「テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
【ているず おぶ ふぁんたじあ なりきりだんじょんくろす】
ジャンル |
ロールプレイングゲーム (シリーズ内ジャンル名:真実と向き合うRPG) |
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対応機種 | プレイステーション・ポータブル | |
発売元 | バンダイナムコゲームス | |
開発元 | ナムコ・テイルズスタジオ | |
発売日 | 2010年8月5日 | |
定価 | 5,219円(税別) | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | 544KB以上 | |
レーティング | CERO:B(12歳以上対象) | |
コンテンツアイコン | セクシャル、犯罪 | |
廉価版 | PSP the Best:2013年2月21日/2,667円(税別) | |
配信 | 【PSP/PSV】2013年11月28日/2,381円(税別) | |
判定 | シリーズファンから不評 | |
劣化ゲー | ||
ポイント |
原典を完膚なきまでに蹂躙し尽くした 満遍なく改悪された内容 ファンからは満場一致でクソゲー 単体で見ても鼻に付く完成度 シリーズ史上最低最悪のキャラ「タンス」 |
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テイルズ オブ シリーズ |
ゲームボーイで発売された『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン』(以下「原作」と表記)をPSP向けにリメイクした作品。
第1部のボス戦後の問いかけ以外にセリフがなかったディオとメルにセリフを用意したり、戦闘システムをシリーズと同じアクションのものにしたり『テイルズ オブ ファンタジア』との橋渡しの役目を持つ新キャラクター・ロンドリーネの追加などが行われている。
また、原作および本作のシナリオは『ファンタジア』本編を前提としているため、『ファンタジア』を未プレイだとシナリオが理解しにくくなっている。
そのため、『テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-』の戦闘システムを洗練させた『テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション』を同時収録している。
原作は暗く重いながらも練り込まれたシナリオが高く評価されたが、戦闘システムはハードの制約もあってシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムからターン制に近いものとなっていたため、戦闘システムを改良したリメイクが望まれ続けていた。
満を持してのリメイクとなった本作は、多数のシリーズ作品にキャラクターデザイン・作画監督として携わる松竹徳幸自身がアニメーション監督を務め、背景スタッフはスタジオジブリの作品やアニメ版『時をかける少女』に関わったスタッフで制作されている。
その一方で、開発スタッフの上層部(ディレクター・シナリオライター等)には、原作及び『ファンタジア』本編の開発に携わった人間がほとんどいない(2人いるプロデューサーの岡本進一郎のみ原作と同じ)。
また、担当プロデューサーは『テイルズ オブ バーサス』で、雑誌においてファンをないがしろにした発言の数々で悪名を広めてしまった大舘隆司氏であった。
そのため「原作に沿ったシナリオやシステムはしっかり再現してくれるのか」「余計な要素を加えてどっちつかずな出来にならないか」と、発売前からファンの間で不安がられていたのだが、その危惧は案の定この上もない形で的中してしまい、ファンからの多大なる怒りを買うこととなった。
シナリオやキャラは大筋を残してほぼ別物の如く軽薄に変わり果て、好評だった要素も悉くこそぎ落とされ、その代わりに悪辣な要素をぎっしり詰め込まれてしまい、ファンにとっては下手なクソゲー以上の失望をもたらす作品になってしまった。
一応新規のプレイヤーにはそれなりに受け入れられたものの、それらの層からすら嫌悪される要素も多々ある始末で、リメイク作としても単体のRPGとしても非常に完成度の低い作品となってしまった。
大筋そのものは原作と同じだが、その描写等はほぼ別物と言っても良いくらいに改変されている。
