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時と永遠~トキトワ~ - (2017/07/15 (土) 06:57:30) の編集履歴(バックアップ)


時と永遠~トキトワ~

【ときとわ】

ジャンル アニメーションRPG


対応機種 プレイステーション3
発売元 バンダイナムコゲームス
北米/欧州:NIS America
開発元 イメージエポック
パオン
発売日 2012年10月11日
欧州:2013年6月28日
北米:2013年7月16日
定価 通常版:7,980円(税5%込)
限定版:9,980円(税5%込)
輸入版北米:6,300円*1
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 クソゲー
ポイント 2012年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点
売りのアニメはカクカクで終始手抜き
超展開と世界観ガン無視の寒いギャグと下ネタ
装備を変えて魔法で殴ればいい
「ひ、ひどすぎるよー!」
備考 北米及び欧州版のタイトルは Time and Eternity
欧米版参考サイト
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧


概要

世界初のHDアニメーションRPG」と銘打たれたRPG。その宣伝のとおり、キャラクターモーションはドット絵やCGレンダリングではなくアニメーションとなっており、移動や戦闘などをアニメのキャラを動かしてプレイするというものになっている。
キャラデザは『<物語>シリーズ』のイラスト担当で有名な「VOFAN」氏が担当。声優陣も花澤香菜氏や喜多村英梨氏と人気声優を揃えている。
発売前には隔月刊雑誌『ジャンプSQ.19』にて漫画版が短期連載された。

…しかし、YouTubeにて配信されたPVを見たユーザーからは「誇大宣伝」「また地雷か」と酷評され、そのあまりの酷さに2chの本スレは大いに荒れ、次スレを立てた人物が社員の工作扱いされるほどの荒れっぷりを見せる。
いざ発売してみれば前評判は的中し予想通り地雷…どころかそれ以上の何かであり、その出来は公式サイトのミニゲームでのセリフ「ひ、ひどすぎるよー!」という一文で表現されるようになった。


問題点

アニメーション

  • アニメを売りにしているのに、肝心のアニメの作画枚数が少なく、動きがカクついている
    • その動きの悪さはPVの時点で露呈しているほど。
    • また移動・戦闘では、線の少なめなアニメキャラを3Dマップにブチ込んでいるためキャラが妙に浮いている。そういえばPS時代にそんなゲームがチラホラあったような…。
      • ちなみにCMでは「世界の全てがアニメで描かれる」と大嘘をついている。
    • 挙句、イベントシーンでは音声と口パクが合っていない事も多い。ひどい時には口パクすらせずに喋る事も。まるで腹話術である。
      • サブシナリオでは逆に音声が全く出ず口パクだけでイベントが進行する。
  • キャラクターのモーションや声のバリエーションも少なく、同じ声ばかり聞くことも少なくない。

