「プロギアの嵐」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

プロギアの嵐 - (2017/11/22 (水) 20:35:53) の編集履歴(バックアップ)


修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。
依頼内容は「評価点・問題点の追記」です。


プロギアの嵐

【ぷろぎあのあらし】

ジャンル 横スクロール弾幕STG
対応機種 アーケード(CPシステムII)
販売元 カプコン
開発元 ケイブ
稼動開始日 2001年
判定 なし
ポイント ゲーム自体は面白いが癖が強く難易度高め
コンシューマ移植一切なし
ケイブ弾幕系STGリンク?

概要

カプコンが当時行っていた、中小企業とタッグの「パートナーシッププロジェクト」の一環で作られた作品。カプコンやケイブにとって珍しいどころか、発売当時では非常に珍しい弾幕横スクロールSTGで開発した。 横スクロールSTGではあるが、弾を遮蔽したり激突するとミスになるような「地形」は一切ない。地上物も背景の上に重ねて描写されているために縦スクロールSTGの要素がかなり多い。 ケイブゲーとしては珍しく、初期設定でエブリエクステンドになっている。

特徴

  • 爆風に巻き込んだ敵弾が宝石に変わる「ジュエリング」という稼ぎシステムを搭載しているが、その影響か1面から敵の吐く弾が速めになっている。
    • ランクゲーでもあり、稼ぐと敵弾の量がどんどん増えていくことになる。
    • 敵の弾幕も単純にまっすぐ飛ぶとは限らず、放物線を描く・途中で弾道が曲がる・いきなり止まった後逆走する・分裂する…などと非常に芸が細かい。このトリッキー弾は後にケツイに受け継がれた。
    • 道中、四方から敵がやってきて攻撃も激しい場面はガンナーモードによるサーチ攻撃とジュエリングを有効利用できると圧倒的に有利になる。難度が段違いで上昇する3面以降は、「ダイヤ状態によるガンナーモード維持」という不便だが弾消し能力には非常にすぐれた戦法を取ることも選択肢に入れる必要がある。
    • なお、稼ぎに弾消しにと本ゲームにおいて最重要なシステムであるにも関わらず、インストや操作デモに一切の説明が無いという恐るべき仕様である。

ストーリー

  • 永久プロペラ発電機関「プロギア」が普及し、「不老不死」の技術までも確立された架空の世界。その最中、不老不死になった元老院たち。驕った彼らは人類統制の初歩として、世界の大人たちを粛清。わずかに残った子供は元老院に反旗を翻すのであった。
    要するに「世界征服を目論む悪人を叩きのめす」「復讐」というありがちなストーリーであるが、正統派過ぎてSTGとしてはかえってこっちのほうが異色である。
    • なお、主人公側の名前はネジとかの工具パーツ、悪人側はドリルや削岩機などの土木工作器具に統一してある。
  • プレイヤー側は、戦闘機乗りの少年(2キャラ)+補助兵装のガンフライヤーを操る少女(3キャラ)の二人一組、という設定になっており、プレイ内容に応じて「好感度」なるものが変動する。また、微妙ながら自機性能も変動する。
    • 好感度が最高の状態で1周エンド、もしくは2周クリアするとエンディングが変わる。ただし、特定の組み合わせでクリアした場合に限ってやけに鬱。なぜだァ――――――!!!
      • ただし、公式設定で接点が最も薄い組み合わせでクリアすると、前述のエンディングと大体同じシチュエーションながら、気色の全く違う暖かなエンディングが見られる。

おおまかな一周目の説明

  • STAGE1
    • 基本操作を覚えるに最適、特に難所はなく気軽にいける。
  • STAGE2
    • 少し難易度が上がる港ステージ、ジュエリングを活用する事が必要になる。2面ボスからして厚い弾幕を放ってくる。
  • STAGE3
    • トリッキーな弾が増える工場ステージでいわゆる初心者殺しが多い。針弾や3wayでプレイヤーを殺そうとかかる。
  • STAGE4
    • 横シューなのになぜか縦に上昇する。ボスが異様に強い。
  • STAGE5
    • ラストステージにふさわしく難易度は高い本拠地。中ボスや後のクレーンステージでミスも多々あったりする。ノーミスでいけるようになったらかなりの猛者。

ケイブシュー屈指の弱いボム

  • 歴代のケイブ作品の中でもボムが極めて低性能であり、そのことも難しさに拍車をかけている。
    • 効果時間はそれなりに長いのだが見た目の派手さと裏腹にダメージが異常に少ない。しかも敵に当てたり、敵弾を吸収してしまうとジュエルが減る。その上最大でたった3発しかストックできない。
      • 実はボムの威力にはジュエルカウンターが影響しており、これが低いとボムの威力が弱いままで*1、ある程度稼がないとまともにダメージが入るようにはならない。かといって稼ぎを狙っては今度はミスを招きやすい。どうしろと。
    • ボス敵はボムに耐性を持っているらしく、ジュエルカウンターを相当稼いだ状態で3発+無敵時間を利用した目一杯の撃ちこみを行っても、形態変化すらさせられない場合が多い。
    • 3発持った状態でボムを重ね取りすると+10000のジュエルカウンターと共に「オーエスモード」に入り、打ち込み点やステージクリアボーナスが×2になったり、ジュエリング時の最低宝石価値が上昇する(続けていくと最大でエメラルドまで上がる)仕様のため、1周目で残機を集めたいのなら、ボムボタンを押すことは事実上ほぼ許されない。これでは、何のためのボムなのか…。

