「MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー - (2020/07/08 (水) 01:53:54) の編集履歴(バックアップ)


メジャーWii パーフェクトクローザー

【めじゃーうぃー ぱーふぇくとくろーざー】

ジャンル スポーツ
対応機種 Wii
発売元 タカラトミー
開発元 ドリームファクトリー
発売日 2008年12月11日
定価 7,140円(税5%込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 クソゲー
ポイント 2008年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門大賞
野球ゲームとして破綻し切っている
短く薄い上にルールも無視したストーリー展開
選手の動きからルールの判定まで何もかも滅茶苦茶
ギャグのようなバグが多種多様に存在する
説明書まで間違いだらけ
笑えるクソゲー」の到達点の一つ
まさに2008年のパーフェクトクローザー
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
少年サンデー関連作品リンク


概要

「MAJOR」のアニメ化作品「メジャー」原作ゲームの第3弾。 2008年KOTY七英雄の1つで、通称「メジャー2」*1ダメジャー2」「クローザー」など。
パーフェクトにクソ」という揶揄をこめて「パーフェクトクソーザー」、海外では「クレイジーベースボールゲーム」と呼ばれる事もある。

  • 公式サイト曰く「追求したのは、本格野球ゲーム」。だが実はプログラマーたったの3人で作られたゲームでもある。
  • SSの『デスクリムゾン』やFCの『星をみるひと』、PSの『修羅の門』等の他ハードの伝説のクソゲーどもの隣に立っても良いくらい何もかもが酷い。キャラの動きが崩壊している様を見た人に「地獄絵図だ」と言われる始末。
    • そのバグのあまりにインパクトの有る画像・動画は瞬く間にネット上を駆け巡り、普段KOTYどころかゲーム自体を扱わないサイト・ブログでさえ数多く紹介される現象が起きた。そのおかげでバグゲーとしての面が強く見られることが多いが、それを抜きにした他の要素も文句無しにクソである
      • とはいえこの荒唐無稽な絵面は、見ている者を抱腹絶倒させ未プレイ者に「一度はこのゲームを体験してみたい」と思わせるだけの凄まじいインパクトを持っており、「笑えるクソゲー」の1つの到達点と呼べる作品である。
        同じバグゲーでも、ただ単に苦痛しかなく陰湿な2009年KOTY大賞『戦極姫』や2007年大賞『四八(仮)?』とは対極の存在と言われた。

ゲーム進行

  • 基本的にストーリーは、原作に沿っている。イベントパートと試合パートを交互に繰り返して進んでいく。
  • イベントパート
    • ストーリーが流れているのを見る。一般的なADVのように立ち絵やボイスで演出し、下画面に字幕を表示している。
  • 試合パート
    • 試合はミッション制になっており、「1失点内に抑えろ。」「ホームランを打たれるな。」などと様々なミッションがある。そのため、このゲームは単に普通の野球の試合をするわけではない。
    • ピッチングは「十字キーで球種を選択して、Aボタンを押しながらリモコンを振ると投球モーションをとるので、十字キーでコースを選択する。」…という流れ。
      • 主人公が必殺技のジャイロボールを投げるときにはカットインが挿入される。
      • スタミナ制があり、ストレートを投げるとスタミナが全く減らず、逆に変化球を投げるとスタミナが非常に大きく減る、という特徴がある。
      • AIはスタミナが切れた投手を交代することがある。
    • バッティングは「リモコンを縦に持ち、十字キーでスイングするコースを選択し、ボールが来たらタイミングよくリモコンを振る。」…という流れ。
      • ボールを当てるには普通の野球ゲームより早いタイミングで振る必要がある。
      • 一部の試合ではバッティング補正があり、プラス補正とマイナス補正がある。
    • 守備に関してはオートで行われる。

