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ひぐらしのなく頃に祭 - (2017/03/02 (木) 02:34:23) の編集履歴(バックアップ)
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本稿ではPS2版『ひぐらしのなく頃に祭』とDS版『ひぐらしのなく頃に絆』(両作共に判定:劣化ゲー)について紹介します。
ひぐらしのなく頃に祭
【ひぐらしのなくころにまつり】
ジャンル
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サスペンスアドベンチャーノベル
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通常版
アペンド版
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対応機種
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プレイステーション2
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メディア
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DVD-ROM 1枚
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販売・開発元
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アルケミスト
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発売元
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デジタル・ゲイン
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発売日
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2007年2月22日 カケラ遊び:2007年12月20日
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定価
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限定版:9,500円 通常版:6,980円 カケラ遊び・通常版:6,980円 カケラ遊び・アペンド版:3,979円(すべて税別)
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判定
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劣化ゲー
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ポイント
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TIPSがプレイ中に見れない 原作者本当に監修? 序盤のオリジナルストーリーで重大なネタバレ シナリオライターによる一部キャラの贔屓 スタッフ「ひぐらしはわしが育てた」
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なく頃にシリーズ ひぐらしのなく頃に祭 / ひぐらしのなく頃に絆 うみねこのなく頃に ~魔女と推理の輪舞曲~ / うみねこのなく頃に散 ~真実と幻想の夜想曲~? / うみねこのなく頃に Portable?
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概要
人気同人ゲーム、『ひぐらしのなく頃に』(07th Expansion)のCS版リメイク作品。
フルボイス化されていたり、原作では賛否両論だったキャラクターの絵が万人向けになったりしている。
2005年に発売が発表された際は初の同人ゲーム移植作品として注目を集めた(発売が延期になったため、同人ゲームの初移植作品としては『MELTY BLOOD』などに先を越されることになったが)。
原作をプレイした人からはCEROの区分が難しいのではないかと指摘され、実際にそのせいで一度発売が延期になったことがある。
危惧されていたCERO:Z(18歳以上のみ対象)は回避され、D(17歳以上対象)に区分される。
後に、システム面などが色々調整されて追加要素を加えた『ひぐらしのなく頃に祭 カケラ遊び』(単品版・アペンド版)が発売されている。
ストーリー
昭和58年初夏。
例年よりも暑さの訪れの早い今年の6月は、
昼にはセミの、夕暮れにはひぐらしの合唱を楽しませてくれた。
××県鹿骨市。県境にある寒村、雛見沢村。
人口2千に満たないこの村で。それは毎年起こる。
雛見沢村連続怪死事件(1979年~1983年)
毎年6月の決まった日に、1人が死に、1人が消える怪奇。
巨大ダム計画を巡る闘争から紡がれる死の連鎖。
昭和中期に隠蔽された怪事件が、蘇る。
陰謀か。偶然か。それとも祟りか。
いるはずの人間が、いない。
いないはずの人間が、いる。
昨夜出会った人間が、生きていない。
そして今いる人間が、生きていない。
惨劇は不可避か。屈する他ないのか。
でも屈するな。
君にしか、立ち向かえない。
(原作版公式サイト作品紹介より抜粋)
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主要登場人物
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前原圭一
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本作の多くの編にて主人公を務める少年。昭和58年に雛見沢村に引っ越してきた。そのためこの村の風習や過去について何も知らず、そこに踏み入れたことで惨劇は幕を開ける。
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竜宮レナ
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本作のヒロインと呼べる人物。独自の基準で「かぁいい」と判断したものには目がなく、見つけ次第「お持ち帰り」しようとする。粗大ゴミ置き場を宝の山と呼び、度々訪れている。
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園崎魅音
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雛見沢御三家の一つ、「園崎家」の次期当主。圭一たちが行っている「部活」の部長も務めている。「詩音」という双子の妹が居るらしい。
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北条沙都子
