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がんばれゴエモン ~黒船党の謎~ - (2017/05/07 (日) 21:09:44) の編集履歴(バックアップ)


がんばれゴエモン ~黒船党の謎~

【がんばれごえもん くろふねとうのなぞ】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ゲームボーイ
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテイメント名古屋
発売日 1997年12月4日
定価 3,980円(税別)
プレイ人数 1人
レーティング 【VC】CERO:A(全年齢対象)
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2012年3月7日/400円
判定 クソゲー
ポイント 黒船党強すぎ
連射パッドが無ければ無理ゲー同然
97年でこのボリューム
がんばれゴエモンシリーズ・関連作品リンク

概要

コナミを代表するアクションゲーム作品『がんばれゴエモン』シリーズの一作品。

非道な盗みを働く謎の盗賊団。黒船から出るため「黒船党」と名付けられたその組織をゴエモン達が懲らしめに向かうトップビューのアクションゲーム。
十字ボタン+2ボタン(攻撃、ジャンプ)というオーソドックスな操作のアクションゲーム、なのだが…。


問題点

ゴエモンシリーズらしからぬ、キャラ毎の個性付けの薄さ

  • ゴエモン(バランス型)、エビス丸(パワー型)、サスケ(スピード型)の中から一人選んで操作することになるが、ゴエモンやサスケの飛び道具がエビス丸と同じ十字手裏剣と手抜き。
    • 同シリーズの長所の一つが「シリーズで培われた、各キャラクターお約束の個性的な能力・武器・操作性」であり、使用武器の重複は、その長所を完全に殺している。ハードの性能を考慮したとしても、手抜きと言われて仕方がない設定になっている。

明らかなボリューム不足とそれを誤魔化すかのような高難度

  • ゲームボーイ本体発売から10年近く経過した頃の作品にも関わらず、ステージ数が たったの5面しかない
    • 面の少なさをごまかすためなのか、各面の道中は同じような地形がずっと続くなど無駄に長く単調な上に難易度も無駄に高い。
      • 残り人数が無いため体力が無くなるとその時点でゲームオーバーで、更には面クリア後にしかセーブできないという鬼畜仕様のため、難所は「死んで覚える」必要がある。
        更に敵がアイテムを落とさなくなり、道中の百両箱を拾うだけしかない金を得る手段がない。この点も難易度上昇に拍車をかけている。

調整を間違えたとしか思えないミニゲームの難易度

  • ボス戦の後にミニゲームを行うのだが、このミニゲームがまた鬼畜。一度でも失敗すると問答無用のゲームオーバー。
    • クリアに必要な連打速度が多めに設定されており、連射パッドがないとクリアはほぼ不可能。
      • GB用の連射パッドは存在しないので、他機種の連射パッドで代用する事となる。故に連射パッドでのプレイは『スーパーゲームボーイとSFC本体』か『GBプレイヤーとGC本体』が必須(が、現在では本体はともかく連射パッドの入手は厳しい……特にGC用連射パッドは小さくて操作しにくいものか任天堂非公認の質の悪いものしかない)。
      • それらが無い場合はピンポン玉や定規、最悪爪を使うコスり連射をやるしかない。
    • 何故か1面と2面のボスミニゲームが両方Aボタン連打ゲー。差別化すらしていないのでは手抜きと思われても仕方ない。
    • 4面はなんとミニゲームが3回もある鬼畜仕様。当然ながら一つでも失敗するとゲームオーバー。
    • ラスボスはもぐら叩き。ボスが出てくる場所をレーダーが示してくれるのだが、「←(画面左)」「↑(画面中央)」「→(画面右)」の表示のみで、そのレーダーを頼りに勘で攻撃するしかない。ちなみにボスのHPは30。10ダメージ与えてからボスの速度が大幅に上昇し、攻撃が当てづらくなる。
      • そして厄介なのが、こちらにダメージが入る条件が「ラスボスが一定距離を移動するまたは画面端まで移動する」ことである。これにより、「出現した瞬間ダメージ」でハメられてゲームオーバーも珍しくない。
  • おざなりにも程があるグラフィック
    • グラフィックが単調。91年に同じくGBで発売された、『がんばれゴエモン ~さらわれたエビス丸~』と比べても進化に乏しい。
  • シリーズ屈指の人気キャラ、ヤエちゃんの扱い
    • ステージ1クリア後にドクロ男爵に捕まってしまう為、プレイヤーキャラとして使用不可能。
    • それだけならまだしも、終盤で何の脈絡もなくドクロ男爵から逃げてくるというお粗末な展開を迎える。これではストーリーの盛り上げ役にもならない。

評価点

  • クソゲーの最後の砦、BGMは良曲が多い
    • ステージのBGMは各ステージごとに異なったものが用意されている上、ゴエモンらしい江戸の雰囲気を醸し出しているBGMが多く好評。
    • ただし例外もある。具体的にはミニゲーム時のBGMと、会話シーンなどのBGM。

総評

97年発売という事実が信じられない程にしょぼい出来栄えのため、ゴエモンファンからは即黒歴史に認定された曰く付きの一作。

GB初期どころかFC初期の時代からまるで進歩していないと思わざるを得ないほどに、シナリオもシステムもグラフィックも何もかもが低レベル。
その頃のアクションゲームにはあまり無かったセーブ可能という利点を除いたら、FC時代の作品とほぼ同等、いや、製作スタッフの意識の低さやシリーズへの愛の無さを考慮するに「FC時代の作品にすら及ばない」と断じて然るべき作品である。



配信

  • 何を血迷ったのか『きらきら道中』以降のメインタイトルを差し置いて、ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールで販売されている。本作よりも配信すべき作品は幾らでもあるだろうに…。

余談

  • コミックボンボンにて帯ひろ志氏によって本作の読みきり漫画が掲載されていたが、ラスボスは袋叩きにされるだけの雑魚になっていたりなど、非常にあっさりした内容であった。流石の帯氏でも本作を面白く昇華させるのは難しかったようだ。
    • コミックボンボンの攻略記事においては、「ピンポン玉がないと連打が苦しい。なのでピンポン玉を用意しよう!」と根本的におかしい事が書かれている始末である。また、同誌で漫画版ゴエモンを描いていることで有名な帯ひろ志氏が、その攻略記事の端でピンポン玉で必死の形相で擦りまくって連打をするゴエモンとサスケというイラストを描いている。
  • ゴエモンシリーズは海外で発売されている作品がとても少ないのだが、この作品は『Mystical Ninja Starring Goemon』というタイトルで海外でも発売されている。他に発売されている作品3作が、『がんばれゴエモン ~ゆき姫救出絵巻~』『がんばれゴエモン ~ネオ桃山幕府のおどり~』『がんばれゴエモン ~でろでろ道中 オバケてんこ盛り~』と良作揃いの中、何故この作品が発売されてしまったのかは不明である。
    • ちなみに『ネオ桃山幕府のおどり』の海外版タイトルも『Mystical Ninja Starring Goemon』であり、本作のタイトルとかぶってしまっている。