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キョロちゃんランド - (2022/02/03 (木) 18:25:49) の編集履歴(バックアップ)
キョロちゃんランド
【きょろちゃんらんど】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ゲームボーイ ファミリーコンピュータ
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メディア
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GB
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ROMカートリッジ(容量不明)
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FC
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1MbitROMカートリッジ
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発売元
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ヒロ
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開発元
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Bits Studios
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発売日
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GB
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1992年10月30日
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FC
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1992年12月11日
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定価(税別)
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GB
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3,980円
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FC
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5,800円
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判定
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クソゲー
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ポイント
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ガワだけ版権ゲー キャラゲーの皮をかぶった極悪難易度 キョロちゃんに謝れ
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概要
森永製菓の人気菓子である「森永チョコボール」のマスコットキャラである「キョロちゃん」を題材にしたゲーム(のはず)。
パッケージイラストもチョコボールの外箱を模したものとなっている。
ゲーム内容
「キョロちゃんランドにある日突然正体不明の塔が現れ、平和を取り戻すべくキョロちゃんが塔に登っていく」という設定のアクションゲーム。全8面。
十字ボタン+1ボタン(攻撃)で操作。ジャンプは方向キーとAボタンの同時押しで出る。左右ジャンプのみで、垂直ジャンプはない。
塔の周りに張り出している通路をエレベーターなどを使って進みつつ、制限時間内に特定の扉に入ればクリア。
コンティニューは2回まで可能で、パスワードコンティニューもある。
問題点
タイトル画面では楽しげな音楽をバックに、ファミコンなりに巧く描かれているキョロちゃんが拝める。
しかし、スタートボタンを押すと「♪ディロディロディーン」という不気味なBGMとともに、
黒バックにピンク色の筆記体表記の英文が出てくる。
非常に不気味で、キョロちゃんのイメージには当然合致していない。
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それもそのはず、本ゲームはNES(海外版ファミコン)で発売された『Castelian』の主人公をキョロちゃんに変更しただけのものである。
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もともとは主人公を緑色の子豚のような不気味なキャラから甲冑を着たチビキャラ(参考)に変更して国内販売する予定であったが、どういうわけかキョロちゃんに差し替えられ、本作が販売される運びとなった。
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ゲーム中の遠景もタイトル画面のような青空でなく、黒一色の暗黒の世界である(ボーナスステージの背景はタイトル画面同様青色だが)。ホラーゲームと言われても違和感のないおどろおどろしい雰囲気であり、はっきり言って怖い。
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ゲーム中で日本語はタイトル画面のみ。それ以降はすべて英語のまま。せめて文字くらいはローカライズできなかったのか。
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タイトル画面のキョロちゃんはFC版だと高い塔から飛び降りているように見え、GB版だと転んでいるように見える。
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更にゲーム中のキョロちゃんは目の焦点が合っておらず不気味。
ゲームの難易度は非常に高い。
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ゲーム性は『Castelian』と全く同じで、タイアップゲームのはずなのに年齢層に合わせた難易度調整がされていない。敵の数を減らしたり、時間制限を長くするなどの方法はあったはず。
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キョロちゃんの操作性は悪く、動きはガクガクしている。ジャンプのタイミングはシビア。
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見えない落とし穴も多数ある。1面スタート直後、右に行くといきなり見えない落とし穴がある有様で、これに引っかかってミスしたプレーヤーも多数いたであろう。
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キョロちゃんはチョコボールで攻撃することはできるが、倒せる敵は転がるボールのような敵1種類のみ。
それ以外は倒せないので、ひたすら避けるしかない。敵の配置も非常に意地悪である。
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敵に当たると下のフロアへ落とされる。場合によってはこれを利用する必要も。
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制限時間が非常に短く、少し迷ったり操作ミスをするとすぐに時間切れとなってしまう。
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特にステージ5は最適な動きをしても残り時間が2秒しか残らない。もはや、クリアまでのルートを完全に記憶、最適化する事が必須と言える。
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ゲーム中のBGMはステージクリア後のボーナスステージにしかなくそれ以外は効果音のみ。
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設定変更でBGMを流すことも可能だが、逆に効果音が消えてしまう。
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操作性の悪さ及び、不気味な色の塔の背景と併せもって、長時間プレイすると非常にストレスが溜まりかねない。
評価点
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グラフィックは良い。動きも細かく、操作はガタガタな癖にドットアニメは無駄にヌルヌル動く。
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ステージは塔の外周だが、塔の回転する立体感が他のゲームでは見られない。
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もちろん塔の動きに合わせて敵の位置も変わっていく。このあたりの計算の細かさは後期ファミコンならではの魅力だろう。
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有名どころで言えば翌年に発売された『星のカービィ 夢の泉の物語』などがある。
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『Castelian』と違いパスワードコンティニューができる。
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ボーナスステージの雰囲気は良い。
総評
可愛らしいパッケージを見て買った子どもがいたら、トラウマになるかもしれない問題作。
この時代のタイアップ物のローカライズでは、ゲーム性を維持しつつタイアップ元に合わせて世界観とキャラクター全般を刷新することも多く行われていたのだが、本作はただ主人公を挿げ替えただけにすぎないため、結果としてゲーム内容、キャラクター、ターゲット層が致命的に噛み合っていないゲームになってしまった。
このような作品を売り出すためだけに利用されたキョロちゃんはご愁傷さまである。
余談
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本作の移植元となったNES版『Castelian』は、C64、Amiga向けに発売されたアクションゲーム『Nebulus』の移植版である。
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こちらでは自機のデザインは原作同様だが、ボーナスステージの構成がNES版と異なり「小型の宇宙船のような乗り物に乗って海中を進んで次のステージへ向かう」という設定となっている。
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また、パッケージデザインでは乗り物に乗った主人公のキャラクタが描かれているが、ゲーム中では緑の小型の豚のような生き物であるのに対し、2足歩行のカエルのようなデザインで描かれている。
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また、海外では『Neulus』の直接の続編としてAmigaで『Nebulus 2 Pogo a gogo』が発売されている。
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キョロちゃんのゲームとしては本作の他に『ポケットキョロちゃん』『キョロちゃんのプリクラ大作戦』がある。
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こちらは普通に遊べる出来でありファンからの評価も高い。…というか本作の雰囲気が異質すぎると言った方が正しいか。