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圭一たちとは少し年が離れたおてんばな少女。両親がダム計画賛成派だったため大人たちに冷遇されており、現在は両親が居ない同士の梨花と同居している。「悟史」という兄が居たが、現在は「転校」したらしい。
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古手梨花
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雛見沢御三家の一つ、「古手家」の当主にして、綿流しの巫女を務める少女。「にぱー」が口癖。
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舞台設定
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雛見沢村
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本作の舞台となる架空の村。現在はダム計画は凍結されているも昭和54年以前は反対運動が活発に行われた。
寒村で人も少なく、学校は小さなものが一つあるばかりで、主人公たちはそこに通っている。
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御三家
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雛見沢村に古くから関わる一族。「園崎家」「公由家」「古手家」の三家を指す。
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オヤシロさま
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雛見沢村の守り神。かつて明治時代に奇病に罹った人々を救った存在とされる。
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綿流し
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雛見沢村の古手神社で毎年6月に行われる、オヤシロさまを祭る祭事。その名の通り、綿を川に流す。
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雛見沢村連続怪死事件
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昭和54年より雛見沢村にて続く事件。村人からは「オヤシロさまの祟り」と噂される。
昭和54年、ダム工事現場監督が従業員に殺害され、従業員の一人が行方不明となる。 昭和55年、ダム誘致賛成派の北条夫妻(沙都子の両親)が展望台より転落、夫は遺体が発見されるも、妻は行方不明となる。 昭和56年、穏健派だった古手家当主(梨花の父)が突如怪死を遂げ、その妻(梨花の母)は行方不明となる。 昭和57年、北条家の女性が撲殺死体として発見され、彼女が面倒を見ていた少年が行方不明となる。 そして昭和58年。誰が死んで、誰が消えるのか。
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原作版で見られる一般的なサウンドノベルとの違いは、下記にも記すように選択肢が一切ないことである。
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プレイヤーができることは物語を読み進め、その惨劇がなぜ引き起こされたのか、誰がどのように引き起こしたのかを考察することにある。つまり一般的な推理小説に近い。
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原作は出題編の「鬼隠し編」「綿流し編」「祟殺し編」「暇潰し編」の4編を収録した『ひぐらしのなく頃に』と、解答編の「目明し編」「罪滅し編」「皆殺し編」「祭囃し編」の4編を収録した『ひぐらしのなく頃に解』、そしてファンディスクの『ひぐらしのなく頃に礼』の3つが存在している。
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なお、解答編も含め、各話は「同時間軸の別の話」、いわゆるパラレルワールドに近いものになっている。
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本作『ひぐらしのなく頃に祭』は『礼』を除く2作品より「祭囃し編」以外の7つのシナリオと、新たな3つのシナリオが収録されている。
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最終話である「祭囃し編」が収録されず、代わりに「澪尽し編」がオリジナルの最終話として収録されたのは、本作製作開始が原作最終話の執筆前であり、原作とCS版がほぼ同時進行であったことが理由として挙げられる。なお「澪尽し編」は「祭囃し編」の初期案を元に書かれている。
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各話あらすじ・出題編
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鬼隠し編
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雛見沢村に引っ越してきたばかりの圭一は、村で起きた連続怪死事件を知ったことをきっかけに、周囲の人々の行動に違和感を感じるようになる。
楽しかったはずの日常は歪に姿を変え、圭一は次第に恐怖に追い詰められていく。 原作では第1話として発表された、レナをメインに据えたシナリオ。
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綿流し編
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ある日、圭一は魅音の双子の妹だと名乗る女性・詩音と出会う。やがて圭一は、魅音と詩音を巡る惨劇に巻き込まれていくこととなる。
魅音をメインに据えたシナリオ。
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祟殺し編
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圭一は、かつてのダム計画を巡る諍いから沙都子が村で冷遇されていることを知り、彼女に親身に接するようになる。
しかし、乱暴者の叔父・鉄平の帰還で心身共に追い詰められていく沙都子の姿を目にした圭一の心に、不安が芽生えていく。 沙都子をメインに据えたシナリオ。
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暇潰し編
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圭一が雛見沢村にやってくる前の昭和53年、建設大臣の孫が誘拐された事件の捜査で村を訪れた刑事・赤坂衛は、不思議な雰囲気を漂わせた少女・古手梨花と出会い「東京へ帰れ」という警告を受ける。
