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スーパー特撮大戦2001 - (2023/10/15 (日) 21:52:01) の編集履歴(バックアップ)


スーパー特撮大戦2001

【すーぱーとくさつたいせん にせんいち】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション
発売元 バンプレスト
開発元 日本アートメディア
発売日 2001年9月6日
定価 6,800円(税別)
判定 クソゲー
ポイント 致命的なバグ
運ゲー同然の不条理すぎる難易度
シナリオ面でも問題多数
巨大ユニットのことなんかいいよ
バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ
ウルトラシリーズ
仮面ライダーシリーズ
スーパー戦隊シリーズ


概要

成長システムなどに若干の違いがあるが、『スーパーロボット大戦』をベースに特撮を取り扱ったゲーム。
スパロボにおける「スーパー系」、「リアル系」に対応するのは、強化スーツを装着する「メタル系」、もしくは生体改造兵器に変身する「バイオ系」の2パターン。

+ 参戦作品一覧
ウルトラシリーズ ウルトラマン
ウルトラセブン
帰ってきたウルトラマン
仮面ライダーシリーズ 仮面ライダー
仮面ライダーV3
仮面ライダーBLACK
仮面ライダーBLACK RX
スーパー戦隊シリーズ 秘密戦隊ゴレンジャー
宇宙刑事シリーズ 宇宙刑事ギャバン
宇宙刑事シャリバン
宇宙刑事シャイダー
等身大ヒーロー 人造人間キカイダー
キカイダー01(ゼロワン)
イナズマン
イナズマンF(フラッシュ)
巨大ロボット ジャイアントロボ
スーパーロボット レッドバロン
大鉄人17(ワンセブン)
その他 バンプレストオリジナル

特撮のクロスオーバーゲームはウルトラマンや仮面ライダー同士がそれぞれ共演するものや、ガンダムを交えたSDキャラたちが活躍する『コンパチヒーローシリーズ』などがあるが、スパロボシリーズのように、版権の壁を越えての、原作をベースにしたクロスオーバー作品は2023年現在でも本作のみである。


特徴・システム

  • 本体性能、武装は成長か改良による育成が可能。
    • 性能・武装それぞれにレベルアップによる成長か、資金・資材を注ぎ込む改良がキャラごとに割り当てられている。
      • 例をあげると宇宙刑事やゴレンジャーは性能-成長、武装-改良、ウルトラマンやイナズマンはどちらも成長、ロボット系はどちらも改良というパターン。基本的に生身の部分が成長、メカ要素のあるものが改良になる。
  • Sサイズユニット(等身大ヒーロー)とLサイズユニット(巨大ヒーロー)
    • サイズ相応にステータスは桁違いに設定されており、Sサイズユニットのステータスは攻防ともに2ケタ程度、Lサイズユニットのステータスは4ケタとなっている。
    • サイズ違いに対しては専用の武器が必要であり、それを持たない場合同サイズの敵に対してしか攻撃を行うことはできない。
  • ランドマーク(拠点)の制圧と生産
    • マップ上にある工場などの拠点を占領し、強化パーツを生産することができる。
    • ランドマークを制圧できるのは防衛隊員などの支援部隊ユニットのみ。
  • リトライ(コンティニュー)するたびに敵のレベルが1つ下がる(最大で10)
  • 全体の軸となるオリジナルシナリオは『ウルトラセブン』の地球防衛軍に関するエピソードがベース。
    • 防衛組織の暗部が描かれるやや暗めのシナリオとなっている。

