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ラストリベリオン - (2018/04/03 (火) 11:36:09) の編集履歴(バックアップ)


ラストリベリオン

【らすとりべりおん】

ジャンル RPG
日本国内版
輸入版北米
対応機種 プレイステーション3
発売元 日本一ソフトウェア
北米:NIS America
欧州:Tecmo Koei
開発元 ヒットメーカー*1
発売日 2010年1月28日
北米:2010年2月23日
欧州:2010年3月26日
定価 7,140円(税込)
輸入版北米:5,319円*2
判定 クソゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント 2010年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門大賞
つまらないシナリオ
荒涼としすぎな世界観
スカスカのボリューム
レベルを上げて物理で殴ればいい
「発売してしまって申し訳ない」
「ラストリベリオンは本当にごめんなさい」
備考 北米及び欧州版のタイトルは Last Rebellion
欧米版参考サイト1
欧米版参考サイト2
KOTY関連作品一覧


あらすじ

物語の舞台となる世界・ジュノヴァルドには、
生をつかさどる神「フォーミバル」と、
死をつかさどる神「ミークテリア」の力が渦巻いています。

(中略)

フォーミバルの力により再生し、不死者となったモンスター「バルノゼルト」は、
通常の手段で滅ぼすことがかなわず、物理的な破壊を担当するブレイドと、
スピリット面の破壊を担当するシールの2者の協力により、初めて打ち倒すことが可能になります。

ナインの故郷「ルオーヴィン」は数年前の戦乱により、バルノゼルトが横行する地となりました。
王国の魔道士たちは結界を張り、
災厄を最小限に封じ込めていますが抜本的な解決には至っていません。

この度、アーゼルライド王は一計を案じ、
諸国に名を轟かせているブレイドのナインを呼び戻し、
有能がゆえに忌避されてきた一人のシールを王宮へと招くのですが――

(公式サイトより抜粋)


概要

自称「王道RPG」。
それに加えて「1ターン中に何度でも行動できる(行動した分CPが減る)」「2人の主人公は戦闘中を含めて適宜交代可能」「敵の部位を正しい順番で攻撃して大ダメージ」「物理攻撃で刻印を刻み刻印魔法で攻撃」等、一見奥深そうな戦闘システムを売りにしていた。

しかし現実はそれらの要素がことごとくスベっており、戦闘システムも「レベルを上げて物理で殴ればいい」状態。
KOTYなどでは「スベリオン」と呼ばれてネタにされている。

  • 海外レビュー(2ページ目:THE VERDICT/総評)では「Last Rebellion ’’simply doesn't need to exist.(存在する必要がない)''」とまで言われてしまった。
  • また日本一ソフトウェアのアメリカ子会社の社長も「発売してしまって申し訳ない」とコメントしている。