梨花をメインに据えたシナリオ。刑事・赤坂衛の視点から、圭一が転校してくる前の昭和53年の村の様子が描かれる。
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各話あらすじ・解答編(中程度のネタバレ注意)
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目明し編
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昭和57年、ある事情により園崎家から遠く離れて暮らしていた魅音の双子の妹・詩音は、雛見沢村の隣町まで戻ってくる。
ある日、沙都子の兄・悟史に出会った詩音は、心優しい彼に惹かれていく。しかしその恋は思わぬ形で終わりを告げ、一年後の惨劇へと繋がっていく……。 「綿流し編」の解決編とも言えるシナリオ。詩音の視点で、圭一の知らないところで魅音の詩音の姉妹に何があったのかが語られていく。
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罪滅し編
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妻に捨てられて以来無気力状態が続いていたレナの父が、リナという女性と付き合い始める。
しかし、リナが父を騙していることを知ったレナは精神的に追い詰められていき、事態は最悪の方向へと転がり始める……。 主人公はレナ。「鬼隠し編」の解決編の要素を含んでおり、同編で圭一を追い詰めた恐怖の正体が明かされる。
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皆殺し編
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沙都子の叔父・鉄平が村に帰還し、圭一たちは鉄平の虐待から沙都子を救い出すために奔走する。しかしその先には、更なる惨劇が待ち構えていた……。
「祟殺し編」の解答編の要素を含んでおり、ある人物が抱える本作を通して最大の秘密と、「祟殺し編」のラストで描かれたとある出来事の真相が語られる。
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各話あらすじ・本作オリジナルシナリオ(中程度のネタバレ注意)
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盥回し編
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もしも圭一が、「鬼隠し編」のように怪死事件を知り興味を示すことがなかったら。
圭一が全ての惨劇の予兆から逃避し、目の前の平穏な日常に逃げ込んだその時、一体何が起こるのか。 本作の第一章として作成されたシナリオだが、大きな問題点も抱えている(詳細は後述)。
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憑落し編
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叔父・鉄平の帰還により追い詰められていく沙都子。圭一はレナや詩音と協力し、沙都子を救うために一計を案じるが……。
「祟殺し編」のIF展開を描くシナリオ。
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澪尽し編
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雛見沢村で起こる全ての惨劇の手がかりは出揃った。果たして昭和58年の雛見沢で起こり得る最大の惨劇を、回避することはできるのか。
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問題点
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原作者・竜騎士07監修のシナリオ、ということになっているが、本当に原作者が監修しているか疑問ともいえる内容になっている。
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CS版移植に伴って追加されたシナリオは3つあるのだが、どれも特定のキャラを贔屓している。
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具体的に言うと、ヒロインの一人である園崎魅音がどのシナリオでもメインヒロインのような扱いになっており、しかも最終話(原作最終話とは違う、CS版オリジナルのシナリオ)で「主な主人公である前原圭一が魅音と婚約すると勘違いされる」という展開が挟まれている。
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なお原作では圭一が誰かとくっつくような展開はない。また本来のメインヒロインは魅音ではなく竜宮レナ。
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シナリオを担当した叶希一は過去にも似たような行為をしており、またひぐらしの外伝である『ひぐらしデイブレイク ポータブル』(PSP)という作品のシナリオモードも担当したのだが、やはり魅音が贔屓されているような内容であった。
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最終話の「澪尽し編」という名前から皮肉で「みおんつくしへん」とまで揶揄されるほどである。
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元々ひぐらしは主人公のカップリング論争がファンの間でも激しい作品であり、公式BBSも何度か荒れたことがある話題の一つである。
そこにこのような火種となるシナリオを書いた叶に対して、「無用に煽った」「火種を増やすな」という批判もある。
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それだけでなく、最終話では原作で死ななかったメインキャラが死ぬ。このことは原作のファンから特に批判を浴びている。
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「澪尽し編」は原作最終話の「祭囃し編」で採用されなかった初期案を元にしたものであり、シナリオのレベルも決して低くはないのだが、サブキャラクターである大人達の活躍を主に描いた祭囃し編に比べ、圭一とその仲間達をメインとして描いているなど、その内容に「祭囃し編」と対極に位置する(人によっては「祭囃し編」での結論を否定されていると感じる)ような表現が多いため、原作者執筆のシナリオでないことも含めて余計に原作ファンの批判を浴びる要因になっている。
