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サイベリア - (2016/05/06 (金) 01:14:09) の編集履歴(バックアップ)


サイベリア

【さいべりあ】

ジャンル シューティング
対応機種 セガサターン
プレイステーション
発売元 インタープレイ
発売日 1996年2月16日
定価 5,800円
分類 クソゲー
ポイント 説明書≒攻略本
ストーリーなんてなかった
1994年クオリティのグラフィック
方向転換の度にフリーズ
謎の無音
日本人の考える洋ゲーを体現するかのような鬼畜難易度

概要

3Dレンダリングによる美麗なグラフィックや、豪華な吹き替え声優陣を売りにした洋ゲー。
内容としては『バイオハザード』のような3D探索をメインに、要所要所でパズルやシューティングなどのモードに移行する。
敵弾に突っ込んでパワーアップという斬新な内容で多くのシューターを虜にした縦スクロールSTG『サイ"ヴァ"リア』や、ファミリーレストランチェーン店『サイ"ゼ"リヤ』との関連性はもちろん全くない。

問題点

デザイン・グラフィックについて

  • パッケージ裏の宣伝文句でも「3Dレンダリングで美しく表現されたキャラクターを操作。戦闘中の背景から宇宙船内のメカにいたるまで、画面展開もリアルなレンダリング画像を採用しています」とグラフィックは売りのように扱われているが、正直『美麗』とは言えない稚拙な出来である。
    • 1996年には、3Dを主体としたゲームでは『鉄拳2』や『トバルNo.1』、そして先ほど比較対象に挙げた『バイオハザード』が発売されている。それらと比べるとサイベリアのCGは明らかにレベルが低い。
    • キャラクターは皆妙にてかっており、造形のレベルも高いとは言えない。例えば主人公のザークは全身にパイロットスーツのような薄手の身体にフィットしたスーツを着込んでいるのだが、光の加減でかなりの頻度で全裸に見える。サングラスもまるで顔面に張り付いているかのよう。
      • このサングラスは実は「ブレード」と呼ばれる各種センサーを内蔵したいわゆるバイザーのようなもので、「ブレードは顔に貼り付けるように装着するもので、サングラスとは違う」と考えれば、一応擁護できないことはない。
      • モーションは一見普通にぬるぬると動くように見えるが、方向転換のモーションが無い。別の方向をむこうとすると一瞬フリーズし、直後にその方向を向いた状態で現れる。「ヤシガニ屠る」じゃないんだから。
    • だが、これよりもっとひどいのがゲーム前半に登場する女性・ジイア。
      + こちらを見ていただきたい。
    • おわかりいただけただろうか。ブサイクを通り越して人間の顔かどうかを疑うレベルである。
      • ゲームに登場する女性の顔はどれもジイアと似たり寄ったりの超絶的ブサイクであり、萌えもクソもあったものではない。
    • キャラデザそのものもどこかおかしく、どう見ても假屋崎○吾なザークの上司デブリンなど、全力でプレイヤーの腹筋を殺しにくる。
    • この時代錯誤なグラフィックには理由があり、そもそもサイベリアはPS用に作られたゲームではなく、約二年前の1994年にMS-DOS用のゲームとして作られたという事に起因する。本作はPSへの移植であり、おそらくはDOS版から何も変更を加えずに発売したのだろう。つまり、グラフィックのレベルが2年前の物なので、劣っているのも当たり前。発売前の空白の二年で、改善はいくらでもできたであろうに…。
    • ステージや背景のグラフィックは割と悪くない。

