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EVE The Lost One - (2013/08/25 (日) 03:41:52) の編集履歴(バックアップ)


注意:ここでは、オリジナルの『EVE The Lost One』(クソゲー)と、そのWindows移植版(改善)について解説する。


EVE The Lost One

【いぶ ざ ろすと わん】

ジャンル AVG
対応機種 セガサターン
プレイステーション
メディア CD-ROM 4枚組
発売元 イマディオ(イマジニア)
発売日 【SS】1998年3月12日
【PS】1998年12月23日
定価 共に8,190円
レーティング 【SS】セガ審査:全年齢対象
【PS】表記なし
分類 クソゲー
ポイント 魅力のない主人公
ぶっ飛んだシナリオ
ライターは前作未プレイ
EVEシリーズリンク

概要

EVE burst error』の3年後を舞台にした続編。
前作の主要スタッフはほぼ退社しており、スタッフは一新。本作のシナリオライターは山田桜丸(後の桜庭一樹)。
大人気作の続編だけに注目が集まったが、その出来は…。

特徴

  • 本作はシリーズで唯一主人公が変わっており、桐野杏子と謎の爆破犯SNAKEの二人が主人公。
    • 「追う者と追われる者」がキャッチコピー。
    • 杏子は前作主人公の一人まりなの後輩であり、新人ながら優秀な捜査官。

問題点

とにかくシナリオの荒が目立つ。

人物関係

  • 魅力のない主人公
    • 前作主人公は二人とも「優秀な捜査能力を持ち」「おちゃらけた一面も持つ」という点では共通しており、一癖も二癖もある相手と対等以上に立ち回るのは見ているだけで楽しく、またギャグもシナリオに上手く緩急をつけていた。
      • 本作の主人公は「真面目だが未熟な捜査官」と「正体不明の爆破犯」であり、上記のような点は一切なく、前作プレイヤーが『EVE』を期待するとまずここで引っかかる。
    • 杏子は未熟ながら頑張る姿が努力型の主人公としてはまだ感情移入できるが、SNAKEは正体を隠すために感情移入できるような点が一切描写されないため、はっきり言って主人公として扱うには役不足、どころか失格
      • 「SNAKE編」は正体がバレそうな箇所では一気にシナリオが飛び、感情描写も非常に希薄。
      • ちなみに杏子は杏子で、何処に行くか考えずに捜査を開始したり、ハッキングが犯罪だと知らなかったり、機密情報を漏洩したりと優秀な新人捜査官(笑)としか言いようがなかったりする。
  • 人間関係が希薄。
    • 本作はとにかく事件を追うことに終始していて、人間関係の描写が非常に薄い。
      • 前作は三角関係の恋愛や、それぞれの主人公の共通の知人、同じ人物に会った際に別の印象を受けたりと人間関係がしっかりと描写されていた。
      • SNAKE編では正体を隠すために、脅迫者ADONIS以外とのまともな会話がほとんどない。
        事件を起こすか、ADONISとの会話をする以外はその辺りをうろつくだけである。
  • 黒幕が陳腐すぎる。
    • 「こんなやつがこんな考えでこんな規模の事しでかしたの?」と言った感じで、それ自体は物語のきっかけとしてありかもしれないが、はっきり言ってラスボスとしては役者不足。

シナリオ全般
とにかく超展開の数々が目に付くが、それ以外にも描写が足りずに唐突に感じる展開が多い。
『burst error』と比較しての酷評も多いが、単純に一つのシナリオとしても終わらせ方を含め問題は多い。