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そのキャラが撃たれた瞬間とその死は、時間の止まった世界で一部の人間のみが目撃した、ということになっているのだが、銃撃直後の大人達が銃撃した人間しか気にしていない(時間の止まった世界に入り込んで撃たれたキャラの死を目撃した数人について、不自然に固まっているなり取り乱しているなりなんらかの異常があるはずなのに、それについての全く描写がない)ため、大人キャラが異常事態をスルーしているように見えてしまっている。
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第一章と称し、最初にPVが作られた「盥回し編」では、ありえないことに以降の展開の重大なネタバレをしてしまっている。
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盥回し編は位置づけとしてはバッドエンドであり、またPVが最初に公開されたシナリオだけあって、最初に見ようとするプレイヤーも少なくなかった(更に、ゲーム自体が意図しなくとも最初に盥回し編に入る確率が非常に高い作りとなっている)。
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「盥回し編」は「主人公が惨劇の予兆をことごとくスルーしたらどうなるのか」という追加シナリオとしてはありがちなものなのだが、その結果が完全にネタバレになってしまっており、その上選択肢や分岐の関係上プレイヤーの多くが最初に到達するエンディングであったため大きな批判を受けた。
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原作の最終話「祭囃し編」が収録されていない。
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更に、犯人の動機に深く関わる過去の物語が澪尽し編では一切語られていない。
そのため、CS版では犯人の動機・行動原理が非常に理解しにくくなっている。
ちなみに『カケラ遊び』では、『祭囃し編』の該当部分をそのまま抜き出した形で犯人の過去がTIPSとして追加されている。
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祭囃し編の本編は『カケラ遊び』でも収録されなかった。
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原作は選択肢が存在しない(あるにはあるがほとんど意味がない)作品だったのだが、移植に際して共通パートから選択肢によってルート分岐する形に変更された。
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オフィシャルガイドブックでは原作者が「(立ち絵の変更や選択肢などは)原作とCS版ではメディアもアピールする層も違うのだから変わって当然、むしろ変えてくださいと意見を出した」と語っている。
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選択肢がないと絵と声がついただけの小説と変わらない(実際小説として販売されている)、という意見もあるのでむしろ追加して当然と言えるのだが、この選択肢がかなりややこしい。
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出題編の一部(「鬼隠し編」「綿流し編」「祟殺し編」の3編)の前半部分を共通パートとして無理矢理一つにまとめているため、日付の設定や描写などが矛盾だらけになってしまっている(「○○に××という話を聞いた」というモノローグが出ているのに、選んだ選択肢によってはその「××という話を聞くシーン」が飛ばされてしまっており話が繋がらないなど)。
曲がりなりにも謎解きの要素を含んでいる本作においてはこれは致命的である。
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特定のキャラ寄りにしないと盥回し編に行ってしまう(つまりバッドエンド)。
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ある程度シナリオをクリアしていないと、特定のキャラ寄りにしても同じく盥回し編に。
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追加シナリオ「憑落し編」に入るための選択肢は特に煩雑。
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最終話「澪尽し編」では多数選択肢があるが、間違えると速攻バッドエンド(キャラが死んで終わる)。
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そもそも原作で選択肢がない理由は「わずらわしいフラグ管理やルート分岐の要素を廃してより物語に没入していけるようにするため」であり、作中の選択肢はその長所を削ってまで入れるほど物語の魅力を引き出せていない。
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ゲームとしても、ロードが遅い、TIPSという劇中のヒントを見るためにはタイトルに戻らないといけない(プレイ中は見られない)、オートモードで音声を最後まで再生しないでそのまま進むことがあるなどの問題点がある。なお、『カケラ遊び』ではこれは修正されている。
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テキスト・グラフィック・SEが合致しないシーンが多い。
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たとえば主人公・圭一の部屋は電話が引かれておらず、電話をかけるためには茶の間まで行かなくてはならないという設定になっているのだが肝心の圭一の部屋のCGではなぜか部屋の中に電話がある。
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また、部屋の扉は木の引き戸のはずなのだが、扉をあける際には「ガラガラガラ」というアルミサッシのような音が流れる。
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物語中盤のある重要な場面では、明かり一つない真っ暗闇な場所という説明がされているが、表示されているCGでは水銀灯が煌々と照らされていて明るい場所になっている。
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これらの矛盾点はプレイすれば普通に気がつく(というか気になる)部分なので、おそらくは外注に丸投げでろくにチェックをしなかったのだと思われる。
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実質的な完全版である『カケラ遊び』の発売に関する問題
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本作の価格を見ると、限定版で1万円近く、通常版も7,350円となかなか高額である。