問題点

内容

ストーリーモードの再現性。

  • ストーリーは原作のストーリーを色々とカットしたもの。原作に忠実で変に壊してはいないものの、再現度は低い。
    • その為、原作を読んでないと意味不明なシーンが大量に存在する。また、別モードでの解説もない。
    • 会話シーンでは、キャラクターの台詞と表情が一致していない面が多々見受けられる。
  • 最後の試合では、サヨナラ負けした場合でもストーリー上では絶対に優勝したことになる。
    これは原作を尊重し過ぎた故に「延長戦で勝利」の一つしかないのが原因。サヨナラ負けした場合のIF展開は用意できなかった様子。

野球のルールが完全に無視されており、本作独自のルールが多い。

  • アウトの判定が杜撰。
    • アウトでないはずの場面でアウトになっていた。何を言ってるか(ryなことも起こる。
  • 現実の野球にあるルールがいくつかスポイルされている。
    • タッチアップやインフィールドフライ*2の概念はこのゲームにはない。
      • 念のため言っておくと、ファミコン時代のファミスタなどの初期作品を除いた大抵の野球ゲーム(例えばパワプロシリーズなど)では実装されているルールである。
  • 盗塁にまつわるルール無視もある。
    • 盗塁死するとボールカウントがリセットされる。本来はリセットされない。
    • 盗塁死で3アウトになると、次の攻撃はNEXTバッターから始まる本作独自のルールがある*3。従って、このゲームの盗塁死チェンジは打者の凡退扱いとなる。

グラフィックや演出が粗末。

  • キャラクターのグラフィックの出来はWiiの中では低い。公式サイトによると「高精度な3Dモデリングで再現されたキャラクター」とのことだが…。
  • キャラのモーションやボール等の動きが非常に不自然。公式サイトによると「モーションキャプチャー導入で再現された躍動感あふれる選手の動き!」と謳っている……
    • モーションをフレーム単位で確認してみるとプログラミングの粗さが顕著に表れ、ボールを捕る前からアウトと表示されていたり、低い球をフライのようにグローブを上げて捕ったりといったものが見られる。
      • キャッチャーがプロテクターとマスクを脱ぎ捨てている事がある。なぜ脱ぎ捨てる必要があるのか?
      • ピッチャーが投球後、キャッチャーからの返球が無い。返球の省略そのものは野球ゲームとしてはよくある仕様だが、よく見ると尻ポケットから出しているようにも見える
      • 三振になってもピッチャーもバッターも主審も全員、もちろん3アウトになろうがなんだろうが次があるかのように構え直す。
      • 偶にグローブをはめている方の手でボールを投げることがある。普通ならはめてない方の手で投げるのだが……
  • 立ち絵もおかしい点が多い。おそらくは作画ミス。
    • 特にヒロインの一人であるアリスの立ち絵が、胸が左胸が膨らんでいない「片乳」状態となっている。
  • ホームランの演出
    • ホームランが入る場合は必ずカメラアングルが変わるため、画面が切り替わった時点で判断ができる。
    • 残念ながら「入るか?入らないのか?」といったスリルは味わえない。そもそも、どこに飛んだのかもわからない。
    • パワプロやプロスピにある「ホームラン確定演出」のようなもの*4だが、本作にはそれらのような爽快感も迫力も無い。

AIも酷い。

  • 走塁や守備はAIでの操作であり、オートで行われるのだが、こちらが操作できないくせにAIは適切な行動をしてくれない。
    • 走塁は勝手に盗塁して失敗→試合終了と、打者との勝負で決着がつけられない後味の悪い幕切れになるケースもある。
    • 守備の設定は「マニュアル」が存在せず、「セミオート」か「オート」のどちらかに設定する仕様。
    • その反面、キャッチャーは優秀なAIを持つ*5

ホームランが出すぎる上にバントも強すぎる。

  • 幸いなことに、本作はホームランがかなり出やすい調整がされている。上記のAIのバランスをとるための救済措置ということもあるが……
    • バントも使い勝手が非常に良い。どのくらい使い勝手いいかと言うと、タイミングが合えばAIの盲点を突く形で加点できる程。
  • AIがごらんの有様な為、逆にホームランやバント以外で得点を取るのが困難になっている。

