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ダイハード (PCE) - (2013/01/10 (木) 09:29:00) の編集履歴(バックアップ)


ダイハード

【だいはーど】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 PCエンジン
メディア ?MbitHuカード
発売元 パック・イン・ビデオ
開発元 日本物産
発売日 1990年9月28日
定価 7,200円
ポイント ブラッディウルフチックにゲーム化
やけにクオリティが高いビジュアルシーン
ゲームとしては微妙

概要

  • 日本では1989年に上映され大ヒットを飛ばしたアクション映画「ダイ・ハード」のゲーム化にあたる一作。ジャケットでのゲームタイトル表記は何故か「ダイハード」(「・」がない)となっている。
  • 同時期にファミコン版にもダイ・ハードのゲーム化がされており、発売が同じパック・イン・ビデオでシステムに類似性が見られるものの、ゲームとしては完全に別物なので注意。
  • 一人プレイ専用、全10ステージ構成、周回あり、裏技にて四段階の難易度調整が可能。

主なルール

  • いわゆるトップビュー視線のアクションシューティングにあたる。他ゲームに例えるならば、PCエンジンにも移植されたアーケード作『ならず者戦闘部隊 ブラッディウルフ』に近い。
  • 十字キーにて主人公の八方向移動と攻撃する向き調整の併用、使うボタンは各自、攻撃とジャンプに使用する。
    • 初期段階においては主人公は素手状態であり、主人公前方にて攻撃範囲の短いパンチ攻撃しか放てない。特定の敵を倒すことで銃アイテム(下記)を落とすのでそれを取ると、飛距離の長い銃攻撃を放つ事ができる。
    • ジャンプは特定の穴場を飛び越えたり、ジャンプしながら攻撃を放つ事により段差の高い敵を倒す事ができる。また、十字キーとの組み合わせでジャンプ中の移動制御ができる。
  • 敵が落とすアイテムは以下の通り。
    • 銃関係アイテム…4種類あり、これを取れば主人公が銃を放てるようになる。どの銃も弾数制限があり、弾が尽きると元のパンチ攻撃に戻ってしまう。以下武器の詳細。
      • 「アサルトライフル」…主人公前方に単発の弾を放つ。補給弾数は100発。
      • 「サブマシンガン」…主人公前方に5連射できる弾を放つ。補給弾数は500発。
      • 「グレネードランチャー」…主人公前方に単発の弾を放つ。弾を敵に当てると爆破し、周囲の敵も巻き込んで倒せる。補給弾数は30発。
      • 「火炎放射器」…主人公前方にバーナーを放つ。ボタン押しっぱなしにてバーナーは放たれ続けるが、その間は弾が連続で消費される。補給弾数は999発。
      • 所持している武器と同じ武器を取得すれば補充弾数がそこから上乗せされる。各武器の最大所持弾数は999発までとなっており、所持武器と違う武器を取得すると前の弾数はすべてリセットされてしまう*1(別の武器の複数所持はできない)。
    • その他アイテム
      • 「パワードリンク」…ライフを1回復
      • 「ファーストエイド」…ライフを全回復。
      • 「ボディアーマー」…ダメージを6回まで無効化し、さらにはライフ全回復の効果も兼ねる。
  • 各ステージには制限時間があり、時間内にクリアできないとゲームオーバーとなってしまう。また、各ステージにはボスがいない場所といる場所があり、いない場所は特定の地点まで進めば、いる場合はボスを倒せばそのステージはクリアとなる。
  • ステージをクリアするとライフが全回復し次のステージに進む事ができる。銃やボディアーマーを所持している状態でクリアすれば、次ステージにてそれらを引き継げる。
  • 完全ライフ制(初期/最大ライフゲージは終始6ゲージであり、敵ダメージをもらえばライフが1ゲージ減ってしまう。
    • 「ライフが0になる」「穴場に落ちる(一発死)」「制限時間が0になる」のいずれかの条件を満たしてしまうとゲームオーバーとなる。

問題点

  • 全体的にキャラが大きめに描かれている影響で、視野が見辛い事が多い。先に進めばいきなり敵の攻撃をもらっていたなんて状況も普通にある程。
  • 敵の種類が少ない。映画版に準じている為なのか、ほぼ人型の敵しかおらず、そのバリエーションも数える程度にしか存在しない。先に進んでも似たような顔ぶればかりで、早い段階からゲームがマンネリ化してくる。
  • ボス数も少なく、なんと全部で3体しかいない。本作は全10ステージだが、ボスが配置されているのがその内の3ステージのみ。
    • しかも、各ボスの耐久力が無駄に高いせいで長期戦になりがち。時間制限がある上に、主人公のライフ値もそんなに高くないこのゲームにおいて、時間とライフの制限、二つのプレッシャーが大きくのしかかる。特にラスボス戦はなかなか先が見えてこない程のしぶとさ。
  • 他にも本作はやたらと「ダイ・ハード」な環境が多く、無駄に難易度が高い。
    • 穴場を飛び越えるジャンプ距離がややシビアで、ちょっとずれた状態でジャンプすると転落死する恐れがある。そして本作は残機が無く、特に穴場が多くなる後半戦では即死の恐怖が高まってしまう。
    • また、制限時間もシビア気味で急ぎ足で進まないとタイムアップという事もあり得る。
  • コンティニューはできるがステージの最初からやり直しで、しかも有限。但し、裏技でコンテニュー数を無限にしたり、ステージセレクトをする事は可能。
  • ゲームをクリアすると周回によりステージ1から再出発となるのだが、ステージ内容の変化が皆無。しかも本作にはスコアという概念が存在しない上に、展開に変化がある訳でもないので、そもそも周回プレイをさせる意味すらも皆無。

評価点

  • ステージ前後にて、映画を元にしたビジュアルシーンが挿入されるのだが、このグラフィックがやたら繊細でリアル。ぱっと見は実写と見間違える程。映画版の主人公、ジョン・マクレーン警部補の顔の表情までしっかり書き込まれている。
  • ゲーム中のグラフィックの質はそこそこな部類。BGMは曲としては地味ではあるものの、ゲームのダイハードな雰囲気とマッチしている。裏技でサウンドテストが可能。
  • 1ステージの構造は適度で無駄な間延びは少ない(ラスボス戦は除く)。
  • 穴場や制限時間の存在はともかく、道中戦では雑魚が適度にアイテムを落とすので、その辺のバランスは取れている。

賛否が分かれそうな点

  • 明確なストーリー描写がほぼ無い。主人公が地上から高層ビルに侵入し、ビル屋上でラスボスと対決する様が淡々と展開するだけで、映画を知らない人からしてみれば彼の行動目的が意味不明な恐れがある。

総評

  • ぶっちゃけいってしまうと、「ダイ・ハード」を題材にする必要もあまり無く、ゲームとしても微妙でこれといって光るところも見当たらず、やっつけで作った感が大きく目に付いてしまったというべき一作だろうか。
  • 流石に熟練のニチブツが開発しているだけあって、それなりにはゲームとしては遊べはできるが…。
  • ファミコン版ダイ・ハードも凄まじい凶悪難易度で某海外動画にて批判されていたが、こっちはこっちで「何だかなぁ…」という感想しか思いつかない。う~ん、微妙だ…。