安価であるアペンド版(通常版のディスクを認証するとプレイできる)も出すだけまだましな方だと言えるが、その値段も3,980円(税抜。税込4,179円)。
本体と合計すると、通常版でも1万円を軽く超えてしまう。
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セーブデータも通常版と共有できず、追加要素を見るためにはわざわざ最初からプレイし直さなければならないという劣悪さ。
賛否両論点
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原作の絵はクセの強い絵であり受け入れられない人も多いが、馴染みやすい絵になった。
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ただし、竜宮レナの特徴的な髪型が大人しめに変更されシルエットからして別人になってしまったことや、表情のパターンが原作に比べると少ないことに、原作者の「上手とは言えないが特徴的で表情に魅力がある絵」を好むファンからは批判の声も多かった。
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表情の差分の少なさに関しては当初から指摘され、アペンドでも特に追加はなかった。
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立ち絵に関してはわりと安定しているがイベントCGではあまり作画が上手いとはいいがたく、絵によっては立ち絵とほとんど別人のようになっているものもある。
評価点
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声優陣の熱演。原作の文章に声がプラスされたことで更なる魅力を生み出している。
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追加シナリオ。「憑落し編」に関しては魅音贔屓のテキストを除けば、良作レベルのシナリオである。
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もっとも、その贔屓のテキストが台無しにしてしまっているのだが。
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BGMは良い。またOP、ED曲ともに好評。
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権利関係などの問題で、雰囲気を似せたCS版オリジナルものに差し替えられてはいる。
総評
評価点自体は良いのだが、問題点・賛否点共に大きく原作ファンが大いに怒る結果になった。
原作は出題編および解答編両方あわせて買っても3,000円で買えてしまう。
PCゲーム、それも入手方法が限られている同人ゲームであり、癖の強い絵ではあるが、一応DL販売も行われているため、現在では入手は容易になっている。
もっとも本作を含めた各種CS版は声優の熱演もあるので、それに更にお金を出すかどうかは人によるだろう。
ひぐらしのなく頃に絆 第一巻・祟/第二巻・想/第三巻・螺/第四巻・絆
【ひぐらしのなくころにきずな だいいっかん・たたり/だいにかん・そう/だいさんかん・らせん/だいよんかん・きずな】
ジャンル
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サスペンスアドベンチャーノベル
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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2GbitDSカード
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販売・開発元
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アルケミスト
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発売元
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加賀クリエイト
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発売日
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第一巻・祟:2008年6月26日 第二巻・想:2008年11月27日 一・二巻パック:2009年12月23日 第三巻・螺:2009年5月28日 第四巻・絆:2010年2月25日
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定価
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通常版(一、二、三巻):3,990円 通常版(四巻):5,040円 限定版(一、二、三巻):7,140円 限定版(四巻):8,190円 一・二巻パック:5,800円
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判定
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劣化ゲー
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ポイント
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容量の都合とはいえ分割商法には非難囂々 クオリティはやはり携帯機水準 独自のシステムが仇に オリジナルシナリオは賛否両論 声が少ない
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概要(絆)
『祭』をベースとして、新規ストーリーを加えた四巻構成となっており、一巻につき四つの編が収録されている(ただし『祭』収録の『盥回し編』『憑落し編』は収録されていない)。
新規ストーリーの全てが完全オリジナルというわけではなく、原作の『ひぐらしのなく頃に礼』に収録されたストーリーの改変や、漫画版を元に作られたシナリオもある。
第四巻では原作の『カケラ紡ぎ』を含めた『祭囃し編』全編に加え、『祭』の最終章・『澪尽し編』は三部構成となり、大幅な改変が加えられ収録されている。
レーティングは『祭』同様CERO:D(ただし第四巻のみ『C』)。また、規制がやや緩和された(血飛沫の色が青→赤、など)。
また、DSというハードを活かし、『感情選択システム』を追加したが…
問題点(絆)
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何より一番の問題点と言えるのが、その販売方法にある。
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一巻から三巻まで、それぞれ約四千円、四巻はやや高い約五千円に値段が設定されている(通常版の場合)。
