(1ターンが短いというミクロ視点から「やられてもすぐ再挑戦」というマクロ視点まで)、テンポが悪いとストレスが溜まる。
    • 上記で例に挙げたトルネコ3と比べても大幅にテンポが悪くなっているため、大きな不評を買った。このことから後述のPSP版ではモーションなどがやや高速化され、多少テンポは良くなった。
  • 3Dになったことで下のマスが壁になっているマスにある罠やアイテムが何かが分かりづらい。
    • 一応スティックなどで視点を上に向けることもできるが、見渡せる可動範囲は狭い。また、そうした手順を挟むことがテンポを損ねているとされる。
  • 過去作で搭載されていた便利機能、ボタン一つで通路を進んでくれるiダッシュ、未識別の杖の使用回数の表示、やりなおし機能が無い。
    • ローグライクゲームでは上記と同じくらい操作の快適性も重要となってくる。そこもこの批判の理由となった。
      • iダッシュは最新作に至るまで復活していない。スタッフによれば「探索の楽しみが無くなるから」とのこと。
  • 倉庫が普通のRPGと同じようなものとなり、作業スペースが消失した。ゆえに倉庫でアイテムを使うことができなくなった。
    • そのため、天の恵みの巻物を使ったり特定の壺を割って中身を取り出したりしたいときは、脱出の巻物を用意してダンジョンに潜って使う必要があり面倒。
    • 倉庫内の保存の壺の中身からアイテムを引き出すこともできなくなった。
  • シリーズ恒例の罠ダンジョン(罠を逆利用する特殊ルールのダンジョン)がない。
    • 肉ダンジョン(これも準レギュラーの特殊ダンジョン)はあるのだが、殆ど説明も無く唐突に登場する。肉システムの説明もされず、分かりづらい。
    • しかし、「カラクロイドの肉」を使用する事でワナ師状態になる事が可能。罠ダンジョンはなくても罠ダンジョンのシステムはできているようだ。

シナリオ・演出関連

  • タイトル画面を飛ばせなくなった上、量が多くなった。このため起動してから風来日記を開くのに40秒近い時間を要するようになった。
  • 今作はシナリオ執筆に『クロノ・クロス』『バテン・カイトス』などで有名な加藤正人氏を起用し「シリーズで初めてアニメムービーを搭載」「伏線を張り巡らせた展開」でシナリオを重視したゲームになっているが、その肝心の出来がローグライクゲームという要素にまったくマッチしていない。
  • まずメインシナリオが長い。だいたいエンディングまで20~30時間とクリアするまでの時間も膨大にかかる。
    • 他のシリーズも慣れないプレイヤーが遊ぶと膨大な時間がかかるものが多いが、熟練者が順調に進めても20時間程度はかかってしまう。
    • クリア後の「もっと不思議のダンジョン」を本編と捉えるプレイヤーにとってはとても面倒かつ苦痛。
  • さらにシナリオ内容にも問題があり、具体的な例を以下にあげる。
    • 使用可能キャラがシレンと繋がりのあるキャラだけ。なのでシナリオが終始内輪話で終わってしまい、規模が大きいはずなのに、こぢんまりとした印象となってしまっている。
    • これまでのシリーズでは全くの無縁であった「運命」という要素を前面に押し出しすぎている。
    • 「風来人」の設定の大幅改編(改悪とも評される)。
    • セリフの間が悪く、場の空気に合っていない言い回しが多いため、シリアスなイベントシーンでも雰囲気が台無しにされてしまい、感情移入しづらい。また、からくり屋敷の構造やそれによる世界の危機など、ストーリーの核心にまつわる謎についても、何のヒントも与えられていないのに一瞬で答えを悟って説明口調でペラペラと語り出す超展開に、プレイヤーは置いてけぼりをくらうことも。新キャラの「センセー」の行動や発言にも一貫性がなく、疑問点や問題が多い。
    • また駄目シナリオにつきものともいえる電波要素もある。
      • ファンの間で最もよく批判されるのが「死ね、月よ」という発言。
      • こういった台詞回しは加藤氏のシナリオ作品ではよく登場しており*3、氏の味ではあるのだが、後述するように今作は氏の作風に合わない作品であるゆえ、ファンからは究極の電波発言と冷笑されるに至った。
+ 上述の場面の動画