問題点

ユニットの分け方の問題、単純なユニット性能格差、戦闘マップのバランス取りなど、全体的にゲームバランスに難がある。

基本システム部分及び敵能力値の問題

  • 基本的に敵との能力差が激しく、ほとんどのキャラクターが手も足も出せずになぶり殺しにされるか即死する。
    • 命中率・回避率がシビアなうえに、それを補完する手段もほとんどなく、ある程度のセーブ&ロードは必須。
      • まともに調整されているのは序盤の数話のみである。
    • 後述の一部のバランスブレイカーの味方をフル活用させてようやく勝てる難易度である。
  • 味方のLサイズユニットが不遇(後述)な一方、敵Lサイズユニットは強力
    • 味方LサイズユニットはSサイズユニットへの攻撃手段に乏しいが、敵の怪獣やロボット兵器はバンバン等身大ユニットを攻撃してくる。
      • 命中率が低いのが救いだが、当たった場合にはよくて瀕死、まず即死。ステータス差以前にダメージ計算にも問題があり、Lサイズユニットはやたらデカいダメージが出やすい。
  • ラスボスも極端な強さ
    • いくらレベルを上げても一発で瀕死になるほどの異様な火力を持っているが、射程外から攻撃可能なので、下手すればラスボスは1ターンで倒せる。
  • 強制出撃ユニットが中心で、任意で出撃できるユニット数の制限がシビア。
    • 結果としてキャラの成長傾向の差が大きくなりやすいうえに、サブキャラや巨大ロボが強制出撃させられるマップが多数あり、彼らを育てていなかったら詰みである。
    • 特にLサイズユニットは選択出撃枠はつねに1体かつ、選択出撃の機会自体がほとんどないという冷遇ぶり。強制出撃すら少ないので、そもそも出撃させられないことも多い。
      • 該当するのはジャイアントロボ、レッドバロン、大鉄人17、18、ゾフィーの5体。後者2体はほぼいないものと考えていい。
    • 成長面以外でも、自由な枠が少ないことでゴレンジャーを5人全員出撃させることさえままならない。
      • 最終決戦ということもあり、スパロボシリーズでは一番自由度の高い最終ステージも、本作の選択出撃ユニットは4体までである。最終決戦は等身大系のみで行われ、巨大系は最終決戦で出撃できない
  • スパロボシリーズおなじみの「精神コマンド」は存在しない
    • レベル不足のユニットの救済措置やピンチの時の回復など、何度も使えない代わりに強力な能力としてゲームクリアに貢献していたのだが、それがないため、戦う前から結果がかなり予測できてしまい、戦術・戦略的にも底が浅くなってしまっている。
      • 特に命中率や回避率をフォローする手段に非常に乏しく、レベルの低いキャラを後から育てるのは難しい。
      • そのため、当時のスパロボで主流だった「高機動ユニットを突っ込ませて反撃で削りつつ、後衛が敵の射程外から一機ずつ潰す」、という戦術を取ろうとすると非常に苦しくなる。
      • 命中率を0%にできない以上、囮には即死リスクが付きまとい、また敵ユニットの気力がゴリゴリ上がっていくので残ったユニットも危険。
    • 演出面でも役立ちそうなシステムでもあり、そちらの面でも採用されなかったことは残念。
      • 開発元が違うため(スパロボはウインキーソフト、本作は日本アートメディア)、安易に真似をしたくなかったのだろうが、こういう作品だからこそ、苦境に陥ったヒーローの一発逆転の手として入れるべきではなかっただろうか。
  • 金も稼ぎづらく、スパロボシリーズで可能な全滅プレイによる稼ぎはできない。
  • 強化パーツもスパロボよりも効果が低いものが多い。さらにパーツスロットも一律2であり、弱いユニットをフォローするのはかなり難しい。
  • 敵、味方ともに攻撃手段が少ない
    • 例えば味方のカプセル怪獣では、ミクラスは原作25話で使用された熱線攻撃が使えず、ウインダムは格闘ができない
    • 敵側も同じで、Sサイズ用とLサイズ用武器を別とすれば、武器が2つ用意されているユニットがほとんどいない。
      • カニレーザーや白骨ムササビなど、攻撃を撃ちつくしてサンドバッグになる悲しいボスユニットもいる。そもそも白骨ムササビやカメバズーカは弾切れしないという原作設定があるのに、弾数制なので明らかな原作無視。
      • 最低限無消費の格闘攻撃と消費式の特殊攻撃の2種類くらいは用意すべきだろう。
      • なぜか攻略本では、射程1で威力は低めでもENや弾数消費無でいくらでも使える「格闘」が、ほとんどの敵の標準装備であるように書いてあるが、実際は使ってこないものが多い。
  • 弾数制の武器はシナリオをクリアしても補充されない。
    • 弾数は回復アイテムなどを使い、マップ上で回復させる必要がある。弾数消費制の武器しか持っていないキャラが大勢いるため、弾数回復アイテムは何よりも重要。
      • ちなみに、このことは取扱説明書で言及されていない。
    • 基本的にメタル系には弾数制武器、バイオ系にはEN制武器が多い傾向があり、ただでさえパワーアップ方式の違いによりバイオ系に劣るメタル系がさらに使いづらい存在となっている。
      • 一応、マップ中にある発電所で残弾数含むステータスを全回復できるステージも多いため、武器が弾数制のユニットもまったく役に立たないというわけではない。ただし、回復に向かう手間を考えると使い勝手の点ではかなり劣ることになる。
    • ゲームオーバー後、リトライを選択した場合は全回復する。
  • 敵のENが自然回復しない。
    • これにより、敵ユニットのEN切れにより、負けイベントで敗北できずに詰むというどうしようもない状況に陥ることがある。
      • 特に敗北戦闘の相手・ブラックキングが弱い。原作通りウルトラマンジャックが離脱するシナリオで、ブラックキングに倒される必要があるのだが、強制敗北ボスのわりには異様に能力が低く、EN消費式の武器しかない上に燃費も悪い。
        さらに必中即死判定になっていないため、攻撃を外してガス欠を起こす可能性が敗北戦闘用のユニットの中で最も高い。
        変身前の郷がそこそこ強く便利なキャラクターなのでいつの間にか高レベルになっているのも詰みやすさに拍車をかけている。
  • 出撃画面での表記がヒーローの名称ではなく変身前の名前。
    • 原作に詳しくないプレイヤーには分かりづらい。
  • 勝利条件が正しく表示されない場合がある
    • 「全滅させろ」か、「特定のユニットを倒せ」という表示が多いが、実際の勝利条件ではない場合がある。
      • そのため、本当の勝利条件は会話などから読み取らなくてはいけないことも。
    • 原作で敗北する戦闘では、自発的に敗北しなければならない。
      • 原作を知らないとわかりにくいが、一応「○○がやられたとき…?」と匂わせるような敗北条件が出る。また、該当キャラを育てすぎていると詰む場合がある。
  • セーブの仕様
    • インターミッション画面でのセーブとマップ上でのセーブが同一枠として扱われている。やり直しの余地が残すにはセーブのタイミングにも気を使う必要がある。
    • ソフトリセットやクイックロードのやり方が説明書に書かれていない。

一部の高難易度シナリオ

  • 多くのプレイヤーが辛酸をなめたとんでもない高難易度のステージがいくつか存在する。以下はその代表例。
    • 味方のHP強制半減や変身の強制解除が立て続けに起こる『世紀王ブラックサン』
    • 超強力なボスキャラのサイコラー(『宇宙刑事シャリバン』登場)を2度も倒さなければならない『赤射・蒸着・焼結』
    • 6体の敵をレッドバロン1体で1ターンで倒さないとゲームオーバーになる高難易度のステージ『超合金バロニウム』
      • 選択肢によって回避できるが、このステージを通らないとレッドバロンの強化シナリオに進めない。
    • 『宇宙刑事シャリバン』のサブヒロイン、ベル・ヘレンが戦闘員6体を倒した後、回復なしでまた怪人+戦闘員4体と闘わされ、孤立奮戦の末に息絶えるステージ『慟哭』
      • 本当にベル・ヘレン1人で戦わなければいけない。原作再現として敵を全滅させる必要があるが、加入してからこのシナリオまで約20話、彼女を一切育てていなかったプレイヤーも多い。
    • 前後半に分かれているステージの後半開始時は、「HPやエネルギーが全回復し、気力も初期値に戻る」、「HPやエネルギーが全回復するが、気力は上がったまま」、「HPやエネルギーは減ったまま、気力も初期値に戻る」など、ステージによって状況が異なるが、その選考基準は謎。
      • 序盤では連戦でも回復しているステージもあるが、中盤以降はたとえ前半と後半の間で数日が経過している状況でも3つ目の状況になっており、苦戦を強いられることが多い。
    • これらの極悪ステージも「しっかりと強化してさえいれば」クリア不可能ということはないようで、ケイブンシャの攻略本には必勝法が書かれている。

