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HOSHIGAMI 沈みゆく蒼き大地 - (2017/11/11 (土) 14:05:10) の編集履歴(バックアップ)


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HOSHIGAMI 沈みゆく蒼き大地

【ほしがみ しずみゆくあおきだいち】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション
発売元 マックスファイブ
発売日 2002年2月7日
定価 4,800円(税別)
判定 クソゲー
ポイント 出来のよろしくない『タクティクスオウガ』
遠距離攻撃至上主義(敵も味方も)
レベリング必須の鬼のような難易度


概要

1997年にPSで怪作『ストレスレス レッスン れすれす』をリリースしたマックスファイブが、5年の沈黙を破って送り出した同社2作目のゲームソフト。
キャラデザはたかみち氏が手掛けており*1、ゲーム中の立ち絵イラストはもちろんのこと、グッズ用イラストやイメージビジュアルも同氏が担当した。

内容としては、剣×魔法×精霊を束ねたコテコテのファンタジー世界を舞台に、タクティクスオウガ』風*2としか言いようのない画面とシステムでゲームが展開していく。
作中にスライムやゴブリンなどの「モンスター」の類は登場せず、もっぱら人間キャラのやり取りだけで物語が構成され、作中には複数の分岐とエンディングが存在。
こういったところにも『タクティクスオウガ』感があるものの、肝心のゲームバランスはというと製品タイトルとは裏腹に徹頭徹尾突き抜けて難しく、多くのプレイヤーを意気消沈させるものだった。

ストーリー

3000年を超える歴史を誇るマーディアス大陸。現在は三つの大国が存在している。
その内の一国ヴァイレムが、精霊の力を「コイン」に封じ込め誰でも自由に魔法の使役を可能とする技術「コインフェイム」を開発。
さっそく大陸全土へ「コイン」が広まり、人々はより豊かな生活ができるようになった。
しかしそれから僅か一年後、技術の起案者であるフェルナンデスがクーデターでヴァイレム帝国の実権を握り、他国への侵略を開始した。
それに反発して出来上がった義勇軍は、バトルヘルパー(傭兵)達から成るギルドを結成し、果敢にも帝国とゲリラ的に闘いを始めた。

以上が、やがて大陸全土を巻き込む戦乱の序章である……でもそのわりにゲーム内の描写はイマイチで実際の危機感が希薄だったりし、
ただの一傭兵と思いきや案の定ものすっごく高貴な血を引いていた主人公の青年ファズが各地でいろんな仲間と出会いつつ、
裏で暗躍していた太古の精霊や悪人の生まれ変わりをなんやかんやで気付いたらぶちのめしてた、そんなわりとよくある物語である。
途中で人死にもあり、傾向的にはシリアスの部類。


ゲーム進行

  • ワールドマップを使って移動し、街はメニュー形式で利用できる。目的地(ステージ)に着くとそこでイベントとバトルが発生。
  • イベント中の選択肢などで物語が分岐。
  • レベル上げ専用のステージ「試練の塔」もマップ上に点在している。

バトルの基本的な特徴

  • 3Dモデルで描画されたステージのクォータービュー。ただしキャラ自体はドットで、『タクティクスオウガ』臭がすごい。
  • 『タクティクスオウガ』のようにターン制を廃し*3、あくまで素早い者から順に、敵味方入り乱れて行動するというシステムを採用。
  • 戦闘中に体力が尽きた仲間は、たとえメインキャラであろうと死亡し、その後も生き返らないまま物語が進行する
    • モブキャラについては街の斡旋所で何名でも補充できるが、メインキャラが死んでいると特定のルート分岐に乗れないのは言うまでもない。
      • 味方を殴って経験値を稼げるものの、上記の仕様のせいで慎重に行う必要がある。
      • 一応、戦闘不能になった仲間に対し、戦闘が終了するまでに復活系のコインフェイムで戦線復帰させればセーフとなる。
  • 側面や背後から殴られるとダメージが上がったり回避できなかったりする。
  • 地形効果で移動力等にすごい補正がかかる。


特徴的なバトル要素

  • RAPゲージ
    • キャラの「行動力」の総量を表したもの。キャラごとに一本用意されており、行動順が回ってきたときゲージは100%。
    • 移動・攻撃など何かをするたびに減っていき、あまりに減らしすぎると次に行動順が回ってくるタイミングが他者より遅くなってしまう。
    • その場から一歩も動かなければ攻撃を複数回行えるし、逆に攻撃を一切せずに長距離移動したりを、ゲージの減りを見ながら計画的に行える。
      • 「行動しすぎると次の行動順が遅くなる」といったSRPGのあるあるが可視化された格好。安心して行動できる。
  • 「コインフェイム」(魔法)
    • コインの受け渡しだけで、誰でもコインに対応した魔法を使用できる。
  • シュート(ノックバック攻撃)
    • 本作は全キャラがデフォルトで威力の低いノックバック攻撃を使用可能。対象は、敵味方どちらか1体。
      • 行動順が回って来ていない仲間を逃がしたり、逆に敵陣へ押し込んであげたり、敵を崖から突き落としたりと、地味に色んなことに使える。
  • セッション(連携攻撃)
    • 行動終了するとき「セッション」という構え姿勢を選ぶことができる。
    • 先述のシュートで、敵キャラを「セッション」状態中の仲間のもとへぶつけてやると、ぶつけられた仲間がその敵を向いてる方向へさらに吹き飛ばす。
    • 「セッション」状態の仲間を複数名並べておけば、まるでラグビーのパス回しのように、敵キャラをどつき回して一気にダメージを与えられる。
      • 性質上単体の敵にしか効果が無いが、威力は特大。さらに撃破時のアイテムドロップ率を激増させるという効果もあり、高価な装備品を奪い取れる。