ゲーム内容について

  • ゲームは探索と戦闘を組み合わせたいわゆる『バイオ』や『エネミー・ゼロ』のようなもの。だが、内容はそれらとは雲泥の差である。
  • まず探索についてだが、比較的操作はバイオハザードに近いものの、進める場所はある程度限定されており、実際は「ステージに引いてある見えないレールの上を自由に動ける」と言ったほうが正しい。
    • この中で気になる場所を調べたりして進んでいくのだが、すでに探索の段階でプレイヤーを殺す罠が満載。
      + 以下、一例。
    • 序盤、基地に降り立ったザークがある場所を歩くと足元のオイルで滑って転ぶのだが、これを2回続けると頭を打って死亡。
    • こちらも序盤、ある場所を調べると謎の液体がザークの指を溶かして唐突にゲームオーバー。
    • 基地に進むと先ほど紹介したジイアがこちらに銃を向け、「ゆっくりこっちを向いて、武器のカートリッジを頂戴」とプレイヤーに武装解除を要求するのだが、ちょっとでも振り向きが速いと死ぬ。遅くても(何もしなくても)撃たれて死ぬ。
    • 敵の基地のある一室に踏み込むと、踏み込んだ途端に敵の監視員が謎のシステムを作動させザークは苦しみもがいて死ぬ。
    • TF-22という戦闘機を操作する場面があるのだが、乗り込む前に機体に仕掛けられた爆弾を発見しないと基地が木っ端微塵になって死ぬ。
    • 寒い場所にザークを放置しておくと勝手に凍えて死ぬ。
    • ほか、中盤からかなりの頻度で敵が死角から突如攻撃を仕掛けてきて後述するシューティングモードに突入する。もちろん、反応が遅ければ容赦なく撃ち殺される。
    • 初見殺し自体は他のゲームにもおおいにある要素で問題はないのだが、サイベリアにおいて問題なのは「常に初見殺しのような状態が続く」と言えるほどの初見殺しの量、そしてプレイヤー側に初見殺しを察知するためのヒントがほとんど与えられないという二重苦である。
    • それを見越してか、ゲーム内のチェックポイントは結構多い。それでバランスを取ったつもりか。
  • また、探索ステージは全くBGMが無いことも多い。
  • 道中で何度か遭遇するシューティングは、物陰に隠れながら敵の兵士と銃撃戦を行うというもの。これに前触れがあるならまだいいのだが、これが探索中に突然起こり、多くの場合反応できずに撃ち殺されてしまう。
    • 始まったら始まったで敵を撃つには「物陰から出る>相手に銃を向ける>発砲」という手順を踏まねばならず、相手を攻撃するのにいくらかもたついてしまう。それに対して相手は超反応でこちらを的確に銃撃し、ゲーム後半では数で押してくる。
    • また、先述したTF-22や機銃砲座で主観視点のシューティングを行う場面があるのだが、これが超絶的に難しい。
    • 特に序盤の機銃砲座シューティングは鬼の難易度。例えるなら難易度Lunaticのキジュー、あるいはインタープレイ版サルベーション
      • 銃座の可動範囲が狭い上に常時処理落ちしたかのようなカクカク具合で敵を狙いづらい。その上敵は物量で押してくるので、たった一人のプレイヤーは殆どの場合為す術がない。
      • 何故かレーダーがあるが、ほとんど役立たず。
      • 銃座シューティングに失敗すると基地が木っ端微塵に吹っ飛ぶ。銃座シューティングを終わらせないと吹き飛ぶ基地を何回どころか何十回も見続けることになる。?しかも困ったことに、この銃座シューティングは序盤で起こるイベントである。クリアできなければサイベリアウエポンの真実にたどり着くどころか、次のステージにさえ進めない。
    • 戦闘機でのシューティングも、敵の攻撃は弾を撃ち落とすか攻撃する前に撃破するしかない。回避という選択肢はないのだ。
    • 一応パズルとシューティングはそれぞれ三段階で難易度を設定できるのだが、どちらかは必ず中級以上にしなければいけない。理解不能。
  • パズル・謎解きは基本的にノーヒントだが、その内容は説明書を読んでいればすぐにでも解けるほど簡単なものや、クリアを困難にさせるほど難しい物も存在する。
    • 最初のTF-22の爆弾の解除は非常に難しく、しかもこれまた序盤に登場する。クリアさせる気はあるのか。