味方ユニットの性能格差

  • パワーアップ方式による格差が激しい
    • 能力の上昇比率はレベルアップ成長するキャラのほうが圧倒的に有利であり、改良パワーアップ方式のキャラはゲームが進むたびに差が開く一方で、能力値に倍近くの差がつくことさえある。
    • 改良方式は本体の限界値がシビアすぎで、途中まではしっかり改良していれば大丈夫だが、後半になってくるとフル改良でも明らかにステータスが足りていない。
      • 「資金」だけでユニットを改良するのではなく「資金」と「資材」の両方が必要となるのだが、片方が余りやすく改良自体しづらい。
      • 「資金さえ稼いでいれば最初から強いキャラクターで戦える」という触れ込みだが、基本的にゲームバランスが悪く、資金の集めづらい本作ではそんな資金を注ぎ込む余裕はない。
        一応、カイメングリーン戦やガッツ星人戦のように、無限に資金稼ぎできるマップもある。
      • 成長タイプのユニットは必要資金も資材もないに等しいので、この資金と資材が必要なことも改良ユニットと成長ユニットの格差を招いている。
    • 武装と本体性能が異なる成長設定となっているキャラクターは武器と本体の成長度に差が開き、変身しないで格闘する方が強い場合が出てくる。
    • そして一番面倒な点として、 改良型ユニットでもレベルアップ自体は必要だということ 。たとえフル改良しても、レベルが低い状態では戦力としての総合値が劣ったままなので単に金を無駄にしてしまう。
      • スパロボで例えるなら、機体と武器をフル改造しても、パイロットが低レベルなら活躍できないのと同じである。
+ 攻略に欠かせない主なバランスブレイカー
  • ヴォルテックス
    • バイオ系の主人公。非常に攻撃力が高く、接近戦も遠距離攻撃もこなせる万能キャラ。運動性などの基礎能力も優秀で、レベルの上がってきた後半戦では並の怪人程度なら変身しなくても倒せるほど。
  • イナズマン
    • 味方ユニットでイナズマンだけが専用の特殊能力「逆転チェスト」を持っており、気力が一定以上の時、一定確率で相手の攻撃をそのまま相手に跳ね返すという強力な物。
      • 受けるはずのダメージをそっくり返すので、敵が強ければ強いほど、発動した時のダメージも大きく跳ね返せるため、当然ながらイナズマン自身はダメージを受けない…という、チート級の強さ。
      • さらに逆転チェストとは別に分身で敵の攻撃を回避することもできるため、極めて被弾が少ない。運動性がやや低いという欠点があるが、ある程度レベルが上がれば全く気にならないほど強くなる。
    • 攻撃面でも単純に自身の攻撃+逆転チェストで2回攻撃可能なことに加え、イベント経由で桁外れの圧倒的な攻撃力と射程を誇る新必殺技「ゼーバーイナズマンフラッシュ」を習得する。
  • ウルトラ警備隊のメンバーの1人・フルハシ隊員
    • 超強力な対巨大ユニット用兵器であるライトンR30爆弾を中盤に入手できる。
      • 原作ではウルトラセブンが傷一つ負わせることのできなかったスーパーロボットのキングジョー(転ばせて撤退はさせた)を一発で破壊したためか、本作ではウルトラマンの必殺光線より強い。
    • 一方で、科特隊のアラシ隊員が終盤に入手するペンシル爆弾はあまり強くない。
      • こちらもウルトラマンの攻撃で一切ダメージを受けなかった敵を一発で倒した、原作のラストを飾った最強兵器なのだが…。
+ 不遇なユニット
  • メタル系主人公のルシファード
    • ヴォルテックスほど強くはないのに加え、ヴォルテックスと違い序盤は最強武装が使えない。
      • 加えてバイオ系ヒロインにはマップ兵器があるのに、メタル系ヒロインのファディータにはマップ兵器がない。
    • 一応、宇宙刑事系の異次元空間でも活動できるというアドバンテージがあるが、活かす機会はかなり少ない。
  • キカイダー
    • 全ての能力を改造でパワーアップさせる必要があるため、いつしかあらゆる能力値が他のヒーローに劣る弱キャラに成り果ててしまう。射程も移動力も悪いので放置されてレベルも上がらず、ますます差が開く。
    • 武装面でも追加武装のキカイダースパークを除き、全て隣接するユニットにしか効かない。
      • 唯一有射程なのが中盤で追加されるキカイダースパークなのだが、メタル系でしか入手することができない
    • ハカイダーが出現すると敗北条件にキカイダーの撃破が加わる。
      • シナリオでは助けにきたはずなのに、むしろプレイヤーにとっては不利になっている。
    • 一応防御力は伸びるので、増援稼ぎを駆使して改造しまくればダメージを受けないユニットに育てることは可能。意識してレベルを上げればなんとか戦っていける。

性能面でもLサイズユニット全般が不遇

  • まず非常に育てにくい
    • 出撃枠が少ないのに、Lサイズの敵も少なく育てにくいという悪循環。
      一応、出撃ステージは単騎で大軍(主に下記のケルバーン系)を相手にさせられることが多いので、この時はレベルは上がるが、その猛攻に耐えられない場合は詰みになり、SRPGとして問題があるペース配分である。
      • 弱いSユニットを狩って育成しようにも、味方の巨大ユニットは対Sユニット武器のないものが大半であり、Lサイズの敵が出てくれないと育てられない。
      • 敵の巨大ユニットは怪獣などのボスクラスのユニットが単体で登場する場合がほとんど。
      • ベムラーのような「野生の怪獣」は仕方がないかもしれないが、宇宙人関連でも原作でよくあった「巨大怪獣or宇宙人VSウルトラ戦士、円盤部隊VS防衛チーム」という構成は一切ない。(後述のケルバーンが同時登場はある)
        また、戦隊・宇宙刑事両シリーズでは「敵の戦闘機が3機編隊を組んで、ヒーロー側のメカと戦う」という場面がよく見られたが、いずれの組織もこういった戦闘機が未登場である。
        ザコキャラがワラワラと出てくるマップもあるにはあるが、そういうマップに限って味方ユニットの引退試合、または後述のように稼ぎ困難なケースになってしまっている。
      • 登場する巨大ユニットで、比較的多数出てくるのがオリジナル敵の「ケルバーン」と後継機の「ケルバーン2」だが、両方とも妙に強く数あるヒーローを一瞬で蜂の巣にしてしまう
      • ちなみに分身でいくらでも増えるバルタン星人が出てくるマップもあるのだが、回避率が高いためか、経験値稼ぎに使えるような雑魚敵ではなく、Lサイズユニットの出撃が無限増援が終了後なので、一切稼ぎにならない。
    • 改良組も軽い改良では焼け石に水。フル改良すれば、まだ攻撃も当てられるし、耐えられるが、出撃機会の少ない彼らに資金や資材を注ぎ込むのはためらいがちになる。
      • それなのに、無改良ではまずクリアできないようなステージもある始末。しかも運動性の限界値が低いため、そのステージ時点ではフル改良してもまず当てられないどころか、うまく避けられず、最後の手段としてはソフトリセットを繰り返すこととなる状況。
  • 乗り物系の巨大ユニットは種類こそ多いものの、非常に能力値が低くザコキャラにすら太刀打ちできない。
    • 乗り物系巨大ユニットに逃げ込めば等身大ユニットはMAP兵器の巻き添えを食らっても無傷で耐えられるのは一応利点と言えば利点。
      • また、帰ってきたウルトラマン(ウルトラマンジャック)の郷秀樹の変身条件が「HPが1/3以下になる」、または「郷が乗った乗り物が破壊される」なので、郷の回避が高すぎる場合は後者目的で乗り物系ユニットを生贄に使わないとほぼ変身不能になる。
+ Lサイズユニットの個別性能
  • レッドバロン、大鉄人ワンセブン、ジャイアントロボはそれぞれの初登場マップと最終決戦を除けば、自由選択出撃の機会がなんと2回しかない。
    • レベル底上げのような救済措置もなく、プレイヤーによっては加入時のレベルのまま50台の敵の相手をさせられる。しかも出現位置が悪く、戦闘に満足に参加できないこともある。
    • 一応、救済措置として、それぞれの機体性能自体はかなり高めに設定されており、「ダメージ覚悟で敵Lユニットに突っ込ませて反撃でガンガン蹴散らしていく」という戦法を取れば1マップだけでかなりレベルは上がってくれる。もちろん、撃墜される可能性もかなり高めだが。
  • ウルトラマン系は必殺技が強いが、中盤までは避けられず、攻撃も当てられず、全体的に脆いの三重苦。初登場イベントの初戦で即瀕死する場合も多く、さらにターン制限もある。
    • 1ターン=1分という設定のため、初代マンやジャック、ゾフィーは3ターン、ウルトラセブンは資料によって制限時間の設定にバラつきがあるせいか7ターンでカラータイマーが鳴り、ENが大幅に減少する。
    • 原作では「巨大化だけでなく人間サイズでも戦闘できる」のだが、そちらは再現されていない。また、ウルトラマンたちだけ任意での変身解除ができない
    • ただ、レベルアップ成長型のため後半はパラメータが凄まじい勢いで伸びるので、育てれば強力。
      • 加えてウルトラ勢は隊員として出撃するので、巨大ユニットの出撃枠ではなく、等身大ユニットの出撃枠で出撃できるので育てやすいというのも利点。
      • マン、セブン、ジャックはそれぞれハヤタ、ダン、郷の姿で怪人や戦闘員がワラワラ登場するステージで戦闘に参加することもできるので、育てるのは比較的簡単である。
      • ただしジャックだけはレベルを上げすぎると変身しにくくなるという、別の問題点がある。
  • ゾフィーに関する全てがおかしい
    • 武器を含むユニット能力が一切成長しない。加入レベルは64もあるのに初期値なのはこのためで、レベルを上げても一切成長しない。おまけに敵に倒されるか、カラータイマーが鳴ってENが切れるとユニットが消滅して2度と使えなくなる。しかも唯一空を飛べない
      • 攻略本によるとゾフィーが飛行不能なのは「原作で飛んでいなかったから」とあるが、原作の初登場シーンで飛んでいる。というか、彼らがどうやって地球まで来たか考えれば、少なくとも「飛べない」という結論にはならないと思うのだが。
    • 終盤に初代マンが離脱するタイミングで加入するのだが、攻略本の情報では特定のルートの中盤で先行加入すると記載されているものの、そちらを通っても加入しない。実際、シナリオの内容などからも、本来加入するタイミングで正常に加入されない不具合が発生しているとしか思えない。
    • M87光線を使うと、戦闘シーンではダメージが表示されず、敵のHPゲージも減らない重大なバグがある*1
  • ゴレンジャーの専用メカであるバリドリーン
    • 例によって能力値が低いが、他の巨大ユニットが全くいない状況でゴレンジャー本編のラスボスでもある黒十字城とタイマンを張らされるシナリオがある。当然強化していないと詰む*2
  • 宇宙刑事トリオの巨大戦艦
    • マップ上で召喚できるうえに原作ムービー付きで変形までするが(ドルギランはイベント扱い)、やはりフル改良しても移動手段や時間稼ぎにしかならない。
      • シャリバンとシャイダーの巨大戦艦は各種形態がきっちり再現されているのに、なぜかギャバンのドルギランは電子星獣ドルを分離・変形できない*3
  • 結果、中盤までの対巨大ユニット戦は、ウルトラ戦士などをベンチにして、ウルトラ戦士の人間形態を含む防衛隊員の火器、シャイダーのビッグマグナムなど、人間ユニットの対巨大ユニット武器でちまちま削った方が確実
    • しかし、エネルギー消費量の関係で連発できないため、それはそれで楽な道とは言いがたい。
      また、抜け道を見つけたつもりになって、巨大ユニットを最後まで無改良・初期レベルのまま放置すると、ゲーム後半になってから完全に詰んでしまう場合がある。