  • それ以外にも、上記の「センセー」は後半になればなるほど敵のちょっとした発言から真相を見抜いたりするなど異常なまでに察しが良く、この部分も電波といわれる要因となっている。
  • イベントスキップやセリフの早送りが不可能なため、リトライする場合もう一度見なければならない。
  • 上記の仕様がなくてもエンディングまでが長い。ダンジョンも特徴がなくただ抜けるだけのものばかりなので単調になりがち。
  • 過去作品と比較し違和感のある部分が非常に多い。
    • シレンが日本神話に出てくるような神の子孫であるなどの今作で明かされた設定が例としてあげられる。
    • 2』や『外伝』にも登場していたキャラクターであるアスカの言葉遣いが変化した。
      • 元々は「○○でござる」という古風な話し方だったものが現代風に変化したことに、アスカのファンなどはかなり悲しい思いをした。
      • ゲーム内では「もうそんな歳でもない(大人になった)から」といった趣旨の発言をアスカ本人がしている。が、過去のアスカの性格にそぐわないとする者もいる。
      • ちなみにこれはシナリオ担当の加藤氏の案であるとのこと。
  • 本作のシナリオはシリアスな作風となっており、シレンシリーズ恒例の「ほのぼの、何でもアリ、ギャグ」の部分を大きく削られてしまったことに不満を持つファンは多かった。
  • それ以上に、RPG的な部分がローグライクのシステムとうまくマッチしなかったことで様々な問題があるといえる。
    • ストーリー主導になったことで、全体的にRPG要素に引きずられてローグライクに必要な「多くのアイテムがランダムで落ちているダンジョンを死んだらやり直し」という部分が上手く機能しておらず、上記のシステム関連の問題の元凶となってしまっているという指摘もある。
  • また、ダンジョンの合間にストーリーを挟むため多くのダンジョンがレベル継続に合わせて細切れで、それによってシナリオの展開がとても急展開に見える出現アイテムも範囲が狭いなどの関係で竜脈のないダンジョンは再訪する価値が低くなっているといった点が、アイテムをやりくりしながら全体の戦略を練るという、ローグライクゲームの根本的な楽しみの一つがなくなっているという問題を生じさせてしまった。
  • 全体的な雰囲気として『風来のシレン』という作品に合わないシナリオであり、従来のファンからは 黒歴史 扱いされている。
    • 一方で上記で張られた伏線などはきちんと回収しており、日本神話と竹取物語を組み合わせた世界観設定など評価できる点も少なからずあるため、「風来のシレン」及びローグライクというゲーム性を重視するジャンルに当てはめてしまったことがもっとも大きな問題であったと言える。
    • 他の新規タイトルで普通のRPGのシナリオとしてやっていれば、まだ良いシナリオだったのではないかという声もある。
  • BGMがほぼ総替えされ、モンスターハウスや店の曲もまったくのオリジナルとなった。
    • 新BGMは全てすぎやまこういち氏の弟子である松尾早人氏が担当しているのだが、パッケージやタイトル画面ではすぎやま氏の名前しか載せられておらず、明らかに嘘を書いている。
    • すぎやまこういち氏の曲も使われているが、すべて過去作の曲となっている。
    • 決して松尾氏に非はなく、曲も決して悪くはないのだが、ビッグネームであるすぎやま氏が担当した既存の曲と比べてガッカリしたプレイヤーもいた。