問題点

シナリオ・世界観

  • 登場人物が(名無しのモブまで数えても)10人前後しかおらず、小ぢんまりとしている。
    あえて登場人物や規模を狭め、その中の描写を突き詰める手法の作品は多いが、本作の場合は壮大な世界観にしている節がある為問題になってしまっている。
    • 主人公はブレイドの「ナイン」とシールの「アイシャ」の2人。それぞれブレイドとシールの中でもかなり強い力を持っているらしいのだが、比較対象がほとんどいないのでプレイヤーには伝わらない。
      • いわゆる「魔術師」のポジションであるシールはともかく、ブレイドの「敵の肉体を破壊する」という能力にしても特に印象的な描写はない。特に最強のブレイドであるはずのナインが、ブレイドですらないアイシャより一回り強い程度なので「それってただの(腕の立つ)剣士なのでは?」と思わざるを得ない。
  • 国家レベルの危機が発生しているようなのだが、これについてもそれを窺わせる演出がなく、さっぱり実感が湧かない。結界が全て壊れても特に何も変化が無く、空の色が変わったり強い魔物が登場したり街の人たちが恐れおののいたりする事もない。
  • 作中で出さないと話にならない最低限の国すら、名前が挙がるだけで作中で登場しない。主人公の王国、シールの修業をする魔法国家、二つに分かれたという主人公の敵国、 獣娘の故郷、等々…。
    • 最初のマップである王宮からして異様に荒廃している。過去の戦争やモンスターのせいのようだが、国が滅んでいるとしか思えないレベルで荒れている。そして住人は数人の幽霊と側近が一人だけ。
      • 兵士や他の臣下はマップ中にいないどころか、イベントで王の身に危険が迫ろうが一切現れる気配がない。見張りがいれば防げたような失態すら犯す始末。*3ここは本当に王宮なのか……?
    • 町らしきマップはひとつだけ。家はただの背景で当然入れない。見た目はどう見ても谷で、崖の上に家がぽつぽつあるだけ。加えてモンスターも徘徊している(勿論イベントとか関係なく)。
    • 重要人物数人以外は棒立ちの幽霊のNPCしかいない。買い物なんて概念は無いので店など当然存在しないし、勿論宿も(ry)
      • 店がないことは、わざわざ説明書にまで明記されている。
      • そもそもお金の概念すら無い。
    • 登場人物達の話の中では他の人間もたくさんいるらしいことは述べられているが、本編中にはそれら人間が一切出てこないのでかえって不自然な世界に見えてしまう。お前らが言ってる人達は一体どこにいるんだ。
  • 王道を謳うストーリーだが、その実体は「開始早々弟に殺された主人公が蘇り、報復のためにご近所を探し回る」というもの。王道どころか最初から最後まで搦め手である。
  • クリアしても明らかにならずに放置される設定が多い。なぜフォーミバル神の力が強まってモンスターが復活するようになったのか、なぜナインは類まれなブレイドの才能に加え魔法まで使えるのか、ナインから獣娘の父親の匂いがする理由…など。
  • 造語が大量に登場するが、「ヴ」「ミ」「ル」などの音が多用されており、ゲーム開始10分で「フォーミバル」「ミークテリア」「ヴァミノーゼル」「ブレイドヴァミルス」といったよく似た単語が押し寄せてくる。おかげで覚えづらい。
  • その他色々な所に、甘い見通しに基づく投げっぱなしにされた設定が散見される。
  • …と、色々と薄っぺらい上に「さあ冒険はこれからだ!」というところでいきなり終わる。いわゆる打ち切りエンド。
  • 全体的にファンタジー小説やバトル漫画等に影響された素人が上っ面だけの空想を思いつく限りノートに書きなぐり、それらを吟味したり整合性を持たせる事もせずそのまま『RPGツクール』で適当に形にしたものという内容。
    • 「展開が悉く場当たり的」「設定は壮大なのに描写が全く伴わなず凄まじいハリボテ臭」「重要人物以外の存在が無視されたような閉塞的な世界」「読み手が居るという事を一切考慮していないやたら大量な造語・設定」「これらは殆ど活かせず、大体が単にその場を賑やかせてフェードアウト」「設定や展開同士の整合性も考慮されておらず、矛盾&超展開まみれ」「結局手が回らなくなった挙句、無理矢理締める」などなど、単に「厨二っぽい」というだけではすまない真正の厨二病シナリオである。言い換えると創作初心者がやりがちな失敗を全部詰め込んだ代物
      • …そういう意味ではある意味「王道」である。

演出・音楽

  • イベントは動きの無い絵で展開される。例えると「英語音声付きの紙芝居*4」で、完全にPS2以前のクオリティ。
    • 結界が破壊されるといった重要なシーンでも爆発音すらなくフラッシュのみで処理。「ヌギャー」か。
    • 更に通常のグラフィック自体も完全にHD画質の無駄遣い。PS2どころかDS並みとしか言いようが無い。
    • 物体の影は直接書き込まれているため、一部現物と比べてどう考えても不自然な影が存在する。
  • BGMも単調で、場面によって盛り上がるということも無い。
    • そもそも音量の初期設定値が非常に小さい(255段階中30。最大値の1/8以下)。「環境音かと思った」などと言われるほど。
    • ボス戦(ラスボスではなく終盤の)では影山ヒロノブ氏の歌うボーカル曲「戦絆*5」がかかるのだが、演出がショボ過ぎてミスマッチ。*6いかんせん曲自体はかなりいいだけに、余りにもったいない。
      • 自称「王道RPG」なだけに主題歌はそれに合わせてあり、歌詞も本編のストーリーを意識したものとなっているが、温度が違いすぎる。影山ヒロノブ氏は熱い歌声で有名であり歌も王道を突っ走る熱い歌だが、絵と合っていない(絵はどちらかといえばクールな印象を受ける)。
  • 日本語字幕+英語音声フルボイスなのだが、まともな字幕に対して英語がエキサイト翻訳並の酷さ。「パパ→Oh Daddy!」「ククク、やあ兄さん→HAHAHA Hey Brother」等々違和感全開仕様、しかも棒読み。
    • クセがなく日本人には非常に聞き取りやすい英語なので、RPGで学ぶ英語教材としてなら使える…かもしれない。
    • そもそもいかにもJRPG然としたキャライラストと英語音声からして水と油であるのだが。
      • 世界観を意識して英語で話している…のかどうかは不明。棒読みのため演技の迫力にも大きく欠けている。
    • 日本語の使い方も妙におかしいところがある。
      • 例としては、主君を「王」と呼ぶ臣下。そこは「陛下」だ。しかも英語音声ではしっかり“My lord”と言っている。