バグ

  • 一部のLサイズユニットの技構成がおかしい。
    • 公式ガイドブックでは怪獣たちは基本的に対Lサイズ近接用「格闘」、対Sサイズ近接用「足(踏み潰し)」という技がユニットデータに書かれているのだが、実際はないものが異様に多い。
      • 前述の「負けイベントの敵がEN切れを起こしてこちらが詰む」という不具合の発生から、攻略本の誤記ではなく「最初はEN切れ用に無消費の近接技を設定していたが、実際は装備させられないままになった」というバグの可能性が大きい。
    • 他にブラックキングなどは同名技のL用の方がS用より弱く(他のキャラは基本S用の方が弱い)、命中率がS側のみ異常に高いことから逆に設定されている可能性あり。
  • イベント関連のフラグ管理がおかしい。
    • 特定のイベントではなく、普通に敵を全滅させればクリアになる条件のマップで、敵を全滅させてもクリアできないことがある。
      • なぜかマップ兵器で何人か自殺するとクリアになることがある。
    • キカイダー01の初登場ステージなどもこの例の一つ。
      • 味方キャラクターの1人であるキカイダー01が駆けつけに来るとあるシナリオで、01がマップ上に2人登場するなど、ひと目見ただけで異常と分かる不具合も存在する。
  • キャラクター辞典の不具合
    • 本編に登場しているのに辞典に存在しないキャラが多い。
      • 一方でデータ上には本編に登場しないキャラクターの辞典も用意されている。
    • フルハシ隊員とソガ隊員のグラフィックを取り違えてしまっている。
    • 一部は読み間違えもあり、『キカイダー01』に登場する敵怪人「赤面(あかめん)ガメ」が「せ」の項目に、『ジャイアントロボ』に登場する「東(あずま)支部長」が「ひ」の項目に掲載されている。
    • キカイダー01に登場する「ジャイアントデビル」の項目では「量産されてしまう」とあるが、実際には1体しか登場しない。
      • ちなみにジャイアントデビルは、Lサイズなのに対Lサイズ用の武装がない(攻略本には記載あり)という設定ミスをされている。
  • 一部のキャラクターに、装備した強化パーツが強制的に解除されてしまうバグが存在する。
    • 主にパワーアップ後のデータがあるウルトラマンジャックなど。
  • アニーの「格闘」バグ
    • アニーの「格闘」は、通常戦闘シーンではダメージが表示されず、敵を倒せるだけのダメージを与えてもHPゲージが0にならないが、内部ではダメージが通っているので、倒すことはできる。
  • ムービーの設定ミス
    • バイオ系シナリオの終盤、ヒロインが暴走し異形の姿となって襲いかかってくるというシリアスなシーンにおいて、なぜかまるで関係のないキャラの変身ムービーが流れる。オプション内では正しいムービーを観ることができるので、プログラムミス。
  • 終盤のシナリオで、『V3』の敵幹部であるヨロイ元帥の顔グラフィックがヒラ怪人のテレビバエになっている。
  • 謎に原作と展開を変えたせいで、初代マンとジャックが顔グラを取り間違えられたのか否かわかりにくい場面がある。
  • 誰も乗っていないはずのユニットが戦闘画面で敵を攻撃する
    • 原因は変身した状態でないと使用することができない宇宙刑事系の乗り物ユニット(サイバリアンなど)が、パイロットが乗っている間に変身が解除されてしまうといった事態を想定に入れていなかったため。
  • 一部のシナリオでウルトラホーク1号をα号、β号、γ号へと分離させると、搭乗者のいない無人機が発生することがある。
    • この状態のウルトラホークを地上に降ろすと、巨大ユニット以外なら適正の有無に関わらず誰でも搭乗させることができてしまう。
      • 「戦闘機に乗って怪人を射殺する仮面ライダー」のようなシュールな光景が展開されることとなるが、ゲームの進行不能を誘発するため、注意が必要である。
  • 大鉄人17の敵ロボットである「ハーケンキラー」のステータス設定があからさまにおかしい。
    • 原作でも素早いという設定ではあるものの、それではすまないレベルの数値設定(運動性が平均50前後にもかかわらず、ハーケンキラーは140もある)になっており、ウルトラマンたちで辛うじて命中させられるかどうかという有様。
      • 本作には必中にする手段はないため、とても正常な数値設定とは考えられない。しかも後述のシナリオの演出から考えても、17でこいつを倒すのは不可能なのも問題となっている。
  • 「ハイパータブ」バグ
    • アイテム「ハイパータブ」は、本来『使用すると気力を+40・ENを100回復した上で攻撃できる』もので、使用後は消耗してしまうはずなのだが、『使用後に武器選択画面へ移行した時に×ボタンでキャンセル』すると、 気力とENは上がったままでアイテムは消耗せずに残ってしまう。
      • 事実上「気力は上げ放題、ENも回復し放題」となってしまう。「ハイパータブ」が開発・生産できるようになるのはかなり後半になる点と、「攻撃」コマンドが出ていない時(≒手持ちの武器射程内に敵がいない場合)には使用できないという欠点もあるが、それを差し引いてもバランスブレイカーなバグである。