モンスター関連

  • 新システム属性が登場。モンスターごとに9つの属性が設定されており、こちらが攻撃したり攻撃されたりすると何らかの効果を発揮する。
    • モンスターの属性はカラーリングによって決まる(赤色なら熱属性、黄色なら雷属性etc)。
    • 一定確率でプレイヤーを1ターン行動不能にする*4雷属性は、連続で発動すると普通の敵1匹相手に痛い連続攻撃を受けることになる。
    • 一定確率で痛恨の一撃が出る熱属性は、ダメージ2倍ではなく攻撃力2倍、かつ本作の盾のダメージ計算式が割合軽減ではないため、ダメージが2倍以上になる。
    • 「状態異常になったモンスターは属性の発動率が2倍になる」という仕様があり、戦闘を有利にするために敵に仕掛けた状態異常が仇になる事がある。
  • 例えば今までの作品では痛恨の一撃を出してくるモンスターは「タウロス」系のみだったのだが、本作では赤色の体色のモンスターが所構わず繰り出してくる。
    • 熱属性のモンスターはストーリーの序盤から登場するため、対策アイテムや良い装備が出ないために為す術なく倒れるケースが増えてしまった。
  • タウロス系やパコレプキン系といったシリーズ皆勤賞だったモンスターが、属性システムによってリストラされてしまったと言える。
    • マムルは知属性だがチンタラは土属性といったように、今までは無能力だったモンスターにも属性による個性付けがされたのは評価できる。
  • 熱属性や雷属性が厄介な一方、知属性*5や気属性*6はあまり強くはないというように、属性がモンスターの強さに大きく影響しているのだが、属性を考慮せずにカラーリングを設定した感が咎めない。
    • 序盤の赤色・黄色のモンスターは特に強敵とされる。代表的なのは熱属性のタトゥーバード*7やだましカタナ*8、雷属性のケンゴウやマゼルン*9など。
    • 例えば装備を弾くモンスター『ケンゴウ』は雷属性であり、特技を防ぐために装備を外すと雷属性で連続攻撃を受ける可能性があるため危険。
      • だがレベルアップして『イアイ』になると気属性になり、属性的には大きくパワーダウンしてしまっている。
  • ちなみに武器や盾にもこの属性を印として付与できるようになっているが、武器の印は「付与した属性の敵以外への攻撃力が少し上がる」といった能力で、敵の属性のような特殊な効果は得られず、「敵を弱点属性で攻撃すれば大ダメージ」というような要素がないためプレイヤーへのデメリットが大きい。
    • 盾の印は「付与した属性の敵から受けるダメージが減る」というもので、武器よりは有用であったりする。
  • 理不尽なボス戦。状態異常やワープ・ふきとばしなどの位置移動効果が効かないのは当たり前で、単純に殴るのと回復を繰り返すだけの単調で力押しのボス戦。
    • 一緒に湧いてくる雑魚にも(一見普通の雑魚モンスターなのに)状態異常が効かないことがあり、またボス戦ごとに効いたり効かなかったりするので試してみるまで判断が付かない。
  • ストーリー中盤のダンジョン「内郭」では、無敵状態のボス2人+倒しても復活する雑魚複数に囲まれながら特定の床を踏む、パズル要素(?)の強いボス戦がある。
    • 当然戦闘中であるため、袋叩きにされながらいったりきたりしてスイッチを押す必要がある
    • ただ、全員操作前提のボス戦はタクティカルコンバットのような形で、従来とは別の面白さがあると評価する声もある。
    • 「特定の床を踏む」という勝利条件はノーヒント*10だが、下記のダンジョンよりはよっぽど謎解きをしている。
  • 「内郭」の次のダンジョン、「壺中夢幻」に関する問題。このダンジョンは各階層に落ちている「壺の欠片」を3つ集めると4Fでボス戦が発生するのだが、ボスを倒しても条件を満たしていないと1Fに戻されてやり直しになってしまう。
    やり直しになった際にコッパが謎を解く必要がある旨を発言するが、やり直しになる条件は普通にゲームをプレイしていてもまず分からない
    • そのコッパの発言は「何かコツがあるみたいだ」といった内容で何のヒントにもなっておらず、ノーヒントのまま再度ボス戦をさせられる。