原作はシリーズの中でも非常に重く哲学的要素に富んだ独特な作風だったが、本作では重い要素が悉くこそぎ落され、やたらとライトな作風になってしまった。それだけならまだしも随所に矛盾、食い違い、慢性的な説明不足、見え見えなご都合主義が多数生じており、リメイクとしては勿論単体の物語としても非常に稚拙になってしまっている。
それだけではなく、『ファンタジア』本編や原作を調べていれば知っていて当然な設定や描写すら所々抜けており、それにそぐわないオリジナルキャラクターやオリジナル設定を乱雑にねじ込んでいる箇所も多く、それが更なる矛盾やストーリーの稚拙化に拍車をかけている。
+ | 超ネタバレ注意! |
+ | ネタバレ注意。 |
なお、先述したチェスターとの会話の詳細は以下の通り。
+ | スキットの詳細。不快になる可能性があるので閲覧注意。 |
以上のように、新キャラクター全員に無視出来ない批判点が多く存在する。 原作のシナリオを考慮すると、上に挙げたどのキャラクターを介入させる必要性が無い為、原作ファンからは「全員いる必要がない」と切って捨てられている。原作や「ファンタジア」の補完や掘り下げといった深みを誰一人としてもたらしておらず、設定や展開をかき回しただけで終わっている。
+ | ディオ達と出会わなかった場合の本編キャラクターの悲惨な未来。ネタバレ注意。 |
+ | ネタバレ注意。 |
+ | 余談 |
名作のリメイクと聞いて期待されていた本作だが、蓋をあけてみれば「原作をろくに調べもせずに適当に手がけた典型的な劣化リメイク」のいい見本であった。
それでいて、スタッフの個人的嗜好の体現化としか思えない悪辣なオリジナルキャラクターや稚拙な設定展開は精力的に詰め込まれている為、余計にファンからの反感を買った。
挙句の果てには、原作の描写や大本である『ファンタジア』本編までも後付けで踏みにじりにかかっていることから、リメイクとしては論外レベルなタイトルである。
言ってしまえば『主要キャラクターと「なりきりダンジョン」という名前だけ借りた全くの別物』といっていい有様となってしまった。
リメイクとして評価できるのは、ターン制に近かった原作の戦闘がシリーズお馴染みのリニアモーションバトルになった点ぐらいである。
しかしそれも、あくまで『ハードの進歩により可能になった』という事に過ぎず、その戦闘システムにしても、同じPSPで発売された他のシリーズと比べるとかなり見劣りする。
また、リメイクとして唯一評価できるモンスターグラフィックの改善でさえ、評価は高いとは言えない。
結論として、原作および『ファンタジア』ファンからは蛇蝎の如く忌み嫌われ(*18)、現在でも『シリーズファン内では』ほぼ満場一致でクソゲーと認定されてなかった事にされている。
ファン感情を抜きに単体のゲームとして見れば、ゲームプレイに差し障るバグなども無ければ、シナリオなどを除けばゲーム全体的に致命的欠陥があるわけではない為、本wikiの基準でクソゲーとまで断じるのは難しい為に上記の判定になっている。
だが、単純なシナリオやキャラ面…特に倫理問題で完全に抵触するアルベルト関連の水準は非常に低いと言わざるをえないので、シナリオ面への期待はしない方が無難である。
バンダイナムコ公式の攻略本のインタビューにて、開発スタッフが本作の原作からのシナリオの改変について、その理由を語っているが、その発言も筋が通っているとは言い難い。
+ | 「オリジナル版のシナリオは倫理的な問題で難しかった。」 |
+ | 「オリジナル版をリスペクトした上で新たな可能性、新たな物語を作った。」 |
+ | 「リメイクを作ってもオリジナル版が好きと言う人は必ずいるため。」 |
…と、突っ込みどころ満載な発言ばかりな為、
自分達のやりたい放題な有様を正当化するための言い訳
だと捉えている者も少なくない。
またアルベルトの存在が開発者達の思想や設計に対する説得力を無くしている。
本作が原作プレイヤーにも受け入れられる良質なリメイクならば、原作の開発室に登場するシナリオライターの発言同様、もっと好意的にこれらの発言はとらえることもできただろう。
この有様にファンからは「『ファンタジア』嫌いのスタッフに適当に作らせたのではないか」などと揶揄されてしまった。
もちろんこれは長いインタビューから一部を抜粋しただけにすぎないので、発言の切り抜きをよしと思わない方はぜひ攻略本を手に入れて読んでみて欲しい。
納得できるか逆に突っ込みどころが増えるかは個人の考え方や読解力次第である。
発売後
ゲーム内容外でのアルベルト関連
キャスティング関連
本作に同時収録されている『ファンタジア』の移植作品。
詳細はこちらのページを参考にされたし。