バグ

  • このゲーム自体、なぜかディスクを正常に読み込めないことが多い。そのため、読み込み失敗による不具合がいくつかある。
    • 主審とバッターがピッチャーに背を向けていることが起こる。こうなった場合「後ろ向きのバッターが何も無い空間から快打を飛ばす」という謎の現象が起きる。
      このバグが起きると、守備時にどこに転がっているボールでもキャッチャー以外拾わなくなってしまう。
      • 因みに、キャッチャー以外が動かなくなる原因は「バッターが通常と逆方向を向いていることでフェアの判定も逆になり、本来フェアでもAIはファールとして認識してしまう」という説が有力とされている。
      • バカなAI任せの走塁と相まって、以下のような、傍から見れば凄まじく低レベルな勝負が起こる。
        (何故か)前後逆に構えたバッターが打った球がセンター前までいく→それを(何故か)キャッチャーが取りに行く→その隙にバッターはサードまで走ろうとする→さすがに間に合わず結局三塁タッチアウト
    • なおストーリーモード序盤の負けイベント(本来は敵にホームランを打たれて終わる)でこのバグが発生すると、センター前キャッチャーゴロ連発でなぜか3アウトまで行き、滅茶苦茶になってしまう。そして主人公の吾郎が敵チームのピッチャーになってしまったりする。
      • これは敵チームのピッチャーにも吾郎が設定されていることによって、味方と敵に同じ人物が二人存在しているというミス。恐らく少し後の試合で自分が使用するチームデータをそのまま敵チームとして戦わせていると思われる。
  • キャラの挙動がおかしくなるバグがある。このゲームで笑えるクソゲーと言える最大のポイント。
    • レーザー光線を照射する。キャッチャーやピッチャーで起こり、ポリゴンの頂点がはるか彼方に引っ張られている為に起こる事例らしい。
    • キャラクターの首が反転するバグも搭載。ピッチャーとバッターでのみ、確認されている。
      • 映画「エクソシスト」に似たようなシーンがあるため、ホラー映画ファンの間でも話題になった。
    • 他にも特にポリゴンモデルの計算を間違えた、テクスチャが異常な方向に伸びたり、ビープ音(のように聞こえるBGM)を流してフリーズしてしまうバグも発見されている。

その他

  • Wiiのゲームなのにロードが非常に長い。試合時間も『ジャイロ?』程ではないがかなり長い。
    • 更にここからキャラエディットを利用すると、顔や体型、背番号など1ついじるたびに12秒の読み込みが入るようになってくる*6
  • 説明書にも誤植がある。それもなぜか漢字に振られたルビがである。おかげでバグで後ろを向いた審判がジョージ・ケツメルとまで呼ばれる羽目に(それぞれ「十字(キー)」、「決める」の誤植とのこと)。
  • この手の野球ゲームにありがちな試合観戦モードは搭載されていない。
  • 各選手に能力値は設定されているのだが、ストーリーモードでは一切確認できない。

評価点

  • 前作と異なり、ストーリーは一応フルボイスである。
  • クソゲーのお約束と言うべきかゲーム中のBGM全般は良質で、高く評価されている
    • しかしゲーム中のBGMは良質ではあるものの、試合中のBGMは同じものが延々と流れるため、そのうち飽きてしまう。
    • ちなみに作曲は元フロム・ソフトウェア所属の南亜矢子。スタッフロールに表記はないが、氏本人の公式サイトで公表されている。

総評

明らかに10年に一度レベルに匹敵する、全Wiiディスクソフト最悪のクソゲー。
近年では笑えるクソゲーとして見られることもあるが、ドリームファクトリーとタカラトミーの駄目っぷりを世間に公表したのは確実である。
そもそもプログラマーたった3人で作るという制作体制にも無理があったのだろうが、藤川・笠井・石井といったドリームファクトリー製作者側の責任もとても大きい。