    • 一応、有志によって条件が判明しており、ボスの現在HPを特定の範囲にする事で倒せる模様。総ダメージが261~289で倒せるのを確認。何故か290~299では倒れないが、このボスは毎ターンHPが10自動回復するので、回復させて261~289の間に調整してダメージを与えると倒せる。それ以上では戻されてしまう。
    • しかし、通常プレイでこの条件に気づくプレイヤーがいるとは思えない。
      謎は解らないが何度も往復して何度も倒せばそのうち突破できる」というのが正攻法になってしまっている。
    • 一発でクリアできてしまうプレイヤーもいるが、3回も4回もやり直したプレイヤーもいる。
    • ただしこのダンジョンはボス戦を含めて4Fと短く、1Fからやり直しになっても倒れた時のようにアイテムを失うわけではないので、再度ボスに辿りつくのに要する時間は少ない。
  • クリア後ダンジョンにおいても問題点がいくつか存在する。
    • 例えばアイテム持ち込み不可ダンジョンの4階と言う浅いフロアにおいて「妖怪にぎり見習い」が出てくる。
      • この時点ではHPが30もあり、盾無しでは10近くのダメージを受ける強敵。武器・盾を装備していないと殴りあったらほぼ負けてしまうが、当然ながらこの浅いフロアまでに装備が整うとは限らない。
      • 初代作』では同様に持ちこみ不可ダンジョンの序盤に「とおせんりゅう」という強敵が出ていたため、その経験を活かしてか以降のこういったダンジョンの序盤は、装備アイテムが整っていなくても進めないことは無い難易度バランスになっていたのだが、本作ではそれをぶち壊しにしている。
    • フロアにいる限り何処からでもホーミングする炎攻撃を放つ「アークドラゴン」や「アビスドラゴン」の存在。
      • 従来のシリーズでも存在した凶悪モンスターだが、本作では積極的に炎攻撃をするうえに、プレイヤーキャラの最大HPを上げづらいので脅威度が増している。
      • 「どこでもダンジョン」と「千年洞窟」では出現モンスターの種類が少ないためにアークドラゴンやアビスドラゴンが1フロアに3、4体出現することもあり、数ターンで50、60ダメージを何度も受けて窮地に追い込まれやすくなる*11
      • 「ドラゴンシールド」と「爆炎守りの腕輪」を同時装備することで炎ダメージを4分の1に抑えられるが、この2つがあってようやくなんとかなるレベルである。
      • 本作には「ねだやしの巻物」も「ジェノサイドの巻物」も存在しないため、ダンジョンの深層に行く際はコイツらの対策手段を必ず用意しなければならない。
    • 「みだれ大根」は一定の距離に入ると狂戦士の種を投げてくる*12。仲間が一緒にいる場合、プレイヤーが狂戦士状態になってしまうと、隣にいる仲間を全力で殺しにかかる。
      • この時既に仲間が一緒に行くような指示があった場合、仲間は暴走したプレイヤーから離れることをしないのでひたすらなぶり殺しにされる。
      • プレイヤーが強力な武器を持っていると仲間は数ターンで死ぬ危険性があり、復活の草を持っていても使い切るまで仲間を殺し続けてしまうので実質効果が無く、ゲームオーバー確定である。
      • 仲間が倒れるとダンジョン攻略失敗になるので、仲間がいる時にこいつの攻撃を受けただけでダンジョン攻略失敗になると言っていい。
      • 「みだれ大根」はクリア後ダンジョンにしか登場しないが、もう1種の狂戦士化特技を使うモンスター「そっくりダケ*13」はクリア前ダンジョンにも出現する。
        こちらはみだれ大根と違って隣接時にしか特技を使えないが、みだれ大根のいるダンジョンは「仲間を連れていかなければ良い」という対処法があるのに対し、こちらは仲間がいる状態で戦わなければならない。
    • 即死級の状態異常にしてくる敵が多い割に、その予防策が存在しないことが多い。このシリーズでは「アイテムを使い切って死ぬ」のが良い死に方と言われることがあるが、本作は「アイテムを使う暇を与えず殺す」ために使い切る選択肢自体が発生しない状況が頻発する。