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すなわち合計約一万七千円である。わざわざ言うまでもないが高い。
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法外と言われた『祭』と『カケラ遊び・アペンド版』の総額よりもさらに上をいく。
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前述のように、4分割してすら容量はギリギリであり、パートボイス化やBGMの劣化を招いている。
そのため「無理してDSで発売したこと自体が間違いだったのでは」という意見すら出ることとなった。
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販売数が予想よりはるかに低く、利益が得られなかったから第四巻の『澪尽し編』はボイスなしになったのだとも噂される始末である。
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グラフィックやBGMの劣化
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据え置き機と携帯ゲーム機を比較するのは酷かもしれないが、やはり様々な点で劣化が見られている。
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特にキャラクターなどの拡大表現の際は、ドットがばっちり見えてしまうほどである。ただしCGに関して言えば、劣化はほとんど見られない。
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BGMについては、第一巻では『祭』のものをそのまま流用していたため、あまり問題にはならなかった。
しかし第二巻以降では、ボーカル曲を除いてMIDI音源となり、微妙なものとなってしまった。
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パートボイス化
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『祭』にも収録された既存のストーリーは、容量の都合で主要キャラを含めて大半のボイスがカットされてしまった。
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第二巻の『目明し編』は、なんと主人公のボイスがシナリオ最終盤ぐらいしか収録されていないという始末。
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もちろん『カケラ遊び』ではボイスが収録されていたTIPSは全ボイスカット。容量の関係とはいえこれは杜撰すぎる。
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また、新規シナリオについてはフルボイスを謳っていたが、『宵越し編』は主人公のボイスが全収録されていない。
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そして一番恐ろしいのは、最終章の『澪尽し編』。このシナリオ、なんと新規追加部分含め、全編ボイスがない。
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一応、『澪尽し編』と同じ巻に収録された『祭囃し編』は主要キャラクターがフルボイスになっている。
『祭囃し編』と『澪尽し編』はどちらも最終章として書かれただけあって大ボリュームであるため、恐らくは「容量の都合でどちらもパートボイスにしてしまうよりは、CS初収録の『祭囃し編』だけでもフルボイス化した方が良いだろう」という判断が働いたのだと思われるが、せめてクライマックスの数個の台詞だけでもボイスを付けることはできなかったのであろうか。
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感情選択システム&付箋システムについて
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『感情選択システム』は第一巻から導入されているシステムで、通常の選択肢が出る所で、円のようなものが出現する。
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円は十字で四つで区切られており、上に近ければ『真面目』、下に近ければ『冗談』、左に近ければ『冷静』、右に近ければ『熱血』と、キャラクターの感情からストーリーを進行させられる。
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とはいったものの、実際は円の中に見えない枠が2~3ほど存在しており、その枠内の選択を採るというだけの代物である。
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もちろん自分の思った通りにストーリーが進められるはずもなく、シナリオの分岐フラグを立てられずに『鬼隠し編』にしか進めない人が続出した。
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その結果、公式が謝罪CMまで放送し、公式サイトには攻略手順が掲載された。
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また、二巻以降はそれぞれのシナリオが完全に独立したため、このような現象は解消された。
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そもそも二巻以降は、感情選択システムと言いながらも、全く感情が関係してこなくなってしまった。
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そして第四巻ではとうとう、感情選択システムが使われなくなった。
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『付箋システム』は、TIPSとシナリオの両方に関わるシステムで、TIPSに付箋を貼ることで、選択肢に変化を与える。
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『感情選択システム』の選択肢をスキップすることもできるが、重要な選択肢さえもスキップしてしまうという両刃の剣。
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一応どのTIPSに付箋を貼ればいいか、などはヒントが記されているが、どのタイミングで使用すればいいかは分からない。
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このシステムも、TIPSの総数が極めて少ない第四巻では、当然の如くオミットされた。
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パスワード機能
