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メタルストーカー - (2012/10/07 (日) 08:59:07) の編集履歴(バックアップ)


メタルストーカー

【めたるすとーかー】

ジャンル シューティング
対応機種 PCエンジン
発売元 フェイス
発売日 1991年7月12日
定価 6,980円
ポイント 任意移動型サイバーシューティング
シューティングとしてはPCE屈指の出来
地味さにおいてもPCE屈指

概要

  • 1991年にフェイスからリリースされた、PCエンジンオリジナルの任意移動型縦スクロールシューティング。
  • 自機が戦車型で、任意移動にてステージを攻略するという流れは、先にX68000にてリリースされたゲーム『グラナダ』との共通している事から、両者はよく比較されやすい傾向にある模様。
  • 一人プレイ専用。全7ステージ構成。裏技にて三段階からの難易度調整が可能。

主なルール

  • 操作系統。
    • 十字キーにて自機の八方向移動操作。ボタンは各自、ショットボタンと方向固定ボタンに使用する。SELECTボタンやRUNボタンも使用対象に含まれる。
      • 本作は任意スクロール移動なので、自機の移動がそのままスクロールに繋がる仕様となる(例外場所あり)。
      • ショットボタンで自機前方にショットを放つ。
      • 自機は移動している八方向のいずれかにショットを放つ性質があり、通常ではショットの向きが固定されない。
        方向固定ボタンを押すとショットの向きを固定しながらの移動ができる。もう一度ボタンを押せば固定が解除される。
      • RUNボタンを押すとポーズと併用して5種類のショットを切り替える事ができる(下記)。
      • SERECTボタンを押すとショットに対応した特殊動作が放てる(下記)。
  • ショット切り替えについて。
    • 自機には最大で5種類のショットが搭載されており、ポーズ中に好きな種類のショットを選んで装備(使用)できる。
      • ゲーム開始時では「レールガン」しか選べるショットがないが、アイテムを取得すると残り4種類のショットも選択可能となる。
      • 原則としていつでもショットの種類を選択できるが、一部のボス戦では例外として選択不可の制限がかかる場合もある。
    • 各ショットには使用回数のある「特殊動作」が用意されている。
      • 装備しているショットによって特殊動作に差別化が図られており、それを意識した使い分けが必要となる。
      • 特殊動作は装備ショットによって別々でストックされている*1。また、ストックとは別で特殊動作を使用すると、対応した装備のショットのパワーが1ランク下がるペナルティがある。
  • ショット、及び特殊動作の性能に関して下記詳細。
    • 「レールガン」…初期装備。連射が可能で最もクセの少ないショット。特殊動作は敵の弾(敵そのものには無効)を4発分防いでくれるバリアを発生させる「フルボディバリア」。
    • 「ガンマレイレーザー」…連射力はやや弱いが攻撃力の高いショット。特殊動作は自機の前後左右斜めにて八方向のレーザーを放つ「マルチストライク」。
    • 「ソニックウェーブ」…射程距離は非常に短いが、攻撃力が高く敵弾をかき消せる。特殊動作は一定時間完全無敵になれる「ストラグルクラッシュ」。
    • 「サテライトボム」…自機の近くに地雷を設置する。特殊動作は自機がジャンプし敵弾をかわせる「ハイパーブースター」。
    • 「ホーミングミサイル」…その名の通りホーミングミサイルを発射する。特殊動作は敵にダメージをあたえ、その敵を中心に広範囲の爆風を巻き起こす「メタルメルトダウン」。
  • アイテムについて。
    • ステージ内で所々に置かれているコンテナを破壊すると専用アイテムが出現する。
    • アイテムの紹介を下記に示す。
      • 「レールガンユニット」…レールガンの1段階パワーアップ + フルボディバリアのストックが1追加。
      • 「ガンマレイレーザーユニット」…装備ショットにガンマレイレーザーが追加 + ガンマレイレーザーの1段階パワーアップ + マルチストライクのストックが1追加。
      • 「ソニックウェーブユニット」…装備ショットにソニックウェーブが追加 + ソニックウェーブの1段階パワーアップ + ストラグルクラッシュのストックが1追加。
      • 「サテライトボムユニット」…装備ショットにサテライトボムが追加 + サテライトボムの1段階パワーアップ + ハイパーブースターのストックが1追加。
      • 「ホーミングミサイルユニット」…装備ショットにホーミングミサイルが追加 + ホーミングミサイルの1段階パワーアップ + メタルメルトダウンのストックが1追加。
      • 「シールドユニット」…消費したシールドを全回復。シールド全開状態で取得すれば1UPの効果。
  • ステージクリア条件について。
    • 各ステージはいくつかのフィールド(エリア)にて構成されており、フィールドによって先に進む条件に相違がある。
      • 主な条件は「一定地点まで進んだ先にあるハッチに入る」「フィールド内の敵を全滅させる」「迷路型の地形を乗り越える」などがある。
      • ステージ内にあるすべてのフィールドを突破するとボスと対決する事となり、やつを倒せばそのステージはクリアとなる。
    • 特別ボーナスとして、ステージ3と6をクリアすると無条件で1UPする。
  • ミス条件について。
    • 敵や罠に触れる事でシールドが消費されるライフ制と残機制を兼ねる。ミス後は途中復活となる。
      • シールドは色で表示されており、最大状態の色は緑となっている。自機がダメージをもらう度に「緑(最大) ⇒ 黄 ⇒ 赤 ⇒ 点滅赤」と色が変化し、点滅赤状態でのダメージでミスとなる。
      • ミスしてもショットの種類などが減る事は一切なく、そのままの状態での復活となる。
      • コンティニューは有限で可能だが、そのステージの最初のフィールドからやり直しとなり、装備ショットがレールガン1種類のみ(ゲーム開始時と同じ状態)の再開となってしまう。