      • 催眠*14、おにぎり状態*15、狂戦士*16。これに土属性による透明化先制攻撃、雷属性、熱属性が加わる。
    • アイテムを持ち込めるが最初から強い敵が出るダンジョン「ツワモノの穴」では50階を超えると敵の攻撃力がインフレ化し、最強クラスの盾を装備していようが100以上のダメージを受ける。999階ダンジョン「千年洞窟」も、深層に行くたびに敵が強化されていく。
      • 強化しすぎた盾によるマンネリ化の解消のためとも取れるが*17、投擲武器を使う敵がいれば数ターンで瀕死になってしまうように、調整不足感が否めない。
      • 敵は攻撃力がどんどん上がる一方で、HPや防御力はほとんど上がらない。ちからを上限の50まで上げていれば、最強武器での通常攻撃はおろか石などの飛び道具でも一撃で倒せてしまう敵がいる。そのため、「やられる前にやる」ゲームバランスになっている。
  • 不思議のダンジョン 風来のシレンDS』で批判された「ゲイズの特殊能力使用率の高さ」が全く改善されていない。
    • この使用率の高さの上、本作ではゲイズ系の催眠術の行動に「道具を投げる」が追加されている*18
      • 壺を投げたらほぼ確実に割れる他、装備中の武器や盾だろうと容赦なく投げる。
        もちろん、目の前にいるゲイズに向かって投げたら問答無用でロスト。実質的にケンゴウ系の上位互換と化している。
    • しかも今作では、部屋中に催眠攻撃をかけるという凶悪極まる特殊能力を持つ「ゲンナマゲイズ」というレベル4モンスターが登場。
      最深層に出現するのみだが、いくらなんでも能力インフレが過ぎていると大いに批判されている。
    • 更に催眠攻撃への対策になる「ゲイズの盾」は千年洞窟900階、「魔転換の腕輪」はツワモノの穴90階にあるというかなりのレアアイテム。当然ながらどちらも1回目の攻略では催眠対策不可の状態で進まなくてはならないので、もはや嫌がらせの領域を超えている。
      • 「やまびこの盾」のような盾は存在せず「プリズムの盾」でも防げない。持ち込みなしもっと不思議では当然出てこないため、開幕でゲンナマゲイズのいる部屋に入れられた場合、取れる対策は非常に限られてしまう。
      • あまりに問題視されたためか、『4』ではもっと不思議系統のダンジョンでも対策用として「ややゲイズな盾」が普通に出現する、『5』では新システムのお香によって盾無しでも完全シャットアウト可能になる、などプレイヤーのとれる対策が増えた。
  • 基本的なモンスター行動パターンの変化
    • 敵ターンが「移動分のみを処理→攻撃分のみを処理」から「1匹ずつ行動内容に関わらず処理」になりモンスターの行動を予測しにくくなった。
      • 旧作では「敵Aの射線上に敵Bが移動→敵Aの飛び道具を敵Bが受ける」という戦法が使えたが、それができるかどうかは個々で行動順を判定しないと事前に知ることはできなくなった。
      • 身代わり状態の敵が倒れた場合、行動を残した敵の行動はそのターンのうちに主人公に向かうため、身代わりの杖は実質弱体化した。
    • 部屋内で主人公を視認したモンスターは、視界から主人公が消えると元の移動方向に戻る。
      • 飛び道具持ちへの対処として通路への誘導が定石といえたのだが、今作ではそれができないことがある。
      • 敵としては縄張りに侵入した主人公への対処よりも散歩を優先していることになるため、特に合理性はない。
    • 通路と部屋の境界で斜め移動できる部屋*19では出入り口で敵が右往左往する。
      • 純粋に敵の頭が悪くなっている。
    • これら全てプレーヤー側からすれば、モンスターの行動を予測や誘導しにくくなっただけで特にメリットはない。
  • 状態異常表示の劣化
    • 旧作では睡眠や倍速のように一目でわかるもの以外のほとんどの状態異常はモンスターの頭上に状態異常のアイコンが表示されていたのだが、何故か視覚的に判別不能な状態異常が増えた。
      • 「空振り状態」に至っては、状態異常の開始や終了のテキストもなく、過去作にあったアイコンもなくなっている。