シナリオ

  • 他作品とクロスオーバーするシナリオがほとんどなく、基本的には原作をそのまま再現した展開になってしまっている。
    • 基本的にシリーズ系の場合は同じシリーズでしかつるまない*4
      • 版権の枠を超えたクロスオーバーといえるのは、等身大ヒーローたちが仮面ライダーに登場した喫茶店「スナック アミーゴ」に集うシーンと、終盤アミーゴの常連たちがオリジナル系シナリオで協力体制を組むぐらいで、他は細かな点くらい。
      • また、メフィラス星人が登場するシナリオで『ウルトラマン』のフジアキコ隊員ではなく『ウルトラセブン』のアンヌ隊員と『シャイダー』のアニーが巨大化するというクロスオーバーもあるが、微妙な人選である。
    • 複数のシナリオが進行する場合でも、同じマップで並行して展開される*5
      • 戦闘に入った際に、取って付けたようなセリフがあるが、それに対する掛け合いなどもなく、物語上は一切無干渉である。
      • 一応、序盤でウルトラ警備隊から、「権限の都合上、表立って別の組織と協力するのは難しい」という意味合いのセリフは出るのだが…。
    • スパロボシリーズ恒例の死亡の回避もほぼない
      • 結城丈二(ライダーマン)とワルダーが条件で生き残るのみ。
  • 原作再現エピソードでは不自然なくらい他作品のキャラが登場しない。
    • 出撃できず、会話にも混ざらず、そもそもどこで何をしているのかすら全く触れられない。
  • 敵の組織も基本的にバラバラに活動している。
    • 一応は互いの存在を認知しており、中盤から協力し合う組織も出てくるのだが、ヒーローと結託先以外の組織については特に言及しない。
    • 複数の組織の怪人が同時に現れる際も、「偶然同じ場所に居合わせた」設定のため、怪人同士のやりとりも何もない。
  • 単純にシナリオ自体もおかしく、会話もグダグダなものが多い。
    • あるキャラが他のキャラに呼びかけているのに、相手は返事もせず1人で決意表明している。
    • セリフが噛み合わないどころか、やたらオウム返しを連発するキャラもいる。
    • シナリオライターが「アイデンティティ」という言葉の意味を理解せず使っている。
    • コメディシーンも低レベルなものが多い。
      • 敵組織を騙すために本郷と一文字が一芝居打つというシーンがあるのだが、棒読みの演技で主人公たちにドン引きされているのに、敵組織はまったく疑っていない。
+ 以下、シナリオ問題点の詳細
  • ショッカー首領がゲルダム団との合併を打ち出す理由は、ただ単に「日本支部を仮面ライダーに叩き潰された」という理由。
    • 原作では世界各地に支部があり、本郷や一文字は海外支部を叩き潰すため日本を去ったこともある。
  • 敵ユニットが少なく、量産型でもないのに同じような怪人ばかり何度も登場する。
    • ショッカーは戦闘員と幹部を除けば、蜘蛛男・蝙蝠男・蜂女・さそり男・ゲバコンドルの5ユニットのみ*6
    • 他も一組織に大体2~3体しか敵ユニットが登場しないため、原作で一度しか登場しない敵でも、関係なく何度も繰り返し出てきてはやられる。
      • ゲルショッカーは雑魚ユニットがガニコウモルと戦闘員のみ、鉄面党も雑魚ユニットはわずか2体。黒十字軍は種類自体はもう少しまともだが、登場時期の偏重ぶりが激しい*7
    • とりわけゴルゴムは、雑魚怪人がサイ怪人ただ1体という冷遇ぶり。
  • 一部の敵組織は出番が少なく、ゲルショッカーやゴルゴム、鉄面党などはほとんど何もしていないのに壊滅する。
    • ゲルショッカーに至っては、結成から壊滅までわずか3シナリオという短さ。首領やライダーたちの会話は原作抜粋なので、まったく理解できない流れになっている。
  • 原作未視聴者への説明不足
    • テキストが原作そのままの『RX』や『ゴレンジャー』のマグマン将軍のエピソードなどが顕著。
  • 全体的に鬱展開が多い
    • 「サブキャラが殺され、話が大きく動く」回が多く取り上げられており、特に中盤のシナリオはただひたすらに敵も味方も死にまくる。
      • 「敵に拉致されて拷問されて死亡」「瓦礫の下敷きでメインキャラだった子供が死亡」「生きたまま爆弾を体内に埋め込まれて主人公の前で爆発して死亡」・・・とにかく悲惨な死に方の連続である。
    • 全体的に暗めな展開の話が多く、娯楽エピソードはほとんど見られない。
  • 『大鉄人17』のワンエイト(以下、18)の裏切りシーンが意味不明な展開になっている。
    • 元々の原作では、グラビトンすら回避してしまう強敵ハーケンキラーを倒すためワンセブン(以下、17)を裏切ったふりをし、17がグラビトンを放った瞬間にハーケンキラーを羽交い絞めにして敵を道連れにする形で大破したというシーン。
    • 本作では羽交い絞めにしているグラフィックや状況を説明するような台詞はなく、作中のセリフのみで再現されているため、「17がグラビトンを発射した瞬間、裏切った18がMAP上でハーケンキラーとの間に入って爆発する」という展開になっており、原作を知らないとハーケンキラーをグラビトンから庇って大破したようにしか見えない。
      • 18が「ヤッタナ(17)ニイサン…」と言いながら大破するが、原作と異なりハーケンキラーは大破しておらず、自力での撃破が必要になる。そしてクリア後には「18はグラビトンを決めるために裏切ったふりをしていたのか…」という会話が挟まれる。
      • 原作再現的な意味でも問題だが、原作を知らない人には理解できない展開になってしまっている。
      • 前述のようにハーケンキラーは17にまともに勝たせる気のないようなステータスをしているので、イベント撃破の名残ではないかと推測されている。
  • 普通に登場する隠し作品の敵組織
    • イナズマンFやRXは隠しユニット扱いのため、ルートによっては強化しないこともあるが、敵の組織であるデスパーやクライシス帝国は関係なく登場する。
    • このうち、RXは登場直後、いつの間にかクライシス帝国と決戦間近で、4大幹部と戦う展開は皆無。ロボライダーとバイオライダーの覚醒についても、対グランザイラス戦で立て続けに覚醒する。
      • 一応、クライシス皇帝が地球侵略を諦めて怪魔界に撤退したため、原作最終回の救いようのないラストは避けられた。