ストーリー

  • オープニングでは主人公とヒロインの結婚式が行われるが、何者かに襲撃され主人公は死亡してしまう。
    これを食い止めるため、ヒロインは時間をループして原因を突き止めていくことになる。
  • このように実質的な主人公はヒロインであり、操作するキャラも彼女達となる。
    • 上では「彼女“達”」と書いたが、これはヒロインが二重人格――素直で元気な「トキ」とクールでツンデレな「トワ」の二つの人格を持つため。ちなみに主人公の魂はヒロインがタイムスリップする際に巻き込まれ、小さなドラゴンの姿に変わっている。
  • このように、事前PVでも見られたあらすじはショッキングな展開から始まるので、一見シリアスな王道路線のシナリオに見える。…しかし、本作では緊迫している場面だろうとことごとく茶化しにかかるという全く空気の読めていないサムいコメディシーンが事あるごとに捻じ込まれる。早い話が スベっており 、雰囲気を木端微塵に粉砕したまま陳腐でサムいストーリーが展開される。以下に具体例を挙げていく。
    • 「ヤムロ、揚げま~す!」などに代表される、その辺の中高生が思いつくレベルのしょうもないパロディネタの数々。小牟*2のマネでもしようと思ったのか?
    • 強そうなドラゴンに契約を破棄させるため、「インチキな選択肢を突き付けられたから、消費者センターに駆け込むと言っても?」と反論。しかも、ドラゴンは「消費者センターは…まずい」と本気でうろたえ始める。…いくらギャグのつもりであっても、世界観くらいは守ってください。
      しかも、その後の戦いにて「消費者センターはやめろぉ!」「最初からそうしていればよかった」という会話が続く。このように、空気の読めないネタをブルドーザーでゴリ押すような展開が終始繰り広げられる。
    • ラスボスの動機が「毎日ナイター中継を見て過ごしたいから」某ラノベのマネをしてるつもりなのだろうか?
      より正確に言うなら、「他者の思い出をエネルギーとして使えば時間を自由に操れる、そんでそれを使って楽しい時間を永遠に繰り返したい」。…中途半端にシリアス要素を捻じ込んでいるせいで不快ですらある。
      それに対する主人公の反論「お前は間違ってる!ナイター中継は、毎日はやってない!」…まぁ、これも王道展開をネタにしているつもりなのだろうが…うん…。
    • ラスボスとの戦闘中に、戦いながら謎の早口言葉対決が繰り広げられる。
      • それらに毎回、いちいちくどいほどにツッコミを入れる主人公。「カクザ島」「オサ島」「グラニュー島」などというネーミングセンスへのツッコミはスベりの上塗りである。そのくどいツッコミのせいで戦闘のテンポまで悪くさせており、緊張感も皆無。根っから緊迫感などあったイベントではないが。
      • なお島の名前に関しては、片方のルートラスボス前で主人公がツッコむ*3。いや…もう遅いよ。
      • 余談だが島の名前の数々がまったく同じものが過去のゲームにある。
    • 開発元であるイメージエポックの社長・御影良衛氏をモデルとした「ミカゲール」なるキャラクターの存在。とにかく言動がウザい。「ここの料理美味しいからちょっと太っちゃったんだよね。フヒ」。
    • 肝心の主人公(CV:代永翼氏)も、スケベ心丸出しで気持ち悪いと悪評。繰り返すがセクハラ行為を繰り出す小さなドラゴンが主人公である。
      • 上記にあるように、冒頭で主人公は死ぬわけだが、この時点でその下品さの片鱗を見せ付けてくれる。断末魔のセリフが「僕は100%カッコよく、間違い無くモテる!」。何を言っているんだお前は。
      • お陰で冒頭のシリアス感も丸潰れ。終始ふざけてるだけのシナリオだという事を思い知らされる。
      • 『普段はスケベでお調子者だがその奥底には強い信念を持っており、いざという時は頼れる』というポジションのキャラは古来から存在するが、この主人公はその範疇にすら到底及ばない、単なる下劣な変態で終わっている。一体どの層の人間を狙ったキャラ付けなのか理解に苦しむ。それが小さなドラゴンの姿で終始セクハラ発言ばかりしているというのだから直視に耐えない。こんなのと結婚を考え、命がけで守る程に惚れ込むヒロインの価値観も大概である。もっとも、そのヒロインもシナリオ中の描写がまともかと言うと、そんな事は全く無いので、ある意味お似合いという見方もある。
      • ペットとして飼われていたらしいドラゴンと融合してしまったようだが、なぜ融合してしまったのかや、なぜ現代に戻ると元に戻るのかも不明。ご都合設定である。他の設定や描写も悉く必要な掘り下げが成されておらず、上っ面だけ飾ったようなものも散見される。