アイテム関連

  • 2』や『アスカ』にあった装備品掛けが廃止され、ダンジョンから持ち帰った装備の使い道が減っている。
    • 他にも『2』の「もののけ王国」や『アスカ』の「エレキ箱」のようなモンスター収集・育成要素がカットされてしまった。
  • アイテムの履歴がすべての種類で共通となった(旧作は杖は杖、壷なら壷で記憶)のだが記憶数が64と少なく、もっと不思議のダンジョンでは履歴が機能しない場合が多い。
  • 剣や盾を錆びなくする効果「メッキ」が錆び攻撃を受けると特定の確率で剥がれてしまうようになった。
    以前のシリーズにも同様の効果のあるモンスターはいたが、今回はすべての錆び攻撃で剥がれる可能性があるという仕様に変更された。
    • 剣や盾をメッキする手段は少なく決して簡単にメッキできるわけではないため、メッキ手段を手に入れたときのカタルシスが減っているという指摘がある。
      ただ以前のシリーズではメッキをかけるだけで空気になる罠やモンスターがあり*20、本作でマンネリの解消を図ったとも言えるため賛否両論な点である。
  • 水グモの腕輪を装備するか浮遊モンスターに変身すると侵入できる水路の上にいると、所持しているおにぎりや肉が腐る、巻物が濡れる、剣や盾が錆びていくといったことが起こる。この中のぬれた巻物は何度か階を下りると乾くのだが、乾いた巻物は白紙の巻物になる*21
    • 「白紙の巻物」は、読んだことのある巻物全ての代わりになるという極めて便利かつ強力なアイテムである。
      • そのため、いらない巻物は全て濡らして白紙化を狙った方が良いという事態になっている。
        これは入手アイテムの良し悪しに一喜一憂するという、ローグライクゲームの面白さ自体を損ねてしまうものだと批判する声もある。
    • 普通のぬれた巻物はいつ乾くかランダムだが、祝福状態のぬれた巻物は次のフロアで必ず乾いて白紙の巻物になるため、容易に量産できてしまう。
      このため、ゲームバランスが崩壊しているという指摘がある。
      • 白紙を祝福して全滅の巻物にして量産すれば、毎フロア開幕と同時にフロア中の敵を殲滅していくプレイも可能になる。
      • ただ過去作にも「分裂&吸い出し」や「祝福カズラ&吸収の壺」のような稼ぎ要素があり、救済的攻略手段として設定されたのではないかという声もある。
        もちろん、持ち込み•使用は任意であり強制ではない。
    • 「巻物が濡れると白紙になる」システムはローグライクの本家に近い『Nethack』などでも登場するので(当然超強力)、先祖返り的な意味にも取れる。
      • ただしこちらは白紙に書き込むにもアイテムが必要で、そのアイテムがレアという風にバランスを取っている。
  • 今作は特に力の影響が大きく、上限の50近くまで上げるとそのうち一撃で200、300といったダメージが平気で飛び出るようになる。(終盤の敵でもHPは100前後なのに)うまくやればボスもゴリ押し瞬殺可能。
    • 攻撃特化キャラの「センセー」でプレイすると、これでも案外バランスがとれているのだが、やはり「力を上げて物理で殴る」ような終盤の戦闘バランスの取り方は、白紙量産と同様にローグライクらしくないという意見もある。
  • 焼けた肉が焼きおにぎりと同じ要領で肉を燃やすだけで入手できる上に、効果の中に拾い識別や力アップといった強力な効果がある。
    • 同じ効果を持つ「特製おにぎり」は入手機会が限られているのに対し、焼けた肉は肉ダンジョンなら大量に入手できてしまう。
    • これにより、前述の肉ダンジョンで「焼けた肉で力を上げて物理で殴る」攻略法が通用してしまう*22
  • アイテムを売った時の値段が全体的に安く、買った時の10分の1の価格でしか売れないアイテムもある。落ちているお金も全体的に安く、金稼ぎがしにくい。
    • 泥棒しようにも、大部屋の巻物が削除されたため泥棒しにくくなっている。
    • ストーリー終盤のダンジョン「かぐや御殿」ではギタンマムル*23が出現するので、そのダンジョンを周回すればお金には困らなくなる。
      が、このダンジョンはエンディング後になると通常の手段では二度と入れなくなる*24
  • 未識別アイテムが扱いにくくなっている。
    • 単純に種類が増えたことで値段識別が行いにくくなっている。
    • 使い捨てアイテムだろうと使うまで呪いの判別ができず、拾った緊急回避アイテムが緊急回避に使えない。
    • 比較的気楽に使えるために識別が容易だった杖や壺といった回数のあるものには「ただ使っただけでは何も変化が見えない」ものが増えている。
    • それでも杖は必中で複数回使えるので比較的信用できるのだが、樹属性には確率で無効なので使い勝手は悪くなっている。「空振りの杖」に限れば知属性にも無効。
    • 過去作では合成成功時にはおまけで識別されるものがあったが、今作では識別されない。