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前の巻でいくつかのTIPSに付属していたパスワードを入力することで、そのTIPS自体やヒントを入手することが可能。
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前作を購入した人向けかと思いきや、公式サイトで当然の如くパスワードを公開していた。
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そして最終的にパスワードなどあってもなくても大して変わらないもののような扱いを受けている始末である。
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また意地の悪いことに、第二巻では、あるパスワードは第二巻自体にも使えるものであり、それを使用しない限り見られないおまけがある。
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もちろんそれはノーヒントである。第一巻のパスワードをすべて入力して一枠余ることには気付けても、本作自身のものが使えるとは誰も思うまい。
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また、第四巻では前作のパスワードを入力すると、『カケラ紡ぎ』をスキップしてすぐに『澪尽し編』を始められる。
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一応原作既プレイ者への配慮と言えなくもないのだが、『澪尽し編』独自の伏線まですっ飛ばされてしまう。どちらにしろ『カケラ紡ぎ』をやってからプレイした方がいいだろう。
賛否両論点(絆)
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追加シナリオ・追加キャラについて
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漫画版の『鬼曝し編』を元に作られた『染伝し編』と『影紡し編』は、原作のシナリオが良好であるため、比較的評価は高い。
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ただし両編の登場人物であり、漫画版には存在しないオリジナルキャラ「南井 巴」を主人公に据えた『解々し編』は、「解々し」というタイトルに反して謎が全く解明されない
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『宵越し編』は原作となる漫画版とは主人公の立場に立つ人物が異なり、また新キャラクターとして赤坂衛の娘である「反町 美雪」の出番が追加された。
しかしこちらも順当な評価は得られている。
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問題は本シナリオに入るまでに、強制的に『罪滅し編』のバッドエンドを見なければならないという点(更に、『宵越し編』をクリアしないと『罪滅し編』のトゥルーエンドに到達できない仕様になっている)。
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流れ的には、『罪滅し編BAD→宵越し編→罪滅し編』となる。『宵越し編』が『罪滅し編』のバッドエンド後の世界を舞台にしているからという事情もあるのだが、実にまどろっこしい。
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『言祝し編』は、原作の最重要人物と言えるある人物の過去を描いたシナリオであり、何とそのキャラクターが異世界人であると発売前情報の時点から明かされたため、とにかく不評の嵐であった。
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だが実際に発売されてみれば、極めて評価の高いシナリオであった。ただしそれが『ひぐらし』の世界観に合っているかは別であるが。
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ちなみに、「曖昧な記憶を元に作られた物語の一つであり、事実とは限らない」という旨の前置きがされており、本編と繋がらないパラレルの物語と捉えることもできるようになっている。
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澪尽し編について
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『祭』に収録された『澪尽し編』は、中盤がある人物の過去の描写を語る内容であったのに対し、『絆』における『澪尽し編』は該当部分が独立したシナリオとして分離され、三部構成の第二部では新たに上記の「南井 巴」を主軸に据えた『染伝し編』『影紡し編』『解々し編』に対する解答ともいえるシナリオが追加されている。
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この削られた部分から導入された別シナリオというのが、前述した『言祝し編』である。
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第二部についてよく言われるのが、素晴らしいストーリーではあるが、別に『ひぐらし』である必要がない、ということ(『言祝し編』も似たような評価を受けることが多い)。
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『原作には存在しない人物』である「南井 巴」の警察官としての信条や組織人としての葛藤、両親や大切な人を殺した犯人を懸命に追い求める姿勢などをメインに持ってきたシナリオである上、『ひぐらし』の特徴である怪奇譚的要素がほとんどないため、「雰囲気が違い過ぎて『ひぐらし』である必然性がない」という批判を受けることとなった。
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全体的な雰囲気を小説のジャンルで例えるならば、『言祝し編』は「中二病とSFの要素が強いライトノベル」、『澪尽し編・第二部』は「二時間ドラマの原作になりそうな社会派ミステリ」といった感じである。
物語としての完成度はともかく、原作とはほとんど別物になってしまっている。
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このため、特に『澪尽し編・第二部』に対する賛否は極端に分かれており、匿名掲示板では物語としての出来を大絶賛する人と原作からかけ離れ過ぎていると批判する人で大論争が起こった。
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一応、原作では未回収であった伏線の一部を回収したり、「竜宮 レナ」の雛見沢に戻ってくる前の過去を描くなど、シナリオの完成度自体は高いものとなっている。
