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ジャンライン - (2018/06/25 (月) 12:27:47) の編集履歴(バックアップ)


この項では、Xbox360『ジャンライン』(クソゲー)、及びPS3『ジャンライン R』(なし)について解説する。


ジャンライン

【じゃんらいん】

ジャンル 麻雀ゲーム
対応機種 Xbox360
発売・開発元 レコム
発売日 2008年9月25日
定価 3,990円(税込)
判定 クソゲー
ポイント 2008年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点
テーブルゲームという安全地帯に埋められた核地雷
ゲームとして破綻しているほど不具合だらけ
同年大賞?前年大賞?とも張り合える出来栄え
亜空カン
パッチで問題点を増加させるという クソゲーの新境地を開いた迷作
「はい」 「はい」 「はい」
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧

概要

  • 恐らくアーケード・携帯アプリの開発が主だったレコムが、コンシューマ進出の足掛かりを作らんとして企画したものと思われる。
  • 麻雀ソフトは当時のXbox360では『通信麻雀対戦 闘龍門』(通称「マチャアキ」)の一本しか無い状況で、価格も手頃なものに設定するなど戦略面では頷けるものがある。
    • もともとボードゲーム・テーブルゲームは、ルールが破錠していたり重大なバグがない限りクソゲーになりにくい(というかまず出ない)ジャンルであるため、誰もがノーマークだった。が、本作は麻雀という広く普及した遊戯を採用しながらルールが破錠している上に、重大なバグが大量にあるため、出ないはずのクソゲーとなってしまった。
  • 2008年KOTY七英雄の一つ。安牌ジャンルのはずがまさか大賞候補にまで伸し上がるとは、誰が予想しただろうか…。
    • ゲームとしてあまりの出来の悪さにKOTYにおいて初の失格判定を下されかけている

(以下、専門用語を多く使っているので麻雀サイトを参照する事を推奨します。とりあえずオススメはこちら)

発売時点での問題点

  • 発売当時から「麻雀の形を成していない」との声が多数上がる。
    • 発売日に早くも公式サイトで謝罪する始末。見切り発車で発売した事がバレバレである。
  • 麻雀の基本部分の不具合
    • 相手の捨牌がツモ切りか手出しか判別できない。
    • 暗カンと明カンの区別が付いていない。
    • ○本場での加点(1本300点)が無い。
    • 点差表示が無い。
    • チーで鳴いた際の牌選択が上手く出来ない。意図しない鳴きをする事もしばしば…。
    • 対子・刻子の中に赤ドラが混じっていると、それらを崩す際に赤ドラしか選択出来なくなる。
    • CPUがありえないぐらい弱い。オープン立直に振り込んだり、風牌の刻子を即行で捨てたりする。
  • オンライン対戦での不具合
    • フリーズバグが頻発する。
    • 対戦部屋を作成したユーザーが必ず東1局の親になる。
    • ランクマッチで切断したユーザーが現れると強制終了。ペナルティも無いため、負けそうになると落ちる輩が多発する羽目に。
    • 同一プレイヤーでの連戦が出来ない。
  • これらの出来に加え、公式サイトで用意したダウンロードコンテンツが追い討ちをかけた。
    • 「社員の声を充てているのでは」と揶揄される程の酷いボイスデータ。
      • しかも、ボイスデータをDLしてもオンラインで反映されない事がある(ホストによる)。
    • ネタキャラにしか見えない恐竜らしきキャラクターアイコン(通称「ジャッシー*1)も2chで話題に。もちろんこれも有料。
    • 無料部分が極端に少なく、有料部分についてもクオリティが低く購入者はほとんどいない。同じ顔データがズラリと並ぶ対戦となることなんざザラ。
  • 尚、公式ブログは麻雀を知らない社員が管理していた。
    • 麻雀のルールも知らない人がユーザーからの苦情にこたえられるわけはない。
    • 「麻雀を詳しく知る人がレコムにいなかったからではないか?」と皮肉を言う者も出た。

番外・ローカルルールへの対応

  • 符計算は切り上げ(例:24符→30符)も切り捨てもしないので、端数入りの符がそのまま表示される。
    • 点数自体は切り上げされた符で計算されている。端数をそのまま表示している麻雀ゲームも少なからず存在するため、好みの問題ともいえる。
  • 九種九牌・四風連打しても流局にならない、四人立直でも流局にならない。
    • 採用される事が多いローカルルールのため、戸惑うプレイヤーもいたようだ。
    • 四人立直でも流局にならないルールは、『麻雀格闘倶楽部』シリーズ(コナミ)や『MJ』シリーズ(セガ)でも採用されており、コンピュータ麻雀ゲームではローカルルールとしての性質が強い。
  • 配牌を始めるためのサイコロが存在しない。
    • これもコンピュータ麻雀ゲームではそれほど珍しくなく、前述の『MJ』シリーズでは親決め・配牌ともにサイコロを使わない。*2