評価点

  • 二刀流システムの導入。
    • ローグライクゲームは基本的に「剣などの武器<盾」という傾向があり、その根本部分に挑戦したシステムである。
    • これにより、序盤において盾が出てこないままジリ貧になるという事態などが解消された。また終盤もリスクはあるが一つの選択肢になりうる。
    • 二刀流専用キャラの「センセー」でクリア後ダンジョンに潜れば、過去作にはない新鮮なゲームバランスで楽しめる。
      • センセーは二刀流のみ可能で盾を装備することが出来ない、つまり防御力を一切あげられない。
      • そのため体力やアイテムの管理、腕輪による耐性強化(今作は腕輪が腕に1つずつ、計2つ装備可能)といった要素が他のキャラより重要になってくる。
    • 面白い試みではあったが、後の作品では採用されていない。恐らくドット絵だと専用モーションを作るのが面倒なのだろう。
  • 特殊床(杖封じの床、巻物封じの床、投擲封じの床)が追加された。
    • これだけ聞くとデメリットしかない要素に思えるが、特殊床には罠が配置されていることはないため、特殊床を歩けば罠チェックの手間を省けるという利点がある。
    • 3Dの関係で壁に隠れて分かりにくいという欠点があるものの、状況に応じてメリットにもデメリットにもなる要素で好評。
  • 矢の本数が100を超えると、他のアイテムとして整理されるようになった。今までは99本を超えて入手すると消えていく仕様だった。
    • 「矢を100本以上持てるようになる」のはかなり有意義であったため『4』でも継承された。
  • 通常の印の他に、黒印と青印が導入された。
    • 黒印はサビよけや必中など重複しても無意味な印に該当し、それらを複数合成しても印が重複しないようになった。
    • 青印は「妖刀かまいたち」や「妖光のヤリ」など破格の効果を持つ印に該当し、ひとつの武器につき1つのみしか青印が付かないようになった。
      バランスが壊れすぎず、かつプレイヤー次第で印を選択する要素なので、概ね好評である。
  • ED後のおまけシナリオはギャグ調の雰囲気で、過去作のボス達を登場させるなどファンサービスも多く好評。むしろこっちが本編だという声もある。
    • 更に本作のメインシナリオのエンディングを撤回するような描写が存在していることも、その意見をいっそう強くしている要因とも言える。
    • 加藤正人氏もシリアス一辺倒の他ギャグ調の台詞回しも得意としていたこと、本作を無理に大作指向にする必要も無かったことから惜しかったとも言われている。
    • なお、クリア後シナリオの中で『初代作』のボス「魔蝕虫」が登場するのだが、こいつには(原作通り)補助効果も効くようになっている。本編のボス達にも適応されていればと思われる点である。
    • 他にも『外伝』に登場した「黒雷仙女」、『GB2』に登場した「キュラス」も登場して戦うことになる。
  • 3種類のもっと不思議のダンジョン(それぞれ30F、50F、99F)が用意されており、プレイヤーの腕前や気分次第で楽しめる。
    • バランスも従来と同じくらい優れているため、本編もこのような形に出来なかったのかと惜しまれている。
  • また、30F建ての「サヌキノ竹林」と50F建ての「ヲチミヅ峠」はシリーズ初の屋外型「もっと不思議」となっており、少し新しい感覚でプレイ出来る。
    • ヲチミヅ峠は全階層で壁が存在しないため、フロアを進むごとに浮遊型モンスターが一気に襲ってくるという独特なゲームバランスとなっている(『トルネコ3』でも見られた)。画面外からガイコツまおうの魔法弾が飛んでくるなどキツい場面が多いが、旧作にはほとんど見られない魅力として評価する声もある。
    • ただ、これらのダンジョンは全階層同じ景色&BGMなので、些か単調さも感じてしまうところもある。
  • 前述したシナリオやテンポの悪さでクリア前に挫折するプレイヤーもいたようだが、以上の点からシナリオクリアさえできれば後は意外と悪くないとの意見も多い。
  • 不思議のダンジョンシリーズで初めてサウンドテストが導入された。
  • UIの改善
    • ワンボタン(ダッシュボタンのチョン押し)で道具欄を表示できるようになった。
    • 保存の壺の中も整理ボタンで整理できるようになった。
    • 値段の付いた矢や石などが、複数持っていてもまとめられるようになった。今までは整頓ボタンを押してもまとめられなかった。
    • トルネコ3で蛇足といわれた「道具を拾うモーション」をオプションでカットできるようになった。
  • LV4に達したモンスターも、名前の後に数字が付く形で更に99までレベルアップするようになった。
    (例:マムル→あなぐらマムル→洞窟マムル→ギタンマムル→ギタンマムル2→……→ギタンマムル99)
    • この仕様により、「持ち込み前提のダンジョンでも敵が弱過ぎて鍛えた装備の使いどころがない」という事態がやや緩和された。問題点でも述べている通り、インフレしすぎている部分もあるが。
    • なお、この仕様は『4』でも引き継がれている。