  • 『キカイダー』関係
    • ライバルキャラであるハカイダーとはまともに戦闘する機会がない。
      • 倒すとゲームオーバーになってしまう*8ため、逃げ回るしかない。
        確かに原作ではキカイダーが倒していないが、葛藤しつつも普通に戦っていたので、せめて最低限の戦闘は入れておくべきだったと評価する声もある。
      • 一応、原作同様に「脳の血液交換のために基地に帰還」という要素があり、一定ターンで撤退する*9
      • さらにハカイダーの出現中は、戦闘後にBGMが強制的に「ハカイダーの歌」に切り替わる。ラッパの低音から始まるので、プアープアーうるさい。
    • 続編である01に登場する通称ギルハカイダー(ならびにハカイダー四人衆)は登場しない。
    • 激痛回路で苦しめられるマリの解決が雑
      • 胸を抑えて苦しむのだが、実はそのボタンを外すと体内の核爆弾が爆発してしまうという設定で、イチローが助けようとして「次回に続く」となる。
        しかし、次の話では何事もなかったかのようにイチローが登場する。
      • 後のシナリオでマリ自身が逃げてイチローが助かったことが判明するが、敵キャラの会話の中のさりげない一言であり、しかもメタル系限定。
    • 01の良心回路のシナリオが矛盾している
      • レッドバロンが参加する際に「鉄面党の悪のエネルギーを感じ取り、封印が解けた」という理由で01もアミーゴ組(仮)に参加するのだが、この時点で完全な良心回路を持っており、ギルの笛の音にもびくともしない。
      • にもかかわらず、その後かなりシナリオが進んでもギル教授は「キカイダーが完全な良心回路を手に入れ、"完全無欠の人造人間"が完成すること」を恐れているという謎展開。
        これなら漫画版と同じく「01には良心回路がない」としてしまったほうが矛盾がなかった。
    • 原作で恋仲であったビジンダーとワルダーが二者択一の扱いで、片方しか仲間にできない。
      • 性能的には、ビジンダーには合体技のマップ兵器があるが、中立ユニットとして使いづらいことも多い。
  • 宇宙刑事関連
    • 『シャイダー』の敵組織であるフーマと決着をつけるシナリオがない。
      • 原作では全宇宙規模の勢力を誇り、大規模な侵攻作戦によって宇宙征服目前まで迫るほどの特撮史上有数の超巨大組織であるにもかかわらず、本作では宇宙刑事たちが不思議宮殿に乗り込んだことがキリヤマ隊長の口から語られるのみで、その後、宇宙刑事たちはいつの間にか帰還してアミーゴにいる。
        ルート選択によって最終盤での扱いが異なるが、いずれにせよ最終決戦については言及されない。
    • 同じ『シャイダー』から"恋のミュータント"再現シナリオ
      • 特にファンからの評価が高いといわれているシナリオだが、キーパーソンであるジミー北原はいつの間にか姿をくらまして音沙汰がなくなる。
  • 巨大ロボ勢は登場人物も少ない。
    • 『ジャイアントロボ』のユニコーンの隊員の中で戦闘可能なのは主人公の草間大作のみ。
      • 敵側もほとんどロボットばかりで怪獣はスパーキィしか登場していない。一方で、原作では動いてすらいないカラミティが、普通に動いて敵ユニットとして登場する点もいまいち理由がよくわからない。
    • 『大鉄人17』はシナリオ・ユニット・キャラクターとも、原作前半に偏重しており、後半のシナリオがほぼ再現されない。
      • 原作後半のユニットはブレインを除けば、ワンエイトとハーケンキラーしかおらず、終盤を代表する敵ユニットのネッシーロボすらいない。
        また、レギュラーキャラでも防衛チームのレッドマフラー隊はNPCの佐原千恵しか登場しない。これだけなら「ヒーローならともかく、すべての防衛チームを入れる必要は容量的に無理。」で済むのだが、防衛隊のUCMAを見るとそうも言えない(後述)。
      • 原作後半のエピソードはワンエイト関連とブレインとの決着部分しかなく、ユニットや登場人物のチョイスもそれにしたがっているので、かなりガタガタである。あまつさえハスラー教授はハスラー要塞に乗って戦闘することもなく、別の人物の出番の再現で死亡する。
    • 『レッドバロン』も、再現されているのは原作前半の鉄面党編のみであり、後編の宇宙鉄面党編は再現されていない。
    • それ以外の作品でも、MAT2代目隊長の伊吹隊長や、2代目(厳密には一時的な代理)キレンジャーの熊野大五郎など、原作後半のキャラのほとんどが未登場である。
  • バイオ系ヒロインのモンスター化イベントの解決が雑
    • 倒すわけにはいかないので逃げ回ることになるのだが、突然、謎のポエムをつぶやき、勝手に自己解決して正気に戻る。
  • 結末は尻切れトンボ同然
    • 続編を匂わす終わり方にはなっているものの、以降まったく音沙汰はない。
      • ラスボス撃破後に申し分程度の会話の直後、敵基地が爆破するムービーの直後にスタッフロールとなる。

シナリオ分岐条件の設定がおかしい

  • 全く関係のない行動が分岐に関わる
    • 「ウルトラマンが宇宙怪獣ベムラーに対し、スペシウム光線を使用したか否か」で、『宇宙刑事シャリバン』のベル・ヘレンと『仮面ライダーV3』のライダーマンのどちらが仲間になるかが決まる。
  • 何気ない会話の選択でシナリオが分岐する
    • 「キレンジャーが食べたカレーの料金を、主人公が肩代わりするか否か」でゴレンジャールートと帰ってきたウルトラマンルートに分岐する。
    • ヒロインと話をしているときに、「レッドバロンとジャイアントロボのどちらが好きか」という話題が出てくる場面がある。これは答えたほうのロボットにパワーアップイベントが起こるという伏線になっているのだが、もしどちらも選ばずにヒロインの機嫌をとるような選択肢を選んだ場合、何のイベントも起こらない。
  • 原作と反する選択
    • 「ヘリのパイロットにならない」という、原作と正反対の行動を取らないと光太郎がRXにならない。
    • 原作を知っていると余計に間違える。しかもパワーアップしない選択を選んだ場合の利点は一切なく、シナリオがいくつかスキップされるのみである。

