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メタルストーカー - (2010/11/30 (火) 02:40:50) の編集履歴(バックアップ)


メタルストーカー

【めたるすとーかー】

ジャンル シューティング
対応機種 PCエンジン
発売元 フェイス
発売日 1991年7月12日
定価 6,980円
ポイント 任意移動型サイバーシューティング
シューティングとしてはPCE屈指の出来
地味さにおいてもPCE屈指

概要

  • 1991年にフェイスからリリースされた、PCエンジンオリジナルの任意移動型縦シューティング。
  • 自機が戦車型で、任意移動にてステージを攻略するという流れは、先にX68000にてリリースされたゲーム『グラナダ』との共通している事から、両者はよく比較されやすい傾向にある模様。
  • 一人プレイ専用、全7ステージ構成、裏技にて三段階からの難易度調整が可能。

主なルール

  • 各ステージはいくつかのフィールド(エリア)にて構成されており、フィールドによって先に進む条件に相違がある。主な条件は、一定地点まで進む、フィールド内の敵を全滅させる、などがある。
    • すべてのフィールドを突破すると、そのステージのボスと対決する事となり、倒せばそのステージはクリアとなる。
  • 主に使うショットは、ショットボタンと方向固定ボタンがある。後者は一度押すと自機の八方向ある射程の向きを固定し、もう一度押すと解除できる。
  • 自機には複数の性能の違うショットが持てる。初期状態では「レールガン」1つのみだが、所々に置かれている「コンテナ」を破壊すると専用アイテム(ユニット)が出現、それを取得する事により最大5種類のショットを使用できる。取得したショットは消滅する事はなく、ゲームオーバーになるまではずっと所持可能。同じショットアイテムを繰り返し取得すると、各ショットのパワーアップもする。
    • ショットの切り替えはステージ中にポーズをかける事により選択ができる。選択制限は一切無く、一部のボス戦を除けば常に切り替えが可能となっている。ショット及びアイテムの種類は以下の通り(左はショット名、カッコ内はアイテム名)。
      • レールガン(レールガンユニット)…初期装備。連射が可能で最もクセの少ないショット。
      • ガンマレイレーザー(ガンマレイレーザーユニット)…連射力はやや弱いが攻撃力の高いショット。
      • ソニックウェーブ(ソニックウェーブユニット)…自機回りに微小に発生される。射程距離はかなり短いが、攻撃力は高く、敵弾をかき消せる。
      • サテライトボム(サテライトボムユニット)…自機の近くに地雷を設置する。攻撃力は高く、自機に突っ込んでくる敵を予測して設置すると当てやすい。
      • ホーミングミサイル(ホーミングミサイルユニット)…その名の通りホーミングミサイルを発射する。勝手に敵を攻撃してくれる半面、連射が効かないのが難点。
      • (シールドユニット)…消費したライフ(ゲーム中の表記は「シールド」)を全回復させる。また、ライフが全快の状態で取得すると1UPの効果がある。
  • セレクトボタンを押すと、ストック制限のある特殊技が出せる。今使用しているショットによって特殊技の効果に相違がある(すなわちショット同様、計5種類の特殊技がある)。
    • ストックはその使用しているショットの専用アイテムを取得する度にパワーアップと共に1増えるが、特殊技を使用する度に対応ショットのパワーランクとストックが同時に下がってしまう。以下その効果を示す。
      • フルボディバリア…レールガンの特殊技。敵の弾(敵そのものには無効)を4発分防いでくれるバリアを発生させる。
      • マルチストライク…ガンマレイレーザーの特殊技。自機の前後左右斜めにて八方向のレーザーを放つ。
      • ストラグルクラッシュ…ソニックウェーブの特殊技。一定時間完全無敵になれる。
      • ハイパーブースター…サテライトボムの特殊技。自機がジャンプし敵弾をかわせる。
      • メタルメルトダウン…ホーミングミサイルの特殊技。敵にダメージをあたえ、その敵を中心に広範囲の爆風を巻き起こす。
  • ライフ(4ゲージ)&残機制で、ミス後は途中復活、両者共になくなるとゲームオーバー。
    • 上記で示した、ライフ全快状態でのシールドユニット取得の他に、ステージ3と6をクリアすると無条件で1UPする。

評価点

  • シューティングの「撃つ楽しみ」と、任意移動による「動く楽しみ」を兼ね備えた完成度の高さ。
  • ゲームバランスが絶妙に良く、全体的に洗練された作り。何も考えずに突っ込むとダメージの洗礼をもらうが、パターンを考えて行動するとちゃんと先に進める適度加減である。
    • 本作は任意移動で自分にあった行動ができ、時間制限もないのでじっくりと攻略できる余裕がある親切仕様である。また、ミスしてもショットのランクが下がるなどのリスクが無く、極端な戦況不利に陥りにくいのも嬉しい。
  • サイバーな空間を表現したグラフィックはなかなか上質な部類。BGMも無機質でかっこいい楽曲多数。裏技でサウンドテストが可能。

問題点

  • 稀に背景と敵、もしくは敵弾が同化している場面があり、その辺は少々紛らわしい。また、一部ではあるが、迷いやすい迷路構造のフィールドもあり、慣れないとやや厳しいところもある。
  • 初期ショットであるバルカンが高性能で、他のショットを使う機会が少ない(全く使えない訳ではないが)。その為、一部フィールドを除けば、大体はバルカン一つで先に進めてしまい、ショットを使い分ける楽しみが薄くなっている。
  • コンティニュー回数が少ない上に、そのステージの最初からやり直しになり手間がかかる。また、裏技のステージセレクトやコンティニュー時で始めても、所持ショットが初期状態なので、特に後半ステージでは異様に苦労するハメになる。
  • 裏技(オプション項目入り)コマンド入力時間がシビアで、なかなかオプション項目に入れないのは困り者。

賛否が分かれそうなところ。

  • 清々しいまでの地味さ加減。小味は利かせているものの、派手な演出はほとんどなく、非常にさっぱりした展開でステージは進む。良くいえば素朴、悪くいえば殺風景。
  • オープニングやエンディング、序盤ステージのチュートリアルにて文章表示がされるのだが、全部英文で日本人向けの表示じゃない。本作はれっきとした国産ソフトなのに、何故わざわざ英語なのか?
    • まぁ、硬派なるサイバー空間で、文字が日本語表記なのもちょっと違和感あるかもしれないが…。

総評

  • 存在自体がドマイナーな上に、全体的に漂う地味さ加減のせいでクソゲー扱いされやすく、何かと冷たい目で見られがちな一作だが、ゲーム自体は普通に遊べる、いわば隠れた傑作といえる存在。
  • PCエンジンは強制スクロールのシューティングは数多いのだが、こういう任意移動型シューティングは極めて少なく、そういう意味では貴重な存在といえるかもしれない。
  • フェイスは本作の後の『タイムクルーズII』のリリースを最後にPCエンジンから撤退してしまう。クセは強いが、いいゲームが多いんだけどなぁ、このメーカー。