元々キャラゲーというジャンルはゲームの内容よりも原作再現度を重視するため良作が出にくくクソゲーの多いジャンルである。
それでも、ゲームはクソでも原作愛があれば売れるというジャンルであるのもまた事実。
しかし、本作はゲームの出来はおろか原作にすら近づいていないキャラゲー屈指のクソゲーと言える。

結果、『MAJOR』原作や、ゲーム関連を除いた他のメディアミックス(映画・アニメ等)と明確な格差ができてしまったのは言うまでもない。


余談

  • KOTY2008では、本作発売前の修正パッチにより強打者として帰ってきた『ジャンライン』を抑え込んで大賞に輝き、まさしくパーフェクトクローザーを体現した年末の魔物である。
  • 2008年の大晦日には一時的に「公式サイトが謎のパスワード制になる」という事態が起きた(この作品の公式サイトと同じようにジャイロの公式サイトもパスワード制に)。
  • ファミ通のクロスレビューは4/4/4/3の計15点
    • 2008年KOTY候補作の中で同12点の『プロゴルファー猿』、同13点の『大奥記』に次ぐ低得点となった。
    • ちなみに「ゲーム自体を投げろ!!」と言われた前作?でも7/5/4/5の計21点であった。
  • 週刊少年サンデー本誌にて、主人公の茂野吾郎役の森久保祥太郎氏とライバルのジョー・ギブソンJr役の浪川大輔氏がこのゲームをプレイするという企画があった。罰ゲームか*7
  • 何故か、ファミ通の「あのゲームが失敗した理由」には取り上げられなかった。
    • 年末に発売したおかげで店頭在庫はほぼはけており、リピートをかける店もあった模様。評価はどうあれ、結果として大人気には変わりなく、商業的には成功したようにも見えてしまっていたのが一因だったか。もちろん中にはクソゲー承知で話の種に買った者も一定数いただろうと思われるが。
      • いずれにしろ、本作があらゆる意味で性質が悪いのを端的に示した事例と言える。特に、購入層がサンデー読者である小中学生のクリスマスシーズン、それもフルプライスでの発売であった点を考えると非常に罪深い。
  • 結果的にと言うべきか、「MAJOR」のゲームは単体ではこれ以降出ていない。
    • 「他作品と合同」ならば例があるほか、「他のタイトルにコラボ扱いで客演」も『実況パワフルプロ野球(スマートフォンアプリ版)』とそのコンシューマー(PS3、PS4、PSVita)移植版である『実況パワフルプロ野球 サクセススペシャル?』でそれぞれ実装されている。また『実況パワフルプロ野球 2018』ではついに本編の1モードに登場した*8。こちらはさすがのパワプロブランドと言うべきか、完成度は高い*9*10
  • 原作は絵もストーリーも良く、連載16年・全78巻・累計発行部数5000万部、続編も連載開始後、アニメも放映中など、非常に高い人気を誇る。
    • アニメもNHKで当時は4期8クール*11まで放送されており質も良好であった。
  • 劇場版『MAJOR 友情の一球(ウイニングショット)』も評価の厳しいことで有名な『超映画批評』にて「これぞ野球映画の鑑というべき王道の展開」「テレビアニメの映画化としては例外的なまでに完成度が高い。今年の冬、父子で見るならこれで決まりだ」と手放しに絶賛されている程の名作である。クソゲーハンターでもなければこのゲームを遊ぶ為のお金と時間で劇場版MAJORのDVDを購入・視聴したほうがよっぽど建設的であろう。
    • 因みに超映画批評ではレビューの最後に批評した映画の関連商品を2つ紹介しているのだが、レビュアーの前田氏がこのゲームの評判を知り抱腹絶倒したらしく、本作を例外的に3つ目の関連商品として追加し「本年度ゲーム界の奇跡」と皮肉っていた。
+ ちなみに当時の広告はこちら

代表的なバグ画像

+ 未知の光景1
+ 未知の光景2
+ 首反転画像(閲覧注意)
+ 首反転動画


外部リンク