登場人物の改悪

  • 「おやっさん」こと立花藤兵衛が必要以上に粗野な性格になっている。
    • 「ダイラカツヨシ*10」という暗号の意味を、主人公に解説されても理解できない。説明されて逆さから読んでも「シヨツカライダ」じゃないかと理解せず、主人公たちが匙を投げたあと、1人で頓珍漢な解釈をする。
    • 黄金オオカミ(狼男)に敗北するのがメタル系では一文字、バイオ系では本郷なのだが、一文字には厳しく叱責する一方、本郷には身体の心配をしており、対応が大きく異なる。
    • 「お前の替わりはいくらでもいる」の使い方が悪く、意味が変わってしまっている。
      • 黄金オオカミに敗北した一文字に対して言ったセリフなのだが、原作においては「ライダーが負ければ他に戦える者がいない状況」において、あえて「ライダーがやられたら俺たち(ヒーローでもない一般人)だって戦う」と宣言し、一文字に悪と戦う覚悟を改めて決意させるというシーンに使われた台詞で、ライダー以外にもヒーローがいる本作においては、そのまま「お前の替わりはいくらでもいる」と非難してしまっている。その後で、他のヒーローに一文字のフォローを頼んではいるのだが。
  • 岸田長官と佐竹参謀の役回りも兼任してしまったヤマオカ極東支部長官とタケナカ参謀
    • 同じ藤田進氏と佐原健二氏が演じたキャラではあるが、2人ともかなり人物像が異なり、ウルトラ警備隊を厚遇する一方、MATに対しては手厳しく叱咤するなど、部下の選り好みが激しいタチの悪い上司にしか見えなくなっている。
  • TDFの参謀たち(日本人)がこれまでの体制を見直す中、明らかに何も考えていないアメリカ白人のボガード参謀。

原作設定との齟齬

  • ウルトラ勢は、空を飛んでいる間は大技がほとんど使えず、体当たりやウルトラロケット弾などで戦う。
    • ロケット弾は飛び道具であるにもかかわらず、体当たりも含め全て射程が1しかない。
    • ただ宙に浮くのではなく、スパロボでいえば飛行形態への変形にあたり、飛行ポーズをとった別のユニットに変化する。草間大作やゴレンジャーなど、空を飛ぶユニットは全て同仕様*11
    • 原作では、飛行中でもスペシウム光線などの必殺技を普通に使っていたのだが…。
  • パワーアップ方式の設定がおかしい
    • 「一見ロボットのように見えるが、れっきとした生命体である」という設定のカプセル怪獣ウインダムに改良パワーアップを採用。
    • サイボーグ人間であるはずの『イナズマンF』の荒井誠にレベルアップ成長を採用。
  • レッドバロンを主役とした「超合金バロニウム」というタイトルのシナリオがあるが、『レッドバロン』の番組に出てくる金属は「バロニウム」ではなく「バロンニウム」である。
    • 「バロニウム」は、同シリーズの『スーパーロボット マッハバロン』に登場する金属。
  • 鳴き声等のメッセージが公式設定と違うものが多い
    • ジャイアントロボが攻撃を仕掛ける際の「ま゛っ!」という台詞は視聴者の間で広まったネタを拾ってしまっている。
    • 怪獣や怪人の鳴き声なども公式設定と異なっているものも多く、耳で聞いて判断したようなセリフになっている。
      • たとえばサイコラーの声は「カオーッ!」が公式だが、「キシャアアッ!!」と表示されている。
  • RXがなぜか「リボルクラッシュ!」と発言する*12
    • 会話ウィンドウのみで、実写ムービーなので声はない。
  • 地形適応の設定ミス
    • 後述のように宇宙ステージ自体が非常に少ないので実害は薄いが、本来宇宙での活動を念頭に置いたウルトラホーク1号・2号や宇宙刑事組の宇宙適応が最低のE(活動不可)。
  • ジャイアントロボの初戦の相手スパーキィが「バリヤーでメガトンパンチ以外受け付けない」という仕様。
    • 原作でメガトンパンチ以外無効描写はないどころか、2回登場して両方とも他の攻撃でとどめを刺されているので、どうしてこうなったのか不明。

その他

  • ウルトラシリーズの原作映像がウルトラホーク発進シーンくらいしか使われていない。
  • 一部には誤字もある。
  • ゲーム内で敵キャラクターの能力値を把握する手段がない。
  • 適応地形の「宇宙」の意味がほぼない。
    • 宇宙で戦うマップがたった1つしかなく*13、メタル系限定のシナリオのため、バイオ系では一切宇宙マップに行かない。
    • 他にも「魔空空間」「幻夢界」「不思議時空」という地形が存在するが、それらの地形に適応できるのは宇宙刑事系のキャラクターとウルトラ戦士、メタル系主人公の男女のみ。
      それ以外のキャラは適応「E」で戦闘はおろか回避・防御以外の行動が不可能になる。
      • そもそも宇宙刑事以外のヒーローもたくさんいるのに、わざわざ3つとも区別して再現している意味がなく「異次元」などでまとめれば済むこと。宇宙刑事関連のキャラは微妙に適応が違うが、宇宙刑事以外の作品のキャラにはなんの違いもないので、ほぼ無意味な再現になっている。
  • OPムービーの出来が微妙
    • 「夕日をバックに歩く初代ウルトラマン」、「マシンに乗らずに自分の足で走っているイナズマンとギャバン」などのように、原作と違和感のある描写も多い。
    • このムービーに登場するのは主人公2名、ギャバン、イナズマン、ウルトラマン、仮面ライダー5人のみ。
      • キカイダーや巨大ロボ勢、ゴレンジャーはなぜか一切登場しない。
      • 別シリーズの版権ヒーローが同時に映っている場面は、イナズマンとギャバンが並んで走っているごく短いパートしかない。
  • 変身時のデモムービーが同じシリーズ内でも仕様がバラバラ
    • 原作の映像をそのまま使ったものと、写真と映像効果を組み合わせてFLASH動画のように作ったものの2種類があるため、後者の違和感が際立っている(例えばキカイダーは前者、キカイダー01は後者)。
      • 後者も出来そのものは悪くないのだが、音声のせいで非常に出来が悪く見えてしまう。とりわけキカイダー01の音声はひどすぎる。
  • オリジナルの自衛隊隊員及び兵器
    • 正確にはウルトラ警備隊を包括する組織・TDFの下部構成員UCMAだが、自衛隊絡みの作品が参戦していない本作では違和感が強い。
    • リーダー格にして紅一点のキタクラ班長はそれなりにシナリオ上でも目立ち、能力も頭ひとつ抜けているが、それ以外の隊員たちは数が多いばかりでサワ隊長も含め戦力としてはまるで役に立たない。
      • 自衛隊の兵器は、戦車、自走砲、高射砲など、かなり細かく分類され、それぞれの性能も丁寧に差別化されているが、シナリオ面での問題が多い本作では力の入れどころを間違っているとしか思えない。
    • 本作ではUCMAに取って代わられている『大鉄人17』のレッドマフラー隊(制服・装備品共に自衛隊とほぼ同一、名前と顔グラを合わせれば成り立つ)でよかったのではないだろうか。