戦闘システム

  • 戦闘システムは要素が多いため一見奥深そうに見えるが、実際はレベルを上げてゴリ押しするのが一番楽に進めるバランスであるため、システムは形骸化してしまっている。
    終いには「レベルを上げて物理で殴ればいい」と一蹴される始末で、無駄に複雑化したシステムはむしろ滑稽なものになってしまっている。
    • 低レベルだと物理も魔法もほとんど攻撃が当たらず、戦闘時間がとても長い。下記のシンボルエンカウントもあるので、うんざりするほど戦わせられることになる。
    • 1レベルごとに1割という闇金融の貸付のような速度で成長するHP*7を始め、レベルアップによる能力値の上昇が異常に大きい。そのため、レベルが上がってくると物理だけで削れるようになり、攻撃魔法を使う必要性がない。
  • 刻印(攻撃)魔法は「予め物理攻撃を使っておかなければ効果がない」「むやみやたらに属性が多い」「(下記の)経験値ボーナスが加算されない」と何もいいところがない。
    • タイプ相性がポケモンを超えるくらいあるが、レベルを上げれば相性なんか気にする必要もない
      • 攻撃魔法は、「 」「 」「 」「 」「 」などよくあるものから、
        「剣」「斧」「矢」それぞれに「」「」「」「 アダマン 」「 ミスリル 」が複合するものまで20種類ある。
      • ポケモンでも15タイプ分のバランスを取るのに大変苦労している*8のに、それを超えてしまって活かしきれると考えていたのだろうか?
    • 刻印を刻んだ部位の全てに命中し、弱点属性を突けば更なる大ダメージを与えられるものの、敵1種類につき有効な属性は1種類だけ。例えば「シルバーアックス」が効く敵に対して「シルバーアロウ」や「ミスリルアックス」等を撃っても効果は低い。
  • 刻印魔法とは別に強化魔法もあるが、こちらは逆に強力なものが多くバランスブレイカー。
    • 攻撃力を上昇させる魔法やCPを回復する魔法があり、これらを覚えるとバランスが破綻していく。強化魔法は非戦闘時でも使えるため、あらかじめCP回復魔法を使って戦闘に突入するだけで万事事足りるようになる。
  • 敵には攻撃の対象となる部位が6~10程度あり、正しい順番で攻撃するとダメージが大きくなり経験値ボーナスも増える。
    • 正しい順番を当てるのは総当たりするしかない面倒な作業。そしてレベルが上がるとこんなことをしなくても十分ダメージを与えられる。それでも経験値ボーナスがある分、刻印魔法よりはマシであるが。
      • 一度正解した部位は順番が表示される。
    • 経験値ボーナスが最大999、すなわち元の経験値の9.99倍まで取得できることもインフレに拍車をかけており、一回の戦闘で4~5レベル上がることも珍しくない。
      • 一部の通常では見えない隠し敵はレベルが高く設定されており、戦っているだけでレベルがどんどん上がるのもインフ(ry)
    • 強くなり過ぎるとどこを狙っても一撃で倒せてしまうため順番を明かすのが困難になる。ダメージを与えず刻印だけを刻める装備品もあるが、ドロップ品で入手が面倒。
  • シンボルエンカウントであるが、その意味が全くない。
    • 敵シンボルはプレイヤーキャラより遥かに速く移動するため、追われたらほぼ逃げられない。通路が狭く当たり判定が非常に大きいのですり抜けることもできない。そのうえマップを切り替えないかぎりどこまでも追ってくる。
    • 敵シンボルが立ち入りできない領域も一応あるが、そこに入ったところで敵が追跡を諦めることもない。そのため立ち入りできない領域の前で待ち伏せし続ける。その執念はもはやホラー。
    • 戦闘終了後の無敵時間も一切ないため、囲まれたら連戦になる。戦闘中に逃亡することもできるが成功率は低く、逃亡したところでまたすぐ戦闘になる。
      • 序盤で姿や足音を消す魔法*9、中盤で一定時間早く走れる魔法が手に入るが、前者を使っても敵シンボルの配置次第では必ず当たって戦闘不可避となるし、後者を入手する頃には味方が既に敵よりも遥かに強いレベル。
    • 同フィールド内で、普通のザコ敵・大きさが違うザコ敵・色の違うザコ敵とモデルの露骨な使い回しが行われる*10
      • なお刻印の順番は敵によって違っている。だが注力すべき点はそこじゃない。
  • 状態異常も多いが、名前が違うだけで実質「毒」と「行動不能」という項目のダブりがやたら多い
  • 正確に書くと、攻撃や防御などの各種ステータス低下・沈黙・暗闇といった物もあるのだが。「毒」相当が4種・「行動不能」相当が5種という有様である。
    • しかも、一部の行動不能にかかっている場合はそれを回復する魔法を使えてしまうため、実質1ターン足止めされるだけにしかなっていない。
    • とはいえ状態異常魔法を複数使ってくるラスボスが強い。眠りと重力を同時にかけられると数ターン何も出来ないまま一方的にボコられてしまう。
  • 倒した敵は、一部ボスを除いて「封魂」という封印作業をしなくてはならない。これをしないと数ターン後にHP全開で復活する。
    • 封魂が出来るのはアイシャだけ。ナインは代わりに倒した敵から「魔吸」でMPを吸収出来るが、封印していないため敵復活のリスクが高まる。
    • 結局ただの作業にすぎないため、戦闘のテンポが非常に悪くなる。

