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E.T. The Extra-Terrestrial - (2015/01/16 (金) 16:08:05) の編集履歴(バックアップ)


E.T. The Extra-Terrestrial

【いーてぃー・じ・えくすとら・てれすとりある】

ジャンル ADV

対応機種 ATARI2800
開発・発売元 ATARI
発売日 1983年
判定 クソゲー
ポイント 作業ゲー
E.T.に見えないE.T.
エリオットがE.T.と何故か融合
落とし穴
バグ搭載、中には起動すらしないものも混じってる
Electronic Gaming Monthlyで最下位
アタリショックの引き金と言ってもいい作品
しかし「失敗に終わった意欲作」と評価する声も
北米版クソゲーワースト1位(参照)

概要

10歳の少年エリオットと地球外生命体( E xtra T errestrial)との種族と星を超えた絆を描いた「E.T.」。
1982年にスティーブン・スピルバーグ氏が世に送り出し、映画史にその名を刻んだ名作映画をATARIが版権を取り直々にゲーム化。
しかしその出来は クソゲー史にその名を刻む あまりにお粗末なものとなってしまった。

ゲーム内容

  • UFOのパーツを探すという作業ゲー。
    • E.T.とは思えない主人公、雑な背景等の低レベルなグラフィック(まあATARI2800のゲームとすれば許容できる範囲ではある)。
    • 謎の"首を伸ばす"動作(一応「空中浮遊」等の特殊行動に必要なアクション)。
    • 穴に落ちてしまうと、空中浮遊でのろのろと脱出しなければならず、ゲームが酷く単調に。
      • しかも穴がやたらと多い。さらに敵は穴を平気で渡る。
    • E.T.の体力が尽きると何故かエリオットが融合して復活。
  • 実は説明書にワープ・アイテムサーチ等の特殊行動や記号・アイテムはちゃんと書かれており、それを読めば割と普通にプレイできる。その為「とっつきにくく、操作に癖があり、把握も困難だが面白い」という声もある。
    • しかし当時説明書を読まないとプレイが難しいゲームという物は殆ど無かった事、$50と高め(当時の平均は$25~$35位)であった事が災いし、ボロクソに叩かれる結果となってしまった。「ファミコンで例えるなら下知識無しに『ボコスカウォーズ』をプレイする様な物」とも。
      • 実際、日本でも「マイコン★ボックス」(1984発行)という雑誌のATARI2800レビューでは「アタリ独特のもので、ストーリー性もあって、おもしろい」と結構好意的な評価をもらっている。
      • ただ、中身がE.T.らしいかというと、これには否定詞がどうしても付いてしまうをえない。
  • 苦労してパーツを集めた後は本来仲間の宇宙船を呼んでクリアとなるのだが、その宇宙船が来ないというバグに陥る事がある。
    • 更に酷いものになると、ゲームデータが破損して2度とプレイできなくなるというバグもあるらしい。
  • この内容の上、中には起動すらしないという正に商品未満の代物まで紛れ込んでいた。

米国で先行(1982年)発売された後の顛末

  • 大量の在庫を抱え込んでしまい、「売れ残りの処分に困ったAtariが、トラック十数台分に及ぶ大量のカートリッジ等をニューメキシコ州の砂漠にある埋め立て地に埋めて廃棄した」という真偽不明の情報が報じられ都市伝説として語り継がれるほどであった。
    • ところが近年、この話を検証するプロジェクトが立ち上がり、2014年4月に埋め立てたとされる地点を発掘したところ実際にソフトが発見され、都市伝説は真実だったとして日本でもちょっとしたニュースとなった。→参考記事
      • 更に2014年12月15日、この発掘ソフトは「史上最悪のゲーム」として米スミソニアン博物館に収蔵されることになった。
    • 他のソフトにリサイクルされたという意見もある。使い切れなかった物は放棄されたかも?
      • 一部は日本国内向けにほぼそのままリサイクルされたらしい…。
  • というのもこのゲームはクリスマスのキラータイトルを目論んでいたらしく、なんと500万本(ATARI2600自体は全米で1000万台)も作られていたのである。
    • 一応150万本売れたのだが、その結果は以上の通り。版権や諸々で大赤字だった。
    • このゲームを機にアタリ社の信頼は一気に地に落ち、アメリカのゲーム業界は氷河期と化したのであった。
  • アメリカでのこのソフトの評価は、歴代ソフトのワースト候補をきめる際の常連となってしまっているほど。
    • SeanbabyはElectronic Gaming Monthly150号において歴代ゲームワースト20のワースト1位にしている。
    • FHM誌の代理編集人Michael Dolanも歴代ワーストゲームの1位にこのゲームを選んでいる。
    • PC Worldも、筆者Emru Townsendによる「質問した内の3人に1人はこのゲームをすぐに思い出していた。何故かを理解するのは難しくない」というコメントを添えて、歴代ワーストゲームのリストトップに『E.T.』を置いている。
    • X Playで唯一0点をつけられてしまった。
  • 版権などの契約で時間を使ってしまった結果、製作時間はわずか6週間(当時の平均の製作時間は5ヶ月~半年)だったようだ。
    • このゲームを作ったハワード・スコット・ウォーショウは2日間で大まかなアイデアをまとめたが、時間の少なさで殆どを削ってしまったのである。
    • ウォーショウは後に「私は6週間でこのゲームを作ったということに対してはいい仕事をしたと思う。ただし、ユーザーは製作時間なんて気にはしない。クソゲーと呼ばれることに対しては悪く思ってはいない」と述べた。彼は時間という魔物と戦ったのだ。
    • しかしCMは広告詐欺としかいえない出来だった。評価はこれも後押ししているだろう。⇒参考動画
  • 日本でも噂は伝わっており、上記のカートリッジ発掘の際にインサイドの記事では「最悪のクソゲー」と呼ばれており、Yahoo!JAPANのトップニュースでも「史上最悪ゲーム 地中から発掘」と記載された。

評価点

  • 起動画面のETの1枚絵は(ATARI2800という事を考慮すれば)中々の書き込み様。本編はアレだけど。
  • 版権をキチンと取得している。しかしやはり、それに時間をかけすぎてしまったのがマズかったと言わざるをえないだろう。

余談

  • Wikipediaでは何故か(アタリ2600)と付けられている。
    • Wikipediaには出典が必要であり、ATARI2800に関しては日本語圏に伝わった情報が少ないためこのような記事名になったと思われる。
    • 一方で2600(ATARI2800の海外版)の他にもGBやGBAでも出ている英語版では何故か(video game)になっている。
  • AVGNでスピルバーグ作品のゲームが取り上げられた際にもこのゲームは登場したにはしたが、起動はされなかった。ジェームス・ロルフ氏でも語れない程の作品ということだろうか。 ……と思っていたら近年、公式サイトにて劇場版でのレビューが確定。そしてレビュー部分が公式チャンネルで切り抜き公開されている。

動画

※貼り付けが拒否されている動画なのでリンクのみ。