賛否両論点

謎の原作再現のこだわり

  • 昭和特撮特有のナレーションの多さ。
    • ストーリーの説明にナレーションを使うのは昭和特撮の常だが、本作でもそれを再現。登場人物の台詞以外のメッセージは全てナレーションとしてフルボイスで読みあげられる。
      • ナレーションを担当しているのは仮面ライダーシリーズで有名な中江真司氏。ファンなら嬉しい要素である。
      • ただ、本編映像のデモムービーでは、政宗一成氏や大平透氏など、各原作のナレーションがノーカットで流れるので違和感も強い。
    • 問題は本当に昭和特撮のごとく、事件の捜査を始めとした話の細部をナレーションで片付けてしまうことである。
      • このことが登場人物の絡みの少なさを助長している一面がある。
  • ヒーローたちの拠点が喫茶店アミーゴ
    • メタル系の主人公は敵組織の元幹部でギャバンからも追われている犯罪者(指名手配犯)であるから、どこかの組織に所属するのは難しいとも言えるが、違和感は残る。
    • また、この設定のせいか、本作のシナリオの舞台は関東周辺*14に集中しており、宇宙を舞台に戦うヒーローもいるゲームのわりには、行動範囲が狭まっている。
  • 巨大ロボ勢であるジャイアントロボ、ワンセブンは原作通りに途中離脱する。
  • 役者ネタの拾い方
    • 有名どころで役者が被っているムラマツキャップと立花藤兵衛や、アオレンジャーと仮面ライダーV3があまりネタにされない。
      • 一応「ムラマツの話題が出た際に『アミーゴ』でクシャミをする藤兵衛」や、「藤兵衛をキャップと呼び間違えるイデ隊員」などの小ネタはある。
    • 一方で、「『キカイダー』のハンペンこと服部半平に化ける不思議獣」や、「マリに惚れる滝*15」のようなマイナーなネタもある。
    • 有名俳優や有名声優ネタは出演キャラクターを探せばいくらでも転がっているので、言い出すとキリがないのだが。

評価点

  • 登場するヒーローは、変身した姿だけではなく変身前の人間の姿でも戦うことができる。これらの姿は状況に応じて適度に使い分けていく必要があり、戦略的にもきちんとした意味を持っている。
    • 変身前のヒーロー(本郷猛、渡五郎、一条寺烈など)は原作再現度もそれなりで、いかにも本人(演じた俳優)が言いそうなセリフや、やりそうな殺陣を繰り出してくれる。戦闘員程度は軽くなぎ倒せる。
    • ただし、キレンジャーに変身する大岩大太は「まっかせんしゃい!」でも「トイヤッ!」でもなく、敵に洗脳された時の「ホイ!」という掛け声を上げる。
  • マシンに乗った姿や飛行する姿なども含め、各形態が細かく用意されている。
    • 例を挙げると、ライダー1号・2号のバイクであるサイクロン号は徐々にバージョンアップする上に変身後と変身前の通常形態まで再現されており、なんと計6ユニット×2人分で合計12ユニットもある。
  • 多くのサポートキャラが味方ユニットとして使用可能
    • ヒーローだけでなく、ヒーローに変身しない脇役のサポートキャラ(ウルトラシリーズの防衛隊員など)も大勢参戦しており、味方ユニットとして実際に使うことができる。これも従来の特撮ゲーでなかなか見られなかった斬新な点である。
      • さすがに主役級のヒーローに比べれば戦闘力は格段に低いが、なるべく意識して活躍の機会を与えてやればゲームを進めるのがグッと楽になる。少し強化すれば、体感的な難易度にかなりの差が出る。
  • 良質なクロスオーバー部分
    • 『帰ってきたウルトラマン』シナリオの最終話は原作でナックル星人との戦いを描いた『ウルトラの星 光る時』がベースだが、ここでナックル星人が切り札と称し、ブラックキングの仲間としてゼットンを召喚し「初代ゼットンとウルトラマンジャックの戦い」が実現。
      • かの有名なぶよんぶよんの着ぐるみのゼットン2代目は着ぐるみが間に合わなかっただけであり、シナリオ上は初代と同じ姿のゼットンと戦っていたことを考えると、初代ゼットンとジャックの戦いが見られるのは高評価。
  • 音楽はよくできており、特に本作オリジナル主人公たちのメインテーマは名曲レベルである。
    • ゴレンジャーのED曲『秘密戦隊ゴレンジャー』(いわゆるバンバラバン)や、『アニーにおまかせ』など、ツボを押さえた選曲がなされている。
      • ただし、これら2曲と『イナズマン』『同F』の主題歌は、なぜか曲の一部分が省略されている。また『ウルトラマン』のBGMは作中でよく用いられていた『進め!ウルトラマン』のインストアレンジではなく、歌のほうのメロディーで収録されている。
    • オープニングムービーで流れる主題歌『君は閃光☆THUNDERBOLT』はかなり熱い名曲。
      • 歌うのは宇宙刑事シリーズでおなじみの串田アキラ氏。タイトル画面で流れるだけのスパロボシリーズと違い、ちゃんとムービー中に流れる。
        なお、主題歌のアレンジBGMが最終決戦時に流れるのは、『第2次α』より早い。
  • 戦闘シーンのON/OFFは「決定に使うボタンが○か□か」で判定され、非常に分かりやすくスピーディー。
    • 戦闘シーンのアニメーションも意外と頑張っている。同時期の『スパロボα』に比べれば派手さで劣るとはいえ、少ない作画枚数で堅実に動きを生み出している。
      敵キャラはユニットごとにおおまかではあるが、撃破時の爆発演出も異なっている。

総評

事前に強化していないと詰んでしまうステージが複数ある一方で、「敵に倒される」ことでイベントが進むステージも複数あるためか、逆に強化しすぎると進行不能になることがあるなど、ゲームの基礎からして問題が発生している。
場合によってはチートしてもクリアが困難という有様で、ある程度の攻略に関する予備知識やルート分岐のプランニングは必須。

サポートメカの召喚と搭乗、ユニットの変形などの要素は忠実に再現されており、キャラゲーとしては企画者の意気込みが伝わってくる。
また、2組のオリジナル主人公はデザインや「実は敵組織の幹部であり、首領や他の幹部は家族。ギャバンと交戦しており、因縁がある(メタル系)」、「敵組織の差し金で肉親に人体実験の被験者にされ、親友が敵幹部で戦わざるを得ない宿命がある(バイオ系)」という設定はベタながらも評判は悪くなく、今後は別の形での再登場が期待されている。

参戦作品やオリジナルキャラクターに強い魅力を感じるのであれば、多くの問題点を承知したうえでも、意地でもプレイしてやろうという気にさせてくれる作品ではある。それだけにゲームシステム部分の内容がここまでひどくなってしまったのが残念なところ。


余談

  • スマートフォン用ゲームアプリ『スーパーロボット大戦DD』において、本作のオリジナルBGM「Acosmism」が使用された。