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議論開始日:2017/7/17、初回〆日:2017/7/24→議論延長につき次回〆日:2017/7/31
【ているず おぶ ふぁんたじあ なりきりだんじょんくろす】
ジャンル | ロールプレイングゲーム(シリーズ内ジャンル名:真実と向き合うRPG) | |
対応機種 | プレイステーション・ポータブル | |
発売元 | バンダイナムコゲームス | |
開発元 | ナムコ・テイルズスタジオ | |
発売日 | 2010年8月5日 | |
定価 | 5,219円(税別) | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | 544KB以上 | |
レーティング | CERO:B(12歳以上対象) | |
コンテンツアイコン | セクシャル、犯罪 | |
廉価版 | PSP the Best:2013年2月21日/2,667円(税別) | |
配信 | 【PSP/PSV】2013年11月28日/2,381円(税別) | |
判定 | 劣化ゲー | |
黒歴史 | ||
ポイント |
原作(GB版)および『ファンタジア』本編を完膚なきまでに蹂躙し尽くした 原作や『ファンタジア』に思い入れの強いファンにとっては無かった事にしたい悪夢orクソゲー タンス |
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テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク |
ゲームボーイで発売された『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン』(以下「原作」と表記)をPSP向けにリメイクした作品。
第1部のボス戦後の問いかけ以外にセリフがなかったディオとメルにセリフを用意したり、戦闘システムをシリーズと同じアクションのものにしたり『テイルズ オブ ファンタジア』との橋渡しの役目を持つ新キャラクター・ロンドリーネの追加などが行われている。
また、原作および本作のシナリオは『ファンタジア』本編を前提としているため、『ファンタジア』を未プレイだとシナリオが理解しにくくなっている。
そのため、『テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-』の戦闘システムを洗練させた『テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション』を同時収録している。
原作は暗く重いながらも練り込まれたシナリオが高く評価されたが、戦闘システムはハードの制約もあってシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムからターン制に近いものとなっていたため、戦闘システムを改良したリメイクが望まれ続けていた。
満を持してのリメイクとなった本作は、多数のシリーズ作品にキャラクターデザイン・作画監督として携わる松竹徳幸自身がアニメーション監督を務め、背景スタッフはスタジオジブリの作品やアニメ版『時をかける少女』に関わったスタッフで制作されている。
その一方で、開発スタッフの上層部(ディレクター・シナリオライター等)には、原作及び『ファンタジア』本編の開発に携わった人間がほとんどいない(プロデューサーのみ原作と同じ)。
そのため「シナリオやシステムはしっかり再現してくれるのか」「余計な要素を加えてグダグダな出来にならないか」と、ファンからはいろいろ不安がられていたのだが、その危惧は案の定この上もない形で的中してしまい、ファンからの多大なる怒りを買うこととなった。
新規のプレイヤーにはそれなりに受け入れられたものの、その新規プレイヤーにすら嫌悪される要素も多々ある始末で、リメイク作としても、単体のRPGとしても無視できない問題作となってしまった。
大筋そのものは原作と同じだが、その描写等はほぼ別物と言っても良いくらいに改変されている。
原作はシリーズの中でも非常に重く哲学的要素に富んだ独特な作風だったが、本作では重い要素が悉くこそぎ落され、やたらとライトな作風になってしまった。それだけならまだしも随所に矛盾、食い違い、慢性的な説明不足、見え見えなご都合主義が多数生じており、単体の物語としても非常に稚拙になってしまっている。
それだけではなく、『ファンタジア』本編や原作を調べていれば知っていて当然な設定や描写すら所々抜けており、それにそぐわないオリジナルキャラクターやオリジナル設定を乱雑にねじ込んでいる箇所も多く、それが更なる矛盾やストーリーの稚拙化に拍車をかけている。
+ | 超ネタバレ注意! |
+ | ネタバレ注意。 |
なお、先述したチェスターとの会話の詳細は以下の通り。
+ | スキットの詳細。不快になる可能性があるので閲覧注意。 |
以上のように新キャラクター全員に目立つ批判点が存在する。
原作のシナリオを考慮すると、上に挙げたどのキャラクターも新規に介入させる必要性が無い為、原作ファンからは「全員いる必要がない」と斬って捨てられている。実際誰1人として原作の補完や掘り下げといった深みをもたらしておらず、原作の設定や展開をかき回しただけで終わっている。
なお、ディオ・メル・クルールの既存キャラの性格設定は「メルはネガティブシンキングが過ぎて見ていて苛ついてくる」「ディオの日本語がおかしく、誰得などのネットスラングを使い、世界観に合わない」という意見も見受けられるが、アルベルトの影に隠れているのかそれ程多くはなく、賛否はあれど描写としては及第点を出すことは出来るだろう。
+ | ディオ達と出会わなかった場合の本編キャラクターの悲惨な未来。ネタバレ注意。 |
+ | ネタバレ注意。 |
+ | 余談 |
ファン感情を抜きに『なりきりダンジョンX』という一つのゲームとして見ればそれなりの出来であり、クソゲーとまで断じるのは難しい。
本編である『ファンタジア』のストーリーも楽しむことができ、また非常にお手ごろな価格で手に入るので、新規のプレイヤーにはかろうじてオススメ出来なくも無い範疇には収まっている。
ただしそれでも単純なシナリオやキャラ面の水準はお世辞にも高いとは言えず、原作を知らない新規プレイヤーからも「アルベルトがウザ過ぎてプレイするのが苦痛(あるいは全てぶち壊し)」と言った意見が少なくない。
そればかりでなく、上に記したとおり原作の描写はもちろん、『ファンタジア』本編までも後付けで踏みにじっていることから、リメイクとしては問題点が多すぎるタイトルである。
リメイクとして評価できるのは、ターン制に近かった原作の戦闘がシリーズお馴染みのリニアモーションバトルになった点である。
しかしそれも、あくまで『ハードの進歩により可能になった』という事に過ぎず、その戦闘システムにしても、同じPSPで発売された他のシリーズと比べるとかなり見劣りする。
また、リメイクとして唯一評価できるモンスターグラフィックの改善でさえ、評価は高いとは言えない。
シナリオ以外でも原作で評価された要素の悉くを排除するという、原作無理解、あるいは尊重しようとする姿勢が見られない点も駄目押しになっていると言える。
バンダイナムコ公式の攻略本のインタビューにて、開発スタッフが本作の原作からのシナリオの改変について、その理由を語っているが、その発言も全く持って筋が通っていない。
+ | 「オリジナル版のシナリオは倫理的な問題で難しかった。」 |
+ | 「オリジナル版をリスペクトした上で新たな可能性、新たな物語を作った。」 |
+ | 「リメイクを作ってもオリジナル版が好きと言う人は必ずいるため。」 |
上記に書いたように、「ちょっと待て」と言いたくなる発言が多いため、自分達のやりたい放題な有様を正当化するための言い訳だと捉えている者も少なくない。
本作が原作プレイヤーにも受け入れられる良質なリメイクならば、原作の開発室に登場するシナリオライターの発言同様、もっと好意的にこれらの発言はとらえられたのだろうが…。
本作に同時収録されている『ファンタジア』の移植作品。
詳細はこちらのページを参考にされたし。