その他のシステム

  • 禁術によってナインとアイシャは命を共有しており、同時に存在することができない*11。戦闘では入れ替わって行動できるが、他に(戦闘に加わる)仲間はいないため本作は実質単独メンバーで進行する。そのため飽きが早い。
    • 入れ替わりは魔法陣を通って空中から出現するのだが、毎ターン挿入されるためテンポが悪い。しかも気絶状態などでも魔法陣を通って入れ替わる。意識あるじゃねえか!
    • 片方が受けた状態異常は、キャラを入れ替えても受け継がれる。何のための入れ替わりシステムなのか。
  • 装備は「耳」(イヤリング・ピアス)、「指」(指輪)、「腕」(腕輪・籠手)。
    • 状態異常無効化能力のあるもの以外は能力が数%向上する装備ばかりであり、レベルが上がればあっさり強くなることもあって必要性に疑問符が浮かぶ。装備がキャラクターの外観に反映されるようなこともない。作る意味はあったのだろうか?
    • というか、ステータス画面自体が無いのでパラメータが参照出来ない。確認できるのはHP・MP・CPのみで、攻撃力UPと言われても元の攻撃力が分からず、状態異常や防御力上昇などに全てアイコンがあるがどこにも解説がない。
    • ナインとアイシャの武器はどちらも双剣だが、最初から最後までそれしか登場しない。鞘すら描かれていない。
  • 画面右上のエリアマップはすべて英語表記である上に文字も小さくて物凄く分かりづらい。段差や道の分岐がきっちり色分けされておらず高低差がある所でも平面で表示される。一応拡大することはできるが、透過率が低いため邪魔なだけ。
  • ゲーム中ではジャンプすら出来ず、腰の高さの段差を乗り越えられない。
  • フィールドでは操作キャラがナインの場合ではMPが、アイシャではHPが自動回復するが、魔法でHPを簡単に回復できるためアイシャの存在意義がない。
    • 役割が逆のように思えるが、おそらく引っ込んでいる側が休憩しているからと思われる。細かく考えるのはそこじゃない気もするが。
  • ロードも全体的に長く、タイトルで読み込みが入るのにエリア移動でも長く読み込む(開始するのに30秒以上。マップ移動その他にも5秒程度)。
    • 日本一ソフトウェアの多くのゲームでは、ゲーム前に長いロードをしてゲーム中のロードを抑えるという手法を取っているが、外注開発のこの作品にそんなシステムは存在しない。
  • ゲーム終盤で必要になるキーアイテムは何故か透明な宝箱に入っている、透明な宝箱の位置自体は一応目視でわかるが全ダンジョンを回るうえに具体的な場所はノーヒントなので総当りになる。
    • なお宝箱を開けるのに「ガノンの鍵」という消費アイテムが必要になる(箱の中味によって鍵の消費数が違う)。キーアイテムが入っている宝箱でも必要になるため、足りない場合はザコ敵を倒して集めてこなくてはならない。
  • カメラの操作が左右反転であり、設定で変更することもできない。