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ただ、『澪尽し編・第二部』で明かされた真実を踏まえるとそれまでの話に腑に落ちない描写が一部残ることになるなど、伏線がすべて回収できたわけではない。
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また、この編では前述の「夏美」が、(薬品の影響とはいえ)通常では暴走しない状況で暴走するため、キャラ改変に対する批判が集まった。
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第二部以外でも、梨花の傍にいたある人物が姿を現さなくなった理由が変更され、それに伴って要所要所で改変がなされた。
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ただし、相変わらず魅音贔屓は変わらない。第二部でレナがフォローされたと言っても、キャラを掘り下げただけであって圭一との関係を示唆する内容は一切なかった。
評価点(絆)
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追加要素
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『祭囃し編』をようやく(ほぼ)フルボイスでプレイできるようになった。
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キャラクターの表情パターンや立絵などが多く追加されている。
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一見『祭』と同じに見える立ち絵も瞳のハイライトや服の皺などが細かく書き足されており、北条鉄平など一部キャラは基本の立ち絵もほぼ完全に書き直されている。
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CGも追加されており、DSの二画面を活かした表現などが用いられているものも。基本的に作画は安定している。
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『祭』の項目で述べたレナの立ち絵も、髪の長さや毛先の角度などが微修正されており、『祭』と比べると原作寄りになっている。
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『カケラ紡ぎ』が再現されており、『澪尽し編』追加に際し、原作にはないカケラも多く追加された。
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音楽関連
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『祭』で原作BGMが収録されていないことへの批判を受けてか、dai氏作曲の一部原作BGMが収録されている。
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また、第三巻では新規書き下ろしのBGMが追加されている。
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ボーカル曲は総じて高評価である。また、公式のPVもなかなか評価が高いものとなっている。
総評(絆)
「『祭(カケラ遊び)』に立ち絵やBGMを追加し、大ボリュームの追加シナリオも加えた完全版とする」という発想自体は悪くはなかったと思われる。
しかし、それを容量で劣る携帯機でやろうとした結果、4分割というあまりに優しくない販売方法となり、多くのファンはこの仕様に怒りを通り越して呆れを覚える始末であった。
『祭囃し編』が収録され、追加シナリオもクオリティは高いレベルで纏まっているものの、追加シナリオについては原作との雰囲気の食い違いから賛否が極端に分かれるものになってしまっている。
そして何よりその価格がネックとなり、とてもではないが『ひぐらし』未プレイの人間に気軽に勧められるものではない。
『祭』で大きな問題点であった「共通パート化によって描写の食い違いが多発しストーリーが理解しにくい」という点について、該当する部分が第一巻のみとなった代わりに、
感情選択システムの弊害によって全体的には改善どころか悪化してしまっているのも未プレイ者に勧めることができない大きなマイナスポイントとして挙げられる。
現在は一・二巻セットなども出ており、価格も下がっては来ているものの、買うかどうかはじっくり考えてからにしてほしい。
余談
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『祭』発売後のアルケミスト(通称アルケ)スタッフのインタビューにおける受け答えが原作ファンの神経を逆なでした、「ひぐらしはワシが育てた」と言わんばかりのものだった、という声も非常に多い。
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当時の状況だったからそう言わざるを得なかったのかもしれないが。
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共通パートで主人公である圭一にボイスがないことについてインタビューで「容量の関係でどうしても入れられなかった」と説明しつつ、その後のアペンド版では(圧縮技術の向上もあるかもしれないとはいえ)共通パートの圭一がフルボイスになったことで余計にスタッフへの心象が悪化することとなった。
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更に『カケラ遊び』について「元々後から出す予定だった」とまで答えている。当然「未完成の状態で出したのか」という批判が相次いだ(俗に言う完全版商法)。
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メインキャストについては「スタッフから段ボールの荷物が送られてきたので、お中元かと思って開けたら台本(というより台詞の書かれた紙の束)だった」「枚数が多すぎるので自分で綴じるための穴を開けて台本にする必要があったのだが、穴を開けようとしたら錐が折れた」と冗談めかして語られるほどの台詞量であった。
その後の展開
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その後、『うみねこのなく頃に』のCS版リメイク作品の『うみねこのなく頃に ~魔女と推理の輪舞曲~?』が同じくアルケミストから発売された。
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2015年3月12日に、『祭』『絆』両作品の全シナリオと新シナリオ1本をフルボイスで収録した「ひぐらしのなく頃に粋」がPS3とPSVで発売された。
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これにより、絆第四巻でボイス無しの憂き目にあった『澪尽し編』にもようやくボイスが用意される形となった。