    • おそらく女性を対象として作られたであろう結婚式で使うサムシング・フォー*4を集めるシナリオも、小学生レベルの下ネタ的やり取りが入り台無しにしてくれる。
      • とくにそのサムシング・フォーのうちひとつの引き渡し場面では、「恥ずかしいから見るなよ」→画面暗転→気張っている様子→ ブリュリュリュリュ…ボトンッ →「あー、スッキリした」
        少年雑誌でのギャグ漫画レベルであり、美少女をウリとしている作品で決してやってはならない類、しかもこういった慣習に対する冒涜と、どこに出しても恥ずかしい最低の文章である。これを世に出すことにスタッフは何も抵抗も感じなかったのだろうか? クソゲーたる所以がわかっただろう。
    • VOFAN氏のイラストからは幻想的で落ち着いた雰囲気も想起されるが、そのような雰囲気は本作には欠片も存在しない。そもそも、氏の作風は全編アニメの本作には全く合っていない。しばしばあることではあるが、本作の雰囲気を完全に誤解させている。
  • 以上のように、単なるつまらなさという以上に、見ているこちらが目を逸らしたくなるような痛々しさがにじみ出るシナリオとなっている。
    • 恐らく『王道シナリオをネタにしたコメディ』を目指していたものと思われるが、それらがことごとくスベっている上「とにかくゴリ押そう」という意図が丸見えな為、ヘタな電波や鬱シナリオ、アウトローな展開よりもプレイヤーの不快感を煽る結果となってしまっている。
    • 世界観と大きくかけ離れた現代&パロネタのゴリ押し」「大元のシリアス気味な背景を徹底的に裏切る形での挿入」「その他の展開や設定の掘り下げ、整合性も拙い」…等、様々な要素が悪循環した結果と言えよう。ギャグが面白く、その他の見せ場の強調や設定の突き詰めをしっかり行っていれば、賛否こそあれど1つの演出手法として評価されていたであろうが…。
  • 本作のシナリオ担当はアニメ版「妖怪ウォッチ」のシリーズ構成を務める加藤陽一氏。
    • 同アニメではたびたび本作を髣髴とさせる下ネタ・パロネタが多数挿入されるが、こちらはもともと対象年齢が小学生であり、作風もそうした類のネタに合致している為好評を得ている。
    • つまるところ、対象年齢が高めに設定されている萌え系ゲームに、小学生向けの下ネタとその場の勢いだけで繰り出す幼稚なギャグを混ぜ込んで前面に押し出しているという事である。こうした想定されるユーザー層を完全に無視した作劇がシナリオを『つまらない』以前に『痛々しい』と思わせるのに一役買ってしまっている。
+ そしてエンディングまで手抜き
  • 上記にあるように、ヒロイン『トキ』には、『トワ』という別の人格がある。髪の色も違う。
    本作にはトキとトワのそれぞれの好感度を表す「LOVEメーター」というシステムがあり、トキとトワの愛の重さのバランスを閲覧することができる。
    どちらか一方が増加した場合、もう片方が減るようになっている。
    • ただし、このメーターが意味を持つのは後述のトゥルーエンドの条件を満たすかどうかの判定だけ。
  • トゥルーエンドの条件を満たさない場合、ラスボス戦前の選択肢によってエンディングでトキとトワのどちらの人格になるかが決まる。
    • しかしトワ版は花嫁のグラフィックも、エンディングの内容もトキ版の使い回しであり、髪の色の違いについては、「まるでトキみたいだ」の一言で片づけられてしまう。そもそもこの発言ではトワが報われない。
    • これでは、何のために複数エンディングが用意されているのかわからない。
  • 2周目以降はLOVEメーターをトキとトワの中間に調整出来るようになるので、このゲージを中間にしてクリアすることでトゥルーエンディングが見れる…が、こちらも手抜き。
    • トゥルーエンディングでは結婚式シーンカットでのCG1枚が表示されるのみで、CGを見終わると唐突にスタッフロールへ移行する。~これだけである。そしてそのCGでは、何故かトキとトワが分裂して二人同時に結婚式にいる。 二重人格の二人が、なぜ別の人間として外に出られているのかについての説明はゲーム中では一切されない。
    • その理由は限定版購入時に付いてくるドラマCDでのみ真相が語られる。つまり、ドラマCDの付属しない通常版を購入したユーザーはその真相を知ることができない。
      • …と思いきや、実際はドラマCD内でも「どうしてこうなったんだろう?」「それが……どうしてなのか、私にも全くわからないんだ」「きっと、僕らの愛の力が奇跡を起こしたんだよ」などと言った1~2分程度のちょっとした会話で流されて有耶無耶になるだけなので、上記の表現は厳密には正しくない(勿論悪い意味で)。