超難度の2周目

  • ケイブ作恒例として、本作にも高難易度の2周目がある。突入条件は「1周目を1ミス以内or2ボム以内でクリア」。
    • なお、ケイブ製のシューティングとしては珍しく、2周目突入条件に『ノーコンティニュー』が無いため、ボム使用を2発までに留めてコンティニューを使いまくって2周目をプレイするという力技が可能。
      • もっとも以降に述べる難易度のため、この方法で2周目に突入したとしても、とても先には進めないだろうが・・・
    • しかし、2周目自体の仕様がすさまじいことになっている。
    • 「2周目道中はミスしたら面の最初からやり直し」(2周目ボスはやられてもその場復帰のまま)という仕様に変貌を遂げる。
    • 撃ち返し弾が酷い、そのうえ道中が長い上非常に難しい2周目3面と2周目5面で無情に増え続けるリトライカウントと共に心が折れ、涙を飲んでプロギアを引退するシューターが全国で続出した。
    • 「2周目道中が死に戻り」という点にばかり注目しがちだが、「道中の大型敵の数が増えている」「各ボスには1周目には無かった攻撃や新形態が存在する」など他のケイブ作品にもないとんでもない様も見逃せないだろう。
    • 人間の眼の作りから言って人間に不利な横スクロールで弾幕というのも高難易度に拍車がかかっている。一応それを見越して、ジュエリングによる敵弾消去を前提にした戦略的な作りにはなっているのだが、2周目はそうも言ってられない難易度。
      ただでさえ普通の弾も速くなっているのに、敵の爆風から高速の時間差撃ち返しが飛んで来てこっちを追い詰めてくる。撃ち返しも念頭に置いた正確なジュエリングパターンの構築がほぼ必須となってしまう。
      他のケイブシューで2周目クリアを阻む最大の要因は真の最終ボスであるが、このゲームに関しては2周目5面道中が最大の要因である。
    • ちなみに最強のボスは2周目4面ボス、「オルソロ=ニッパー総議書記長」(熟女)が操るクラーケン。1周目4面でも、1周目最強のボスとして立ちはだかる。
      • プロギア以前では『エスプレイド』のガラ婦人と『ぐわんげ』の尼魏主、プロギア以後の作品でも『虫姫さま ふたり』のラーサと、なぜかケイブの熟女ボスは終盤かラス面のボスで、大抵非常に強いという謎の伝統がある。ケイブ側が意図しているかは不明ではある。
    • また、2周目は点数による残機エクステンドが一切無くなる(1UP自体は、4面でアイテムを取得すれば一度だけできる)ので、1周目で稼ぎまくって残機をカンスト(残9)させておかないと凄まじく苦しい。
  • 本ゲームは特殊な弾道の弾幕が多いが、2周目のボスはトリッキーさはやや鳴りを潜め、弾の量で押し潰すような弾幕に変化する物が多くなる。
  • ちなみに2周目は不老不死の副作用なのかボスたちのセリフが無意味にハジけている。また死ぬのかーーー!
    • 不老不死になったことを後悔している前途の4面ボス:ニッパー総(ryはマシとして、麻薬常習犯みたいにトリップする2ボス、いきなり「ヴぢうッ!」という北斗顔負けの断末魔を放つラスボスなどネタに事欠かない。
+ VS真ラスボス「レオナルド=ドリル元老大元帥(2周目)」


見れば分かるが、某イライラ棒ばりの局面も存在する。ただでさえここまでトリッキーな弾幕というのは業界でも珍しいのに、さらにこれを横スクロールで…。

  • また、ケイブ恒例の「2周クリアしないと見られないスタッフロール」はこの作品でも健在。
    • スタッフロール時のみ流れるBGM「勇者たちへ…」はまさに隠れた名曲。ぜひとも自力で聴きたい所。

総評

  • 様々な異色設定があったが、システムのあまりの独自性によりファンに受け入れられたとは言い難く、同時期かつ高難易度の『怒首領蜂大往生』『ケツイ~絆地獄たち~』に対して知名度・評価の面で見劣りしたのが実情である。
  • 稼ぐ快感は非常に良いが、そこにたどり着くためには非常に高度なパターン化が必要な場所が多い。
    実際にプレイすれば完成度の高さは感じられるのだが、もはやクリアさせる気が感じられない2周目(道中)はさじを投げられてもしょうがない。そのためあえて1周目のラスボスで2ミスして3ボムを撃ってトゥルーエンドを出して終わらせるプレイヤーもいるとか。
  • ただ、その世界観や独自の断末魔「ヴぢうッ!」などの妙な言語センスに魅入られたファンや高難易度に相応しい熱心なシューターもいるのは事実である。

余談

  • 難易度とは関係ないが、カプコンの複雑な権利関係で携帯アプリ以外には移植がされていない。
    • 2000年以前のアーケードゲームはカプコンアメリカが権利を持っており日本カプコンでどうこうすることが出来なくなったため。それ以外にも今作が移植されない理由として、「CPS基盤の特殊な解像度により、完全移植が実質不可能なレベルで難しい」とコメントされている。
  • 携帯アプリ版は配信当時の携帯アプリにしては頑張っていたほうだが、ボムが強力すぎるなど調整が投げやり。ボム1発でザコだろうがボスだろうがラスボスだろうが沈む様は所詮携帯アプリか、と思わせてしまう内容だった。
  • 海外版のタイトルは『Progear』。月刊アルカディア掲載時の『Progear War』でも、直訳の『Progear Storm』でもない。
    • ちなみに海外版はボイス完全カットのためややシュールさが漂う。基板のサウンドテストで、データ内に日本語版ボイスしか存在しないことが確認できる。
      • 他のCPSII作品は、日本語・英語など多言語のボイスをあらかじめ収録している。
  • 横スクロール弾幕ゲームの歴史は本作で幕を閉じた…と思いきや『デススマイルズ』でまさかの復活を遂げる。
    • 難易度調整はもちろん、ジュンヤーこと井上淳哉主体のストーリーという正当な後継作になっている。