パッチリリース後の問題点

  • 公式サイトで謝罪するとともに、即パッチを充てる事を宣言したレコム。「年内に間に合うのか?」とも噂されたが、年も末の12月ついにリリースされる。
    • 元々2008年KOTY候補作の中でかなり弱い方であり、パッチによる修正で改善され選外になると思われたが…。
  • だがその直後にフリーズ頻発が報告されるなど、逆に問題点が増加。パッチ=改善という概念が見事に覆された。即ち 年末の魔物 が過去のゲームに襲いかかったのだ。
    • フリーズ頻度激増、ゲームスピードの低下、カーソルを動かし続ける事でCPUが鳴きをしなくなるなど、負荷が大きくなる事による不具合の発生。
    • にも関わらず、切断ペナルティを実装。対局すらままならなくなる。
    • 接続切断してメインメニューに戻る画面では、「メインメニューに戻ります」との問いに現れる選択肢に「はい」だけが3つ並ぶ
    • 捨牌とツモの表示タイミングがおかしくなり、先ヅモ*3をしているかのような描写に。実物の卓での先ヅモは、揉め事の元になる行為である。
    • 上記と関連するかどうかは知らないが、あがった途端に別の人があがったことになってしまう。
    • アーケードの脱衣麻雀を髣髴とさせるような、「この手で上がって下さい」的な配牌が現れる(「国士無双が短時間で3回出た」などという信じられない報告も)。
    • 自分の牌の一つが時々斜めに傾く事がある。
    • 同じ部屋で連戦すると、牌を飛び飛びにしか選択できなくなる(連戦で1個飛ばし、3連戦で2個飛ばし…と連戦数に比例する)。もはやまともに牌を捨てる事すら困難である。
    • 以前の不具合は直っている部分と直っていない部分がある。無理に年内に間に合わせようとした感が窺える。
  • なお、Xbox360のゲームは全て起動と同時にパッチが否応なしに反映されるようになっているため、この改悪パッチは回避不可能である。
  • 当然ユーザーの怒りの声は収まる筈も無く、公式ブログ&掲示板を閉鎖、電話応対もままならず、メールにも自動返信で対応するなど逃げを打つ。

亜空カン

  • 麻雀の態を成さない様々なバグが話題になったが、中でも特筆すべきものは「亜空カン」とまで揶揄されたカン関連のバグである。*4
    • バグ画像で盛り上がったのがパッチリリース後なため、「パッチによってこれらのバグが現れた」と思われがちだが、カンした牌に違う牌が混ざるバグはパッチ以前から起こっていた。
  • 同一の牌が4枚揃いカンをすると、槓子に違う牌が混じって晒される(例:白をカンしたら一萬と三萬が1枚ずつ混じって晒され、余った白2枚は手牌に残ってしまう)。
    • 加槓で違う牌を加える、チーした牌に加槓するなどという訳の判らない事態も。
  • カンしたのに3枚しか晒されず多牌になってしまう
    • 明カンの場合、下家の牌を奪ってしまい、下家が少牌になってしまう事も。
  • 四開槓でも流局しない。それどころか5回目の槓も出来てしまう。
    • 四開槓でも流局しないルールもあるのでそれ自体はいいのだが、5回目の槓はできないのが普通。
    • 真ん中のドラ表示牌の部分にはリンシャン牌が表示されていない。一体何が起こっているのだろうか?
  • こうしたバグが起これば上がれなくなる(実際の麻雀ではチョンボ扱いだろうがこのゲームにはそうしたシステムは無い)とされてきたが、多牌にならなければアガれてしまう事が判明し驚愕の声を上げさせた。
    • 実際の麻雀では多牌は発覚時点でチョンボ(アガリ放棄で続行するルールもある)、少牌は原則チョンボを取らずにそのまま続行(もちろんアガることは不可能)である。
+ AA
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ちなみに、このAAで描かれているのが先述したジャッシーである。

+ 実際の亜空カンの様子
  • 亜空カン以前に気付くこととして、まるで前の人が牌を切る前にツモっているかのように見えるだろう。タイミングよく一時停止すればより明らかに先ヅモしていることがわかる。
    • CPUがポンしたときでも、牌を切る前に「ポン」と言っているように見える。
  • そして肝心の亜空カン。自分が多牌になった他、下家が少牌になったことに気付いただろうか?