ボリューム

  • 普通に遊んだ上でクリアにかかる時間は12~13時間程度。2000年代以降のRPGとして考えるととんでもなく短い。
    • 順調に進めば普通に10時間を切る。上記は迷子になる時間(分かりづらいマップのせいで3~4時間ほど)を加味しての話。
    • 日本一作品には「2周目のやり込み要素」がつきものだが、本作はそもそも2周目自体がない。
      • 一度明かした敵の攻撃順序はオプションから確認できる。すべての敵の攻撃順序を解明するのがやり込みと言えばやり込み要素。ただし特典は一切なし。
      • 隠しボスは居るのだが、事前にニュースや広告媒体で公開されていたせいで驚きはあまり無い。
    • しっかりやり込めば4時間以内でクリア可能。評価されるかどうかは置いておいて、RTAには向いているかも知れない。

評価点

  • トロフィーの獲得が非常に簡単。クリア時間と同じ時間で全て取得可能。
    • もっとも、これも本編のボリュームの薄さと破綻したゲームバランスが原因であり、むしろ獲得の際には精神的な苦痛との戦いになるとも言える。
    • 発売日間近のトロフィー取得者がいればそれは尊い人柱である。見かけたら拝んでおこう。2010年KOTY以降に取得した人は…相当な好事家である。やっぱり拝んでおこう。
  • キャラクターデザイン自体はそれほど悪くなく、女主人公であるアイシャのデザインは好評。
    • 一方で主人公のナインに関しては、あまりにも外見と言動が『某有名RPG』の主人公にソックリであり、なおかつ衣装も同作主人公のライバルに酷似していたため、KOTYスレでは同作主人公のAAがそのまんま流用された。
    • キャラクターデザインを行ったのは所謂セミアマのイラストレーター。
  • 唄:影山ヒロノブ氏のOP曲「EVER LAST」、同:霜月はるか女史のED曲「最後の道標」は大変好評*12
    • 特に「EVER LAST」は(絵とのミスマッチはともかく)影山氏の熱唱と相まって、楽曲としての完成度は非常に高い。
    • その為、「クソゲーが台無し(になる程の名曲)」「こんなゲームに使われているのが惜しい」という意見が多数。
  • ローディング画面で表示されるイラストは美樹本晴彦氏や末弥純氏、小林智美女史といった大御所の手によるもので豪華。
    • 影山氏の主題歌と同様に「こんな所で大御所起用なんてもったいない」と言う意見も。
  • 初期はバランスが取れているためそこそこ楽しめる。プレイ時間にして30分ぐらいまでは。
    • その後も「ボス戦の前に、そのボスの弱点である魔法を入手できることが多い」など、一応は王道RPGらしくバランスに配慮していることは伺える。でもシステムの根幹がアレなので…
    • オプションに用語説明がある。最後の良心かもしれない。
  • 部位攻撃順序を敵ごとに記憶できるため、入力の手間が省ける。まあこのシステムがあってもなくても本作の評価は全く揺るぎもしないだろうが…。
  • カメラ視点の制約が厳しくないので、立ち位置を調整すればアイシャのパンチラが見放題である。やったね!
  • 最終盤のイベントは、過程はともかく王道を往く熱くも切ない雰囲気を醸しだしており、ここだけは多少面白い。この部分のクオリティを全編で満遍なく発揮して欲しかったものだが。