評価点

  • 純粋にシューティングゲームとしての完成度が高い。
    • シューティングの「撃つ楽しみ」と、任意移動による「動く楽しみ」を兼ね備えた面白さを持っている。
    • ゲームバランスが絶妙に良く、全体的に洗練された作り。
      • 何も考えずに突っ込むとダメージの洗礼をもらうが、パターンを考えて行動するとちゃんと先に進める作り込まれたバランス調整がなされている。
      • 本作は任意移動で自分にあった行動ができ、時間制限もないのでじっくりと攻略できる余裕がある親切仕様であり、比較的アドリブ攻略が重心となってくる。
      • ミスしてもショットのランクが下がるなどのリスクがなく、極端な戦況不利に陥りにくいのも嬉しい配慮。
  • グラフィック・BGM周りに関しても上質な部類。
    • サイバーな空間を表現したグラフィックはメカメカしくてかっこいい。どことなくレトロフューチャーな雰囲気を醸し出しているが、これはこれで味わい深い。
    • BGMも無機質でかっこいい楽曲多数。裏技でサウンドテストが可能なのも嬉しい。

問題点、及び賛否が分かれそうな点

  • やや快適性に欠ける面も持つ。
    • 稀に背景と敵、もしくは敵弾が同化している場面があり、その辺は少々紛らわしく、「知らない間にダメージをもらっていた」なんて事もあり得るのが厄介である。
    • また、一部ではあるが初見では迷いやすい迷路構造のフィールドもあり、慣れないとやや厳しいところもあるかもしれない。この辺は「攻略パターンを覚えろ」という事なのだろう。
    • コンティニュー回数が少ない上に、そのステージの最初からやり直しになり手間がかかる。
      • 裏技でステージセレクトが可能だが、コンティニュー時も含め、装備ショットが初期状態なので、特に難易度が高くなっている後半ステージでの再開は異様に苦労するハメになる。
    • 裏技(隠しオプション)はコマンド入力時間が妙にシビアで、なかなか項目に移項できないのが困り者。
      • もう「隠さずにオプション出しとけ」という気分にさせられる。というか、オプション如きを隠す必然性が分からない。
  • レールガン無双。
    • 初期ショットであるレールガンが高性能で、他のショットを使う機会が少ない。
      • その為、一部のフィールドを除けば大体はレールガン1つで先に進めてしまい、ショットを使い分ける楽しみが薄くなっている。
      • 逆の発想で「あえてレールガンを封じて使いにくいショットで難関に挑む」といった縛りプレイで楽しむのもありかもしれない。
  • 清々しいまでの地味さ加減。
    • 小味は利かせているものの、派手な演出は少なく非常にさっぱりした展開でステージは進む。
      • 「良くいえば素朴、悪くいえば殺風景」といえる外観であり、「とにかくド派手に敵どもを破壊していくぜ」という楽しみを期待すると寂しい思いをするかもしれない。

総評

  • 存在自体がドマイナーな上にその地味さ加減のせいでクソゲー扱いされやすく、何かと冷たい目で見られがちな一作だがゲーム自体はごく普通に遊べる隠れた傑作といえる存在。
  • PCEソフトにおける強制スクロールのシューティングは数多くリリースされているが、本作の様な任意移動型シューティングは極めて少なく、そういう意味では貴重な存在といえるかもしれない。
  • フェイスは本作の後の『タイムクルーズII』のリリースを最後にPCEから撤退してしまう。クセは強いが、いいゲームが多いメーカーなのだが…。