戦闘システム

  • ドラクエ1』のような1対1方式。複数敵が現れた場合は、1体倒すたびに次の敵が1体現れるという連戦方式。
    • この形式自体は良いのだが、ゲームバランスやテンポの調整に難が多く、かなり乱れている。
      序盤はまだしも、ゲームが進むにつれてやたら敵が堅くなり、戦闘自体の面白味も乏しい為テンポだけがどんどん悪くなっていく。
    • 敵が1体ずつしか出てこないことについて製作者のインタビューでは、「アニメーションをそのまま描画する都合上大量にメモリを消費するため、キャラクターを画面中に大量に出すことは不可能だった」と語られている。
  • 敵のパターンも非常に少なく、多くが既存の敵の色を変えたものばかり。色違いを除けば種類数はボスを含めて20体程度。 FCの初代ドラクエですら同条件で15体*5いるのだが…その何万倍以上もの容量を持つPS3のソフトでこの少なさはかなり目につく。
    • アニメーションという仕様上、色違いの敵は当然行動パターンも同じなので、敵ごとの少ない対処法さえ覚えてしまえば作業ゲーと化す。
    • パラメータ管理もずさんで、同じ場所に出てくるのにあらゆるステータスが全く一緒*6の敵2体が存在したりする。
    • また得られる経験値や金銭などが異様に低く、序盤と終盤とで得られる経験値が2倍程度しか増えない
    • ただ装備品の補正が異様に高い為、強い装備を付ければレベルが上がって無くとも十分やっていける。これを救済策と呼んでいいのかは分からないが…。
  • 武器は銃と剣の2種*7。アクション要素があり、遠距離では銃での狙撃、近距離では敵の攻撃をかわしつつ剣で一撃を与える。そうやってSPゲージを溜め、隙を見て魔法&体術による一撃を与える…等一見バリエーション豊か。これをアニメーションで行えるのが本作の大きな売りの一つであるわけだが…。
    • それしかできない。トキとトワで戦法が大きく違うという事もない。
    • 魔法の攻撃力が異常に強く、中盤からでは魔法の組み合わせで状態異常まで与えられる。魔法ほど強くないが体術もまた有効なダメージソースとなる。一方、通常攻撃の威力は雀の涙で、ほぼSPゲージを溜める為の手段でしかない。
    • 最初の攻撃魔法だけでも4000ものダメージを与えられる。ちなみに通常攻撃は70程度。物理攻撃涙目。誇張抜きで「装備を変えて魔法で殴ればいい」のだ。最後まで
      • これと似たようなゲームが過去にも。
      • あの「装備と魔法は役立たず、レベルを上げて物理で殴ればいいゲーム」とは見事に正反対なことをやっている。
      • 流石に終盤になると魔法を当てる隙が少なくなり、いかにして隙を作るかという戦略を楽しめなくもない。やってる事は全く同じだが。
      • 中盤以降のボスは異様に魔法耐性が上がるため、ボス戦に関しては殴った方が速い連打ゲーである。*8
      • 物理攻撃は連打でコンボを繋ぐ度に威力が上がるため、耐久力の高いボス相手に物理攻撃のコンボを決め続ける爽快感はある。時魔法(クイックタイム)と物理攻撃を組み合わせてボスを完封できた時は意外に気持ちが良い。
    • ちなみに回復魔法よりも回復アイテムの方が効果が強い上に、回復アイテムは戦闘中ほぼ任意のタイミングで使用できる。回復魔法を使用するメリットがほぼ無い。
  • ドラゴンと化した主人公も戦闘に参加するがAI。マニュアル操作などは一切出来ず、特別頼れる訳でもない。とことんなまでに主人公(笑)。
    • これらの点は、アニメーションの質そのものとは全く別の問題でいくらでも調整・用意のしようがあった筈であり、擁護の余地は少ない。

デュアルソウルシステム

  • レベルが上がるたびに、人格がトキからトワ、トワからトキへと交互に入れ替わるというもの。
    • つまり、レベルが上がるたびに別のキャラに強制的に変わり、自由に入れ替えができないという仕様である。
      育成の自由度、キャラへの拘り等様々な点から任意での入れ替えにした方が評価を得られると思われるが。
      • 新しいスキルを覚えた瞬間に入れ替わるので、せっかく覚えたスキルを使えないこともざら。パラメータとスキルは二人で別々に扱われるため、レベルアップしたのに弱くなってしまう事も。
    • 挙句、スキルとパラメータはほとんどがコンパチ仕様。しかも勝利ポーズなど各モーションもトキとトワとで全く同じ。ここは多少手間隙かけてでも、ある程度は差別化をしないと目に見えて不自然になる部分の筈だが。
      • その癖2人の性格は真逆なので、「スレたクールな台詞を呟きながらウィンク&ピースするトワ」など、台詞とモーションが全くそぐわない場面が頻発する。
      • 銃を連発する時のトキの台詞「止まら止まら止まらないわよ!」等シュールな場面も*9。どこのダイアキュートですか?*10
    • 任意でトキとトワを入れ替えることができるアイテムが(ゲーム内非売品であるが)手に入る。そのアイテムは「コショウ」。どっかで聞いたことのある様な‥‥