  • 最終章の唐突な舞台変更。
    • 日本からエルディアへ移動する際の描写はカット。いきなり移動する為、プレイヤーは若干置いてけぼり。
  • 前作の設定との齟齬。
    • 前作でエルディア人の半数以上が読み書きすらできないという説明があったが、たった3年で英語での会話に支障のない国になっている。
    • その他、前作キャラの性格の違い等もよく問題点に上がる。
    • ちなみに山田桜丸は前作をプレイしていないと公言している。
+ 超展開なシナリオ(ネタバレあり)
  • 爆破犯を特定する為にイルカの超音波を受信して解析する一高校生
    • 杏子がイルカの水槽に入ってイルカに質問。その返事を解析。
  • パソコンのキー入力一つで世界中に蔓延するウィルス。
    • コンピューターウィルスではなく、リアルのウィルスが一瞬で蔓延する。
    • 世界中に蔓延したウィルスに対抗するワクチンを砂漠のテントの中で素人が作り上げる
  • 最終章直前に入る突然すぎるメタネタ。
    • SNAKEが「もうお前には従わない」といきなりプレイヤーに宣告する。
      • インパクトはあるが正直それだけであり、シナリオ上の必要性もない。
      • 最後は杏子の視点でのみ話を進めたいのかもしれないが、それにしてもやりようはいくらでもあったはず。
  • 最後は他に誰もいない砂漠で杏子と恋人の二人でワクチンを打った所で終わる。
    • その終わり方と販売時期の関係で「まんまエヴァ」と揶揄される。
  • 前作の重要人物をない理由であっさり殺す
    + 詳細(前作を含めネタバレあり)
  • 前作最後に眠りについたEVEを叩き起こした上に、プリシアの影武者として殺してしまう。
    • しかも殺されるまでの状況が不自然でツッコミ所多数。
      • 王女なのに何故かろくな警護も付いていないプリシア。
      • 部外者が勝手に歩きまわれる王宮。
        事件が起きても主人公たちが到着するまで発覚しない。
      • 周囲の信頼を失ってるという大司教がたった一人で特に計画もなくあっさり殺人成功。
    • さらにその遺体がウィルスに対抗する為のワクチンの材料に。
    • PC98版にのみEDの後に主人公二人とプリシア、EVEの皆で笑うイラストが入ったが、それは不可能に。

その他

  • 前作SS版もそうだが、主人公を切り替えるたびにディスクを入れ替えるのは手間。
  • BGM全般が微妙。
  • 物語進行が詰みかねないバグ
    • 終盤のSNAKE編において、ある場所(A)へ移動する際に、規定の場所(B)以外からAへ移動すると、杏子編のシナリオが進まなくなる。
      • 本来はSNAKE編においてAへはBからしか移動できないのだが、このタイミングのみ他の場所からもAへ行けてしまう。
        BからAへ移動する事でバグ状態から復帰は出来るが、バグってる事に気づきにくく、たまたま運良く復帰できない限り詰みと勘違いしてしまう。

評価点

  • ムービーの出来は良い。
    • 『burst error』同様ムービーは効果的に使われており、OPムービーもシナリオを期待させる出来になっている。
  • マップ移動の導入
    • 前作は今いる場所から別の場所へ行く際に、現在の場所から移動できる場所を経由して移動する必要があったが、本作はマップ上の地名を指定して移動できるようになった。

総評

単体で見てもツッコミ所多数なシナリオの上に、前作が名作として評判が良かった為に、発売後は酷評され一気に値崩れた。
とにかく超展開の連続な上に終わり方もあっけなく、エピローグが入らない為に終わり方も唐突。
山田桜丸(桜庭一樹)の作風を知っている人に言うならば、「氏の破滅的な方面の作風」である。

ちなみにSS版の後にPS版が発売されたが、PSでは前作は未発売(ソニー据え置き機はPS2移植版までなし)。
その為、初めてのEVEシリーズが本作だったプレイヤーもいたが、そちらのプレイヤーの評判も芳しくなかった。


THE LOST ONE Last chapter of EVE

【ざ ろすと わん らすと ちゃぷたー おぶ いぶ】

ジャンル AVG
対応機種 Windows
メディア CD-ROM
発売元 シーズウェア
発売日 2000年6月2日
レーティング ソフ倫:15歳未満禁止
分類 改善
ポイント 足りない部分を補足するシナリオの追加

変更点

  • まりな編の追加
    • 第3者の視点を追加する事で、描写不足だった点が解消されている。
    • また、まりな自体の人気もあり、前作キャラの出番も他2編に比べ多いので、まりな編自体もそれなりに好評。
  • エンディングに杏子達以外の描写が軽く追加されている。
    • 結局二人以外がどうなったか不明だったのが少しとはいえ解消されている。
  • 前作BGMの導入

総評(Win)

新シナリオを追加した事で、原作の描写不足は改善されている。
また追加シナリオ自体も評判は良い。
シナリオ本編自体は変わっていないが、もし今『LOST ONE』をプレイするのなら、Win版のプレイを強く推奨する。