補足

  • 実は麻雀には完全に統一されたルールというものが存在しない。一般的に採用されている(とされる)ルールはあるものの、それで定義しきれない細かい点が違うことは良くある。
    • 知りあいと打っていたらルールの違いで揉めた、あるいは打つ前にどのルールを採用してどのルールは不採用にするか議論になった、という経験は雀士ならたいていはあると思われる。
      プロ団体もいくつかあるが、各団体で採用しているルールでさえ細目が異なることもある。
      麻雀はそれほどまでにローカルルールが多いゲームなのだ。
  • そのため、一部は(注釈にある通り)ローカルルールの範疇と捉えることもできなくはない。
    • 細かいルール設定が行える麻雀ゲームも珍しくないが、当作はオンライン向けであることを考慮すれば仕方ないだろう。
  • といってもそれを考慮する余地がないまでにバグが多いのはいかんともし難いと言わざるを得ない。
    • 「麻雀ゲーム」ではなく「ジャンラインというゲーム」だと言っても過言ではない…かもしれない。

評価点

  • 2対2で戦う通信オープンデュオ対局という画期的な対局モードが用意されている。
    • …なのだが、前述するバグのせいでまともに対局することは出来ない。
  • メジャー2同様クソゲーのお約束としてBGMは良質で、雰囲気がよく出ている。
  • グラフィックは水準には届いており悪くはない。
  • パッケージはかっこいい。まぁゲームの内容がコレなのでパッケージ詐欺とも言えるが。
  • 定価が安いこと。中古なら1,000円以下で出来るためクソゲー入門には適している。

総評

前代未聞の商品失格レベルな強制改悪を食らったゲーム。
しかもその改悪度合いは10年に一度レベルという、ファミコン時代でもめったに現れないレベルのクソゲーである。
このような質のクソゲーが、前年から立て続けかつ2本も同年に現れた2008年は呪われていたのかもしれない。

KOTYにおいて

  • ややハードルが高い麻雀というジャンルのゲームであるうえ、同じ多数のバグでもわかりやすいインパクトに欠けたか、年明け1ヶ月以上にわたり繰り広げられた『メジャー2』との激しい大賞争いに敗れた。
    「原作レイプ」「商法」「取っつきやすさ」等は四八?ショックにより考慮されなくなった…はずなのだが、
    『別々の年に出ていたならば両方大賞になり得た』とまで言われた出来の酷さは、皮肉にも過去の基準を考慮に入れない限り決着がつかない程拮抗していたのだ。

ジャンライン R

【じゃんらいん あーる】

ジャンル 麻雀ゲーム
対応機種 プレイステーション3
発売・開発元 レコム
発売日 2009年8月6日
価格 3,990円(税込)
判定 なし
ポイント 不安とは裏腹にXb360版から大幅改善
それでも細かな不具合あり
良くも悪くも普通の出来
誰得ゲー

概要(R)

  • ジャンラインのPS3移植版。バグや手抜きという言葉だけでは片づけられないあまりにぶっ飛んだ麻雀ゲームとして話題になったジャンラインのブランドを引き継いだ作品が発表されたことには、ユーザーからの多くの驚嘆と戸惑いと「またやらかすのではないか」?という期待の声が上がった。

評価点(R)

  • バグの大半がなくなり、普通に対局できるようになった。
    • これにより漸く画期的な対局モードであるオープンデュオ対局を楽しめるようになった。
    • パッチは懸念された不具合等はほとんどなく、便利になる修正が多かった。
  • アバターが作ることができ、そのパーツも有料だが豊富。ボイチャやカメラも使用できる。
    • 対局中いつでも相手のアバター、カメラ、チャット等をオンオフすることもできる。

問題点(R)

  • 連続プレイの決定権が部屋主にしかない。
  • アバターのパーツが一つ一つが高い。

総評(R)

不安とは裏腹に前作の致命的な部分が改善され、遊べなくはない麻雀としての評価に留まっている。

余談(R)

  • 初週売上が300本。前作の悪判のせいか、それ以前に入荷しない店が多かった。Amazonでも発売日に商品イメージが用意されず、カスタマーが暫定的にパッケージ画像を載せるような事態になっていた。
    • 現在ではちゃんとイメージが公開されている(暫定として公開されていたカスタマーイメージも削除されている)。
  • クソゲーオブザイヤー2009に選考されたが、候補に挙げられるレベルに達していないとの理由で、大きく持ち上げられる事は無かった。
  • その売上本数に影響があったかは定かでないが、本作発売の約1週間前に、ダウンロード販売で500円の『THE 麻雀 ~通信対局機能付~』(開発は本作と同じレコム)が配信されてしまっていた。内容はジャンライン程ではないが、問題点があり微妙。