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SIMPLE2000シリーズ Vol.51 THE 戦艦 - (2013/08/17 (土) 01:07:14) の編集履歴(バックアップ)


SIMPLE2000シリーズ Vol.51 THE 戦艦

【しんぷるにせんしりーず ぼりゅーむ51 ざ せんかん】

ジャンル 戦艦アクションゲーム
対応機種 プレイステーション2
メディア CD-ROM 1枚
発売元 D3パブリッシャー
開発元 タムソフト
発売日 2004年5月20日
定価 2100円(税込)
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:全年齢対象
分類 クソゲー
ポイント 砲台操作しかできない
露骨な水増し
キジューの前身?
SIMPLEシリーズリンク


概要

D3パブリッシャーがプレイステーション2で展開していた『SIMPLE2000シリーズ』の51作目にあたるソフト。
太平洋戦争時に活躍した実在の軍艦に乗り込み、砲塔を操作して敵軍を撃破するのが目的となる。
ゲームは1941年~1943年の年代に分かれており、それぞれの年代で起きた著名な海戦がミッションのモデルとなっている。

問題点

  • 艦の種類が少ない。
    • 自分が使える艦は駆逐艦の「涼月」「秋月」「冬月」、戦艦の「大和」「武蔵」の5隻のみ
    • さらに、艦ごとの違いは外見のわずかな変化のみ。駆逐艦は駆逐艦、戦艦は戦艦で武装は共通だし性能も全く同じ。要は同型艦だという事実にかこつけた単なる水増しに過ぎない。
      • これを踏まえて考えると、プレイヤーの使える艦は実質2種類しか無いという事になる。せめて巡洋艦ぐらいは追加できなかったのだろうか…。
      • PVでは「駆逐艦から巡洋艦、そして大和型戦艦まで」「君はどの艦を選択し、どのような~」と言っているが、実際はミッション毎に艦は固定だし、巡洋艦は敵味方含め一切登場しない。完全に詐欺である。
    • そもそも、秋月型と大和型は開戦時には就役すらしていない。時代考証はどうした。
      • 大和型には目をつむるとしても、秋月型を出す事には疑問を持たざるを得ない。最終ミッションは菊水作戦(戦艦大和が壮絶な最期を迎えた作戦)をモデルにしているため、大和に同行した駆逐艦として秋月型に白羽の矢が立ったのだろう。
      • といっても、戦前に就役し、菊水作戦で大和に同行した駆逐艦はちゃんと存在するのだが。しかも、該当する艦のうち2隻(雪風と初霜)は無事に帰還している。
    • 敵艦は「アイオワ級戦艦」と「エセックス級航空母艦」が登場する。この2種類も開戦時には就役していない。
      • パッケージに書いてある通りなら、登場する敵艦はこの2種類に「ガトー級潜水艦」を加えた3種類。プレイヤー側よりわずかにバリエーション豊富だがはっきり言ってすずめの涙。
  • 自分で艦を操作する事ができない。
    • 操船は自動で行われ、プレイヤーができる事は砲撃のみ。一水兵の立場なら当たり前の事だが、これはゲーム。ただ敵を見つけて撃つだけでは張り合いが無い。
      • 一種のレールシューティングと考えればまだ納得いかない事も無いが…。
  • 使える武装は参連装主砲、連装機銃、魚雷(駆逐艦のみ)、高角砲(戦艦のみ)で、一艦種につき3種類。それはまだ良いのだが…
    • なぜかどの武装も連射性能が異常に高い。主砲や魚雷ですら連射が可能。その上、搭載武装を一斉に連射する事までできる。
      • 「本格派」をうたうのならなぜそんな仕様にしたのだろうか。実際に一秒間に3連射も4連射もできる主砲や魚雷があったら超兵器としか言いようがない。
    • 砲弾のエフェクトと効果音も軽い。戦艦の武装らしき重厚感は微塵も感じ取れない。
    • 駆逐艦にも参連装主砲が搭載されているのだが、史実の秋月型に装備されているのは二連装主砲である。
      • しかし、よく見ればゲーム中で発射されている砲弾は2発ずつ。発射弾数にこだわるなら文字にもこだわれ。
  • 航空機の存在意義が薄い。
    • 登場する航空機は戦闘機のみ。種類は敵味方含め5種類だが、下記の理由もありミッション中に違いを実感する機会は0に等しい。
    • 攻撃機や爆撃機は登場しない。つまりこのゲームの大和は艦砲射撃だけで撃沈されたという事に…。史上最大の戦艦の名が泣いている。
  • 敵味方の区別がつきづらい。
    • 特に航空機はわかりづらく、照準を合わせた時に「友軍」と表示される程度である。発砲してから誤射とわかるケースも多い。というか初見だと大体そうなる。
      • 味方を撃つと「友軍誤射」と表示される。誤射してもあまり影響はないが、気分の良いものではない。
    • ちなみに、味方は援護射撃をしてくれたりする訳ではなく、ただの背景に等しい。ミッションによっては友軍の消耗を抑えないといけないが、これでは守り甲斐がない。
  • 夜戦ステージは視界が非常に悪く、一方的に攻撃されてやっと敵に気づくという事もしばしば。
  • ミッションとマップはほぼ使い回し。
    • クリア条件は「敵を一定数倒す」か「味方の被害を一定以下にまで抑える」の2つのみで、それが天候と時間の違うだけのマップで行われる。手抜きとしか言いようがない。
      • その上、クリア条件がわかるのはミッション終了後のリザルト画面。なぜ先に見せない。
    • ミッション終了時には「任務終了」と表示された後リザルト画面に移り、結果が表示されるだけ。操船が自動な事もあり、「え、これで終わり?」という感覚が強い。全ミッションがこんな感じで淡々と進んでいく。
  • エンディングも酷い。最終ミッションをクリアしたら「1945年 終戦―」と表示され、そのままスタッフロール。感動もなにもあったもんじゃない。
    • もっともこのゲーム内容では、エンディングがどうだろうと感動できたかどうかはかなり疑わしいが…。
  • やりこみ要素や隠し要素は皆無。クリアしたらこのソフトは鳥避けとして活用するかさっさと売ろう。

評価点

  • お約束のようにBGMは良質。グラフィックもなかなか頑張っている。
    • 駆逐艦の「秋月」と「冬月」で艦橋の形が違っているなど、自艦の作りこみは意外に細かい。
  • 目立ったバグが存在しない。
  • 艦長でも指揮官でもなく、あくまで一水兵として戦闘に臨むゲームはある意味貴重といえる

総評

単純に内容がつまらないというタイプのクソゲー。グラフィックは頑張っている所もあるが、肝心のゲーム内容は粗悪の一言。
戦艦アクションゲームが欲しいのならば、素直に他のゲームを買った方が無難だろう。
THE 戦車』と同様、リアル志向を謳っておきながらリアリティのかけらもない駄作になってしまったゲームである。

余談

  • 後にNINTENDO DSに移植され、『SIMPLE DSシリーズ Vol.20 THE 戦艦』の名で発売されている。
    • こちらは本作の不満点がある程度改善された上に追加要素もあり、ゲームとしてはそこそこの評価を得ている。
  • このゲームから2年後、本作同様に「戦艦の砲座」をモチーフにしたゲーム『THE 男たちの機銃砲座』が発売された。しかしその出来は非常に悪く、2006年のKOTYにノミネートされる結果となった。
    • ある意味本作はあっちの元祖と言えるのかもしれない。