総評

ゲームとして全方位的にクソでありクソゲーの基礎をしっかり押さえ、そのどれもがプレイヤーに苦痛や苛立ちしかもたらしていなかった為、KOTYスレでは1月発売に関わらずそのまま大賞となった事から、「2010年の門番」「鉄壁の砦」などと称された。
また、売りとしていたシステムは悉く足を引っ張るだけのマイナス要素にしかならず、基本的な作りこみにおいてもプレイヤーに不利な部分、ゲーム的にどうでもいい・余計な部分は無駄に作りこんでいるのに、プレイヤーが求めていたであろう肝心な部分は悉く手抜き等、開発陣側とプレイヤー側との乖離が激しい事も、批判の見方を強めている。


余談

  • 初週売り上げは最悪。発売前から見えている地雷と言われた上、発売後ただちにKOTY2010のスレで取り上げられ、そのまま大賞受賞に至った
  • 『日本一ソフトウェア』のネームバリューで騙されやすいが、開発元の『ヒットメーカー』は他にも『ドラグナーズアリア』などのクソゲーを多数発売している。
    • 2011年に日本一が発売した『魔界戦記ディスガイア4』ではついに性能が高い拳(=物理で殴る)武器の名前として登場。説明文は「好評発売中」。とうとう自虐ネタにされるまでとなった。
    • 日本一ソフトウェアは、このゲームを機にヒットメーカーと縁を切ったそうだ。ですよね。
      • そして2014年10月29日、ヒットメーカーは東京地裁より破産開始手続きの決定がされ倒産した(参照)。喜ぶべきか悲しむべきか…
  • 2008『奈落の城 一柳和、2度目の受難』、2009『Let's 全力ヒッチハイク!!!!!!!!!』と、日本一の下請け企業作品が近年恒例の如くKOTY次点入りしながらも大賞は逃れてきた。そして見事3度目、2010の本作にて受賞。名実ともに(下から)日本一等と言われることに。
    • 本作の公式ホームページで「The 3nd」という誤字*13が未だにあることを絡めて「3nd目の正直」と呼ばれることになった。
    • ちなみに前年の大賞作品決定からたったの2日後に登場した本作だが、以前の2作も共通してKOTYの門番となっていた。
  • 「クソゲーオブザイヤー2011」のOP映像はこのゲームのPVのパロディである。
    • 因みにこのOP映像、個人製作であるにも関わらず、3DCGのクオリティが悪い意味で元ネタに引けを取らないレベルである。
  • 「レベルを上げて物理で殴ればいい」と評された本作だが、このセリフがよほどウケたのだろうか、物理攻撃(特に通常攻撃)が極端に強いゲームは、本作以前に発売された作品も含め、本作程の酷さでなくてもこの言葉が使われるようになった。
    • なおこのキャッチフレーズが独り歩きしている事で誤解されがちだが、本作のバランスは厳密には「レベルを上げて物理で殴るしかない」が正しい。
      • 敵シンボルからは逃げ切れない為倒さざるを得ない。魔法を使う前には物理攻撃を浴びせなければならない。そして装備品の効果は微少。従って「嫌でもレベルは上がり、嫌でも物理で殴らされてしまう」のだ。
        物理禁止プレイなんざしたくてもそもそもさせてもらえないのである。

その後

  • 2013年、電撃オンラインによる「ラストリベリオンは本当にごめんなさい」というタイトルのインタビュー記事まで登場した
    • 内容を簡潔にまとめると、当時はほとんどのソフト製作を外部委託に頼っており、委託会社と品質のボーダーラインの認識にズレが生じていたとのこと。
    • 「ほとんどのタイトルで赤字」「業績も相当ダウン」「品質や内容が届かず開発中止になったタイトルもいくつかあった」と、当時の販売状況は散々だった模様。
  • しかしさんざん謝りながら懲りもせずNIS Americaは2013年に『時と永遠~トキトワ~』の欧米版を発売している…
    この『トキトワ』は「物理が役立たずで魔法の性能がぶっ飛んでいる」と本作と正反対の方向でゲームバランスが崩壊していた為、例のフレーズを改変して「装備を変えて魔法で殴ればいい」と言われる羽目になっている。