ストーリー・その他

  • はっきり言ってストーリーは超展開であり、ないようなもの。
    • 一応の筋書きとして、主人公のスーパーハッカー・ザークは国家に対する危険分子として捕らえられていたものの、保釈と引き換えに謎の建造物「サイベリア」への潜入、そしてそこで研究されているという超兵器「サイベリア・ウエポン」の正体をつかむというミッションを受け、サイベリアの謎へと迫る…というストーリーが存在する。取扱説明書ではやけに凝ったキャラクター解説や奥の深そうな設定が見え隠れし、プレイヤーの期待を膨らませてくれるのだが…。
    • ところがどっこい、劇中でそのストーリーに付いてほとんど語られることはなく、ゲームは淡々と進んでいく。ゲーム中でも物語の理解を助けるようなヒントなどがなく、プレイヤーは状況を理解するどころか、二転三転する状況と難易度に振り回されながら淡々と進んでいくことを余儀なくされる。
      • そして最後の最後には、理解不能の超展開が待ち受ける。
+ 最後の展開について・ネタバレ注意
  • サイベリアの最深部にたどり着くと、ザークはウエポンとおぼしき銀色の謎の生命体と接触する。どうやら、その生命体こそがウエポンらしいのだが…。
    • 直後、デブリンから通信が入り、唐突に「ウエポンはお前だったんだよ、ザーク」と言われ、これまで触れられもしなかったザークの頭に埋め込まれた核爆弾の存在が明らかになる。
    • しかし、唐突にウエポンはザークに「自分と融合すればザークは死を免れる」と提言。ザークはウエポンと思しき生命体と融合し、銀色のひしゃげた菱形のような形態となって宇宙に飛び出していく。ウエポンは瞬時にデブリンとの通話を逆探知し、デブリンの居場所が宇宙にあることを突き止め、これまた唐突に「抹殺シマス」とデブリンの抹殺に赴く。
    • そして、デブリンの宇宙要塞を攻撃する最終面が始まる。最終面はこれまでなんどかあった3Dシューティング形式であり、正直最初の銃座シューティングよりぜんぜん簡単。その難易度設定はおかしい。
      • そしてデブリンを抹殺するとザーク(ウエポン)は地球に墜落し、エンディングに突入。エンディング内でザークが何者かに回収された、という内容の通信を聞くことができる…つまりは、思いっきり『2出しますよ!』という引きが入っているのだ。
      • 実際に海外では『サイベリア2』が発売された模様。
      • サイベリアを占拠した組織の目的とは?結局ウエポンとはなんだったのか?デブリンの思惑とは?重要なことに一切触れぬままにゲームは終了する。脳内補完しようにも、与えられた情報が非常に少ないため困難を極める。

評価点

  • 極悪な難易度を相殺するためか、説明書に「攻略の手引き」が記載されており、そこに攻略本レベルのヒントが載っている。
    • そのため、説明書を読みつつプレイすれば死亡回数はかなり減らせる。しかもこの攻略の手引にはかなり後半の謎解きに関するヒントが載っており、極めつけは最終ステージ『サイベリア基地』の見取り図が載っている。なんとも歪な難易度調整の仕方ではあるが、これで極悪難易度を相殺していると考えられなくはない。
    • あれ、こんなゲームが前にもあったような……頭が痛い…。
    • また、先程も述べたようにチェックポイントがわりと頻繁にでるので、死にやすいが、死ぬ直前の状況への復帰も簡単にできる。
  • フルボイスである。
    • 当時のゲームとしては珍しくキャラクターは全編フルボイスであり、なんとゲーム開始前のネームエントリーにも声が当てられている。
    • だが、このネームエントリーの『声の人』は実にウザい。何故かというと、文字を入力するたびに入力した文字をしゃべる上に、文字を削除するときにもしゃべるため、耳障りなのである。文字を連続で消すときは音声がダブり「さく「さく「削除」」とかさなって聞こえるためますますウザい。
    • 難易度調整画面でも、難易度を選択するたびに「初級」「中級」と丁寧にしゃべる。その労力を本編に向けろ。
    • また、フルボイスであり、台詞の文字おこしが表示されず流れるように話が進む点は評価されることが多い。
  • グラフィックについて
    • 1994年初頭のCGのレベルを基準に考えればまぁ、よくできた方と言える。

総評

一昔前の日本人が考える洋ゲー像(理解不能なキャラデザやCGの多用、極悪難易度など)を体現したかのような存在であり、その難易度は不安定で済まされるような生易しいものではない。
多種多様な死に様からバカゲーと捉えることもできるが、そのバカゲーポイントに付いても極悪すぎる難易度がほぼ完全に相殺してしまっている。
「ゲーマーのどの層をターゲットに考えて移植したのか?それも発売の二年後に?」という疑問ばかりが浮かぶ、正しく誰得な洋ゲーである。