その他システム面

  • マップ上での移動はFPSやTPSと同じラジコン方式。つまり方向キー左右でカメラ操作し、上下で移動するというもの。
    • マップがあるとはいえ方角を把握しづらく、プレイヤー的には常にトキ&トワの尻と絶対領域を拝める位しか利点が無い。アニメ制作は時間と費用がかかるとはいうものの、横向きのアニメを作る余裕すら無かったのだろうか?
    • 一部のTPS的なボス戦では方向キーやスティックで直接移動させるのだが、やはり横向きのアニメは無いので左右に移動する時も常に前進のアニメーションで移動する。プレイヤー的には常に尻(ry
  • サブクエストは116種もあるが、「モンスターを討伐してこい」「この人に会ってこい」「これを探して欲しい」の3種のお使いイベントのどれかしかない。
    • 内容もありがちな悩みを普通に解決するだけのつまらない小話で、しかもそれが続き物になって使い回される。わざわざ寄り道してまで見る価値は薄い。
    • 報酬も店で買える品物の方が強いこともしばしば。そのため尚更やる意味が薄い。
  • イベントCGがわずか11枚だけしかない。
    • ちなみに結婚式シーンは約5回同じものが使い回される
  • バンナムお得意のぼったくりDLC。
    • 10分程度のシナリオとCG1枚で500円という値段である。シナリオだけでも全部買うと2,500円。
    • CGは公式サイトなどで見ることができるので、そのために買う必要も全くない。
    • 現在DLCは配信停止し、公式サイトのページも見ることができなくなった。

評価点

  • 動きはともかく、ドットやポリゴンではなく、アニメで描かれたキャラを動かせる点は高評価。
    • 今迄はただ眺める事しか出来なかったアニメを自分の思い通りに動かせる…というコンセプトの作品はありそうでなかった為、そのチャレンジ精神は充分評価に値する。作画自体も乱れはほとんどない。
    • ただし、HDアニメに限らなければ『ワリオランドシェイク』や本作の前年に発売された『クレヨンしんちゃん 宇宙DEアチョー!? 友情のおバカラテ!!』など手描きのアニメキャラを動かせるゲームはすでに存在していた。
  • 声優が豪華。
    • 前述のように主人公には代永翼氏、ヒロイン二人に花澤香菜氏と喜多村英梨氏を起用し、脇役には悠木碧氏・能登麻美子氏・杉田智和氏・若本規夫氏など非常に豪華である。ただその結果、完全に声優の無駄遣いなゲームに終わってしまっている。
  • バグは少なく、BGM・UI・キャラクターデザインは好評。
    • BGM作曲は古代祐三氏。チープな画面に似合わないほどの豪華な曲が多い
    • だからこそ、このままの出来で出荷したという謎の現象が浮かび上がる。誰一人として疑問に思わなかったのだろうか?
  • マップは宝箱やイベント発生地点なども表示される。作業感が強い、という意見もあるが。
  • 戦闘中によくパンチラするなど、エロ要素は大好評。公式サイトのミニゲームやDLCもエロ全開を売りにしている。
    • キャラを見て萌えられるなら、シナリオやシステムなんてどうでも良い」という人にはお勧めできるか。
      シナリオ、戦闘システム等といった『RPG要素』を徹底的に無視して、美少女キャラの表面上の萌え要素だけガン見する分には、そこそこ楽しめる。
      • 尤も、そうしようにも萌え要素を殺しにかかる下品またはサムいギャグや、美少女達に悪い虫の如く下劣なアプローチを続ける主人公、ストーリーを進める為上記のテンポが悪くアンバランスな戦闘をそれなりにこなさなければならない…等の阻害要素はかなり多い。そもそもそれほどまでの労力を使って本作の萌えを楽しむくらいなら、特別本作への拘りが無い限り、別のギャルゲー等を購入した方がずっと気楽に、シナリオ的にも噛み合った萌えを堪能する事が出来るだろう。

総評

「アニメでキャラクターを表現する」というアイデアとチャレンジ精神自体は良かったのだが、コンセプトに技術力が追い付いておらず、完全に力を入れるところを間違えているとしか言い様がない出来になってしまった。
アニメには不自然な点が目立つ上に戦闘システムにも影響が出ており、やはり企画の時点で無謀な部分が大きかったのだろう。
それだけなら充分擁護の余地もあったが、アニメ云々以前の基本的な作り込み、RPGとしてのバランス調整やボリューム、シナリオ面やキャラの魅力も非常におざなりで、ほぼ全面的に遊びづらい完成度であったため、クソゲーの烙印を押される形になってしまった。