成長・ステータス上昇の要素

  • コインの改造
    • コインは資金やレアアイテム「刻印」を使ってどんどん強化できる。
    • 強化すれば射程を伸ばし、消費コストを抑えることができ、魔法のエフェクトも派手になっていく。
    • 「刻印」は二つまでコインに付けることができ、コインが別のものに変質する。
      • ワンランク上のものになったり、はたまた「事故」により全く別のコインに生まれ変わったり……
      • 進化のパターンは無数にあり、さながら某ゲームの仲魔並に複雑な仕様となっている。
  • 精霊の信仰
    • 本作には火や水など計8種類の属性が存在し、それぞれに対応した精霊もおり、任意で一つの精霊を街の神殿で選び信仰できる。
    • これにより、ステータスの成長と得意(苦手)属性と習得スキルが変化する。
      • 実質、本作におけるジョブチェンジのようなものである。

評価点

  • 『タクティクスオウガ』の良い点を幾つか継承している
    • オリジナルとは全く別のメーカーが、他社の名作にここまで基盤をそっくり似せられたのは評価できるだろう。
      • おまけに独自システムも、作品と相性の良いものに落とし込まれている。
  • 隠しキャラなどマニアックな要素が充実
    • 普通にプレイしていたのではまず気付けないような条件で加入する、いわゆる隠しキャラが多数存在する。
    • 固有絵が多く、そしてモブキャラのバリエーションも多い。たかみち氏の画風が気に入った方には大きな長所。
      • ルート分岐についても同様で、一周では見きれないほどのイベントがあるのも長所だろう。プレイヤーのやる気が続けばだが…。

問題点

  • 敵軍のほうがこちらよりずっと強い上に、その編成がやたら優秀
    • 敵の増援などがない代わりに初期配置の敵の物量で押しつぶす形の戦闘なのだが。
    • 高所に敵弓兵がズラリ、動かず攻撃だけに専念 + 弓兵を回復サポートする敵魔道士 + こちらの回復を阻害する切り込み部隊 などの構成はお約束。
      • 斯様な鉄壁の布陣による、べつにルール上はズルしてないけど愚直にストレートな高難易度がプレイヤーの心を真正面から折りにくる。どないせいと。
      • 解決策は、死ぬ気で塔に篭ってコインを強化し続けるのみ。現在のストーリーを忘れてしまうほど。
  • そもそもストーリーの戦闘自体「試練の塔」でレベルアップしてから戦う事を前提に難易度設定されており、本編中のちょっとやそっとのレベル上げでは返り討ちに遭う。
    • 「まともにプレイするとSRPG史上最高難度」と評する声もある。クリアできるだけマシかもしれないが。
  • レベル差があると攻撃が当たらない
    • 武器の命中率はLV差が10以上あるとまず命中しなくなる。レベル上げは死活問題である。
      • 他、地形の効果にも左右される。さらに弓については障害物があったりすると当てられない。敵の弓兵?最初から高所に居ますが何か。
      • またレベル差補正でEXP、VOW(信仰値)の獲得量に相当差が出るため、レベル差ができた仲間を手っ取り早く成長させるには「レベルの高い仲間を攻撃系のコインフェイムで攻撃」するのが最も効率が良い。
  • 遠距離攻撃もといコインしかお呼びでない
    • 地形に左右されず広範囲を狙えるコインフェイム強化が戦闘の主体となる。他の攻撃手段は結局オマケ。世界観に忠実と言われるとそれまでだが…。
    • 魔法威力に直結するSPI(精神)を早いうちから上げておかないと泣く羽目に。
    • またAGL(素早さ)は戦闘時の行動順に直結しており、これが低いと行動すら取れずに経験値も獲得しづらくなるという悪循環に陥りやすい。
      • 故にどんなキャラでも素早さを高める装備を最優先で付けておかないと厳しい。
  • セッションシステムを狙う機会が滅多に無い
    • 下手に狙うと、味方を近場に密集させる都合上、敵の範囲魔法で殲滅されてしまう。
    • また中盤から雑魚がセッションを防ぐ装備やスキルを所持していたりするので決める事さえも厳しい。
  • 中断セーブができない
    • 終盤、何ステージか連戦するような場面だと、味方の死亡に気を付けながら数時間ぶっ続けでプレイしなければならないことも。




余談

  • 後にアークシステムワークスからNDS版が2007年に発売された。値崩れが激しいため簡単に手に入るのは利点ではある。
    • 序盤の兄貴分のキャラ「ロムレス」の代わりに新キャラ「カーシャ」が加わり、カーシャ含めて全キャラデザが木村樹祟氏のものに。
    • 全BGMが変更されたりした。新BGMの作曲はアークシステムワークス作品を多く手掛けていた末村謙之輔氏で、ファンタジー感あふれるテイスト。
    • オープニングで難易度設定も可能だが、「HARD」モードが「HOSHIGAMIオリジナルの難易度」と言われているのだから、いかにPS版の難易度が高いのかがよく分かる。
      • 難易度変更機能のおかげで非常に遊びやすくなっている。SRPGに飢えているならオススメできる範疇。
      • マックスファイブと何の関係もなさそうなアークシステムワークスがどういう経緯で移植に至ったのかは不明。