総評

ファミ通のクロスレビューでは35点のプラチナ殿堂を獲得しているが、2chなどネットでの評価は悪く、シレンファンで有名なタレントの伊集院光氏も
「1(SFC)は100点満点で300点、2(64)は100点満点で315点、3は100点満点で150点」と厳しい評価をしている。

ちなみに、前述した問題点の多くは実は6年前に発売されていた『トルネコ3』で指摘されていた問題点を継承、あるいは悪化させたもので、某所では「超劣化版トルネコ3」と言われてしまった。
また全体的に今作は「ローグライクゲーム」というよりも「『風来のシレン』のキャラを使ったローグライク風のRPG」と言ったほうがいいようなシナリオ、ゲームバランスとなっており、ローグと普通のRPGのどちらの良点もうまく融合させることが出来なかったことも低評価の原因であろう。
初めてローグライクゲームや『風来のシレン』に触れる人間ならいいかもしれないが、過去作をプレイし愛着を持っていたファンほど上記の要素に落胆する出来であった。
そのためクソゲーとするファンもいれば、クリア後の要素から楽しめたとするものもいるなど評価はその部分で割れることもある。ただ2chでは『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』とともに2008年を代表するガッカリゲーとされている。


余談

  • 売上は惨憺たるもので、前作の28万から9万にまで売上を落とした。
    • これは1年半前に発売された『DS1』が劣化リメイクと叩かれたことや、時代やハードの違いも一因として考えられる。
    • 同年11月に発売された『GB2』のリメイクである『DS2』も、『DS1』の19万から8万にまで落ちこんだ。
  • ファンの期待と不安の入り混じるなか、2010年2月に発売された『シレン4』は発売後に好評を博したが、初週の売上は僅か4万本に留まり、その後も『DS2』同程度の売り上げ止まりであまりのびなかった。
    • 携帯アプリ版、『DS1』、本作と数作続けてファンの期待に十分に答えることが出来なかった結果が売り上げに現れたということだろうか。
  • 「そもそもローグライクゲームそのものの需要が落ち込んでいるせい」という見方もある。
    • 元よりコア向けのジャンルであることに加え、DSでは『チョコボ』や『ポケダン』といったそのほかのローグライクゲームが次々と発売されていたというのも事実であり、市場が食傷気味になっていたということは言えるかもしれない。
  • 攻略本が発売されていない。チュンソフトの親会社であるドワンゴの意向か、月額課金制の公式攻略サイトでの攻略情報配信となった。
    • しかし、肝心のソフトがコケたせいか未だに作りかけの状態で放置されている。そのため、各種攻略サイトを回るのが賢明である。
    • その後発売された『DS2』は普通に攻略本が発売された。

不思議のダンジョン 風来のシレン3 ポータブル

【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんすりー ぽーたぶる】

ジャンル ダンジョンRPG
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 スパイク
開発元 チュンソフト
T&Eソフト
発売日 2010年1月28日(UMD版)
2012年5月15日(DL版)
定価 5,040円(税込、UMD版)
3,980円(税込、DL版)
判定 シリーズファンから不評
ポイント 改善点はあるが少ない

概要(ポータブル)

約1年半後である2010年1月28日に、PSP移植版が発売された。
PSP版公式サイトではバランスを徹底的に練り直したとの触れ込みだったのだが、実際の変更点はそれほど多くない。
3自体の評価が芳しくなかったこともあいまって、売り上げはWii版を下回る2万本程度となった。

変更点(ポータブル)

  • 移動や攻撃モーションがやや高速化(二刀流モーションが特に顕著)、過去作よりは遅いもののWii版と比べテンポが多少良くなった。
    • 一方、ダッシュ等を使用すると処理落ちがおきて少し動きがカクカクになることがある。
  • 各キャラ専用のダンジョンが2つずつ、計6つの新規ダンジョンが追加された。これらはゲームを始めてすぐプレイできる。
    • レアだったアイテムも手に入りやすいので、ストーリー用のダンジョンを攻略するためのアイテムを確保する手段が増えた。
  • ギタンマムルやゲンナマゲイズの落とす金額が減った。
  • ダンジョン「地脈のほこら」でフロアの内容が記録できなくなった。