萌えエロ要素が大好きな人でも、安易に手を出すのは危険である。他の萌えエロ系のゲームにもバカゲー要素を含む作品が幾つかあるが、
そうした要素を目当てにプレイしても『萌えエロゲーをなんだと思っているんだ?』『あのテのおバカなシナリオを侮辱しているのか?』という感想に至りかねない。ギャグ要素ひとつとってみても、バカ要素のあるギャルゲーとは全く異質なものである。
上記にあるように、萌えエロ要素の為に全ての問題点を無視出来ない限りは手は出さない方が良い。むしろ、プレイヤー側から「消費者センターに訴えますよ!」といってやりたくなること受けあいなゲームである。

出来の悪さを象徴するかのように、大手量販店では発売してから一ヶ月も経たない内に値崩れを起こし、あっという間にワゴン行きとなってしまった。


その後

  • 2013年2月、NIS America(日本一ソフトウェアの子会社)が、欧米向けに本作を Time and Eternity というタイトルで発売すると発表し、同年の6月28日(欧州)と7月16日(米国)に発売した。→ソース(pdfファイル)NIS Americaの公式サイト
    • しかし、やはりというべきか本作の評判は芳しくない模様。実際、多くのレビューサイトでは上記の問題点が指摘されている(参考:GameSpotのレビュー)。
    • これまた誰一人として疑問に思わなかったのだろうか?英訳している時点で、ゲーム内容にも、最低でも寒い漫才にも目を通しているはずである。
      しかも、NISにしてみればもともと他社のゲームソフトなので報告・中止したところで誰も傷つかず、何の汚点にもならないはずなのだが…?
    • それにしても、ギャグが同じようにスベったゲーム反対方向にバランスが狂ったRPGも日本一ソフトウェアである。なんとも懲りない会社である。
      …もっとも、だからこそ、日本一ソフトウェアにとってはまともなゲームだったのかもしれない。
  • 主要開発元であるイメージエポックは、業績不振により2014年11月までに活動を停止、本作発売から2年後の2015年5月に破産宣告となった。
    • 自社販売でない本作による経済的損失は大きくなかったはずだが、メーカーの悪評をより広めた一因であったことは否定できないだろう。
    • 同社はこの反省かのように本作以降は『闘神都市(3DS版)』、『STELLA GLOW』などの良作を開発していたものの、創立10周年記念作とする筈だった『STELLA GLOW』の発売を待たずしての倒産となってしまった。

余談

  • ファミ通クロスレビューでは9・8・8・7で計32点 ゴールド殿堂 またやってくれたなファミ通
    • 序盤までの判定や人を選ぶという理由はあるがそれでも高得点過ぎではある。ただし、 レビュー文をよく見てみると本作の悪所を端的かつ正確に述べていたりもする
    • 静止画だけ見ると面白そうなゲームに見える為か、動きで情報が伝えられないファミ通では「期待の新作」最高第6位まで上り詰めた。
  • ニコニコ生放送などの宣伝でもPV以外のゲーム画面を一切出さず、発売直前の東京ゲームショーでも試遊がないなど、後から考えれば印象操作であったかのような宣伝展開も批判される。
  • 元々は桝田省治氏が企画・原案に参加していたのだが、その後何故か開発中断と偽りつつ敢行していた模様。お蔵入りと思っていた作品が突如ゲーム誌に発表されたため驚いたという。
    • 氏の作品の常連である高山みなみ氏は出演していないものの、有名声優を惜しみなく起用している点だけは氏の作風と共通しているかもしれない。
    • また、この「時と永遠」という題名自体が、その時に読んでいた「波多野先生の著書のタイトル」を企画中の仮タイトルとしてそのまま借用したものであったらしく、それが変更されずにそのまま製品版に使われてしまった模様。
      • 氏は製作自体に、もちろんタイトルの決定にも関与していないが、題名が被っているだけなので著作権上の問題はない。
  • こんなゲームでもガチ勢がおり、国内と 海外で RTAが繰り広げられている。既読イベントスキップを使用した上でだが、クリアタイムは2時間を切る1時間50分台(バグ利用なし)。近年のRPGではまれに見るタイムである。